2026年3月 ブラジル関連情報
- 4月17日
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2026年3月ブラジル関連情報
1.ルーラ政権
(1)サンタナ教育相は26日、2025年度学校基本調査の結果を発表した際、「15歳から17歳の年齢層における就学率が2019年の89%から93.2%に上昇したのは、中等教育支援プログラム「Pé-de-Meia」のお陰である。同プログラムにより、高校生の中退率が減少し、高卒者の数が増えるであろう」と述べた。(2月27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)26日までにミナスジェライス州南部の洪水及び土砂崩れによる死者は、64名に上った。バルバーリョ・フィーリョ都市相は、「連邦政府は、住居を失った被災者に対し、1世帯当たり20万レアルを供与する」と表明。ルーラ大統領は27日、「ミナスジェライス州の災害対策には、成長加速化プログラム(PAC)から35億レアルが供出されることになっていたが、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)は、計画書等の必要書類を提出しなかった」と批判した。(2月27日及び28日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)貿易審議会(Camex)が1月末に電子機器、通信機器、クレーン、産業用ロボット等の機器1千品目以上に対して輸入関税を引き上げたところ、業界団体がこれに猛反発した他、SNS上でも政府に対する批判で溢れた。これを受け、政府は27日、ノートパソコンやスマートフォン等の電子機器15品目に対する関税引き上げを断念し、他の105品目に関しては120日間に亘って税率をゼロにすることを発表した。政府は、この関税の引き上げにより、140億レアル相当の増収を見込んでいた。(2月28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.ボルソナーロ前大統領の収監
(1)1日、ボルソナーロ派がサンパウロ、リオデジャネイロ、ブラジリア等の主要都市において「目覚めよ、ブラジル(Acorda Brasil)」と称するデモを行い、ボルソナーロ前大統領の恩赦及び釈放、並びにマスター銀行の不正疑惑への関与が疑われている連邦最高裁判所(STF)のトフォリ及びモラエス両判事の弾劾を要求した。サンパウロのデモには、呼びかけ人のニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)の他、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)、ヌネス・サンパウロ市長(MDB)、福音派のマラファイア牧師等、右派の代表が揃い踏みした。フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)は、ドイツ公式訪問中で参加できなかった。フラヴィオ・ボルソナーロは、「最高裁は我々の標的ではないが、我々は法に触れた最高裁判事の弾劾を支持している。次の選挙では右派の上院議員を当選させ、上院の過半数を占めることで、最高裁判事の弾劾を可能にすることが重要である」と述べた。また、フラヴィオは、「ルーラは賞味期限が切れた商品である。最早、誰も腐ったピカーニャ(牛肉の部位。イチボ)とビールを飲み下すことはできない。我々は、伯が繁栄の道に立ち戻るためのプロジェクトを提示する。PT政権はこれまでにもメンサロンやペトロブラス社の汚職事件を引き起こし、今も年金詐取疑惑に関与している。誰も、ルーラ政権が更に4年間続くことを望んでいない」と述べ、大統領選に向けて右派の結束を呼び掛けた。更に、フラヴィオは、アダッジ財務相のことを「Taxad(税金とアダッジを掛け合わせた造語)」と呼び、経済担当大臣には再びパウロ・ゲデス(ボルソナーロ政権の経済相)を起用すべきと主張した。ドローンとAIを使った調査によると、サンパウロのデモには約2万人が参加した。これは、昨年9月7日の恩赦要求デモの4.24万人の半分弱である。リオデジャネイロの参加者は、4.7千人で、昨年9月の4万人を大きく下回った。(3月2日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びコレイオ・ブラジリエンセ)
(2)モラエス・STF判事は2日、ボルソナーロ前大統領の自宅軟禁を求める弁護団の申立を却下した。同判事は、「前大統領は、医療班による対応を24時間体制で受けられる状況にあり、また、ボルソナーロの侍医も自由に監房にアクセスできるため、(自宅軟禁には)当たらない」と主張。(3月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.マスター銀行の破綻
(1)国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)は26日、ルーラ大統領の長男(ファビオ・ルイス・ルーラ・ダ・シルヴァ。通称ルリーニャ)の銀行口座及び税務に関する情報開示を決定した。ルリーニャは、友人の実業家(ロベルタ・ルックシンガーを介して年金詐取事件の中心人物(INSSのハゲこと、アントニオ・カミーロ・アントゥネス)から月30万レアルの「小遣い」を受け取っていたとされている。与党は、アルコルンブレ上院議長に対し、右決定の無効化を求めた。尚、メンドンサ・STF判事は、CPMIがルリーニャの情報開示について決定する前に、連邦警察の求めにより、ルリーニャの銀行口座、税務及び通信に関する情報開示を決定した。CPMI委員長のカルロス・ヴィアナ上院議員(Podemos-MG)は27日、金融活動監視委員会(Coaf)に対し、5日以内にルリーニャの銀行口座及び税務に関する情報を提供するよう命じた。(2月27日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領の長男(ルリーニャ)が周囲に対し、「INSSのハゲ」こと、アントニオ・カミーロ・アントゥネスと共にポルトガルに渡航し、医療大麻の工場を視察したと述べていたことが判明。旅費(ビジネスクラスの航空券と宿泊費)はアントゥネスが負担したとされている。ルリーニャの顧問弁護士(ギリェルメ・スギモト)は、「ルリーニャがINSSの不正に関与したり、アントゥネスから金銭を受け取っていた事実はない」と主張。尚、2日、INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)では、アントゥネスの元秘書の参考人招致が行われた。元秘書は、アントゥネスがPTのマーケッティングを担当していた女性(ダニエーレ・ミランダ・フォンテレス)に500万レアルを振り込んでいた件に関し、「アントゥネスは、フォンテレスがバイア州トランコーゾに所有していた別荘の購入について交渉していた。自分は昨年初頭にアントゥネスと共にその別荘を訪れたが、その時点で既に取引が成立していたかどうかについては承知していない」と述べた。フォンテレスは、週刊Vejaの取材に対し、「(500万レアルは)別荘の購入代金の一部として受け取ったが、その後、自分の銀行口座が捜査当局によって凍結されたため、取引は成立しなかった」と述べた。(3月3日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(3)組織犯罪に関する議会合同調査委員会(CPMI)は、トフォリ・STF判事の兄弟の証人喚問を行うことを決定したが、メンドンサ・STF判事は26日、「兄弟は捜査対象者に過ぎず、自身に不利な証拠を提供しない権利がある」として、証人喚問に応じる義務はないと決定した。兄弟は、Maridt Participações社を経営しており、トフォリ判事も株主の一人である。同社は、タヤヤー・アクア・リゾートの株式の33%を所有していたが、これをダニエル・ヴォルカロ頭取の義弟に高額で売却した。その前にマスター銀行は、同リゾートに3500万レアルを提供していた。尚、メンドンサ判事は、ダニエル・ヴォルカロ頭取の義弟(ファビアノ・ゼッテル)も組織犯罪に関する議会調査委員会の証人喚問に応じる義務はないと決定した。更に同判事は2日、カンポス・ネット前中銀総裁も同CPIの証人喚問に出席する義務はないと決定した。(2月27日~3月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)メンデス・STF判事は27日、トフォリ判事の兄弟が経営するMaridt Participações社の銀行口座及び税務の情報開示を認めたメンドンサ判事の仮処分決定を差し止めた。組織犯罪に関する議会調査委員会は、同委員会の調査活動に対する干渉であると反発。(2月28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同委員会(CPMI)のカルロス・ヴィアナ委員長(上院議員。Podemos-MG)は2日、「同CPMIは、年金受給者を対象とする貸付制度(empréstimo consignado)を利用した不正疑惑に関するデータだけではなく、ダニエル・ヴォルカロ頭取の機密情報(銀行口座、税務、通信)全てに対してアクセスしなければならない。メンドンサ・STF判事の決定(アルコルンブレ上院議長が保管しているデータをCPMIに提出する)には、貸付制度のデータに限定するとは書かれていない」と述べた。CPMIは昨年12月、ヴォルカロの銀行口座等に関する情報開示を決定したが、連邦警察は、データをアルコルンブレ議長に提出し、CPMIには渡さなかった。ロドリゲス連邦警察長官がヴィアナ委員長に伝えたところによると、メンドンサ判事の事務方がCPMIには貸付制度に関する情報だけを渡すよう、指示を出したことになっている。(3月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.連邦議会
治安対策に関する憲法改正案(PEC da Segurança)の報告官を務めるメンドンサ・フィーリョ下院議員(ユニオン・ブラジル-PE)は2日、与党の反対にも拘らず、2028年に刑事責任年齢(現在は18歳)の引き下げに関して国民投票を実施することを同PECに追加した。同報告官は、アルゼンチン議会で刑事責任年齢の引き下げ(16歳から14歳)が可決されたことを挙げ、刑事責任年齢の引き下げは世界的な傾向であると主張。尚、伯政府は、国連の推奨する刑事責任年齢(18歳)を採用している。また、メンドンサ・フィーリョの報告書には、閉鎖型の刑事施設から半開放型・開放型の刑事施設への「処遇の累進制度」の制限(凶悪犯、並びに未成年や女性や高齢者に対する犯罪で有罪になった受刑者には制限を課す)も盛り込まれることとなった。(3月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.司法
連邦最高裁判所(STF)は、ディーノ判事とメンデス判事が仮処分決定により、公務員の所謂「penduricalhos」と呼ばれる手当の支給を60日間に亘って差し止めたにも拘わらず、各地の司法機関が「penduricalhos」の支給を継続し、中には、新たな「penduricalhos」を導入するケースが相次いでいることに驚愕している。ファキン・STF長官は、右仮処分決定の大法廷における審理を3月25日に行うことを決定。メンデス判事は、「最高裁の仮処分決定を無視する者は罰せられる。また、「penduricalhos」が違法と判断されれば、受け取った者は払い戻さなければならない」と警告している。(2月27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.2026年選挙
(1)アダッジ財務相は最近、周囲に対し、サンパウロ州知事選出馬の可能性を仄めかしている。26日、アダッジは、ルーラ大統領との夕食会に出席する前、記者団に対し、「サンパウロ州知事出馬についてはまだ決めていない。インド及び韓国訪問の際、ルーラ大統領とその件について話し合ったことはない」と述べた。現時点では、サンパウロ州においては、アダッジ(PT)が与党連合の州知事候補となり、マリナ・シルヴァ環境相(REDE)とテベチ企画予算相(MDB)が上院議員選に出馬する可能性が高いと見られている。アダッジが現職のフレイタス知事に勝てる可能性は低いが、PT内では、ルーラがサンパウロ州でより多くの票を獲得するためには、アダッジのような強力な知事候補を擁立する必要があるとされている。(2月27日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)サンタナ教育相(PT)は24日、フォーリャ・デ・サンパウロ紙とのインタビューに応じた際、「大統領選は、(ルーラとフラヴィオ・ボルソナーロの)二極化の様相を呈しており、選挙に勝つためには、中道派勢力と選挙協力を行う必要がある。今のところ、ルーラ大統領の副大統領候補はアルキミン副大統領(PSB)であるが、PTがMDBと連合を組むのであれば、同党のレナン・フィーリョ運輸相かバルバーリョ・パラー州知事を副大統領候補に指名する可能性がある」と述べた。尚、MDBのミシェル・テメルをルセーフ元大統領(PT)の副大統領に選んだことがその弾劾に繋がったとされていることに関しては、「確かにそうであるが、それでも、MDBとの選挙協力を拒む理由にはならない」と述べた。(2月27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は27日、サンパウロ州議会の式典(ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首の表彰式)に出席した際、フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)と会談した。会談後、フラヴィオは、「フレイタス知事は、自分(フラヴィオ)のためにサンパウロ州における選挙対策本部長を買って出てくれた」と述べた。フレイタス知事は、式典の席上でフラヴィオのことを「将来の大統領」と呼んだ。尚、フラヴィオは、サンパウロ州の上院議員候補についてはフレイタス知事と相談して決めると述べた。(2月28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)が各州の上院議員選挙に関して記したメモがリークされ、話題を呼んでいる。それによると、各地における候補者の人選では、ボルソナーロ親子と親密度の高い政治家が優先されている。例えば、サンタカタリナ州では、カルロス・ボルソナーロ(PL)とカロリーネ・デ・トニ下院議員(PL-SC)を擁立し、エスペリジャン・アミン上院議員(PP-SC)は、ボルソナーロ派でありながら、脇に追いやられた形となっている。パラナ州では、ボルソナーロ派のクリスチーナ・グラミル(Podemos。2024年のクリチバ市長選に出馬したが、決選投票で敗れた)が上院議員選に出馬する予定であるが、フラヴィオのメモには、「グラミルの出馬は、PLのフィリペ・バーホス下院議員の上院議員選出馬の邪魔になる」と記されており、波紋を呼んでいる。(3月2日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)は1日、ボルソナーロ前大統領による手書きの書簡をXに投稿した。それによると、ボルソナーロは、一部の右派がミシェーレ前大統領夫人と(ニコラス・フェヘイラのような)ボルソナーロ派議員を批判していることを遺憾とし、右派に団結を呼びかけると共に、ミシェーレ夫人には、3月26日まで政治活動を控えるよう、求めている。ミシェーレ夫人(PL)は、連邦直轄区から上院議員に立候補する予定。(3月2日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)選挙高等裁判所(TSE)は2日、投票日の72時間前から24時間後にかけて、生成AIによって新規に作成された又は改変された選挙関係のコンテンツ(画像や画像等)を公開することを禁止した。また、選挙の宣伝に使用する際には、生成AIによって作成されたことと、使用されたAIを明記することが義務付けられた。ヌネス・マルケス・TSE長官によると、投票日の前後に生成AIによって作成された動画等の使用を規制するのは、「選挙プロセスの最もクリティカルな局面において望ましくないサプライズが発生するのを防ぐため」である。TSEは、上記の規則に違反するコンテンツが公開された場合、プロバイダーが即座に削除に応じなければ、連帯責任に問われるとしている。(3月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)サンパウロ等、16の州のMDB支部は2日、ロッシ・MDB党首に対し、「MDBは、大統領選では中立の立場を守り、PTとは選挙協力を行うべきではない」との書簡を提出した。26州及び連邦直轄区の内、16の州がPTとの選挙協力に反対しており、ルーラ大統領の再選を支持する勢力はMDB党内では少数派であることが浮き彫りになった。尚、PTでは、MDBと連合を組み、MDBの政治家をルーラの副大統領候補に指名すべきとの声が高まっている。(3月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(8)PSDのラチーニョ・Jr・パラナ州知事とレイテ・リオグランデ・ド・スル州知事は、大統領選に出馬した場合、それぞれの地元における主導権をボルソナーロ派に奪われる恐れがある。パラナ州知事選に関しては、セルジオ・モーロ上院議員(ユニオン・ブラジル-PR)が優勢であるが、PSDでは知事候補が乱立しており、ラチーニョは、後継の知事候補を決めかねている。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、既にパラナ州ではPSDとの選挙協力を解消し、セルジオ・モロを支持することにしている。リオグランデ・ド・スル州では、ボルソナーロ派のルシアーノ・ズッコ下院議員(PL-RS)が優勢で、これを左派(PT及びPDT)が追う展開となっているが、レイテ知事は、有力な後継候補を擁立できないでいる。PSDの知事3名の内、最も安泰なのは、カイアド・ゴイアス州知事(ユニオン・ブラジル)である。ゴイアス州では、カイアド知事の推すヴィレラ副知事(MDB)が世論調査ではリードしている。PLは、ヴィレラを支持するか、または独自候補(PLのウィルデル・モライス上院議員)を擁立する方向で検討中。(3月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.外交
(1)伯外務省は28日、米国とイスラエルがイランを攻撃した件に関し、「攻撃は、伯が平和のための唯一の道として伝統的に主張してきた外交交渉の最中に行われており、伯政府はこれを非難すると共に、中東情勢に対して深い懸念を表明する。紛争の当事者には、国際法の遵守と最大限の抑制を求める」との声明を発表した。ルーラ大統領は、本件について直接コメントすることはなかったが、アルキミン副大統領は、「伯は、平和のプロモーターであり、伯外交は、平和を守るために取り組んでいる」と述べ、伯が米国とイランのどちらの側につくのかについては明言しなかった。ホフマン大統領府政治調整庁長官(PT)は、「トランプとネタニヤフのイランに対する攻撃は、世界の平和と安定を脅かしている。民間人に対する攻撃は、正当化できない。無責任且つ権威主義的な攻撃であり、非難すべきものである」と批判。尚、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、「伯外務省の声明は受け入れ難い。イランを支持することは、この紛争に関して伯を間違った側につかせることになる。伯は、モラルの面で間違っている側に加担すべきではない。伯政府の姿勢は、テロ支援国家であるイランを正当化するものである。伯は、地域紛争に関与する必要はなく、当事国でもないのに何らかの役割を買って出るべきではない」との批判をSNSに投稿した。(3月1日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)アモリン大統領特別補佐官(元外相)は2日、「米国とイスラエルのイランに対する攻撃により、状況はコントロール不能となっている。(この攻撃に)分別などない。この紛争の伯と世界に対する影響を推し量るのは困難であるが、この戦争が(米国の)楽勝に終わらないことは確かである。一国のリーダーを殺害するのは非難すべきことであり、受け入れ難いことである。我々は最悪の事態に備えなければならない」と述べた。尚、ルーラ大統領は、今月15日から17日にかけて訪米する見込みであったが、今回の紛争により、訪米が実現するのかは不透明な状況にある。先週金曜(2月27日)の時点では、トランプ米大統領は、「喜んでルーラをホワイトハウスに迎えたい」と述べていた。コスタ文官長は、「そもそも、(訪米の)日程は決まっていないので、延期するだの、しないなどと言うことはできない」と述べた。(3月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ネコウナン駐伯イラン大使は、伯の記者団に対し、「我々は戦争の渦中にある。米国とシオニスト政権は、(核)交渉を利用して我国に対する攻撃を開始した。我国は、国民を守るため、自衛権を行使することを厭わない。伯政府が米国とシオニスト政権の攻撃を非難してくれたことに感謝する。伯政府の反応は価値があるものであった」と述べた。(3月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)アダッジ財務相は2日、「財務省は、(米国とイランの)紛争を注視しているが、紛争のマクロ経済に対する影響について評価するのは時期尚早である。紛争がエスカレートするのかも含めて事態の進展を見守り、経済情勢が悪化した場合に備えることにしている。伯は、世界の平和と安定を望んでおり、(紛争の悪化により)輸出の拡大等により利益を得ることは考えていない」と述べた。(3月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
(1)アルコルンブレ上院議長は3日、ルーラ大統領の長男(通称ルリーニャ)の銀行口座及び税務に関する情報開示に関し、「情報開示は、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)によって決定されたが、その際に行われた採決では賛成(16)が過半数に達したため(反対は14)、右決定は有効である」と発表した。ランドルフェ・ロドリゲス政府国会院内総務(PT)は、「同議長の決定を受け入れる」と表明。野党が勝利を収めた形となったが、野党が他にも要請していた、CPMIの延期(60日間)に関する発表はなかった。ルリーニャは、INSS事件の中心人物とされる「INSSのハゲ」ことアントニオ・カミーロ・アントゥネスから月30万レアルの「小遣い(mesada)」を受け取っていたとされる。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ディーノ・STF判事は4日、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)がルーラ大統領の長男(ルリーニャ)の友人であり、実業家のロベルタ・ルックシンゲル氏の銀行口座及び税務に関する情報開示を決定した件に関し、弁護団の主張(CPMIが87名分の情報開示について一度にまとめて採決を行ったのは違法である。採決は、対象者一人一人に対して行われるべきであった)を受け入れ、ルックシンゲルに関してのみCPMIの決定を差し止めるとの仮処分決定を行った。これに対し、ルリーニャも情報開示の差し止めを求める構え。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の破綻
(1)ボルソナーロ派のニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)が2022年大統領選決選投票の際、ダニエル・ヴォルカロ元頭取が所有していた会社のビジネスジェット機を使って、ボルソナーロ大統領(当時)のために遊説行脚をしていたことが判明。フェヘイラは3日、「(福音派の)ラゴイーニャ教会(ヴォルカロの義弟(ファビアーノ・ゼッテル)も同教会の牧師である)のバチスタ牧師に誘われて遊説を行ったが、その際に使用された航空機がヴォルカノの物であるとは知らなかった。自分は、ヴォルカノとは面識がなく、握手をしたこともなければ、彼やマスター銀行と取引をしたこともない」と反論した。ロジェ―リオ・コヘイア下院議員(PT-MG)は、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)において、フェヘイラの証人喚問を求めたが、カルロス・ヴィアナ・CPMI委員長(Podemos-MG)から却下された。尚、ヴォルカノの弁護団は、件のジェット機の所有者がヴォルカノであることを否定した。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)3日、連邦直轄区(DF)議会において、マスター銀行の買収に乗り出して多額の損害を被ったブラジリア銀行(BRB)の救済案が賛成14、反対10により可決された。これは、連邦直轄区の所有する土地を担保にして資金を調達し、同銀行に66億レアルを投入するというものである。BRBは、マスター銀行を買収する前提で同銀行に167億レアルを投入したが、その内の120億レアルは不良債権化した証券の購入に使われ、回収不能となっている。チアゴ・マンゾーニ連邦直轄区議会議員(PL)は、与党側でありながら、救済案に反対した。そのため、イバネイス・DF知事は4日、同議員の推薦により政治任用された職員3名を更迭した。(4日及び5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)連邦警察は4日、マスター銀行の不正疑惑に関する強制捜査「コンプライアンス・ゼロ作戦」の第3フェーズを実施し、ダニエル・ヴォルカロ頭取、その義弟のファビアーノ・ゼッテル、ヴォルカロのために便宜を図っていたとされる中銀職員2名、ヴォルカロの指示により、マスター銀行に敵対する勢力の監視や脅迫を行っていた実行犯2名等を脅迫、汚職、ハッキング等の容疑で逮捕した。逮捕状によると、一味は、敵対勢力に対して暴力や脅迫に訴える非常に危険な犯罪組織であり、身柄を拘束しなければ、捜査に支障をきたす恐れがある。実際、ヴォルカロ自身、マスター銀行にとって不利な記事を掲載しようとしたオ・グローボ紙のジャーナリストを「強盗に見せかけて、歯を全部折る」よう、配下の実行役に指示を出していた。実行役の一人であり、ヴォルカノの「殺し屋(スペイン語のSicário)」と称されていた男は、逮捕後、警察署内で首つり自殺を図り、病院に搬送されたが、脳死と診断された。また、ヴォルカロは、「殺し屋」に命じ、連邦検察庁、FBI、国際刑事機構等のコンピュータシステムにハッキングをかけ、捜査資料を入手しようとしていた。「殺し屋」は、ヴォルカロから毎月100万レアルを受け取っていた模様。また、連邦警察は、ヴォルカロが父親名義の口座を使って22億レアル相当の資産隠しを行っていたことを突き止めた。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(4)メンドンサ・STF判事は4日、「コンプライアンス・ゼロ作戦」により逮捕された中銀職員2名(パウロ・セルジオ・デ・ソウザ元監査局長とベリーニ・サンタナ元銀行監督局長)の職務停止を命じた。両者は、中銀において、ヴォルカノ元頭取の意のままに、マスター銀行のために便宜を図っていたとされる。両者は、マスター銀行の裁判外清算(昨年11月)の際も同銀行のために暗躍していた模様。また、両者は、ヴォルカロから現金を受け取っていた。メンドンサ判事によると、両者は、まるで「ヴォルカロ元頭取のプライベートな顧問」であるかのように振舞っていた。パウロ・セルジオ・デ・リマが中銀監査局長を務めたのは、2019年から2023年(ボルソナーロ政権の1年目からルーラ政権の1年目)にかけてのことである。マスター銀行は、2019年の創立から僅か数年間で急成長を遂げた。ホフマン大統領府政治調整庁長官(PT)は、「当時のカンポス・ネット中銀総裁がヴォルカロの不正に対して何もしなかったのは何故か? ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)は、2022年の選挙ではヴォルカロの飛行機を使ってボルソナーロ前大統領の応援を行っていた。ヴォルカロの一味は、ボルソナーロやフェヘイラのような極右勢力と繋がっている」と批判した。PTは、カンポス・ネット前中銀総裁を槍玉に上げることにより、マスター銀行による不正の責任はボルソナーロ政権にあると印象付けることで、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)を追い落とそうとしている。(5日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びコレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ダニエル・ヴォルカロ元頭取が昨年4月、交際相手との通話の中で「これから家の近くでモラエス・STF判事と会うことになっている」と告げていたことが判明。モラエス判事は、取材に対し、何も答えなかった。(5日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
3.連邦議会
(1)3日、下院において、連邦検察庁(MPU)職員の賃上げ(8%)と、国家司法審議会(CNJ)の職員増員(240名)が承認された。賃上げによる人件費の増加は、本年だけで2億レアルに上る。CNJの増員にかかる費用は3090万レアル。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)2日、下院において、「強制的失踪罪創設法案」が可決され、上院に上程された。これは、公務員又は国家機関の許可を得た者が被害者を強制的に連行し、監禁等により自由を奪う行為とされ、被害者が解放されるか、その居場所(遺体を遺棄した場所を含む)が判明するまで、公訴時効は進行しないというものであり、これが成立すれば、軍事政権の人権侵害(政治犯の拉致及び殺害)に適用され得ると見られている。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)4日、上院において、EU・メルコスール・FTAが全会一致で可決され、伯における批准手続が完了した。あとは、大統領の署名を残すのみで、5月1日には同FTAが発効すると見られている。メルコスール諸国では、伯を含む3ヵ国で批准手続が完了している。これにより、消費者7.18億人、GDPの合計224兆米ドルの巨大市場が誕生する。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)4日、下院において、治安対策に関する憲法改正案(PEC da Segurança)が賛成461、反対14により可決され、上院に上程された。同改正案は、連邦警察と地方の治安機関(文民警察、軍警察、消防署及び市警備隊)の連携強化を図ることを主眼としている。尚、刑事責任年齢の引き下げ(現行の18歳から16歳)に関して国民投票を実施するとの修正案は削除された。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)4日、上院において、父親の育児休暇を現在の5日から2030年までに20日に引き上げるとの法案が可決され、大統領の裁可に付された。育休期間中の給与は「父親育児休暇給付金(salário-paternidade)」という形で社会保障から支給される。そのための費用は年間54.4億レアルと推定されている。(5日付オ・エスタード・デ・サンパウロ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
4.司法
(1)連邦最高裁判所(STF),連邦政府及び連邦議会は、公務員の所謂「penduricalhos」と呼ばれる手当を廃止する代わりに公務員給与の上限(現在は4.63万レアル)を引き上げる方向で協議中。尚、国家司法審議会(CNJ)のデータによると、裁判官に対し、過去に遡って「penduricalhos」を支給する所謂「puxadinhos」の金額が2020年には9900億レアルであったのが、昨年は42.9億レアルと4倍に増えていたことが判明。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ディーノ・STF判事は、トランスペアレンシー・インターナショナルの訴えを受け、道路建設等、環境破壊につながる公共事業に「議員割当金(emenda parlamentar)」の予算を使うことは違憲であると決定した。本件では、アマゾナス州タパウアー市の道路建設にオマール・アジス上院議員(PSD-AM)の「議員割当金」が使用された件が取り上げられた。この道路建設は、環境ライセンスを取得しておらず、また、道路が先住民居留区内を横断し、森林を違法伐採していることが問題とされている。(5日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.2026年選挙
(1)選挙高等裁判所(TSE)は2日、ChatGPT、Gemini、Grok等の生成AIチャットボットがユーザーの相談に対して特定の候補者に投票するよう促したり、または特定の候補が有利になるような回答を行うことを禁止した。また、生成AIの作成したコンテンツが違法であることを被害者が立証できない場合、合法であることの立証責任を被告である投稿者乃至プラットフォーム企業に負わせるとの規則も採択された。これらのルールは、今月5日に発表される、「選挙期間中のAI使用に関する規則」にまとめられることになっている。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)サクシダ元鉱山エネルギー相、モンテザノ元国家経済社会開発銀行(BNDES)総裁、マルケス元連邦貯蓄銀行総裁等、ボルソナーロ政権においてゲデス元経済相のチームを構成したエコノミスト達が大統領選ではフラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)を支持することを示唆している。ゲデス本人もフラヴィオと会い、協力を約束しており、フラヴィオは、経済政策に関してはゲデスの路線を踏襲するものと見られている。但し、ゲデスは、周囲に対して「政府には戻りたくない」と漏らしており、フラヴィオが大統領に当選したとしても、経済閣僚に返り咲くことはないと見られている。(2月27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.外交
ルーラ大統領は4日、スペインのサンチェス首相と電話会談を行った際、4月に同国を訪問し、17日にバルセロナで同首相と会談を行った後、翌18日に「民主主義を守るためのグループ」のハイレベル会合に出席することを確認した。この会合は昨年から伯、スペイン、コロンビア、チリ及びウルグアイによって開始された。尚、ルーラとサンチェスは、中東情勢について意見交換を行い、紛争の早期終結、並びに国際法に基づく和平交渉の開始を望むとの点で一致した。また、ルーラは、FAOの地域会合においてスピーチを行った際、各国首脳に対し、平和を追求するよう呼び掛け、軍備よりも飢餓対策を優先すべきであると強調した。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.ダタフォーリャ社の世論調査
(1)ダタフォーリャ社が3月3日から5日にかけて2004人を対象に実施した世論調査の結果は以下の通り。
・ルーラ大統領の支持率:支持47%(昨年12月比2ポイント減)、不支持49%(1ポイント増)。
・ルーラ政権に対する評価:「悪い/非常に悪い」40%(3ポイント増)、「非常に良い/良い」32%(±0)、「普通」26%(4ポイント減)。
(2)ダタフォーリャ社の調査によると、次期大統領選の情勢は以下の通り。
・大統領選(第1回投票):
シナリオ1:ルーラ(PT)39%(2ポイント減)、フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)21%(2ポイント減)、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)11%(±0)、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)5%(2ポイント増)、レナン・サントス(Missão)3%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票15%、分からない4%。
シナリオ2:ルーラ(PT)41%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)32%、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)7%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%、レナン・サントス(Missão)3%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票11%、分からない3%。
シナリオ3:ルーラ(PT)39%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)33%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)5%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)4%、レナン・サントス(Missão)3%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票12%、分からない3%。
シナリオ4:ルーラ(PT)39%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)34%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)3%、レナン・サントス(Missão)3%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票12%、分からない3%。
シナリオ5:フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)33%、アダッジ財務相(PT)21%、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)11%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)5%、レナン・サントス(Missão)4%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票20%、分からない4%。
・大統領選(決選投票):ルーラ(PT)45%(2ポイント減)対フレイタス(Republicanos)42%(±0)、ルーラ(PT)46%(5ポイント減)対フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)43%(7ポイント増)、ルーラ(PT)45%(2ポイント減)対ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)41%(±0)、ルーラ(PT)46%対カイアド・ゴイアス州知事(PSD)36%、ルーラ(PT)46%対レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)34%。ルーラとフラヴィオの差は、前回(昨年12月)の15ポイントから一挙に3ポイントに縮まり、±2ポイントの誤差を考慮すれば、拮抗している。
・拒否率:ルーラ(PT)46%(2ポイント増)、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)45%(7ポイント増)、アダッジ財務相(PT)27%、ラチーニョ・Jr知事(PSD)19%(2ポイント減)、フレイタス知事(Republicanos)18%、ゼマ知事(Novo)17%、レイテ知事(PSD)15%、カイアド知事(PSD)14%。
・リオのカーニバルにおいて、ルーラを称えるためのパレードが行われた件に関しては、回答者の71%が「不適切」と答えたのに対し、「適切」は25%、「分からない」は4%であった。(8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.マスター銀行の破綻
(1)連邦警察は、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の携帯電話を解析中であるが、ヴォルカロが元婚約者(インフルエンサーのマルタ・グラエフ)とのメッセージのやり取りの中で、以下の政治家及びモラエス判事との面会について言及していたことが判明。①シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首。ヴォルカロは、シロ・ノゲイラのことを「大親友」、「人生において最大の友人の一人」と形容していた。また、2024年にシロ・ノゲイラがマスター銀行のような中堅の銀行に対する信用保証基金(FGC)の補償額を1口座当たり25万レアルから100万レアルに引き上げるとの法案を提出したことについても言及)、②ルーラ大統領(2024年12月のルーラとの面談について「非常に良かった」とコメント)、③アントニオ・ルエダ・ユニオン・ブラジル党首(昨年1月に面会)、④モラエス・STF判事(昨年4月に面会)、⑤アルコルンブレ上院議長(昨年8月に上院議長公邸で開かれた夕食会で面会)、⑥モッタ下院議長(昨年2月に同議長との夕食会に出席)、⑥ファウスト・ピナト下院議員(PP-SP。2023年に、ヴォルカロに対し、シロ・ノゲイラも交えて3人でビデオ会議を行うことを提案)、⑦イバネイス連邦直轄区知事(MDB。ヴォルカロは昨年8月、「今、ブラジリアで(イバネイス)知事と会っている。(ブラジリア銀行のマスター銀行買収に関して)戦略を練り上げているところだ。月曜から攻撃に転じる」とコメント)。このように、ヴォルカロが政界及び司法機関の有力者との間に人脈を構築していたことが明らかになった。尚、イバネイス知事は、メッセージが公開された後、「ヴォルカロとは散発的且つ短時間会っただけであり、戦略等について検討したとの事実はない。自分は金融に関しては素人である」と強調した。メンドンサ・STF判事は6日、ヴォルカロの弁護団の申し入れを受け、ヴォルカロと元婚約者の通話内容がリークされた件に関して捜査を行うよう、連邦警察に命令した。(6日及び7日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)メンドンサ・STF判事は5日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取をサンパウロ州の拘置所からブラジリアの連邦刑務所に移送することを決定した。ヴォルカロは、今後20日間に亘って連邦刑務所の独房に収監され、外部とは接触できなくなる。尚、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)のカルロス・ヴィアナ委員長(上院議員。Podemos-MG))は5日、ロドリゲス連邦警察長官に対し、ヴォルカロの右腕で、仲間からは「殺し屋(Sicário)」と呼ばれていたルイス・モウラォンが逮捕後に自殺を図り、脳死を宣告された件に関し、「口封じに殺害された可能性がある」として、真相の究明を求めた。連邦警察は、既に内部調査を開始している。スペインのエル・パイス紙は「ヴォルカロは、多くの秘密を抱えており、伯の政界を揺るがしている。伯では、ヴォルカロが司法取引に応じて洗いざらい自供する可能性に多くの人々が戦々恐々としている」と報道。7日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の右腕で、監視活動や脅迫等の実行犯とされるルイス・モウラォン(通称「Sicário(殺し屋)」の死亡が確認された。モウラォンは、強制捜査「コンプライアンス・ゼロ」の第3フェーズで逮捕された後、留置所内で首つり自殺を図ったとされている。モウラォンの弁護団は、当局の怠慢及び不作為を主張。(6日及び8日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(3)ダニエル・ヴォルカロ元頭取が昨年11月に逮捕される前にモラエス・STF判事と複数回に亘りメッセージのやり取りを行っていたことが判明。メッセージの中には、ヴォルカロが「何かニュースはあるか。ブロックはできたであろうか」との意味深な内容のものも含まれている。モラエス判事のものと見られるメッセージは、自動消去機能を使ったため、見ることができない。モラエス判事のスタッフは6日、「ヴォルカロの携帯電話から抽出されたメッセージは、モラエス判事が当日、受け取ったメッセージには記録されていない。同判事は、メッセージを受け取っておらず、これは、STFを攻撃するための偽情報である」と否定。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ダニエル・ヴォルカロ元頭取がパーティーや旅行に常軌を逸した大金を使っていたことが判明。例えば、豪華ヨットによる地中海クルーズには1千万レアル、娘の誕生日パーティーに1500万レアル、イタリアの古城を借り切って行われた婚約パーティーには2100万レアル、シチリア島で開かれるはずであったヴォルカロの40歳の誕生日パーティーには約2億レアル(その内、1100万米ドルは人気ロックバンド・コールドプレイの出演料)等である。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
(1)5日の国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)では、ルーラ大統領の長男(ルリーニャ)の銀行口座に関する情報の一部が公表された。それによると、2022年1月から本年1月にかけて、ルリーニャの口座には合計977万レアルが振り込まれたのに対し、出金の合計は、975万レアルであった(各紙とも「ルリーニャは1950万レアルを動かしていた」と報道)。その内、父親のルーラ大統領が息子の口座に合計72.13万レアルを振り込んでいたことが判明。これらの情報は、ディーノ・STF判事が手続き上の不備を理由にルリーニャ等、87名の情報開示を差し止める前に公開された。ルリーニャの弁護団は、「入金の殆どは、投資及び事業の収益であり、全て合法である。ルーラからの入金は、遺産の生前譲渡に過ぎない。出金は、債務の返済の他、ルーラが収監されていた時の諸経費の支払いに使われた」と主張。(6日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)6日、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)等のボルソナーロ派がインターネット上において、「ルリーニャがINSSのハゲから金銭を受け取っていたことが証明された」等とルーラ親子を攻撃。これに対し、政府側は、「情報開示されたデータからは、ルリーニャが不正な金品を受け取っていたことは証明されていない」と反論。但し、政府側もルリーニャが2千万レアル近い大金を動かしていたことが公開されたことで、ルーラ大統領が痛手を被るのは必至と見ている。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.ルーラ政権
アルキミン副大統領は5日、「選挙に出馬する関係で、兼任している開発・商工・サービス大臣の職を4月初頭に辞する。法律上は、4月4日までに辞めなければならない。尚、副大統領職については、『公職離脱(desincompatibilização)』のルールの対象外なので、最後まで続ける」と発表した。尚、アルキミンに関しては、副大統領、サンパウロ州知事、または上院議員に立候補する可能性があるが、今のところは未定である。(6日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)の選挙対策本部長に就任することになっているロジェ―リオ・マリーニョ上院議員(PL-RN)は5日、「カンポス・ネット前中銀総裁と新政権の経済政策について話し合っている。我々は、フラヴィオの政策に関するガイドラインを今月30日に発表する。フラヴィオが大統領に当選すれば、新たな年金制度改革と労働法の改正に着手する。また、現行の『新たな財政的枠組み(arcabouço fiscal)』に代わる新しい財政政策を提案することになる」と述べた。尚、同議員は、「経済担当閣僚の人選についてはカンポス・ネット前中銀総裁(現在はNubankのエグゼクティブ)の名前が挙がっているが、現時点では何も決まっていない」と述べた。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)中道派勢力(セントラン)は、マスター銀行の件が長期化する様相を見せていることから、本件が10月の選挙に影響を及ぼす可能性は高いと見ている。そのため、今後の捜査の進展が選挙の結果を左右する可能性も十分にあり、本件を担当するメンドンサ・STF判事が選挙の行方を占う鍵を握ることになると見ている。大統領選に関しては、既にルーラとフラヴィオ・ボルソナーロが拮抗しているとの世論調査が出ていることから、どんな些細なことでも選挙の決め手になりかねないとされている。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ルーラ大統領は6日、パエス・リオデジャネイロ市長(PSD)と共にトンネルの完成式等に出席し、ランニングを行った後、「リオデジャネイロ州知事選では、パエス市長を支持する方向で検討している。リオデジャネイロ州知事にはパエスのようなまじめな人がなるべきである」と述べた。パエスは、州知事選出馬のため、今月20日に辞任する予定。リオ州知事選は、主にパエスとドウグラス・ルアス・リオデジャネイロ州政府都市局長(PL)との間で争われることになる。尚、PTは、ベネジッタ・ダ・シルヴァ下院議員(PT-RJ)をPSD-PT連合の上院議員候補の一人に指名することを望んでいるが、PSDはこれに難色を示している。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)の大統領選出馬により、フラヴィオのリオデジャネイロ州議会議員時代の議員秘書給与詐取(rachadinha)疑惑が再び脚光を浴びている。本件に関する捜査は、捜査当局の入手した証拠が無効化されたため、2024年に打ち切りとなった。検察は、裁判所に対して再捜査を求めたが、昨年9月に却下された。尚、本件に関しては、フラヴィオが口座から現金を引き出すことなく、複数の不動産を現金で購入していたこと等、明らかにされていない点が数多く残されている。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)5日、10月の選挙に向けて、議員が所属政党を変えるための「政党の窓(janela partidária)」の期間がスタートした。所属政党を変えたい議員は、4月4日までに申請を行う必要がある。予想では、Republicanos、PSD及びPodemosが議席を増やし、ユニオン・ブラジルと小政党が減らすと見られている。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(6)レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)は6日、「伯に対するマニフェスト」を発表し、PSDの大統領候補争いに名乗りを上げた。レイテは、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事やカイアド・ゴイアス州知事とPSDの大統領候補の座をかけて争うことになる。レイテは、中道派の候補として、ルーラとボルソナーロの二極化からの脱却を主張すると共に、責任ある財政政策への転換を訴えている。カサビ・PSD党首によると、PSDは、4月中に大統領候補を指名する見込み。(7日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(7)社会主義自由党(PSol)執行部は7日、10月の選挙では、PT-PCdoB—PV連合には加わらないことを決定した。ボウロス大統領府官房長官(PSol)は、PTとの連合を主張したが、反対47、賛成15により否決された。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(8)ダタフォーリャ社の世論調査によると、サンパウロ州知事選の情勢は以下の通り。
・第1回投票:
① シナリオ1:フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)44%、アダッジ財務相(PT)31%、キン・カタギリ下院議員(ユニオン・ブラジル)5%、パウロ・セーハ・サントアンドレ市長(PSDB)5%、フェリペ・ダーヴィラ(Novo)3%、白票/無効票11%、分からない1%。
②シナリオ2:フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)46%、アルキミン副大統領(PSB)26%、パウロ・セーハ・サントアンドレ市長(PSDB)6%、キン・カタギリ下院議員(ユニオン・ブラジル)5%、フェリペ・ダーヴィラ(Novo)3%、白票/無効票13%、分からない2%。
・決選投票:フレイタス知事(Republicanos)52%対アダッジ財務相(PT)37%、フレイタス知事(Republicanos)50%対アルキミン副大統領(PSB)39%。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.ボルソナーロ前大統領の収監
(1)5日、連邦最高裁判所(STF)第1小法廷において、ボルソナーロ前大統領の自宅軟禁を求める弁護団の申立が全会一致で却下された。これにより、ボルソナーロは引き続き、連邦直轄区軍警察第13大隊のPapudinha刑務所に収監されることとなった。決定の際、「ボルソナーロには、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、逆流性食道炎といった持病があるが、何れもコントロール下にある」との診断書が考慮された。(6日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ゴネー検事総長は、「大統領が外国政府等から受け取った贈呈品の取り扱いについて定めた法律はない」として、ボルソナーロ前大統領がサウジアラビア政府から受け取った贈呈品(680万レアル相当の宝飾品セット)を私物化しようとした件に関する捜査の打ち切りを連邦最高裁判所(STF)に対して求めた。これについてはモラエス・STF判事が決定することになっている。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.外交
(1)トランプ米大統領は7日、アルゼンチン、ボリビア、チリ、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル等、中南米の右派政権の首脳をマイアミに招いて「米州の盾」と称するイベントを開催する予定。ホワイトハウスのレーヴィット報道官によると、イベントでは、米州の治安対策、自由及び繁栄について議論が行われることになっている。ルーラ大統領やペトロ・コロンビア大統領等、左派の大統領は招かれなかった。尚、伯は、トランプ大統領の「平和理事会」には招待されたが、未だ返答していない。7日に開催された「米州の盾」では、米国と中南米諸国が麻薬カルテル撲滅のために連携することが決定された。(7日及び8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は、今月中旬に訪米する予定であったが、米イスラエルとイランの紛争により、4月に延期されることになった。但し、米国からは、新たな訪問時期に関する回答はまだない。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)メルコスールは、UAEとの通商協定締結に向けて、上半期中に交渉を前進させたいとしているが、米イスラエルとイランの紛争により、交渉日程がずれ込む可能性がある。一方、先週は、ニュージーランドのピーターズ外相が訪伯し、伯側と二国間貿易と投資の拡大について協議を行った。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.Genial/Quaest社の世論調査
(1)Genial/Quaest社が3月6日から9日にかけて2004人を対象に実施した世論調査の結果は以下の通り。
・ルーラ政権の支持率:支持44%(先月比1ポイント減)、不支持51%(2ポイント増)。
・ルーラ政権に対する評価:「ネガティブ」43%(4ポイント増)、「ポジティブ」31%(2ポイント減)、「普通」25%(1ポイント減)。
(2)ダタフォーリャ社の調査によると、次期大統領選の情勢は以下の通り。
・大統領選(第1回投票):
シナリオ1: ルーラ(PT)37%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)30%、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)7%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3%、レナン・サントス(Missão)1%、アルド・レベロ(DC)1%、白票/無効票16%、態度未定5%。
シナリオ2:ルーラ(PT)36%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)34%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)4%、レナン・サントス(Missão)2%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票17%、態度未定5%。
シナリオ3:ルーラ(PT)36%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)35%、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)3%、レナン・サントス(Missão)2%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票17%、態度未定5%。
シナリオ4: ルーラ(PT)37%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)34%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3%、レナン・サントス(Missão)2%、アルド・レベロ(DC)2%、白票/無効票17%、態度未定5%。
・大統領選(決選投票):
ルーラ(PT)41%(2ポイント減)対フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)41%(3ポイント増)、白票/無効票16%(1ポイント減)、態度未定2%(±0)。ルーラとフラヴィオの差(先月は5ポイント)が無くなり、両者は完全に並んだ。
ルーラ(PT)42%対ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)33%。
ルーラ(PT)42%対カイアド・ゴイアス州知事(PSD)32%。
ルーラ(PT)46%対レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)16%。
ルーラ(PT)44%対ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)34%。
・拒否率:ルーラ(PT)56%(2ポイント増)、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)55%(±0)、ラチーニョ・Jr知事(PSD)38%、レイテ知事(PSD)35%、カイアド知事(PSD)35%、ゼマ知事(Novo)33%。
(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びヴァロール・エコノミコ電子版)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)アレッサンドロ・ヴィエイラ上院議員(MDB—SE)は9日、連邦最高裁判所(STF)のトフォリ及びモラエス両判事がマスター銀行の不正疑惑に関与していたとされる件に関して議会調査委員会(CPI)の設置を求めた。同議員によると、CPIの設置に必要な上院議員27名を上回る35名が署名に応じた。また、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)は、モラエス判事の弾劾手続開始を要請した。本年に入ってから提出されたSTF判事の弾劾要求はこれで10件目である。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ヴィヴィアネ・バルシ・デ・モラエス弁護士(モラエス・STF判事夫人)は9日、自身の経営する法律事務所(Barci de Moraes Sociedade de Advogados)とマスター銀行の法律顧問契約について説明を行った。それによると、同事務所は、2024年2月からマスター銀行の裁判外清算が宣告された昨年11月にかけて、同銀行に対して法律顧問等の業務(会議94回、36の意見書を作成)を提供した。同弁護士は、「連邦最高裁判所(STF)に於いて係争中のマスター銀行関係の訴訟は担当していない」と述べ、倫理上の問題はないと強調した。尚、同事務所は、マスター銀行とは月360万レアルの報酬で3年間の顧問契約(3年間で1.29億レアル)を締結したとされているが、同弁護士は、これらの金額については言及しなかった。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)メンドンサ・STF判事は10日、プレノ銀行(本年2月に裁判外清算を宣告された)の元CEOであるアウグスト・フェヘイラ・リマの人身保護請求を受け、リマには国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)の証人喚問に応じる義務はないと決定した。このため、CPMIは、11日に予定されていた証人喚問を中止した。リマは、マスター銀行と組んで、年金受給者を対象とした貸付制度(empréstimo consignado)に関して不正を行っていたとされる。また、メンドンサ判事は、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の弁護団に対し、監視(録音・録画)抜きでヴォルカロと面会することを許可した。ヴォルカロが収監されているブラジリアの連邦刑務所は、最高レベルのセキュリティであるため、弁護士との面会であっても、録画と録音が義務付けられているが、今回の決定が前例となって、犯罪組織の幹部等にも適用されることが懸念されている。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)11日、組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)において、投資ファンド「Reag」の元経営者であるジョアン・カルロス・マンスールの証人喚問が行われた。マンスールは、「マスター銀行は、Reagの顧客の一つであり、同銀行とReagの関係は、他の金融機関と同様、正常の範囲内であった」と述べ、Reagがマスター銀行と資産隠し等の不正を行っていたことを否定した。また、ReagがPCC等、犯罪組織の資金洗浄に利用されていたことも否定した。Reagは、連邦警察の二つの強制捜査(Carbono Zero及びコンプライアンス・ゼロ)において捜査対象となっている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)連邦最高裁判所(STF)第2小法廷では、明日(13日)、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の未決拘留に関する審理が行われるが、トフォリ判事は11日、忌避事由を理由に審理には加わらないことを決定した。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)は11日、記者団からマスター銀行との関係について問われた際、「不正を行った者は、模範的にその代償を支払うべきである」と述べ、ダニエル・ヴォルカロ元頭取から金銭を受け取っていたとの事実はないと強調した。ヴォルカロの携帯電話に記録されていた通話には、ヴォルカロが「シロ」という人物に送金していたことを示す内容のものが含まれている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(7)金融活動監視委員会(Coaf)の報告書によると、ACM・ネット・ユニオン・ブラジル副党首(元サルヴァドール市長)の経営するコンサルタント会社が2023年から2024年にかけてマスター銀行から合計360万レアルを受け取っていたことが判明。右に関し、ACM・ネットは、「自分は、公職から離れた後、2022年末にコンサルタント会社を設立し、マスター銀行やReagを含む複数の顧客に対してサービスを提供してきた。何れの契約も合法的に行われており、税金も納めている」と釈明した。尚、ACM・ネットは、10月の選挙では、バイア州知事に立候補することになっている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(8)金融活動監視委員会(Coaf)によると、ダニエル・ヴォルカロ元頭取は、昨年1月から4月にかけてブラジリア銀行(BRB)とマスター銀行の買収について交渉した際、タックスヘイブンのケイマン諸島に合計7.07億レアルを送金していた。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)のカルロス・ヴィアナ委員長(Podemos-MG)とアルフレッド・ガスパール報告官(ユニオン・ブラジル—AL)は11日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取等、CPMIが召喚した証人がメンドンサ・STF判事の決定によって次々と出席を拒否した件に関して同判事と協議を行った。メンドンサ判事は、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の証人喚問出席義務に関する不服申立についてはSTF第2小法廷で審理を行うことを約束した。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.ルーラ政権
(1)政府は、米イスラエルとイランの紛争により、原油価格が高騰し、物価高になれば、ルーラ大統領の支持率に影響を及ぼすことを懸念している。そのため、政府与党は、燃料価格の高騰の責任を米イスラエルの攻撃を支持している野党と、燃料配給公社(BR Distribuidora)を民営化したボルソナーロ政権に転嫁しようとしている。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ダタフォーリャ社の世論調査によると、「経済は悪化した」と答えた回答者の割合が昨年12月の41%から46%に増加した。この数字は、これまでで最も低かった2023年の35%と、最も高かった昨年の55%の中間に位置する。「良くなった」は、24%で、前回から5ポイント低下した。今後の見通しについては、「悪化する」が35%で、「良くなる」の30%を上回った。(11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.連邦議会
10日、国家公務員の賃上げ及び定員増加、並びに昇進制度の見直しに関する法案が可決され、大統領の裁可に付された。定員の増加により、合計1.75万人(教育省1.6万人、行政管理・公共サービス革新省1500人)の国家公務員が新たに採用されることになる。同法律の施行に伴う人件費の増大は、本年だけで53億レアルに達する。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.司法
(1)10日、選挙高等裁判所(TSE)では、カストロ・リオデジャネイロ州知事(PL)の当選無効訴訟の裁判が開始され、判事2名が同知事の当選無効を主張したところで、休廷となった。TSE判事7名の内、4名が賛成すれば、同知事は罷免され、8年間に亘って被選挙権が停止されることになる。裁判では、同知事が2022年にリオデジャネイロ公務員養成センター(Ceprj)とリオデジャネイロ州立大学の臨時職員として、2.76万人を雇用し、これらの職員の一部を選挙の運動員として動員していたことが選挙違反に当たるのか否かが争われている。裁判は今月23日に再開される予定。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)10日、連邦最高裁判所(STF)第1小法廷において、マラニョン州における「議員割当金(emenda parlamentar)」横領事件の裁判が開始された。初日は、連邦検察庁がジョジマール・マラニョンジーニョ下院議員(PL-MA)、パストール・ジル下院議員(PL-MA)等の被告8名の有罪を主張したことろで休廷となった。被告らは、マラニョン州サン・ジョゼ・デ・リバマール市に「議員割当金」の予算から667万レアルを送り、その見返りとして、160万レアルのキックバックを要求していた。裁判は、今月17日に再開される予定。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)モラエス・STF判事は10日、イーロン・マスク氏に対する捜査の打ち切りを決定した。マスクは、SNSを使ってSTFと選挙高等裁判所(TSE)を攻撃したとして、2024年4月からX(旧ツイッター)の不正利用、司法妨害、命令不服従等の容疑により、「デジタル民兵組織(ミリシア)」の捜査対象となっていた。(11日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(4)ダタフォーリャ社の世論調査によると、「連邦最高裁判所(STF)は信用できない」と答えた回答者の割合が過去最高の43%(前回比5ポイント増)に達した。「少し信頼できる」は38%。「非常に信頼できる」は前回の24%から16%に低下した。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.2026年選挙
(1)オ・グローボ紙とフォーリャ・デ・サンパウロ紙の取材により、アダッジ財務相(PT)がサンパウロ州知事選に出馬するため、今月20日に辞任することが判明した。副知事候補は未定であるが、上院議員候補は、テベチ企画予算相(MDB)とマリナ・シルヴァ環境相(Rede)になる見込み。その場合、テベチはPSB、マリナ・シルヴァはPTに移籍すると見られている。アダッジは、選挙に3連敗(2016年のサンパウロ市長選、2018年の大統領選、2022年のサンパウロ州知事選)しており、今回の州知事選でも現職のフレイタス知事には勝てないと見られているが、左派勢力がサンパウロ州で強力な布陣を張ることができれば、ルーラが有利になるとされている。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)カサビ・PSD党首は9日、「PSDの大統領候補は来月ではなく、今月中に決める」と表明。先日、発表されたダタフォーリャ社の世論調査では、ルーラ(第1回投票では38%)とフラヴィオ・ボルソナーロ(32%)の支持率が30ポイントを超えているのに対し、PSDの大統領候補3名(ラチーニョ・Jr、カイアド及びレイテ)は10%以下と大差をつけられているが、これらの州知事は、「まだ選挙戦は始まってもおらず、国民の関心は薄いため、現時点での情勢調査には一喜一憂していない。それよりも重要なのは、ルーラとフラヴィオの拒否率が我々よりも数倍高いことである」と評している。ルーラ(46%)とフラヴィオ(45%)の拒否率が40%を超えているのに対して、ラチーニョ・Jr(19%)、カイアド(14%)及びレイテ(15%)のそれは10%台である。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)米国務省で対伯関係を担当しているダレン・ビーティ―公共外交担当次官代理が来週、サンパウロとブラジリアを訪れ、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)と面会することが判明。同次官代理は、エドゥアルド・ボルソナーロと関係が深く、ルーラ大統領とモラエス・STF判事を敵視している。モラエス・STF判事は10日、ビーティ―次官代理に対し、ボルソナーロ前大統領との面会を許可した。面会は今月18日に行われる予定。(10日及び11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ダタフォーリャ社の世論調査によると、有権者が伯の主な問題と考えているのは以下の通り:保健21%、治安19%、経済11%、教育9%、汚職9%、失業4%、飢餓・貧困3%、社会格差3%、ずさんな国家運営2%、賃金2%、重税1%、住宅1%、インフラ1%、不可罰1%、大統領1%。尚、2022年の大統領選でルーラに投票した有権者の内、「ルーラに投票したことを後悔していない」と答えたのが89%(「後悔している」は11%)であるのに対し、ボルソナーロ前大統領の場合は、「後悔していない」が91%、「後悔している」が8%であった。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)ダタフォーリャ社の世論調査によると、サンパウロ州の上院議員選挙に関する情勢は以下の通り。①アダッジ財務相(PT)が出馬する場合:アダッジ財務相(PT)30%、テベチ企画予算相(PSB)25%、フランサ元サンパウロ州知事(PSB)20%、マリナ・シルヴァ環境相(Rede)18%、ボウロス大統領府官房長官(PSol)14%、ギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP)14%、リカルド・サレス下院議員(Novo)13%、パウリーニョ・ダ・フォルサ下院議員(Solidariedade)10%、ロザーナ・ヴァレ下院議員(PL)7%、ジル・ディニス州議会議員(PL)3%。②アルキミン副大統領が出馬する場合:アルキミン(PSB)31%、テベチ企画予算相(PSB)25%、マリナ・シルヴァ環境相(Rede)21%、フランサ元サンパウロ州知事(PSB)20%、ボウロス大統領府官房長官(PSol)15%、ギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP)13%、リカルド・サレス下院議員(Novo)13%、パウリーニョ・ダ・フォルサ下院議員(Solidariedade)9%、ロザーナ・ヴァレ下院議員(PL)6%、ジル・ディニス州議会議員(PL)3%。(11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)イバネイス・ロシャ連邦直轄区(DF)知事(MDB)は、上院議員に立候補すると述べているが、PLが同知事との連合を解消し、DFの上院議員選挙では、ミシェーレ前大統領夫人(PL)とビア・キシス下院議員(PL-DF)を擁立することにしているため、イバネイス知事は孤立している。同知事は、ブラジリア銀行(BRB)にマスター銀行を買収させようとして、BRBに多額の損害を被らせたことの責任を問われている。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
8.外交
(1)ヴィエイラ外相は8日、ルビオ米国務長官と会談した際、米国に対し、伯の犯罪組織「PCC(第一首都コマンド)」と「CV(Comando Vermelho。赤のコマンド)」をテロ組織に認定しないよう、要請した。米国政府がこれらの組織をテロ組織に認定した場合、伯に軍事介入する可能性がある。ルーラ大統領は9日、大統領府において、ラマポーザ南アフリカ大統領と首脳会談を行った際、「防衛分野に関して準備を怠れば、何時の日か、誰かが侵略してくるかもしれない。両国は、(防衛装備品の)生産に関して協力すべきである。兵器を購入する必要はない。我々が必要なものは生産可能である」と述べた。その後、ルーラは、ヴィエイラ外相と本件について協議した。ルーラ訪米の際、トランプ米大統領との首脳会談でも本件が取り上げられる可能性がある。尚、政府は、米政府が伯の犯罪組織をテロ組織に認定することにより、伯大統領選に影響を及ぼそうとしていると見ており、米国の介入を主張する右派の動きを警戒している。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ及び11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は、直前になってカスト・チリ大統領の就任式(11日)に出席するのを取り止めた。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)が就任式に招待されたことが理由とされている。カストは、選挙戦では、ルーラを批判し、ボルソナーロ前大統領を称賛していた。野党は、「ルーラは、イランやベネズエラやキューバ等の独裁国家やテロ支援国家としか付き合おうとしない」と批判。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は11日、「(チリ大統領の就任式に出席しない)ルーラは器が小さい」と批判。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ及び12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ルーラ大統領は11日、ペトロ・コロンビア大統領と電話会談を行い、今月21日のラ米・カリブ諸国共同体(Celac)首脳会議等、中南米情勢について意見交換を行った。米国が中南米の犯罪組織や麻薬組織をテロ組織に認定して、同地域に対する干渉を強める可能性についても話し合った模様。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.ルーラ政権
連邦政府は12日、原油高に対処するため、軽油の減税(連邦税のPIS/Cofinsの税率をゼロにする)及び軽油の生産者及び輸出業者に対する補助金(1リットル当たり0.32レアル)を発表した。これにより、軽油の価格は、1リットル当たり0.64レアルほど安くなる。PIS/Cofinsの免除による減収は本年だけで200億レアル、補助金には100億レアルかかるが、政府は、原油の輸出に12%の輸出税をかけることによって相殺しようとしている。政府は、燃料の高騰がインフレの上昇を招き、選挙に悪影響を及ぼすことを懸念している。政府は、トラック運転手(ボルソナーロ支持者が多い)が燃料の高騰に抗議してストライキを実施することを阻止するためにも燃料価格を抑えようとしている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)ザニン・STF判事は12日、ロドリゴ・ローレンベルギ下院議員(PSB-DF)の権利保障令請求(下院に対し、マスター銀行に関する議会調査委員会(CPI)の設置を義務付けるというもの)を却下した。ローレンベルギは、ザニンを批判し、右決定に対して控訴すると述べると共に、「CPIの設置を要請してから1ヶ月が経過したのに、モッタ下院議長は手続を始めようとしない」とモッタ議長を批判した。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)13日、連邦最高裁判所(STF)第2小法廷において、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の未決拘留の是非に関する審理が行われ、忌避を理由に本件から外れたトフォリ判事を除く判事4名の内、過半数に当たる3名(メンドンサ、フックス及びヌネス・マルケス)が未決拘留の継続を支持した。この決定の後、ヴォルカロは、担当弁護士を変え、司法取引(delação premiada。褒賞付供述)を専門とするジョゼ・ルイス・オリヴェイラ・リマ弁護士と契約した。そのため、ヴォルカロは司法取引に応じるのではないかと見られている。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)メンドンサ・STF判事は16日、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)のメンバーがダニエル・ヴォルカロ元頭取に関するデータ(銀行口座、税務及び通信)にアクセスすることを禁止した。そのため、上院の金庫室に保管されているデータは、連邦警察に返却されることになった。右決定の背景には、ヴォルカロと元婚約者の通話記録がマスコミにリークされた件があるとされている。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ダニエル・ヴォルカロ元頭取の過去10年分の確定申告を調べた結果、2015年には280万レアルであった個人資産が2024年には26億レアルに増えていたことが判明。2019年にマキシマ銀行を買収し、マスター銀行を創立してから不正取引により急激に資産を増やしたと見られている。尚、ヴォルカロがマイアミのベイ・ポイントに所有する豪邸(8650万米ドル相当)を含む1億米ドル相当の資産を元婚約者(マルタ・グラエフ)の名義に変えていたことが判明している。(14日及び17日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(5)モッタ下院議長(Republicanos-PB)の夫人の姉妹が2024年にマスター銀行から2200万レアルの融資を受けていたことが判明。この金は、パライバ州都ジョアン・ぺソア市内の土地400ヘクタールの購入に使われた。ヴォルカロ元頭取と元婚約者の通話にもモッタ議長の名前が出てくる。尚、同議長のスタッフは、「モッタ議長は本件に一切関与していない」と釈明。(17日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
3.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
(1)国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)は12日、マスター銀行のダニエル・ヴォルカロ元頭取の義弟(ファビアーノ・ゼッテル。マスター銀行と取引のあった投資ファンドの経営者)と元婚約者(インフルエンサーのマルタ・グラエフ)の召喚を決定した。ゼッテルの場合、トフォリ・STF判事の兄弟が経営する会社とマスター銀行の関係、並びにグラエフの場合は、ヴォルカロの交友関係に関する情報が期待されている。尚、ルーラ大統領の長男ルリーニャの友人で、実業家のロベルタ・ルックシンゲルの召喚は否決された。ルックシンゲルの場合、「INSSのハゲ」ことアントニオ・カミーロ・アントゥネスとの通話の中で、アントゥネスがルリーニャと見られる人物に月30万レアルの「小遣い」を渡していたとの発言があったことが問題視されている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルリーニャの弁護団は16日、メンドンサ・STF判事に対し、ルリーニャが「INSSのハゲ」ことアントニオ・カミーロ・アントゥネスの費用でポルトガルを訪問したことを認めた。弁護団によると、ルリーニャは、2024年に友人のロベルタ・ルックシンゲルから「医薬品業界で成功を覚めた実業家」としてアントゥネスを紹介された後、アントゥネスからポルトガルの医療大麻工場の視察に招待された。但し、弁護団は、ルリーニャがその後、アントゥネスと何らかの取引をしたり、または金銭を受け取った事実はないとしている。(17日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
4.司法
(1)モラエス・STF判事がマラニョン州のジャーナリストに対する家宅捜索を命じたところ、全国新聞協会(ANJ)等の業界団体や弁護士会が「報道の自由に反する」と反発。ジャーナリストは、ディーノ・STF判事の家族がマラニョン州高裁の公用車を使用していると報道しており、それに対する報復ではないかと見られている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)イーロン・マスク氏は12日、モラエス・STF判事がマスター銀行の不正疑惑に関与していた可能性があるとの報道に関し、「モラエスの逮捕はまだであるが、事態はその方向に向かっている」とSNSに投稿した。両者は、モラエス判事がマスク氏をデジタル民兵組織の捜査対象とし、Xのサービス停止命令を出したことで、反目し合っている。尚、モラエス判事は、今月10日にマスク氏に関する捜査は打ち切っている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)Genial/Quaest社の世論調査によると、「連邦最高裁判所(STF)に権力が集中しすぎている」と答えた人の割合が全体の72%、「本年の選挙では、STF判事の弾劾に賛成する上院議員候補に投票することが肝要」と答えたのは66%に上っている。49%が「STFを信頼していない」と答え、「信頼している」の43%を上回った。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ファキン・STF長官は16日、ブラジリアの私立大学で講演を行った際、「司法府に権力を集中させることは、長期的に見て、民主主義に害をなす可能性があるため、裁判所は、何でもかんでも自分達で決めようとする欲求に対して抵抗しなければならない」と述べ、司法機関が三権分立を尊重して自己抑制することを主張した。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ディーノ・STF判事は16日、重大な法律違反や不祥事により、裁判官を処罰する場合、罷免及び給与の支払い停止が懲戒処分として適切であり、今後、「強制的定年退職(aposentadoria compulsória )」は適用されるべきではないと決定した。「強制的定年退職」とは、懲戒処分の時点で定年退職したと看做して、勤続年数に応じた年金を支給するというものであり、以前から「処罰になっていない」と批判されていた。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)テベチ企画予算相(MDB)は12日、ルーラ大統領とアルキミン副大統領の要請を受け、サンパウロ州から上院議員に立候補すると表明した。テベチは、3月末に大臣を辞任する予定。また、テベチの場合、選挙区をマットグロッソ・ド・スル州からサンパウロ州に移す必要がある。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)11日、ロジェ―リオ・マリーニョ上院野党院内総務(PL-RN)がラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)と会談し、大統領選出馬を辞退して、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)を支持するよう求めた。マリーニョによると、ラチーニョがフラヴィオを支持すれば、その副大統領候補に指名される可能性があるとのことであるが、ラチーニョ知事はこの申し出を断り、PSDから大統領候補に指名されれば、大統領選に出馬すると答えた。これに対し、マリーニョは、「その場合、PLは、パラナ州におけるPSDとの選挙協力を解消し、州知事選ではPSD以外の候補を支持する」と述べた。マリーニョは、今月17日までに考え直すよう求めた。PLがPSDのパラナ州知事候補(クーリ・パラナ州議会議長)を支持しない場合、セルジオ・モーロ上院議員(ユニオン・ブラジル)を支持すると見られている。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、今月25日から28日にかけて、テキサスで開催される「保守政治行動会議(CPAC)」に出席し、スピーチを行う予定。トランプ米大統領も同会議に出席する予定で、フラヴィオは、伯大統領選ではフラヴィオを支持するよう、トランプに要請すると見られている。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)PLでは、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員が大統領に当選した場合の経済担当大臣にはカンポス・ネット前中銀総裁、マンスエット・アルメイダ・BTG Pactual投資銀行首席エコノミスト、グスタヴォ・モンテザノ元BNDES総裁、ダニエラ・マルケス元連邦貯蓄銀行総裁、パウロ・ゲデス元経済相等、新自由主義派で、金融市場と関係の深いエコノミストを起用することが検討されているが、エドゥアルド・ボルソナーロを中心とする党内の過激なボルソナーロ派は、「ファリア・リマ(サンパウロの金融街)は、誰が政権を取っても上手くやろうとするため、信用できない。アドルフォ・サクシダ元鉱業エネルギー相等、アンチ・ルーラ及びアンチ・STF等、右派(ボルソナーロ派)のイデオロギーに適った人物を起用すべき」と主張している。サクシダは、SNS上において、ルーラ政権とモラエス・STF判事を批判し、ボルソナーロ前大統領と三権襲撃犯の釈放を訴えている。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)がボルソナーロ前大統領の後継者に指名され、大統領選出馬を表明して以降、SNS(インスタグラム、TikTok、フェイスブック及びYouTube)のフォロワーが昨年12月から今月にかけて340万人も増えた。ルーラ大統領のフォロワー数は、この間、37.8万人増えただけであった。専門家は、「フラヴィオに対する関心が高まっていることが背景にある。ルーラの場合、SNSの利用は政府広報の延長に過ぎないが、これでは人々の関心を引くことはできない。SNSに求められるのは、エンターテインメント性である」と述べている。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首は16日、フォーリャ・デ・サンパウロ紙とUolのインタビューに応じた際、「2022年の大統領選でボルソナーロの副大統領候補に女性を指名しなかったのは致命的な誤りであった。フラヴィオ・ボルソナーロの副大統領候補には、テレーザ・クリスチーナ上院議員(PP—MS)が理想的である」と述べた。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)選挙高等裁判所(TSE)は、本年10月の選挙におけるAIの使用に関する規則を採択した。主な内容は以下の通り:①AIによって生成または編集された画像、音声等のコンテンツは、AIによって生成されたことと、使用されたAIの名称を明記することが義務付けられる。②ヌード画像等、AIによって生成された性的なコンテンツを選挙に使用することは禁止される。③選挙プロセスに有害なコンテンツを拡散する偽アカウントは削除される。④投票前の72時間及び投票後の24時間は、AIによって生成されたコンテンツの使用は禁止される。⑤プラットホーム企業は、違法コンテンツを即座に削除しなければ、連帯責任に問われる。専門家は、本年の選挙はAIが本格的に使用される最初の選挙となるため、この規則の運用が注目される。(15日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
6.ボルソナーロ前大統領の収監
(1)ボルソナーロ前大統領は13日、高熱や呼吸困難を訴え、ブラジリア市内の病院(DF Star)に搬送された。診察の結果、重症の気管支肺炎と診断されたため、そのまま入院することになった。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、「彼らは父の命を弄んでいる。父が逃亡する等と言った妄想は捨てて、法律に則り、人道的な自宅軟禁を認めるべきである」と批判。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)14日、入院中のボルソナーロの容体が悪化。医師団の発表によると、ボルソナーロは、腎機能が低下し、肺炎が悪化したため、集中治療室で治療を受けている。15日、ボルソナーロの腎機能は回復しつつあるが、肺炎が更に悪化したため、医師団は、抗生物質の投与量を増やした。ボルソナーロと面会した次男カルロスは、「父の体は、抗生物質の影響で腫れ上がっている。また、諸々のことが原因で非常に苛立っている」とSNSに投稿した。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び16日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)16日、ボルソナーロ前大統領は、腎機能が回復し、肺炎の症状も改善したため、集中治療室からセミクローズ式の集中治療室に移された。医師団は、「引き続き治療と肺機能回復のためのリハビリが必要であるため、退院の目途は立っていない」と発表した。尚、ボルソナーロ派の議員は本日(17日)、STFに対してボルソナーロの自宅軟禁を迫るための作戦会議を開くことにしている。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
7.外交
(1)モラエス・STF判事は、米国務省のダレン・ビーティ―公共外交担当次官代理が今月18日にボルソナーロ前大統領と面会することを許可したが、ボルソナーロの弁護団が面会を別の日に変更することを求めてきたことから、伯外務省に対し、ビーティー次官代理の日程について問い合わせた。これに対し、ヴィエイラ外相が「選挙の年に外国政府の高官が元大統領(ボルソナーロ)に面会することは、伯の内政問題に対する不適切な干渉と受け止められる恐れがある。米国政府によると、ビーティー次官代理は、伯政府と会議を行い、18日にサンパウロで開催されるレアメタルに関するイベントに出席するために訪伯することになっている」と回答したため、面会許可を取り消した。尚、このイベントの主催者は、シティバンク、米伯商工会議所、米伯ビジネス評議会等。米国がレアメタルの分野で中国に対抗することが目的とされている。米国からは、ビーティー次官代理の他、エネルギー省、米輸出入銀行及び米南方軍(Southcom)の代表が出席する予定。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)伯外務省は13日、ダレン・ビーティー次官代理に対する入国査証を取り消した。ルーラ大統領は、「これは、(米国が昨年)パジーリャ保健相の入国を拒否したことに対する返答である」と述べた。伯政府は、ビーティー次官代理がボルソナーロ前大統領及びフラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)と面会することで、トランプ米政権が伯の選挙に影響力を行使することを避けたいとしている。その一方で、ルーラは、トランプとの間で築いた友好的な関係は壊したくないとしており、ビーティー次官代理の訪伯がトランプの了解を得たものでないことに期待している。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)米政府高官によると、米政府は、伯と協議中の国際犯罪組織対策の一環として、伯がエルサルバドルのように、米国で逮捕された外国人犯罪者を自国内の刑務所に収監することを提案。また、米国は、伯政府が伯の犯罪組織PCC及びComando Vermelhoの他、伯国内で活動しているヒズボラと中国人犯罪組織の壊滅計画書を提出することと、伯政府が伯に対して難民申請を行った外国人のデータ(生体認証データも含む)を米国と共有することを提案している。国際犯罪組織対策に関する協力は、ルーラ訪米における主要テーマの一つと位置付けられている。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)16日、パス・ボリビア大統領が訪伯し、ルーラ大統領と首脳会談を行った。伯政府は、中南米において右派の包囲網が敷かれるのを阻止するため、パス大統領等、右派のリーダーと接近しようとしている。両首脳は、国境地帯における治安対策、並びに両国の送電網の接続に関する取極に署名した。ルーラは、「中南米地域の未来は、各国の協力にかかっている。イデオロギーに捉われることなく、平和で豊かで統合された中南米を築くべきである」と述べた。また、ルーラは、ボリビアとの二国間貿易の拡大を主張すると共に、同国とはバイオテクノロジーやバイオ燃料の分野で協力できると強調した。尚、パス大統領は、記者会見の際、PCCやComando Vermelho等の犯罪組織を米国の望み通り、テロ組織に指定することに肯定的な発言を行った。ペニャ・パラグアイ大統領も同様の立場を取っており、これに難色を示している伯は孤立しつつある。(17日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
1.ルーラ政権
(1)トラック運転手の団体は17日、「連邦政府の燃料高騰対策は奏功しておらず、軽油の価格は上昇を続けている。トラック運転手は、これに抗議するため、全国規模のストライキを実施することについて検討している」と表明。政府は、トラック運転手のストライキを警戒しており、伯自動車運転手協会(Abrava)の会長と話し合おうとしている。18日、中東の紛争激化により、原油価格が110米ドルに上昇。財務省は、各州政府に対し、燃料にかかる州税「ICMS」の税率を5月31日までゼロにすることを提案。州政府がこれに応じる場合、連邦政府は、減収分(30億レアル)の半分を負担する。これに対し、州政府側は、今月27日までに回答する予定。尚、レナン・フィーリョ運輸相は、トラック運転手に対して基準(最低運賃表)以下の運賃を支払うことを禁止すると発表した。(18日及び19日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びコレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルーラ大統領は18日、「デジタル児童保護法(デジタル環境下において未成年者を犯罪から守るための法律)」に署名した際、「この法律だけでは、未成年者を性的搾取等から守ることはできない。父兄と社会がこの問題に取り組む必要がある」と述べた。また、ルーラは、「最も重要なのは家族と言いながら、インターネットが無法地帯となることを望み、未成年者を危険にさらすことを厭わない人達がいる」と述べ、表現の自由を理由に、インターネットやSNSの規制に反対するボルソナーロ派を牽制した。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)アダッジ財務相は本日(19日)、サンパウロ州知事選出馬を表明する予定。ルーラ大統領は19日、アダッジの後任にダリオ・ドゥリガン財務次官を任命すると発表した。(19日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)中央銀行は17日、マスター・ムルチプロ銀行(マスター銀行の系列)に対し、裁判外清算を宣告した。中央銀行は、昨年11月にマスター銀行の裁判外清算を宣告した際、マスター・ムルチプロ銀行の経営に介入し、顧客から新たな預金を集めることを禁止していた。その後、マスター・ムルチプロ銀行の買い手が現れなかったため、中銀は、裁判外清算に踏み切った。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)メンドンサ・STF判事は18日、連邦警察の求めに応じて、マスター銀行に関する捜査を60日間延長した。一方、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の弁護を担当することになったジョゼ・ルイス・オリヴェイラ・リマ弁護士(司法取引の専門家)は今週、メンドンサ判事や連邦警察の担当者と相次いで会談しており、ヴォルカロ側は司法取引に向けて動き始めているのではないかと見られている。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)は18日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の元婚約者(インフルエンサーのマルタ・グラエフ)の証人喚問を決定した。ウンベルト・コスタ上院議員(PT-PE)は、ボルソナーロ前大統領がヴォルカロの義弟から300万レアルの献金を受け取っていた件に関してヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首の証人喚問を求めたが、これは否決された。尚、元婚約者のマルタ・グラエフについては、INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)でも今月28日に参考人招致が行われることになっている。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
(1)INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)は、昨年12月の時点で、調査期間の延長を求めていたが、アルコルンブレ上院議長が応じようとしないため、16日、連邦最高裁判所(STF)に対し、調査期間の60日延長を求めた。本件の担当判事にはメンドンサ判事が選出された。延長が認められなければ、CPMIは、今月28日に終了する予定。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)CPMI委員長のカルロス・ヴィアナ上院議員(Podemos-MG)によると、同調査委員会の「金庫室」からダニエル・ヴォルカロ元頭取に関するデータが漏洩したとされる件について内部調査が行われている。ヴォルカロと元婚約者の通話記録がマスコミにリークされた後、メンドンサ・STF判事は、「金庫室」に保管されていたデータを連邦警察に返却させた。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)連邦警察は16日、INSSの不正疑惑に関与したとの容疑により、ゴレッテ・ペレイラ下院議員(MDB-CE)等に対する強制捜査を実施した。警察が入手した「賄賂の支払いリスト」によると、ペレイラ議員は、INSSの不正を行っていた組織から少なくとも78万レアルを受け取っていた。メンドンサ・STF判事は、ペレイラ議員が不正に関与していたことを示す明らかな証拠があるとして、同議員に対して監視装置(GPS)の装着を命じたが、その逮捕は見送った。連邦警察によると、ペレイラ議員は、不正によって得た金で400万レアル相当のマンションと40万レアルの高級車を購入した模様。尚、ペレイラ議員は、不正への関与を全面的に否定している。また、連邦警察によると、アレッサンドロ・ステファヌト元INSS総裁は、組織から400万レアルを受け取っていたことが判明。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ルーラ大統領の長男ルリーニャが本年1月にスペインのマドリードで会社(Synapta)を設立していたことが判明。IT企業という触れ込みであるが、未だ本格的に活動していない模様。ルリーニャの弁護士は、取材に対し、「会社は合法的に設立されており、何の問題もない」と答えたが、現在、無収入のルリーニャ(伯国内の会社は活動を停止している)が如何にスペインでの滞在費を工面しているのかとの問いには「プライベートな事柄なので、返答できない」と答えた。INSSの不正疑惑に関する議会合同調査(CPMI)のカルロス・ヴィアナ委員長は18日、「ルリーニャがSynapta社を隠れ蓑にして国外に逃亡した可能性を含めて調査する必要がある」と表明。ルリーニャの弁護団は、「Synapta社は、将来のビジネスを見据えて準備を行っている段階にあり、(ルリーニャがスペイン滞在の口実とするための)ペーパーカンパニーではない。また、ルリーニャは、(捜査当局の要請があれば)いつでも帰国する用意がある」と述べ、ルリーニャがスペインに逃亡したとの見方は当たらないと強調した。(18日及び19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)連邦警察は、「INSSのハゲ」ことアントニオ・カミーロ・アントゥネスがルリーニャの友人で、実業家のロベルタ・ルックシンゲルに110万レアルを送金し、ルリーニャが良く利用する旅行会社にルックシンゲルから64万レアルが振り込まれていたことを突き止めた。これに対し、ルリーニャの弁護団は、「件の旅行会社は、ルックシンゲルとその家族が利用しており、ルリーニャは一切関係ない。連邦警察は、何としてでもルリーニャに罪を被せようと躍起になっている」と反論。(19日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
4.連邦議会
(1)17日、EU・メルコスール・FTAの承認に関する議会令第14/2026号が公布された。これにより、伯国内の批准手続きは完了したが、発効にはまだ欧州議会の承認が必要である。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)18日、下院において、ボルソナーロ派の議員がエリカ・ヒルトン下院議員(PSol-SP。トランス女性)の女性権利委員長選出に対して抗議活動を行った。ボルソナーロ派は、1回目の投票で白票が12票もあったにも拘わらず、そのまま決選投票が行われたのは内規違反であるとして、選挙の無効を訴えている。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.司法
17日、連邦最高裁判所(STF)第1小法廷において、ジョジマール・マラニョンジーニョ下院議員(PL-MA)、パストール・ジル下院議員(PL-MA)及びボスコ・コスタ元下院議員(PL-SE)に対する有罪判決が言い渡された。右3名は、マラニョン州サン・ジョゼ・デ・リバマール市役所に対して「議員割当金(emenda parlamentar)」の予算を付けることと引き換えに、予算の25%に相当するキックバックを要求したとして、収賄罪に問われていた。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.2026年選挙
(1)政府は、これまでフレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)が大統領選に出馬する可能性があると見て、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)に対する攻撃は控えてきたが、フレイタスの不出馬が確実となり、フラヴィオがルーラの対抗馬となったことから、フラヴィオに対する攻撃を解禁し、フラヴィオの支持率上昇を阻止することにしている。政府与党は、フラヴィオの議員秘書給与詐取(rachadinha)や不正蓄財等の疑惑に焦点を当てれば、ダメージを与えることができると踏んでいる。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)今月10日に発表されたIpsos-Ipec社の世論調査によると、ルーラ政権の評価は、「非常に良い/良い」が33%であったのに対し、「悪い/非常に悪い」は40%であった。その差は、―7ポイントであるが、過去24年間の大統領選と比較すると、この数字がマイナスであった政権(第2次カルドーゾ政権のー3、テメル政権のー67、ボルソナーロ政権のー36)は、大統領が再選できなかった、または後継者を当選させることができなかった。その逆にプラスであった政権(第1次ルーラ政権の16、第2次ルーラ政権の70、第1次ルセーフ政権の9)は、大統領が再選できたか、または後継者を当選させることができた。(19日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(3)セルジオ・モーロ上院議員(ユニオン・ブラジルーPR)は18日、パラナ州知事選に関してPLの支持を取り付けたことで、ユニオン・ブラジルからPLに移籍し、同党からパラナ州知事選に出馬することを決定した。これにより、PLは、PSDとのパラナ州における選挙協力を解消し、パラナ州知事選ではモーロを支持することになった。州知事選に関する世論調査では、今のところ、モーロが優勢となっている。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.ボルソナーロ前大統領の入院
(1)入院中のボルソナーロ前大統領を担当している医師団は17日、「容体は改善しているものの、まだ集中治療室から出られる見込みは立っていない」と発表した。ボルソナーロの弁護団は、連邦最高裁判所(STF)に対し、「ボルソナーロの健康状態は悪化しており、Papudinha刑務所は収監先として適切ではない」として、自宅軟禁に切り替えるよう、申し入れた。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は18日、「モラエス・STF判事と面会し、父の健康状態が悪化していることを訴え、自宅軟禁を認めるよう、求めた。Papudinha刑務所に戻されれば、父の容体は悪化するばかりである」と述べた。尚、連邦議員178名がSTFに対し、ボルソナーロに「人道的自宅軟禁」を認めるよう、求めた。(18日及び19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)医師団は18日、「ボルソナーロは順調に回復に向かっており、今週末までに集中治療室から一般病棟に移れる見込み」と発表した。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.外交
伯政府は、米国の禁輸措置により経済及び人道的危機に見舞われているキューバに2万トン以上の食糧(コメ、豆、粉ミルク)を無償供与した。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
トラック運転手の団体は、連邦政府と燃料価格に関する協議に応じ、それまではストライキは行わないことにしている。トラック運転手の代表は今月25日、ボウロス大統領府官房長官と協議を行う予定。尚、ルーラは、燃料高騰の原因は中東情勢の緊迫化という、外的要因にあると強調しているが、専門家は、連邦政府が有効な対策を講じることができなければ、政府支持率と選挙に影響を及ぼすのは必至と見ている。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)メンドンサ・STF判事は19日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取をブラジリア連邦刑務所から連邦警察ブラジリア支局に移送することを許可した。また、ヴォルカロは、連邦検察庁及び連邦警察との間で、守秘義務に関する誓約書(捜査当局にのみ情報を提供することを約束)に署名しており、これは司法取引に向けた交渉が開始されたことを意味する。ヴォルカロの弁護団は、連邦警察だけではなく、連邦検察庁とも同時に司法取引を行うことを望んでいる。過去の事例では、警察との間で司法取引を行っても、後に無効とされたことがあり、そのような事態を防ぐのが目的とされる。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ及び21日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)は、トフォリ・STF判事とマスター銀行の関係について調べているが、メンデス・STF判事がトフォリ判事の兄弟が経営する会社(Maridt)の銀行口座等に関する情報開示がメンデス・STF判事によって差し止められたため、出鼻をくじかれた。この会社は、所有していたリゾート施設の権利を高額でダニエル・ヴォルカロ元頭取の義弟(ファビアーノ・ゼッテル)が経営する投資ファンドに売却したことが問題視されている。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)金融活動監視委員会(Coaf)のデータによると、2024年8月から昨年7月にかけてマスター銀行と食品大手JBSがヌネス・マルケス・STF判事の子息(弁護士。25歳)が経営するコンサルタント会社に合計約1800万レアル(マスター銀行が660万レアル、JBSは1130万レアル)を支払っていたことが判明。この会社の売り上げの殆どは、マスター銀行とJBSによってもたらされていた。(20日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
3.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
(1)INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)は19日、カンポス・ネット前中銀総裁とガリポロ現中銀総裁の参考人招致を決定した。年金受給者を対象とする貸付制度(empréstimo consignado)を悪用した不正について説明を求めるのが目的とされているが、マスター銀行の不正に焦点が当てられるのは必至である。連邦警察の捜査では、両者の在任期間中(カンポス・ネット:2019~2024年。ガリポロ:2025年~現在)、パウロ・セルジオ・デ・ソウザ元監督局長等、中銀の幹部がダニエル・ヴォルカロ元頭取から買収されていたことが判明している。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ディーノ・STF判事は19日、CPMI委員長のカルロス・ヴィアナ上院議員(Podemos—MG)と上院に対し、「議員割当金(emenda parlamentar)」から360万レアルの予算がオアシス財団に拠出された件に関して説明を求めた。同財団は、カルロス・ヴィアナ議員が所属している福音派の「ラゴイーニャ洗礼教会」とつながりがあり、同議員は、同教会のために利益誘導した疑いがかけられている。尚、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の義弟(ファビアーノ・ゼッテル)は、「ラゴイーニャ洗礼教会」の元牧師であり、同教会がマスター銀行の不正に関与している可能性がある。尚、2024年10月から本年1月にかけて、ゼッテルは、「ラゴイーニャ洗礼教会」に合計4100万レアルを振り込んでいたことが判明。ロジェーリオ・コヘイア下院議員(PT-MG)は、「ラゴイーニャ洗礼教会関係者の証人喚問、並びに同教会の銀行口座等に関する調査を求めているが、ヴィアナ委員長はこれに応じようとしない」と批判した。同教会には、複数のボルソナーロ派議員が通っている。(20日及び23日付コレイオ・ブラジリエンセ及び20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)メンドンサ・STF判事は23日、アルコルンブレ上院議長に対し、INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)の延長を認めるよう、命じた。延長が認められない場合、CPMIは今月28日に終了する。CPMI委員長のカルロス・ヴィアナ上院議員(Podemos-MG)は、「CPMIは、少なくとも60日間延長される。60日以内に最終報告書を提出することは可能。更に新しい事実が判明すれば、120日ほど延長される可能性もある」と表明。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.司法
(1)AtlasIntel社の世論調査(3月16日~19日)によると、「連邦最高裁判所(STF)のことは信頼していない」と答えたのは全体の60%(昨年8月比8.7ポイント増)に達し、過去最高を記録した。一方、「信頼している」は昨年8月の48.5%から34%に低下した(14.5ポイント減)。トフォリ判事等、STF判事の一部がマスター銀行の不正に関与しているとの疑惑が大きく影響している。尚、各判事のイメージに関する調査では、トフォリ判事のイメージがネガティブ81%、ポジティブ9%で最も悪く、唯一、ポジティブがネガティブを上回ったのは、メンドンサ判事だけであった(ポジティブ43%、ネガティブ36%)。(21日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)連邦最高裁判所(STF)では、1971年に公布された外資系企業(外資系のブラジル企業も含む)土地購入制限法の違憲審査が行われており、判事10名の内、5名が合憲と主張したところで、審理が中断された。これらの判事は、「あらゆる国において、外国人または外国企業による土地購入は何らかの形によって制限されている。外国人土地購入制限法は、現行の1988年憲法に反しない」と主張。(23日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(3)ディーノ・STF判事は23日、タバタ・アマラル下院議員(PSB-SP)の訴えを受け、下院とPLに対し、ボルソナーロ前大統領を称える映画の製作にビア・キシス下院議員(PL-DF)等、ボルソナーロ派議員の「議員割当金」から260万レアルが拠出された件に関して5日以内に説明を行うよう、求めた。また、ディーノ判事は、国家旱魃対策局(Dnocs)、サンフランシスコ峡谷開発公社(Codevasf)等では「議員割当金」の不適切使用が横行しており、何らかの対策を講じることが急務であると表明。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)PTは19日、アダッジ財務相(PT)のサンパウロ州知事選出馬を発表した。アダッジは、州知事選でフレイタス・サンパウロ州知事に再び敗れても、ルーラ大統領が再選すれば、文官長に取り立ててもらえると噂されているが、本人は「選挙に出るからには勝つ」と決意を述べている。発表式には、アダッジの他、ルーラ大統領、アルキミン副大統領、ジルセウ元文官長、ボウロス大統領府官房長官等が出席した。尚、アダッジは、副知事候補にはアグリビジネス業界と関係の深い人物を起用する方向で調整中。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)19日、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)のリオデジャネイロ州議会議員時代の補佐官が資金洗浄の容疑で起訴された。この元補佐官(ライムンダ・マガリャンエス)は、民兵組織「ミリシア」の構成員である息子のために違法賭博組織の資金をロンダリングしていたとされる。また、マガリャンエスは、フラヴィオの議員秘書給与詐取(rachadinha)疑惑に関しても起訴されたことがある。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ジョアン・カンポス・レシフェ市長(PSB)は18日、ペルナンブコ州知事選出馬を表明すると共に、PT及びPDTと選挙協力を行い、上院議員選に関してはウンベルト・コスタ上院議員(PT)とマリーリア・アハエス元下院議員(PDT)を擁立すると発表した。これに対し、現職のラケル・リラ州知事(PSD)は、ユニオン・ブラジルと選挙協力を行うことで対抗しようとしている。一方、PLは、アンデルソン・フェヘイラ元下院議員(PL)を上院議員候補に指名することにしている。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)アダッジ前財務相(PT。サンパウロ州知事候補)は20日、「アルキミン副大統領が再びルーラ大統領の副大統領候補になることは自然なことである。2022年の選挙では、アルキミンはルーラに当選に大きく貢献した」と述べた。ルーラはその前日、「副大統領候補の座はアルキミンの物であるが、彼(アルキミン)は上院議員に立候補することもできる」と述べた。一方、シモンエス・ミナスジェライス州副知事(PSD)は、「ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)がフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の副大統領候補に指名されれば、同州の右派が一つにまとまり、フラヴィオが同州で勝つことになるが、副大統領候補選びは、国政レベルでの話になるので、どうなるのかは分からない」と述べた。22日、ゼマ知事が辞任し、シモンエス副知事がミナスジェライス州知事に昇格した。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)テベチ企画予算相は21日、約30年間に亘って在籍したMDBからPSBに移籍した。テベチは、サンパウロ州から上院議員に立候補する予定。一方、セルジオ・モーロ上院議員(ユニオン・ブラジル)は、今月24日にPLに移籍する予定。モーロは、2020年に法務治安相を辞任した後、ボルソナーロ親子とは仲違いしていたが、今では、フラヴィオ・ボルソナーロがモーロのことを「友人」と呼ぶ等、双方の関係は修復された模様。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)カストロ・リオデジャネイロ州知事(PL)は23日、上院議員に立候補するため、州知事を辞任した。尚、翌24日には、選挙高等裁判所(TSE)において、カストロの当選取消訴訟の裁判が再開されることになっており、カストロが知事を辞めても、有罪となれば、被選挙権の停止を言い渡される可能性がある。尚、リオデジャネイロ州では、副知事が不在で、バセラール州議会議長が麻薬組織との関係を理由に職務停止となっていることから、州高裁の長官が知事臨時代理に就任する。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(7)ルーラ大統領は、PTの政治家の世代交代を進める必要があるとして、できるだけ多くの若者(20代と30代)を下院議員候補に指名するよう、党執行部に指示を出している。PTの下院議員の平均年齢は59.2歳で、これは、各党の中で3番目に高い。一方、野党PLの平均年齢は53.8歳で、これは下院議員全体の平均値に近い。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(8)23日、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)が大統領選出馬を断念し、知事としての任期を全うすると発表した。その背景には、セルジオ・モーロ上院議員がボルソナーロ派と組んで、PLからパラナ州知事選に出馬することがあると見られている。最新の世論調査では、モーロが支持率40.8%でリードしており、2位のラファエル・グレカ元クリチバ市長(MDB。19.7%)を大きく引き離している。ラチーニョ知事は、アレシャンドレ・クーリ・パラナ州議会議長(PSD)かグト・シルヴァ・パラナ州政府都市局長を知事候補に擁立して、モーロに対抗しようとしている。尚、ラチーニョ知事の脱落により、カイアド・ゴイアス州知事がPSDの大統領候補に指名される可能性が高まっている。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(9)ダタフォーリャ社の世論調査(3月16日~18日)によると、セアラ州知事選の情勢は以下の通り:シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)47%、エルマノ・デ・フレイタス現セアラ州知事(PT)32%、エドゥアルド・ジラォン上院議員(Novo)5%、ジャイール・ペレイラ(PSol)2%、ゼー・バチスタ(PSTU)2%、白票/無効票10%、分からない2%。決選投票:シロ・ゴメス(PSDB)56%対エルマノ・デ・フレイタス(PT)37%。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.ボルソナーロ前大統領の入院
23日、ボルソナーロ前大統領が集中治療室から一般病棟に移された。連邦検察庁は、「ボルソナーロの健康状態は脆弱であり、人道的な自宅軟禁が認められるべきである」との意見書をモラエス・STF判事に提出した。また、ミシェーレ夫人もモラエス判事と面会し、退院後の自宅軟禁を求めた。モラエス判事は24日、ボルソナーロの退院後、90日間に亘って自宅軟禁を認めると決定した。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ及び25日付Uol)
7.外交
(1)ルーラ大統領は21日、ラ米・カリブ諸国共同体(Celac)首脳会議においてスピーチを行った際、「他国を侵略してもいいとする文書が存在するのであろうか? そんなことは許されるはずがない。誰かが他の国の主人は自分であると考えることはできない。彼らはキューバに対して何を行っているのか? 彼らはベネズエラに対して何をしたのか? それは民主的なことなのか?」と述べ、米国を批判した。また、ルーラは、米イスラエルのイランに対する攻撃、ガザ地区におけるジェノサイド、ウクライナ紛争を指摘し、「国連は全く機能していない。安保理とその常任理事国は、平和を守るために存在するが、戦争を行っているのは彼らである」と批判した。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ゴイアス州政府と米国は先週、ゴイアス州内においてレアメタルの調査を行うことで合意したが、連邦政府は、「鉱物資源は連邦政府の財産である」とする憲法規定を根拠に、右合意について違憲審査を請求することを検討している。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.ルーラ政権
(1)連邦政府は、燃料の高騰に対処するため、州政府に対し、燃料にかかる州税ICMSの税率をゼロにするよう求め、それによる減収分の半分を連邦政府が負担することを提案したが、州政府側がこれに難色を示したため、財務省は24日、軽油の輸入に対して1リットル当たり1.20レアルの補助金を出し、それにかかる費用を連邦と州で折半することを提案した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦政府は24日、住宅供給プログラム「Minha Casa Minha Vida」の対象となる所得層を月1.2万レアルから1.3万レアルに引き上げ、また、融資額の上限を50万レアルから60万レアルに引き上げた。これにより、より多くの中間所得層が同プログラムを利用できるようになる。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領は24日、犯罪組織対策法(Lei Antifacção)の裁可を行った。その際、二つの条文(犯罪組織特有の犯罪を犯した、犯罪組織の非構成員も犯罪組織の構成員と同様、禁固12年~30年に処す。並びに、犯罪組織から押収された収益及び金品の50%を州及び連邦直轄区に分配する)に対して拒否権が行使された。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ボウロス大統領府官房長官は25日、トラック運転手の代表と会議を行い、燃料の高騰を回避するために政府が行っている取組について説明し、便乗値上げを行っているガソリンスタンドや燃料卸売業者を批判した。また、政府は、最低運賃表を下回る料金でトラック運転手と契約することを禁じた。これにより、運転手側は、少なくとも当面の間はストライキを実施しないことにした。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ルーラ大統領と関係閣僚は18日、政府支持率の低迷について会議を行った際、「最低賃金の引き上げや所得税の減免が政府支持率の上昇に繋がっていないのは、多くの国民が借金を抱えており、中銀の高金利政策の影響をもろに受けていることと、マスター銀行やINSSのスキャンダルにより、ルーラ政権において汚職が横行しているとの印象が広がっていることが原因」との結論に達した。そのため、ルーラは、クレジットカードや消費者金融の金利を抑えるための方策について検討すると共に、政府が汚職対策に力を入れていることを喧伝することにより、ボルソナーロ派の攻撃を封じ込めることにしている。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)ルーラ大統領は25日、伯国内で初めて製造された超音速戦闘機「グリペンF-39」のお披露目式に出席した。この戦闘機は、スウェーデンSaabの協力により、伯Embraerによって組み立てられた。2032年までに伯空軍に配備される「グリペンF-39」36機の内、15機は伯で製造される。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)25日、組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)において、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の元婚約者(マルタ・グラエフ)の参考人招致が行われる予定であったが、元婚約者は出席せず、CPIのメンバーは落胆を隠せなかった。尚、上院では、エドゥアルド・ジラォン(Novo-CE)、アレッサンドロ・ヴィエイラ(MDB-SE)、ダマレス・アルヴェス(Republicanos-DF)、エスペリジャン・アミン(PP—SC)等の上院議員が「昨年11月の時点で、マスター銀行の不正に関する議会調査委員会(CPI)の設置を求めたにも拘わらず、アルコルンブレ上院議長は未だにこれに応じようとしていない」として、連邦最高裁判所(STF)に対し、CPIの設置を求めるための訴えを起こした。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)イバネイス・ロシャ連邦直轄区知事(MDB)は25日、「ダニエル・ヴォルカロ元頭取が司法取引に応じることを恐れていない」と述べた。同知事は、ブラジリア銀行(BRB)にマスター銀行を買収させようとしたことで、ヴォルカロとの癒着が取り沙汰されている。一方、ヴォルカロの義弟(ファビアーノ・ゼッテル)は25日、担当弁護士を代え、当局と司法取引に向けた交渉を試みることにしている。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ダニエル・ヴォルカロ元頭取がバハマやアラスカのオフショアを通じてピカソやバスキア等の美術品を合計2.6億レアル相当で購入していたことが判明。これらの美術品の中には、税務署に申告されていないものもあり、資産隠しに使われたと見られている。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)連邦警察は25日、金融持株会社のFictorに対する強制捜査を実施し、4700万レアル相当の資産を差し押さえた。Fictorは、犯罪組織「Comando Vermelho」のために資金洗浄を行い、また、不正取引により、連邦貯蓄銀行(CEF)に5億レアル相当の損害を与えたとされている。また、Fictorは、昨年11月、マスター銀行の裁判外清算の直前に同銀行を買収しようとしたことでも知られる。尚、ルーラ大統領の長男ルリーニャは、Fictorの経営者と近い関係にあり、Fictorの顧問を務めたこともある。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
ファキン・STF長官は24日、アルコルンブレ上院議長に対してCPMIの延長を認めるよう命じたメンドンサ判事の仮処分決定に関してSTF大法廷で審理を行うことを決定した。大法廷での審理は今月26日に行われる予定。連邦議会の指導部、中道派勢力(セントラン)及びPTは、「CPMIが延長された場合、選挙に悪影響を及ぼす」として、STFに対し、延長を認めないよう、働きかかけている。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ及び26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.連邦議会
(1)24日、上院において、女性嫌悪(ミソジニー)を犯罪として処罰し、違反者は、人種差別罪と同様に禁固刑(2年~5年)と罰金刑に処すとの法案が賛成67、反対0で可決され、下院に送られた。尚、ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)、ビア・キシス下院議員(PL-DF)等、下院のボルソナーロ派議員は、同法案に猛反対し、「下院ではこの異常な法案を葬り去らなければならない」と息巻いているが、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL-RJ)等、上院のボルソナーロ派議員は同法案に賛成票を投じた。尚、エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員は25日、フラヴィオ等、同法案に賛成したボルソナーロ派議員を批判。(25日及び26日付コレイオ・ブラジリエンセ及びヴァロール・エコノミコ電子版)
5.司法
25日、連邦最高裁判所(STF)において、裁判官及び検察官が公務員給与の上限(月4.6万レアル)を上回る報酬を受け取ることを可能にする所謂「Penduricalhos」と呼ばれる手当に関し、「Penduricalhos」は公務員給与上限の70%(3.2万レアル)に制限し、クリスマス手当、燃料手当、住宅手当、食事手当、保育所手当等、「Penduricalhos」の一部を廃止することが全会一致で決定された。引っ越し手当、過疎地勤務手当、司法管区兼任手当等の「Penduricalhos」は今後も支払われる。STFは、「これにより、1年間で73億レアルを節約できる」としているが、裁判官と検察官の給料が公務員給与上限を上回る(最高7.8万レアル)ことが正式に認められたことになり、物議を醸すのは必至と見られている。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.2026年選挙
(1)24日、セルジオ・モーロ上院議員が正式にユニオン・ブラジルからPLに移籍した。入党式にはフラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)も出席し、モーロは、フラヴィオの大統領選出馬に全面的に協力すると表明。ロザンジェラ・モーロ下院議員(モーロ夫人)もユニオン・ブラジルからPLに移籍した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)カサビ・PSD党首は24日、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)と会談を行った。PSDの大統領候補選びについて話し合ったと見られている。ラチーニョ・Jr・パラナ州知事が大統領選出馬を断念したことから、カイアドがPSDの大統領候補として本命視されている。カイアドには、ゴイアス州の治安を大幅に改善した実績(2018年から2025年にかけて、殺人は62%、強盗殺人は82%、傷害致死は54%低下。農村部の強盗は83%、窃盗は9%低下)を引っ提げて大統領選に臨もうとしている。また、カサビは25日、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)と会談した。その際、レイテ知事は、「自分は、あくまでも大統領選出馬を目指す。上院議員に立候補するつもりはない。右派の大統領候補としては既にフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)がいるため、PSDは、(右派のカイアド・ゴイアス州知事ではなく)中道派の候補(レイテ知事)を擁立すべきである」と述べた。尚、カサビは25日、選挙対策に専念するためとして、サンパウロ州政府の州務長官を辞任した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ及びヴァロール・エコノミコ電子版)
(3)選挙高等裁判所(TSE)は24日、2022年のリオデジャネイロ州知事選における選挙違反を理由に、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)の被選挙権停止(2022年から起算して8年間)を決定した。カストロは、選挙前に州政府機関の臨時職員として2.7万人を採用し、選挙運動員として利用しようとした。尚、カストロは、右決定を不服として、連邦最高裁判所(STF)に控訴する構え。控訴せず、判決が確定すれば、カストロは、上院議員に立候補できなくなる。カストロは、選挙に出馬するため、今月23日に辞任したばかりであった。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の陣営は、テレザ・クリスチーナ上院議員(PP-MS)またはゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)をフラヴィオの副大統領候補に指名する方向で検討している。クリスチーナの場合は女性票、ゼマの場合はミナスジェライス州民の票が期待できると見られている。尚、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)を副大統領候補に推す声も上がっていたが、同知事が出馬を断念して、任期を全うすると発表したため、その可能性は無くなった。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)AtlasIntel社が今月18日から23日にかけて5028人を対象に実施した世論調査によると、大統領選の情勢は以下の通り:
・第1回投票:ルーラ大統領(45.9%)、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)40.1%、レナン・サントス(Missão)4.4%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)3.7%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3.1%、アルド・レベロ元国防相(DC)0.6%、白票/無効票1.9%、分からない0.3%。
・決選投票:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)47.6%(前月比1.4ポイント増)、ルーラ(PT)46.6%(0.4ポイント増)。
・拒否率:ルーラ(PT)52%、ボルソナーロ前大統領(PL)48%、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)46.1%、ミシェーレ前大統領夫人(PL)43%。
尚、政府支持率は46%(1ポイント減)で、不支持率(54%。2ポイント増)を下回った。(25日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
7.ボルソナーロ前大統領の入院
モラエス・STF判事は24日、監視装置(GPS)の装着、携帯電話の使用禁止等を条件に、ボルソナーロ前大統領の退院後、90日間に亘って自宅軟禁を認めると決定した。ボルソナーロは、56日間に亘ってPapudinha刑務所に収監された後、自宅に戻れることになった。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.ルーラ政権
ルーラ大統領が23日、エディーニョ・シルヴァ・PT党首、ガブリエーリ元ペトロブラス社総裁(ルーラの政策綱領を担当)等と会議を開いた際、大統領選に関する世論調査でフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の支持率が急伸し、ルーラの支持率が低迷している件に関し、「与党はボルソナーロ派の攻勢に対して反撃できていない」と不満を漏らした。ルーラは、経済政策等に関して成果を上げても支持率の上昇に繋がらない現実に焦りを感じている。また、ルーラは、与党議員との会合において、「マスター銀行の件では、ボルソナーロ派が政府を攻撃するばかりである」と、与党議員の消極性を批判し、「マスター銀行のスキャンダルの原因は、ボルソナーロにある」等と反撃に出るよう、求めた。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)
(1)26日、連邦最高裁判所(STF)において、アルコルンブレ上院議長に対し、INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)の延長を命じたメンドンサ判事の仮処分決定が8対2で無効とされた。CPMIでは、メンドンサ判事の仮処分決定を根拠に120日間の延期が決定されたが、仮処分決定が無効化されたことにより、CPMIは、予定通り今月28日で終了することになった。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)27日、CPMIで報告官を務めるアルフレッド・ガスパール下院議員(PL-AL。ボルソナーロ派)がルーラ大統領の長男「ルリーニャ」、ダニエル・ヴォルカロ元マスター銀行頭取、ルーラ政権とボルソナーロ政権の社会保障大臣経験者等、216名の刑事告発を求める最終報告書を提出。これに対し、与党側は、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)、ボルソナーロ前大統領等、130名の刑事告発を求める「代替報告書」を提出して対抗した。28日未明、ガスパール報告官の最終報告書が賛成12、反対19で否決された。PL及びNovoの議員11名及びダマレス・アルヴェス上院議員(Republicanos)が賛成票を投じたが、与党と中道派(セントラン。PSD、PP、ユニオン・ブラジル、Podemos等)が反対に回り、政府与党が勝利を収めた。尚、与党の「代替報告書」については採決さえ行われず、CPMIは、報告書が採択されることなく、終了した。(28日及び29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.連邦議会
モッタ下院議長は、4月3日に「政党の窓(janela partidária。議員が議席を失うことなく、党籍を変更するための期間)」が終了することから、今週はリモートも含めて法案の採決は行わないことにした。そのため、下院議員の大半がブラジリアには来ないため、議会は空転することになる。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.司法
(1)伯裁判官協会(AMB)は26日、連邦最高裁判所(STF)が裁判官及び検察官の所謂「Penduricalhos」と呼ばれる手当を公務員給与上限(月4.6万レアル)の35%に制限すると決定した件に関し、「裁判官給与の購買力が既に50%も目減りしているのに、STFの決定によって、来月から裁判官の報酬が激減する。一方、裁判官は一人当たり平均6千件の訴訟を抱えており、オーバーワークに苦しんでいる。当協会は、事態を憂慮しており、STFの決定には反対の立場を取っている」と表明。一方、サンパウロ州の労働裁判所等では、裁判官がSTFの決定に抗議して公判を取り止める等の動きが見られた。尚、STFの決定により、「Penduricalhos」の一部(転勤に伴う費用、教育手当、僻地勤務手当、有給休暇の未取得分に相当する手当等)が正式に認められたことにより、裁判官と検察官以外の公務員が「Penduricalhos」を要求することが予想されている。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ローマ控訴裁判所は26日、ボルソナーロ派のカルラ・ザンベーリ前下院議員(PL-SP)の身柄を伯に引き渡すことを決定した。ザンベーリの弁護団は、これに対して控訴する構え。判決が確定し、イタリアの法務大臣が許可すれば、ザンベーリは伯に引き渡されることになる。ザンベーリは、国家司法審議会(CNJ)のコンピュータシステムにハッキングをかけたことで、禁固10年の有罪判決を言い渡された後、イタリアに逃亡し、昨年7月から同国で勾留されている。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ
(3)モラエス・STF判事は27日、「金融活動監視委員会(Coaf)が捜査当局(議会調査委員会も含む)に『金融インテリジェンス報告書(RIF)を提出する際には正式に捜査が行われていることが必須条件であり、捜査の前段階における金融取引に関する情報開示は原則禁じられる。情報開示の対象(個人または法人)は、正式な捜査の対象でなければならない」と決定した。(28日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)リオデジャネイロ州では、カストロ州知事(PL)の辞任により、正・副州知事の双方が空位となり、継承順位3位のバセラール州議会議長(ユニオン・ブラジル)が犯罪組織との癒着により、議員資格剥奪の上、逮捕されたことにより、暫定知事を選出することとなった。26日、リオデジャネイロ州議会において、間接選挙が実施され、ドウグラス・ルアス州議会議員(PL)が暫定知事に選出されたが、同州の高裁が選挙の無効を宣言した。そのため、本件に関しては、連邦最高裁判所(STF)の判断を仰ぐこととなった。28日、ザニン判事が間接選挙の実施は差し止めるとの仮処分決定を行った。右決定については、4月8日にSTF大法廷で審理が開かれることになっている。(28日~30日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)選挙高等裁判所(TSE)は26日、進歩党(PP)とユニオン・ブラジルによる「政党連盟(federação partidária)」の結成を承認した。これにより、両党は今後4年間に亘り、「União Progressista」連盟として、一つの政党として活動する。「União Progressista」は、下院101議席、上院12議席を有する一大勢力であるが、「政党の窓(janela partidária)」の影響で、若干議席を減らすことが予想されている。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は26日、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)が「ルーラは使い古したオパラ(80年代から90年代にかけて生産されたGMの乗用車)だ」と批判した件に関し、「自分は94年製のオパラを持っていたので、侮辱されたとは思わない。自分のはチューンアップされたオパラであったが、彼(フラヴィオ)の父親はスクラップにされたオパラである」と述べた。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)テベチ企画予算相は27日、MDBからPSBに移籍した。テベチは、サンパウロ州から与党連合の上院議員候補として立候補する予定。一方、テレザ・クリスチーナ上院議員(PP-MS)は、「自分の名前がフラヴィオ・ボルソナーロの副大統領候補に挙がっていることを名誉に思っている。フラヴィオの副大統領候補になる準備はできている」と述べた。(28日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ダタフォーリャ社の世論調査によると、左派でなければ右派でもない中間層の31%が大統領選ではルーラに投票すると答えたのに対し、フラヴィオ・ボルソナーロに投票すると答えたのは17%であった。大統領選が両者による一騎打ちの様相を呈しているところ、中間層の動向が勝敗を決すると見られている。(28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)26日、米ダラスにおいて開催された「保守政治行動会議(CPAC)」の開会式では、ボルソナーロ前大統領の収監、並びに米国務省のダレン・ビーティ―公共外交担当次官代理が伯への入国を拒否された件に関して、批判が巻き起こった。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は28日、同会議でスピーチを行った際、「米国には、伯において表現の自由が守られているのかどうか、監視してもらいたい。また、伯で公正な選挙が実施されるよう、圧力をかけてもらいたい。バイデン政権は、USAIDの資金をばらまくことで、2022年の伯大統領選に介入し、ルーラを勝たせた。ルーラの当選により、伯は、未曽有の経済危機と治安の悪化に見舞われている」と訴えた。尚、USAIDの資金がルーラの選挙キャンペーンに使用されたとの証拠はない。一緒に参加した弟のエドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員も「ルーラは反米で、バイデン政権の支援を受け、不正選挙により勝った。モラエス判事はボルソナーロ一家を迫害している」と述べた。これに対し、ボウロス大統領府官房長官は、「フラヴィオは、大統領に当選した暁には伯のレアアースを差し出すことを米国に約束しており、伯の資源と伯国民の将来を外国勢力(米国)に明け渡そうとしている」と批判。ホフマン政治調整庁長官は、「ボルソナーロ兄弟はトランプ米大統領に忠誠を誓った売国奴である」と批判。(29日及び30日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(7)イバネイス・ロシャ連邦直轄区知事(MDB)は28日、上院議員選に出馬するため、知事を辞任した。これに伴い、セリーナ・レアォン副知事(PP)が知事に昇格し、10月の知事選では再選を狙うことになった。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(8)PSDは30日、記者会見を開き、PSDの大統領候補にはカイアド・ゴイアス州知事を指名すると発表した。カイアド知事は、「伯はこれ以上、(ルーラとボルソナーロの)二極化に耐えられない。自分は、大統領に就任した場合、先ず最初にボルソナーロ前大統領と三権襲撃犯に対して大幅且つ無制限の恩赦を与える」と述べた。カサビ・PSD党首は、カイアドを選んだ理由について「(PSDの大統領候補の中で)決選投票に勝ち残る可能性が最も高いのはカイアドである。決選投票に進むことができれば、カイアドが勝つ」と述べた。大統領選出馬を目指していたレイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)は、「カイアドでは、二極化を崩すことはできない。これを打破するにはリベラル寄りの中道派の候補を擁立するしかない」と批判した。尚、ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首とホフマン政治調整庁長官(PT)は、「カイアドでは、ルーラとフラヴィオ・ボルソナーロによる一騎打ちの構図を変えることはできない」と懐疑的な見方を示した。カイアド(76歳)は、1989年に一度だけ大統領選に出馬したことがあるが、その際の得票率は1%未満であった。カイアドの課題は、如何に右派の票を集めるのかにある。(31日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(9)BTG/Nexus社の大統領選に関する世論調査(今月27日から29日にかけて2006人を対象に実施。同社の大統領選に関する世論調査は今回が初めて)の結果は以下の通り:
●第1回投票:ルーラ大統領(PT)41%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)38%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)4%、レナン・サントス(Missão)2%、アルド・レベロ元国防相(DC)0%、白票/無効票/誰にも投票しない8%、分からない2%。
●決選投票:ルーラ(PT)46%、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)46%、白票/無効票/誰にも投票しない7%。(31日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(10)ルーラ大統領は、31日の閣議において、再びアルキミン副大統領(PSB)を副大統領候補に指名すると発表した。また、ルーラによると、少なくとも18名の閣僚が選挙に出馬するため、4月4日までに辞任することになっている。(31日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
6.ボルソナーロ前大統領の近況
(1)ボルソナーロ前大統領は26日、DF Star病院を退院した後、ブラジリアのジャルディン・ボタニコ地区にある自宅に搬送された。ボルソナーロは、今後90日間に亘って、自宅軟禁に服すことになる。(27日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)27日、TVグローボのドローンが元気そうに談笑し、犬と戯れるボルソナーロ前大統領の姿を捉えた。翌28日、モラエス判事がボルソナーロの自宅から半径100m以内の地点においてドローンを使用することを禁止した。ボルソナーロは、自宅軟禁中は監視装置(GPS)の装着、携帯電話の使用禁止等の条件を守らなければならない。また、ボルソナーロと日常的に接することができるのはミシェーレ夫人、娘のラウラ及び義理の娘のレティシアだけである。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員を含む弁護団は、毎日、30分ずつ面会することが許されている。他の面会は今のところ、禁止されている。ボルソナーロの自宅から半径1kmの地点におけるデモや集会は禁止されている。違反した場合、ボルソナーロは、Papudinha刑務所に戻される。(28日~29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員がCPACの席上で携帯電話を掲げながら「ここで撮った動画は父ボルソナーロに見せる」と宣言した件に関し、モラエス・STF判事は30日、ボルソナーロの弁護団に対し、24時間以内に説明するよう命じた。ボルソナーロは、携帯電話等の電子機器の使用とSNSの利用を禁じられている。弁護団は、「ボルソナーロは、エドゥアルドの動画は見ておらず、モラエス判事の定めたルールを遵守している」と強調した。(31日付コレイオ・ブラジリエンセ)
7.外交
ヴィエイラ外相は27日、G7外相会合と並行して、ルビオ米国務長官と会談を行い、両国の通商関係、犯罪組織対策等について話し合った。両者が最後に接触したのは、今月8日の電話会談であった。その際には、米国が伯の犯罪組織(PCC、Comando Vermelho)をテロ組織に指定する可能性について話し合われた。伯政府は、これらの組織がテロ組織に指定されれば、伯に介入する口実を与えることになると警戒している。尚、ヴィエイラは、26日にイランのアラグチ外相と電話会談を行った。イランで紛争が発生してから伯がイランと接触したのはこれが初めてである。両外相は、紛争の現状及び影響、交渉による解決の展望等について意見交換を行った。(28日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)



