英語能力指数ランキング2025とラテンアメリカ
- Wakana Iwata
- 2 時間前
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★★この記事は執筆者の許可を得て伯学コラムに掲載させて頂きます。★★
執筆者:桜井 悌司 氏(ラテンアメリカ協会顧問)
「はじめに」
2025年11月19日、スイスに本拠を置く語学学校運営企業であるEFエデュケーション・ファースト社は「英語能力指数ランキング2025」(EF English Proficiency Index)を発表した。この調査は、英語を母国語としない国・地域123ヶ国・地域(昨年は116)を対象とする調査で、世界全体の約220万人が参加した。2011年以降毎年公表しており、今回が第15回目である。EF社のオンラインで無料公開している英語力測定テストEF SET (Standard English Test)と「EF Placement Test」の前年受験データをもとに非英語圏の国・地域の英語能力を追跡調査したものである。調査手法等につき、一部の言語学者から問題提起・批判がなされているが、英語力における日本の位置づけを考える上で大いに参考になろう。
対象国の英語能力を「非常に高い」(Very High Proficiency、800点満点中600点以上)、「高い」(High Proficiency、550点~599点)、「標準的」(Moderate Proficiency、500点~549点)、「低い」(Low Proficiency、450点~499点)、「非常に低い」(Very Low Proficiency、450点以下)という5段階に分けてランク付けをしている。
表1は、2025年の調査の結果である。「非常に高い」国・地域にランクされているのは、オランダ、クロアチア、オーストリア、ドイツ、ノルウエー等15ヶ国・地域(昨年9、以下同じ)、「高い」国は17ヶ国・地域(22)、「標準的」な国は、32ヶ国・地域(30)、「低い」国は、30ヶ国・地域(31)、「非常に低い」国は、29ヶ国・地域(24)となっている。非常に高い国は、6ヶ国、非常に低い国も5ヶ国増加した。世界における英語力格差の拡大が理解できる。
日本は、総合点446点で世界第96位にランクされ、昨年比、総合点で8点、順位で4位下げた。また昨年は、「低い」に分類されていたが、今回は「非常に低い」な格下げとなった。共同通信は、日本の課題として「話す・書く力」を挙げており、日本国内の都市と地方の英語格差が顕著になっていると指摘している。
表1を見ると、大まかな傾向が判明する。
*欧州諸国は総じて、得点及びランクが高い。
*アジアは、マレーシアとフィリピンを除き、「標準的」、「低い国」、「非常に低い国」に入っている
*国連の公用語であるフランス語、アラビア語、ロシア語を話す国のランクは総じて低い。世界で使用されている有力言語の国々は、強い言語ゆえに英語に頼らなくてもよいということからきているものと考えられる。
表1 調査対象国116ヶ国の格付け


「ラテンアメリカにおける英語能力指数ランキングの現状」
次に、ラテンアメリカ諸国での英語能力ランキングと得点をみてみよう。カリブ海諸国の多くは英語を母国語とするので対象ではないこともあり、今回の調査では、20ヶ国(昨年21ヶ国)が対象である。表2の「ラテンアメリカにおける英語能力指数ランキング2025」では、ラテンアメリカの調査対象国の過去3年にわたる世界順位と得点の推移、英語力熟達度を紹介している。長年、筆者もラテンアメリカでは英語がなかなか通じないという先入観を持っていたが、この調査結果をみると、イメージが少し変わってくる。日本は123ヶ国中96位であるが、ラテンアメリカの調査対象国20か国のうち、ハイチ、メキシコを除くすべての国が日本のランクを上回っている。
アルゼンチンとホンジュラスの2ヶ国(昨年2)が「高い熟達度」の国にランクされている。昨年、スリナムがこのカテゴリーにランクされていたが、今回は調査の対象ではなかった。続いて、ウルグアイ、パラグアイ、エルサルバドル等12ヶ国(昨年13)が「標準的能力」に分類されている。ラテンアメリカの大国のコロンビア、ブラジル等4ヶ国(昨年5)は「低い」格付けに位置する。バイリンガルと言われているパナマも「低い」位置づけである。メキシコとハイチの2ヶ国(昨年1)は「非常に低い」国に分類されている。
下記表3の2025年と2024年によって過去1年間のランクと得点の推移をみよう。2025年と2024年を比較すると、7ヶ国がランクを順位を上昇させており、12ヶ国が下落している。1ヶ国は変化なしとなっている。急激にランクと得点を上げている国は、エルサルバドル(+8位、+10点)、ブラジル(+6位、+16点)、ベネズエラ(+6位、+10点)である。反対に急激にランクと得点を下げている国は、メキシコ(-16位、19点)とコスタリカ(-14位、-18点)である。
また同調査では、国別の「読む力」(Reading)、「書く力」(Writing)、「話す力」(Speaking)、「聞く力」(Listening)の得点とそれぞれの国のTop RegionとTop Cityを紹介している。例えば、トップのアルゼンチンの場合、「読む力」592点、「書く力」526点、「話す力」489点、「聞く力」565点、Top Regionは、Neuquenで586点、Top Cityは、Mar de la Plataで597点となっている。
表2 ラテンアメリカにおける英語能力指数ランキング2025

表3 2025年調査と2024年調査の比較

過去における同類の調査は下記の通りである。
「英語能力指数ランキング2024とラテンアメリカ」2024年12月



