2026年2月 ブラジル関連情報
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2026年2月ブラジル関連情報
1.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は30日、左目の白内障の手術を受けた後、その日の内に退院した。手術は成功した模様。ルーラは、週末は静養し、2月2日(月)から公務を再開する予定。(1月31日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)コスタ文官長(PT)は29日、上院議員選に出馬するため、3月末に辞任し、その後任にはミリアン・ベルキオール次官が任命されることを確認した。ミリアン・ベルキオール次官は、ルセーフ政権で企画相を務めた。(1月31日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)テベチ企画予算相(MDB)は30日、上院議員に立候補するため、3月末に辞任すると発表した。また、テベチは、「議員割当金(emenda parlamentar)」について「議員割当金に反対しているわけではないが、一人の議員が6千万レアルの予算を自由にできるのは行き過ぎである。連邦予算は、議会によって囚われの身となっている」と批判した。2026年度の「議員割当金」は約610億レアルで、その内、378億レアルが義務的な予算として拠出が義務付けられている。尚、モッタ下院議長は、「連邦議会は、予算について議論し、修正案を提出し、決定するという、憲法上の役割を果たしているだけであり、テベチの発言は間違っている。テベチは発言には気を付けるべきである」と反論した。(1月31日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)リオデジャネイロのサンバ・スクール「アカデーミコス・デ・ニテロイ」は、本年のカーニバル・パレードにおいてルーラ大統領をオマージュすることにしている。連邦政府は、リオデジャネイロのカーニバルに1200万レアル(12のカーニバル・スクールに対して各100万レアルが支給される)を助成することにしており、これが公職選挙法に抵触するのかが否かが議論されている。連邦会計検査院(TCU)は2日、「アカデーミコス・デ・ニテロイ」に対する助成金は差し止めるよう、勧告した。ボルソナーロ派のダマレス・アルヴェス上院議員(Republicanos-DF)は2日、選挙検察庁に対し、政府を公職選挙法違反(選挙運動の前倒し)の容疑で告発した。(1月31日付、2月2日付ヴァロール・エコノミコ電子版及び2月3日コレイオ・ブラジリエンセ)
2.連邦議会
(1)2日、連邦議会では、2026年度会期の開会式が執り行われた。大統領と連邦最高裁判所のメッセージが読み上げられた後、モッタ下院議長は、「議員割当金」に対する批判に反論し、アルコルンブレ上院議長は、「所得税基本控除額の引き上げ等の成果は、国民の勝利であり、行政府や議会の功績ではない」と強調し、三権が対話を行うことで、調和の取れた関係を維持することを主張した。尚、ルーラ大統領は、メッセージの中で、所得税基本控除額の引き上げや治安対策の強化等を昨年度の成果として挙げると共に、本年度の最優先事項として、EU・メルコスール・FTAの承認、週休2日制の義務化、並びに治安対策関連法案の早期成立を求めた。(2月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)2日、下院において、低所得層を対象とする家庭用ガスボンベ無料配給プログラム「Gás do Povo」の導入に関する暫定措置令(MP)が賛成415により可決され、上院に上程された。(2月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.司法
2日、連邦最高裁判所(STF)において、司法機関の始業式が執り行われた。ファキン・STF長官は、「STFに対する攻撃は、民主制を脅かす」とSTFを擁護した上で、STFの透明性を高めるための倫理規程を作成すると発表し、カルメン・ルシア判事をその報告官に任命した。始業式に出席したルーラ大統領は、STFを称賛し、「三権は常に対話を行い、互いに尊重し合わなければならない。国民は、社会の安定と正義を望んでおり、三権が互いに争うことは望んでいない」と強調した。ルーラは、治安対策に関しては政府が犯罪組織の資金源を断つための強制捜査を実施していることを挙げ、「これらの犯罪組織の背後には、『犯罪の大富豪(magnatas do crime)』がいる。連邦警察は、相手が誰であっても、厳正に捜査しており、全ての犯罪者はその代償を支払うことになる」と述べた。また、ルーラは、本年の選挙でAIが悪用される可能性について懸念を表明し、選挙高等裁判所(TSE)に対して対策を講じるよう求めた。(2月3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)は29日、Papudinha刑務所にてボルソナーロ前大統領と面会した後、記者団に対し、「自分は国政選挙への出馬を目標としたことはなく、本年の選挙では、サンパウロ州知事への再選を目指す。大統領選に関しては、これまで述べてきたように、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)を支持しており、選挙戦ではフラヴィオに協力することにしている。この点に関して疑いの余地はない」と強調した。これにより、フレイタスがボルソナーロ親子の圧力により、大統領選出馬を断念したことが明白となった。世論調査では、フレイタスの方がフラヴィオより勝ち目があるとの結果が出ているにも拘らず、ボルソナーロ親子は意に介していないようである。尚、フレイタス知事によると、ボルソナーロは、カイアド・ゴイアス州知事のPSD入党を評価し、同知事との連携に含みを持たせた。フレイタスの大統領選出馬を支持していたカサビ・PSD党首は、「ボルソナーロに感謝するのはいいが、サンパウロ州知事ともあろう者がそこまで(ボルソナーロ親子に)服従するのは如何なものか」と苦言を呈した。これに対し、フレイタスは、「自分は(ボルソナーロ親子に)服従していない」と反論。(1月30日付コレイオ・ブラジリエンセ、フォーリャ・デ・サンパウロ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)は29日、CNN Brasilとのインタビューにおいて、「クーデター未遂と三権襲撃犯の刑は重過ぎる。ボルソナーロ前大統領だけでなく、2023年1月8日のデモの参加者全員に恩赦を与えることに賛成である。パラナ州では、PTの支持者が州議会に乱入したことがあったが、誰も罰せられなかった」と述べた。カイアド・ゴイアス州知事やゼマ・ミナスジェライス州知事等、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事を除く他の右派の州知事も恩赦に肯定的な意見を述べているが、連邦最高裁判所(STF)は、クーデター及び民主的法治国家転覆罪に恩赦は認められないとの立場を取っている。(1月30日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は30日、弟のエドゥアルドと共に、バーレーンを訪問し、同国のアール・ハリーファ王子主宰の夕食会に出席した。フラヴィオは、「大統領に当選した場合、伯の外交政策をリセットする」と吹聴している。フラヴィオとエドゥアルドは、バーレーンでは首相、皇太子等の要人と会談。(1月31日及び2月1日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ルーラ大統領は、ボルソナーロ派が以前から「アンチ・システム(反体制)」を掲げて支持を得ていることから、3期目の開始当初から掲げていたスローガン(国の再建)を「アンチ・システム」に変える方向で検討している。但し、ボルソナーロ派の言う「システム」が政界のエリートと司法機関であるのに対して、PTの言う「システム」とは金融市場と犯罪組織である点が異なる。(1月31日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)共和党(Republicanos)は、同党所属のフレイタス・サンパウロ州知事が大統領選出馬を断念したことから、大統領選に関しては野党のフラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)派とルーラ派に分裂している。Republicanosが同じ中道派勢力(セントラン)のPSDの大統領候補を支持する可能性は低いと見られている。(2月1日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)これまで「左派の票田」とされてきた北東部では、バイア、マラニョン及びセアラの主要な州で野党が先行しており、PTの出遅れが指摘されている。例えば、バイア州知事選に関してはACM・ネット元サルヴァドール市長(ユニオン・ブラジル)の支持率が44%で、再選を狙うロドリゲス州知事(PT)の35%を上回っている。セアラ州でも、シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)の支持率が44.8%であるのに対し、現職のフレイタス州知事(PT)は34.2%で、約10ポイントも差をつけられている。マラニョンでは、左派が分裂しており、PTの支持する現職のブランダォン州知事(無所属)がPSDのエドゥアルド・ブライデ・サンルイス市長に14ポイント差でリードされている。ペルナンブコやアラゴアス等の州でもPTと他党の選挙協力に向けた交渉が難航しており、ルーラ大統領自らが交渉しなければ埒が明かない状況になっている。(2月1日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(7)マルコス・ロシャ・ロンドニア州知事は1日、ユニオン・ブラジルからPSDに移籍すると発表した。先月、PSDへの移籍を発表したカイアド・ゴイアス州知事に続いて、ユニオン・ブラジルから二人目の州知事が離党することになった。これにより、PSDの州知事は6人に増える。(2月2日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(8)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、PLがミナスジェライス州においてPPやユニオン・ブラジル等の中道派勢力(セントラン)と選挙協力を行い、ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)をミナスジェライス州知事候補に擁立する方向で検討している。絶大な人気を誇るフェヘイラを州知事候補にすることで、有権者数で全国2位のミナスジェライス州における集票に繋げると共に、大統領選出馬を予定しているゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)への牽制になると見られている。但し、フェヘイラ本人は、州知事選出馬に難色を示している模様。(2月3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.マスター銀行の破綻
(1)トフォリ・STF判事は29日、マスター銀行の不正疑惑に関する事情聴取の録画に関する機密指定を解除した。これにより、昨年12月に行われた、ダニエル・ヴォルカロ頭取、パウロ・コスタ前ブラジリア銀行(BRB)総裁及びアイルトン・デ・アキノ中銀監査担当理事の供述内容が明らかになった。それによると、ヴォルカロとコスタは、マスター銀行がBRBに売却した不良債権化した証券(122億レアル相当)の出所について発言内容が食い違ったものの、両名とも「102億レアル相当の証券は、新たな金融商品に交換されたため、BRBが損害を被ったり、不正が行われたとの事実はない」との点では一致した。また、ヴォルカロは、「中銀からマスター銀行をBRBに売却するよう、勧められた」、「イバネイス・ロシャ連邦直轄区知事(MDB)とマスター銀行の買収について話し合った」等と発言。尚、アキノ中銀理事は、「中銀は、マスター銀行がBRBに売却した証券の内、その一部の発行元であるCartos社及びTirreno社について調査した結果、これらの企業には実体がなく、証券が偽造されたものであることを突き止めた。BRBの損失は50億レアルに上る」と証言した。連邦警察の捜査官が匿名で取材に応じたところ、これまでに押収された証拠を調べた結果、複数の有力政治家がマスター銀行の不正に関与していた可能性が浮上している。(1月30日及び31日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)トフォリ・STF判事は29日、「これまでマスター銀行の不正疑惑に関する連邦警察の要請には全て応じており、また、弁護側の要請は、和解の申し出も含め、全て却下した。これまでに収集された証拠の有効性は担保されている。捜査が終了した段階で、本件を第1審の連邦裁判所に差し戻すか否かについて検討することが可能となる」との声明を発表した。同判事は、本件に関する捜査について批判を浴びているが、公に釈明を行ったのは今回が初めて。(1月30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)中央銀行は、昨年11月にマスター銀行の裁判外清算を宣告したが、もっと早く対応できなかったのかとの批判を受け、昨年末から内部調査を行っている。調査は極秘裏に行われており、調査の実施期間は無期限とされている。尚、裁判外清算が宣告された直後、中銀銀行監督局のパウロ・ソウザ次長が更迭されている。(1月30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)カルロス・ヴィアナ上院議員(Podemos-MG。国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)委員長)は29日、ダニエル・ヴォルカロ・マスター銀行頭取とルイス・フェリックス・カルダモネ・ネット・BMG銀行頭取の証人喚問を来月5日に行うと発表した。両者とも年金受給者を対象とする貸付制度(empréstimo consignado)に関して不正を行っていたとされている。(1月30日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(5)30日、アイルトン・アキノ中銀理事が昨年末に行った供述の録画が公開された。それによると、マスター銀行の裁判外清算が宣告された昨年11月18日の時点で同銀行に残されていた現金は僅か400万レアルで、その週に支払いが予定されていた債務が1.27億レアルであったことから、同銀行は事実上、破産していたことが判明した。アキノ理事は、中銀がマスター銀行の資金繰りについて注視していたことを強調し、同銀行に対する監督を怠っていたとの批判に反論した。(1月31日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)中央銀行が昨年11月にマスター銀行の裁判外清算を宣告した後、複数のインフルエンサーから攻撃を受けた件について捜査を行っている連邦警察がトフォリ・STF判事に提出した報告書によると、攻撃を行った40のアカウント(フォロワー数7千万人)がデマを拡散するためのデジタル・ネットワークを形成していたことが判明した。また、MiThi等、6つの広告代理店がこれらのインフルエンサーと契約を結び、中銀を攻撃させていたことが判明。尚、このデジタル・ネットワークがフレイタス・サンパウロ州知事、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員、ニコラス・フェヘイラ下院議員等、右派の政治家の応援に利用されていたことも判明している。(2月1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(7)ロドリゴ・ローレンベルギ下院議員(PSB-DF)は2日、マスター銀行の破綻に関する議会調査委員会(CPI)の設置を要請した。同議員は、ブラジリア銀行(BRB)によるマスター銀行の買収を巡る不正疑惑(特にマスター銀行が不良債権化した証券(120億レアル相当)をBRBに売却した件)に焦点を当てることを主張するとともに、「金融界と政界の癒着にメスを入れる絶好のチャンスである」と強調している。尚、モッタ下院議長に近い中道派勢力(セントラン)の有力議員によると、セントランはCPIの設置に反対しており、CPIが設置される可能性は極めて低い。(2月3日付コレイオ・ブラジリエンセ及び日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
6.ボルソナーロ前大統領の収監
(1)モラエス・STF判事は、ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)に対し、ボルソナーロ前大統領との面会を許可した。同議員は、ボルソナーロの釈放と恩赦を求めるためのデモ行進を実施して、名を上げており、ボルソナーロと面会すれば、支持者の士気を上げることができると見られている。他にも大勢のボルソナーロ派の政治家が面会を求めており、獄中とはいえ、ボルソナーロの影響力が健在であることを見せつけている。(2月1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ブラジリア軍警察がボルソナーロ前大統領の日常(1月15日~27日)について記録した報告書によると、ボルソナーロは、ウォーキングとリハビリを日課としている。医師と弁護士の他は、ミシェーレ夫人と次男カルロス、並びに牧師であるチアゴ・マンゾーニ連邦直轄区議員(PL)と2回に亘って面会した。ボルソナーロは、「読書による刑期短縮プログラム」の適用を申請したが、読書をしている様子はない。(2月1日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.外交
ボリッチ・チリ大統領は、バチェレ元チリ大統領(元国連ウィメン事務局長、元国連人権高等弁務官)が次期国連事務総長に立候補すると発表。ルーラ大統領は、「バチェレは、チリ初の女性大統領であり、国連も初の女性事務総長が誕生する時に来ている」とXに投稿した。(2月3日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は4日、モッタ下院議長及び連立与党(PPやユニオン・ブラジル等の中道派勢力(セントラン)も含む)の下院院内総務を大統領別邸「Granja do Torto」に招いて夕食会を開いた。ルーラは、モッタ議長の苦労を労い、議会関係者の努力に対して謝意を表明した。夕食会の席上では、政治や選挙が話題に上ることは殆どなく、ルーラが昔話をする等、懇親会のようであった。政府と下院の関係改善が狙いであったと見られている。ルーラは、別の日にアルコルンブレ上院議長を夕食会に招くことにしている。(4日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)ルーラ大統領は4日、フェミサイド対策「フェミサイドに対するブラジル国家協約」を発表した。これは三権が連携して、社会問題化しているフェミサイド対策に取り組むというもので、フェミサイドだけでなく、DV等、女性に対する暴力を減らすことを目標としている。ルーラは、「伯では、1日当たり4人もの女性が殺害されている。DVの被害に遭った女性は全体の27%に上っている。これは恐るべきことであり、早急に社会全体で対策に取り組まなければならない」と強調した。司法機関のデータによると、昨年度中に行われたフェミサイドに関する裁判は15,453件で、前年比で17%も増えた。DVの被害女性に対する保護措置は、62.1万件で、1時間当たり70人の女性が保護されたことになる。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.連邦議会
(1)4日、下院において、連邦議会職員の昇進・給与制度見直し法案が可決され、大統領の裁可に付された。これにより、議会職員の基本給が大幅にアップする他、業績に応じて給与の最大100%に相当する「パフォーマンス手当」が支給されることになった。諸手当を含めると、中には、公務員の給与上限(46,366.19レアル)を上回る7.7万レアルを受け取れる議会職員もいる。これによる人件費の増加は本年だけで43億レアルと試算されている。尚、議会職員の賃上げに伴い、下院議員が公設秘書を雇うための人件費も現在の月13.3万レアルから16.5万レアルに引き上げられる(23%増)。各議員は、この金額の範囲内で、最大で25人の公設秘書を雇うことができる。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ及び5日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は、連邦議会職員の昇進・給与制度見直し法案に対して拒否権を行使するよう、周囲から勧められているが、議会サイドは、「議会職員の待遇について決めるのは議会の専権事項である」として、拒否権が行使されても、これを覆す構え。政府の試算によると、拒否権を発動しない場合、連邦議会の人件費は、2028年までに110億レアルも増額することになる。尚、行政改革(公務員制度改革)法案の報告官を務めるペドロ・パウロ下院議員(PSD-RJ)は4日、「手当を給与に含めないことで、公務員給与上限を回避する手法を温存するのは、行政改革の趣旨に反している。また、下院で可決された法案では、『有給相殺手当(licença compensatória。3日間働けば、1日有給休暇が与えられる。休みを取らなければ、日当が給与に上乗せされる)』も温存されているが、このような時代遅れの制度は行政改革で廃止しなければならない」と述べた。ペドロ・パウロ議員は、連邦議会職員昇進・給与制度見直し法案に反対票を投じた数少ない議員の一人である。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)3日、低所得層を対象とする家庭用ガスボンベ無料配給プログラム「Gás do Povo」の導入に関する暫定措置令(MP)が上院で可決され、大統領の裁可に付された。既存の「Auxílio Gás」プログラムは、2ヶ月毎にガスボンベ1本分の現金が給付されるが、「Gás do Povo」では、毎月、ガスボンベ1本と交換できるバウチャーが支給される。また、対象も1500万世帯に拡大される。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.司法
(1)軍事高等裁判所(STM)は3日、クーデター未遂により実刑を受けたボルソナーロ前大統領及び元軍高官4名(陸軍大将(退役)のブラガ・ネット元文官長、エレーノ元大統領府安全保障局長官及びオリヴェイラ元国防相、並びにガルニエ―ル元海軍司令官)の兵籍除籍に関する軍事検察庁の申立を受理した。ロシャ・STM長官は、各被告に対して報告官を任命すると共に、本件に関する手続きの迅速化を指示した。軍事検察庁は、ボルソナーロに関しては「法に背き、(連邦最高裁判所等)権限ある当局の命令には従わず、人の尊厳を尊重しない等の行為を通じて、軍人の評判を貶めるとともに、軍の規律と軍規に違反しており、その罪は重い」と主張している。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)4日、連邦最高裁判所(STF)では、裁判官のSNS使用に関して国家司法審議会(CNJ)が定めた規則の是非に関する審理が行われ、モラエス等、5名の判事がCNJの規則を支持したところで休廷となった。規則では、裁判官は係争中の案件についてコメントすることが禁止されている他、選挙や政党等、政治に関する発言も規制されているが、原告の伯裁判官協会(AMB)は、「規則の内容は厳しく、裁判官の表現の自由を著しく制限するものである」と主張し、その無効化を求めている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ディーノ・STF判事は4日、連邦警察に対し、アルトゥール・リラ下院議員(PP-AL。前下院議長)とジョゼ・ロシャ下院議員(ユニオン・ブラジル-BA)を対面させた上で、「議員割当金(emenda parlamentar)」の用途に関して事情聴取を行うことを許可した。リラは、所謂「報告官の議員割当金(RP9。秘密予算として知られていた。2022年に連邦最高裁判所(STF)によって廃止)」を巡る不正への関与が疑われている。昨年、リラの補佐官(マリアンジェラ・フィアレク)が「秘密予算」の分配及び横流しを行っていたとして、強制捜査を受けた。ジョゼ・ロシャ議員は、マリアンジェラ・フィアレク補佐官が「秘密予算」を巡る不正に関与していたと証言した議員の一人である。リラが本件に関して捜査当局の事情聴取を受けるのはこれが初めてである。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ネルシーニョ・トラッジ上院外交委員長(PSD-MS)は4日、EU・メルコスール・FTAの承認について作業部会を設置し、手続を加速化させると発表した。下院では、モッタ下院議長がカーニバル休暇明けの2月23日の週に同FTAの採決を行うとしており、上下両院では、同FTAの早期承認に向けた動きが見られる。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)Meio/Ideia社が1月30日から2月2日にかけて1500人を対象に実施した、大統領選に関する世論調査は以下の通り:
・第1回投票:
①シナリオ1:ルーラ大統領(PT)39.5%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)32%、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)8.8%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3%、レナン・サントス(Missão)0.7%、レベロ元国防相(DC)0.5%、誰にも投票しない/白票/無効票5%、分からない10.5%。
②シナリオ2:ルーラ大統領(PT)38.7%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)35.3%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)5.1%、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)3.4%、レナン・サントス(Missão)0.7%、レベロ元国防相(DC)0.7%、誰にも投票しない/白票/無効票5.5%、分からない10.5%。
③シナリオ3:ルーラ大統領(PT)39.5%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)33%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)6%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)5.1%、レナン・サントス(Missão)0.7%、レベロ元国防相(DC)0.5%、誰にも投票しない/白票/無効票5.6%、分からない9.5%。
・決選投票:±2.5ポイントの誤差を考慮すれば、ルーラは、フレイタス、フラヴィオ及びミシェーレと拮抗している。
ルーラ(PT)45.8%対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)41.1%
ルーラ(PT)44.7%対フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)42.2%
ルーラ(PT)45%対ミシェーレ前大統領夫人(PL)40.7%
ルーラ(PT)45%対ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)38%
ルーラ(PT)45%対ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)34%
ルーラ(PT)45%対カイアド・ゴイアス州知事(PSD)34%
ルーラ(PT)45%対レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)21%(4日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)PTは、ミナスジェライス州知事選で独自候補を擁立するのが困難であることから、アレンカール元副大統領(第1次及び第2次ルーラ政権)の子息(ジョズエー・ゴメス元サンパウロ州工業連盟(FIESP)会長)を州知事候補として担ぐ方向で検討中。ルーラ大統領は、パシェコ前上院議長(PSD-MG)をミナスジェイライス州知事候補に推していたが、パシェコがこれに難色を示しているため、PTは、代わりの候補を模索している。尚、パシェコがPSDを離党して、ユニオン・ブラジルからミナスジェイライス州知事に立候補する可能性を探っているとの情報もある。(5日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びヴァロール・エコノミコ電子版)
5.マスター銀行の破綻
(1)カルロス・ジョルディ下院議員(PL-RJ)等の野党議員は3日、マスター銀行の不正疑惑に関して議会合同調査委員会(CPMI)の設置を求めた。要求書には、与野党の連邦議員280名(下院238名、上院42名)が署名した。野党側は、ダニエル・ヴォルカロ頭取の他、トフォリ判事の兄弟やモラエス判事夫人等、STF判事の関係者をCPMIに召喚することを目指している。尚、モッタ下院議長は、「他にも10以上の議会調査委員会の設置が予定されており、マスター銀行に関するCPMIを優先させることはない」と述べている。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)3日、デイヴィス・アントゥネス前リオデジャネイロ州政府職員年金基金(Rioprevidência)総裁が逮捕された。Rioprevidênciaは、2023年から2024年にかけてマスター銀行の金融商品に約10億レアル相当を投資したが、同銀行の破綻により回収不能となっている。この金融商品は、信用保証基金(FGC)の対象外で、ハイリスクとされていた。アントゥネスは、この投資を行ったことで、本年1月末に更迭された。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)連邦警察は、トフォリ・STF判事の許可を得て、ブラジリア銀行(BRB)がマスター銀行の買収以外にも不正を行っていた可能性について捜査を開始する。また、連邦直轄区会計検査院(TCDF)は、BRBと連邦直轄区政府職員年金基金(FSG)の監査を行うことを決定。FSGの資金がBRBの株に投資されていることが問題視されている。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)司法高等裁判所(STJ)は4日、PT、Rede等の左派政党の告訴状を受理し、ブラジリア銀行(BRB)がマスター銀行を買収しようとした件に関与していたとされるイバネイス・ロシャ連邦直轄区(DF)知事を連邦検察庁(PGR)に書類送検した。連邦検察庁は今後、本件について捜査を行うか否かを決定する。BRBは、法務部が買収に強く反対していたにも拘わらず、ロシャ知事の圧力により、買収を強行しようとしていたとされている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)では、今月26日にダニエル・ヴォルカロ・マスター銀行頭取の証人喚問が行われる予定。マスター銀行は、年金受給者を対象とする貸付制度(empréstimo consignado)についても不正を行っていたとされている。25.4万人の年金受給者がこの貸付制度を利用していないにも拘わらず、マスター銀行から借金の返済として、年金の一部が徴収されていたことが問題視されている。CPMIの委員長を務めるカルロス・ヴィアナ上院議員(Podemos-MG)は、「ヴォルカロが証人喚問に応じなければ、強制連行することもあり得る」と述べている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)レナン・カリェイロス上院経済委員会委員長(MDB-AL)は、ガリポロ中銀総裁と会談し、同委員会がマスター銀行の不正疑惑について調査を行うため、中銀が情報提供を行うとの点で一致した。尚、カリェイロス委員長は、マスター銀行に関する議会調査委員会(CPI)が設置されても、上院経済委員会と競合することはないと強調した。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.ボルソナーロ前大統領の収監
(1)ボルソナーロ前大統領の弁護団は4日、ボルソナーロの健康状態が悪化したとして、連邦警察にボルソナーロの健康状態に関する鑑定書を早急に提出させるよう、モラエス判事に要請した。連邦警察は、先月20日にボルソナーロの健康診断を行い、Papudinha刑務所での収監を自宅軟禁に切り替えることの是非について鑑定書を提出することになっているが、鑑定書は未だ提出されていない。(4日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)ボルソナーロ前大統領がルーラ大統領を中傷していた件に関し、2日、獄中で連邦警察の事情聴取が行われていたことが判明。ボルソナーロは、昨年3月にYouTubeに投稿した動画の中で、ルーラを麻薬組織と関連付けた他、Xの投稿の中で、ルーラのことを「カシャッサ(伯の蒸留酒)野郎」等と中傷していた。法務治安省は、ルーラに対する名誉棄損でボルソナーロを訴えている。(5日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)Genial/Quaest社が2月5日から9日にかけて2004人を対象に実施した世論調査によると、政府支持率及びルーラ政権に対する評価は以下の通り。
・政府支持率:支持45%(前月比2ポイント減)、不支持49%(±0)、分からない6%(2ポイント増)。
・ルーラ政権に対する評価:ポジティブ33%(1ポイント増)、ネガティブ39%(±0)、普通26%(1ポイント減)。(11日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)リオデジャネイロのサンバ・スクール「アカデーミコス・デ・ニテロイ」がルーラ大統領を本年のカーニバルのテーマに選んだ件に関し、ダマレス・アルヴェス上院議員(Republicanos-DF)とキン・カタギリ下院議員(ユニオン・ブラジル-SP)が「公金が投入されたイベントで現職の大統領を称賛するのは違法」として、「アカデーミコス・デ・ニテロイ」のパレードの差し止めを求める訴訟を起こしたが、連邦裁判所は11日、「国庫が損害を被った証拠がない」として、両議員の訴えを棄却した。尚、Novo党は、選挙高等裁判所(TSE)において、本件に関してルーラとPTを公職選挙法違反で訴えている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領が今月8日に頭頂部の角化症の治療を受けていたことが判明した。11日に大統領府で行われたイベントでは、治療による黒いシミがルーラの頭頂部にあるのが確認された。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.連邦議会
11日、下院のセッションに出席した議員は僅か10名であった。大半の連邦議員は、カーニバル休暇を地元で過ごすため、既にブラジリアから離れている。今週と来週は、本会議場における法案審議は行われず、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑と組織犯罪に関する議会調査委員会も活動を停止する。議会が再開するのは、カーニバル休暇明けの2月23日以降になる。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.司法
ディーノ・STF判事が連邦・州・市の三権に対して「penduricalhos」と呼ばれる公務員手当の支払いを停止し、公務員給与上限(4.6万レアル)の遵守を命じる仮処分決定を行った件に関し、サンパウロ州高等裁判所(TJSP)は11日、「どの手当てが公務員給与上限の対象外となるのかが法律によって定められるまで手当はこれまで通り支払われるべきで、連邦議会には、法整備のための時間が与えられるべきである」として、ディーノ判事の仮処分決定の差し止めを求めた。尚、TJSPの判事が昨年12月に受け取った報酬は一人当たり平均14.8万レアルであり、公務員給与の上限を大幅に超えている。同裁判所の本年度における「penduricalhos」の予算は48億レアルに上っている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
4.2026年選挙
(1)カルメン・ルシア選挙高等裁判所(TSE)長官は10日、各州の選挙地方裁判所(TRE)長官との会合において、選挙の正当性を担保するためのガイドラインを発表した。これは、選挙における公開性及び透明性の確保、公の場における発言の抑制、立候補者の出席するイベントへの参加自粛、SNS等における政治関係の発言自粛、贈呈品の受け取り拒否等、主に倫理面に関する指針であり、不正選挙の疑惑や選挙裁判所に対する批判を封じ込めることが目的とされている。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ジョアン・カンポス・レシフェ市長(PSB。ペルナンブコ州知事候補)は10日、ルーラ大統領と会談し、アルキミン副大統領(PSB)とのコンビを解消することなく、本年の大統領選でもアルキミンを副大統領候補にするよう求めた。ルーラは、MDBの支持を取り付けるため、MDBの政治家を副大統領候補に指名することを望んでいるとされている。また、カンポスは、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が北東部での選挙運動に力を入れており、同地域でボルソナーロ派の人気が高まっていることを指摘し、対策を講じるよう、訴えた。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)Genial/Quaest社が2月5日から9日にかけて2004人を対象に実施した、大統領選に関する世論調査の結果は以下の通り:
・第1回投票:フラヴィオ・ボルソナーロがPSDの大統領候補を大きく引き離し、ルーラの対抗馬としてのポジションを確立。
①シナリオ1:ルーラ大統領(PT)35%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)29%、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)8%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%、レナン・サントス(Missão)1%、レベロ元国防相(DC)1%、誰にも投票しない/白票/無効票15%、態度未定7%。
②シナリオ2:ルーラ大統領(PT)38%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)30%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)4%、レナン・サントス(Missão)1%、レベロ元国防相(DC)1%、誰にも投票しない/白票/無効票15%、態度未定7%。
③シナリオ3:ルーラ大統領(PT)38%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)31%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)3%、レナン・サントス(Missão)2%、レベロ元国防相(DC)1%、誰にも投票しない/白票/無効票15%、態度未定6%。
・決選投票:ルーラの支持率が2ポイント下落したことから、フラヴィオとの差が昨年12月の10ポイントから5ポイントに縮まった。
ルーラ(PT)43%(1月比2ポイント減)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)38%(±0)
ルーラ(PT)43%対ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)35%
ルーラ(PT)43%対ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)32%
ルーラ(PT)42%対カイアド・ゴイアス州知事(PSD)32%
ルーラ(PT)42%対レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)28%
・ヴァロール・エコノミコ紙の解説:PSDの大統領候補の支持率が伸び悩んでいることから、ルーラ対フラヴィオによる一騎打ちの様相を呈しつつある。ルーラの場合、政府支持率が不支持率を下回る状況が続いており、得票率が既に天井に達した可能性がある。所得税基本控除額引き上げの影響は今のところ見られない。フラヴィオにどれ程の伸び代があるのかが今後の注目点であるが、フラヴィオの拒否率が55%で、ルーラ(54%)と同水準にあることから、フラヴィオも天井に達している可能性が高い。(11日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は11日、BTG投資銀行のイベントに出席した際、「ルーラは、オパラ(70年代の乗用車)のようにとても古く、当時は良かったかもしれないが、(今では)貴方をどこにも連れていくことができないばかりか、(燃料又は酒を)がぶ飲みする」と批判した。フラヴィオは、「本年の選挙は、ルーラ対ボルソナーロではなく、繁栄への道と暗黒に至る道のどちらを選ぶかを決める選挙となる。我々は、肝臓ではなく、脳を使って選挙に勝利する(本能ではなく、頭脳を使って勝つとの意)」と述べた。また、フラヴィオは、「大統領に当選した暁には、減税を断行し、政府広報費等の支出に対して『大ハサミ(tesouraço。大鉈の意)』を振るう。ボルサ・ファミリアは維持するが、人々が国に対する依存から脱却するための施策を実施する」と述べたが、詳細については語らなかった。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
5.マスター銀行の破綻
(1)上院経済委員会では、マスター銀行の不正疑惑に関する作業部会が設置された。同作業部会は、マスター銀行とその取引先である投資ファンドを監視するのは証券取引委員会(CVM)の役割であったとして、CVMの活動に焦点を当てることを決定した。また、同作業部会は、ガリポロ中銀総裁、ロボ・CVM委員長代行、ダニエル・ヴォルカロ・マスター銀行頭取、コスタ前ブラジリア銀行総裁等を同作業部会に招いて説明を求めること(証人喚問ではないので、出席の義務はない)を決定した。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦警察がダニエル・ヴォルカロ頭取の携帯電話の解析を行ったところ、同頭取が第三者とやり取りしていたメッセージの中にトフォリ・STF判事の名前が複数回出てきたとが判明。連邦警察は、このデータをファキン・STF長官に送り、トフォリの忌避を求めた。尚、データは非公開のため、具体的な内容は不明であるが、トフォリとヴォルカロが緊密な関係にあったことを示しているとされている。ファキン長官は、これを受け、トフォリに説明を求めた。尚、携帯電話のデータからは複数の政治家の名前も出てきた模様であるが、詳細については不明。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)トフォリ・STF判事の兄弟が経営する会社(Maridt)がパラナ州のリゾートホテル(タヤヤー・アクア・リゾート)の権利をダニエル・ヴォルカロ頭取の義弟(ファビアーの・ゼッテル)が経営する投資ファンド(Arleen)に相場以上の値段で売却していた件に関し、トフォリ判事がMaridtの株主であり、同社から配当金を受け取っていたことが判明。連邦警察は、Maridtがタヤヤーの権利を売却して得た収益の一部をトフォリ判事に提供していた可能性について捜査中。(12日付オ・エスタード・デ・サンパウロ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)リオデジャネイロ州政府職員年金基金(Rioprevidência)がマスター銀行に投資した資金の行方を追っている連邦警察が同基金のアントゥネス前総裁(今月3日から勾留中)と繋がりのある人物のアパートを強制捜査したところ、その人物が現金42.9万レアルの入ったスーツケースをアパートの窓から放り投げ、大量の札がばらまかれたが、警察によって回収された。警察は、高級車2台と携帯電話も押収した。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)11日、ジョシルド・レモス・アマパー州政府職員年金基金(Amprev)総裁が辞任した。レモスは、マスター銀行の不良債権化した金融商品に4億レアルを投資した件に関して連邦警察から捜査されている。この投資は、ペイオフの対象外とされており、回収の目途は立っていない。レモスは、アルコルンブレ上院議長(ユニオン・ブラジル-AP)と関係が深く、同議長の推薦でAmprev総裁になったことで知られている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.汚職認識指数
国際的NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」が発表した2025年度の「腐敗認識指数ランキング」における伯の順位は、182ヶ国中、107位であった。伯の腐敗認識指数(CPI)は、史上最低であった昨年から1ポイント上昇して35となったが、順位に影響はなく、昨年と同じ107位であった。伯の指数は、世界平均(42)と米州諸国の平均(42)を下回っている。トランスペアレンシー・インターナショナルによると、伯の場合、マスター銀行と国家社会保障院(INSS)の不正疑惑が大きく影響している。また、「議員割当金(emenda parlamentar)」は事実上の議員買収であり、汚職の温床と見なされている。(11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)12日、リオデジャネイロのサンバ・スクール「アカデーミコス・デ・ニテロイ」がルーラ大統領をカーニバルのテーマに選んだ件に関し、選挙高等裁判所(TSE)が「これから行われる文化活動に対して検閲を行うことはできない。現時点においては、選挙運動の前倒し等の違法行為は認められない」として、パレードの差し止めを求めたNovo党とMissão党の訴えを棄却した。但し、TSEは、「これは権利の乱用を認めたわけではなく、選挙法に関する違法行為が行われたか否かについては事後に検証する」と釘を刺した。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)15日夜、リオデジャネイロのカーニバル・コンテスト1部リーグ(Grupo Especial)のパレードにおいて、「アカデーミコス・デ・ニテロイ」がルーラ大統領をテーマとしたパレードを行った。ルーラは、関係者に挨拶しただけで、パレードには参加しなかった。ジャンジャ大統領夫人や閣僚も参加を自粛した。パレードは、ルーラの逮捕、ボルソナーロの台頭、2022年大統領におけるルーラの勝利、ボルソナーロの収監までを描き、全体としてルーラを称えるものであった。道化の格好をした人物がボルソナーロ前大統領を演じた。これに対し、野党が一斉に反発。Novo党は、ルーラを公職選挙法違反で訴え、その被選挙権停止を求めると表明。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、「ルーラは、増税で国民から搾り取った公金を使って、選挙運動の前倒しを行った。サンボードロモ(パレードの会場)では犯罪が行われた」と批判。尚、政府広報庁(Secom)は、「パレードは、ルーラ大統領とその母親をオマージュするためのものであり、選挙高等裁判所の許可を得て行われた。また、カーニバルの開催に対する助成金は、毎年、交付されており、全てのサンバ・スクールに平等に分配されている」と反論。18日、コンテストの結果が発表され、「アカデーミコス・デ・ニテロイ」は最下位となり、2部リーグへの降格が決まった。ボルソナーロ派はこの結果に大喜びし、SNS上で大いに盛り上がった。尚、「アカデーミコス・デ・ニテロイ」のパレードでは、福音派を皮肉った演出があり、ダマーレス・アルヴェス上院議員(Republicanos-DF)等の福音派議員が反発している。(17日及び19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)セーザル・リマ法務治安相が刑事責任年齢(現在は18歳)の引き下げに関する国民投票の実施について言及したのに対し、PT下院議員団は反対を表明したが、右派の議員は支持を表明。尚、アルゼンチンでは、刑事責任年齢を16歳から14歳に引き下げるとの法案が下院で可決され、上院に上程された。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ルーラ大統領は18日、連邦議会及び連邦会計検査院(TCU)職員昇進及び給与制度改正法を裁可した。ルーラは、本年度の賃上げ(9.25%)は承認したが、2027年~2029年の段階的な賃上げには拒否権を行使した。また、有給休暇相殺手当(3日勤務する毎に有給休暇を1日与えられるが、これを消化しない場合、その分の日当が給与に上乗せられる)等の所謂「penduricalhos」と呼ばれる手当に対しても拒否権が行使されたため、議会職員の給与は、公務員給与上限(4.6万レアル)を超えてはならないことになった。「penduricalhos」が認められていれば、職員の中には月給が8万レアル近くになる者もいた。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の破綻
(1)トフォリ・STF判事は12日、「ダニエル・ヴォルカロ頭取と友達付き合いをしたことはなく、ヴォルカロから金銭を受け取ったこともない」と表明した。尚、兄弟の経営する会社の株主として配当金を受け取っていたことは認めたが、その会社がタヤヤー・アクア・リゾートの権利を売却したのがヴォルカロの義弟が経営する投資ファンドであったことについては承知していなかったと主張。その後、トフォリ判事は、他のSTF判事と約3時間に亘って非公開の会議を行った。ダニエル・ヴォルカロ頭取の携帯電話のデータからトフォリ判事の名前が出てきた件について話し合われたと見られている。会議の終了後、STFは、トフォリ判事を忌避する理由はないとしつつも、トフォリ判事がマスター銀行の不正疑惑に関する報告官を辞め、代わりにメンドンサ判事が報告官を務めることになったと発表した。一方、連邦議会では、Novo党が「トフォリ判事の行動は、司法機関の信頼を失墜させた」として、同判事の弾劾を求めた。50名以上の連邦議員が弾劾要求書に署名した。但し、上下両院議長と中道派勢力(セントラン)は、トフォリの弾劾に反対している。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ、フォーリャ・デ・サンパウロ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)ダニエル・ヴォルカロ頭取は12日、今月24日に上院経済委員会の作業部会においてマスター銀行の破綻について説明を行うと述べた。また、ヴォルカロは、今月26日に国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)に出席することを確認した。マスター銀行は、年金受給者を対象とする貸付制度(empréstimo consignado)に関する不正への関与が疑われている。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)PP及びユニオン・ブラジルは13日、「トフォリ・STF判事に不利なナラティブばかりに注意を払うのではなく、同判事がこれまで国のために尽くしてきたことに留意すべきである。トフォリ判事は公開リンチに遭っている」とトフォリ判事を擁護する声明文を発表した。PPやユニオン・ブラジルと同様に中道派勢力(セントラン)に所属する連帯(Solidariedade)のパウリーニョ・ダ・フォルサ党首もトフォリ判事を擁護した。尚、STFでは、トフォリ判事をマスター銀行事件の担当から外した12日の会合が非公開で行われたにも拘らず、その内容の一部がポータルサイト「Poder360」に公開されたことが問題となっている。会合に出席したのがSTFの判事10名だけであったことから、判事の誰かがリークしたとされており、判事達は疑心暗鬼になっている。トフォリ以外の判事達は、トフォリが隠し撮りをしたと見ているが、トフォリはこれを否定している。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)中央銀行は18日、プレノ銀行とその傘下のプレノ証券会社に対して裁判外清算を宣告した。プレノ銀行のアウグスト・リマ頭取は、ダニエル・ヴォルカロ・マスター銀行頭取の元パートナーで、プレノ銀行は、昨年下半期までマスター銀行の傘下にあった。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.司法
(1)12日、選挙高等裁判所(TSE)において、ジョルジ・セイフ上院議員(PL-SC)の議員資格剥奪請求訴訟が全会一致で棄却された。セイフ議員は、2022年の上院議員選挙において、ボルソナーロ派の企業家(ルシアノ・ハン・HAVAN社長)のプライベートジェット機を使用する等の支援を受けていたとされているが、TSEは、「セイフがルシアノ・ハンまたはHAVAN社から支援を受けていた証拠は見つからなかった」としている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦検察庁は、ジェフリー・エプスタインが伯で若い女性を物色していた可能性について捜査を開始した。BBCの報道によると、公開されたエプスタイン・ファイルからは、エプスタインがブラジル人女性の渡米について電子メールをやり取りしていたり、ブラジルのモデルに資金提供していたことが判明。また、エプスタインが伯の納税者番号(CPF)を取得していたことも判明している。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)モラエス判事は、トフォリ判事やモラエス判事がマスター銀行と関係していたとの報道が相次いだ件に関し、フェイクニュース捜査の一環として、STF判事10名及びその親族に関する情報が漏洩していないか、連邦歳入庁に調査を命じた。連邦歳入庁は、内部調査の結果、STF判事と親族の所得申告に関する情報が漏洩したとの結論に達した。これを受け、連邦警察は17日、情報を漏洩したとされる連邦歳入庁職員4名に対する強制捜査を実施した。18日、右職員4名に対する処分(停職、監視装置の装着、銀行口座の情報開示等)が発表された。カブラル連邦税務官協会会長は、「これら4名に対する処分は重過ぎる。STFは、STF内の混乱を糊塗するため、連邦歳入庁を槍玉に上げようとしている」と批判。(16日及び18日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びコレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)PLは、パラナ州ではPSDと選挙協力を行い、PSDの州知事候補(グト・シルヴァ・パラナ州政府都市局長、アレシャンドレ・クーリ・パラナ州議会議長またはラファエル・グレカ元クリチバ市長)を支持する代わりに、PSDは上院議員選挙でフィリペ・バーホス下院議員(PL-PR)を支持することで合意が成立していたが、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)が大統領選出馬を断念しなければ、パラナ州知事選ではセルジオ・モーロ上院議員(ユニオン・ブラジル-PR)を支持するとしている。ラチーニョ・Jr州知事(PSD)の支持率が80%に達しているにも拘わらず、パラナ州知事選に関する世論調査では、セルジオ・モーロがリードしている。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は12日、ロドリゴ・パシェコ上院議員(PSD-MG。前上院議長)と会談し、ミナスジェライス州知事選に出馬するよう要請した。ルーラは、パシェコのような有力政治家をミナスジェイライス州知事候補として擁立し、一緒に遊説することで、同州(有権者数では全国2位)における票の獲得に繋げようとしている。尚、パシェコは、盟友のアルコルンブレ上院議長の手引きによりユニオン・ブラジルから州知事選に出馬する可能性がある。その場合、ユニオン・ブラジルをフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)から遠ざけ、ルーラに接近させることが可能になる。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)リンジベルギ・ファリアス下院議員(PT-RJ)は18日、選挙高等裁判所(TSE)に対し、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)とジルソン・マシャード元観光相を公職選挙法違反(選挙運動の前倒し)の容疑で訴えた。マシャードは、「2026年、北東部は、フラヴィオ・ボルソナーロとともにある」とのステッカーを付けて登場し、アコーデオンを弾きながら「自分は、彼(フラヴィオ)を大統領に当選させる」と発言する動画をSNSに投稿した。ファリアスは、この動画の削除も求めている。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.外交
ルーラ大統領は、今月17日から24日にかけてインドと韓国を歴訪する。主要テーマは、AI、レアメタル及び通商関係の強化(インド・メルコスール・FTA。韓国の伯産牛肉に対する市場開放)である。日程は以下の通り:17日、ブラジリア発。18日及び19日、ニューデリーにおいて、AIに関する首脳級会合に出席。20日、AIに関する閣僚級会合に出席。21日、インド国賓訪問、モディ首相との首脳会談、伯インド経済フォーラム。22日、インドから韓国に移動。23日、韓国国賓訪問、李在明大統領との首脳会談、伯韓国経済フォーラム。24日、ソウル発、帰国の途に就く。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.ルーラ政権
(1)アルキミン副大統領は20日、米連邦最高裁が「追加関税」等、トランプ政権の関税措置は違法とする判決を出したことを歓迎するとともに、「伯の場合、40%の追加関税をかけられることによって競争力を失っていたが、各国に一律10%の関税をかけるのであれば、伯の輸出品が競争力を失うことはない。何れにしろ、追加関税が無効になったことにより、ルーラ大統領が3月に訪米した際の交渉は容易になる」と述べた。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)野党PLは19日、選挙高等裁判所(TSE)に対し、リオデジャネイロのサンバ・スクール「アカデーミコス・デ・ニテロイ」がルーラ大統領を称えるパレードを行ったことは選挙運動の前倒しを禁止する公職選挙法に違反していると訴えた。尚、福音派は、問題のパレードで福音派を皮肉った演出がなされたことに憤慨しており、政府は対応を余儀なくされている。PTは20日、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)とPL議員が「アカデーミコス・デ・ニテロイ」のパレードを皮肉った動画(生成AIにより作成。ルーラとジャンジャ夫人が囚人服を着て牢屋に繋がれている。タイトルは「泥棒ルーラのブロック(Bloco do Luladrão)」)をSNSに拡散した件に関して選挙高等裁判所(TSE)に訴えた。(21日付オ・エスタード・デ・サンパウロ及び22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)連邦政府は、伯の映画「シークレット・エージェント」がアカデミー賞の非英語作品賞を受賞したことで、ブラジル映画に対する関心が高まっていることを受け、ブラジル映画の動画配信サービス「Tela Brasil」を開始する。これまでアカデミー賞にノミネートされた19のブラジル映画の他、397本の映画が無料で視聴できるようになる。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.マスター銀行の破綻
(1)マスター銀行事件の報告官に就任したメンドンサ・STF判事は19日、本件に関する機密指定を最上級の4から3に引き下げた。また、連邦警察の要請を受け、連邦警察が証拠の保管、解析及びデータの抽出を行うことを許可した。これにより、これまでに押収された電子機器約100台の解析は連邦警察によって行われることとなった。前任者のトフォリ判事は、証拠品は連邦検察庁に保管させ、連邦警察が証拠品にアクセスすることを制限していた。また、メンドンサ判事は、国家社会保障院(INSS)の不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)におけるダニエル・ヴォルカロ頭取の事情聴取は任意であり、出席の義務はないと決定すると共に、ヴォルカロが事情聴取のためにブラジリアに移動する際に自家用機を使用することを禁じた。ヴォルカロは23日、右決定を受け、CPMIの事情聴取には出席しなかった。これに対し、CPMIのカルロス・ヴィアナ委員長(Podemos-MG)は、メンドンサ判事の決定に対して不服申立を提起すると表明。ダマレス・アルヴェス上院議員(Republicanos-DF)は、ヴォルカロの事情聴取をサンパウロで行うか、でなければオンライン会議で行うことを主張。(20日~24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦会計検査院(TCU)は、ダニエル・ヴォルカロ頭取がバイア州トランコーゾの別荘に政治家や政府系金融機関の幹部や司法関係者(判事、検察官)等を招いて豪勢なパーティーを開いていた件に関し、ブラジル銀行や国家経済社会開発銀行(BNDES)等、政府系金融機関の資金がパーティーに使われていた可能性について調査する方向で検討中。ヴォルカロは、ニューヨーク、リスボン、サンパウロでも同様のパーティーを開いていたことで知られている。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)連邦議会の上層部は、クーデター未遂犯と三権襲撃犯の減刑に関する「量刑算定法」に対する大統領の拒否権発動に関する採決を3月初頭に行うことと引き換えに、マスター銀行に関する議会合同調査委員会(CPMI)の設置を見合わせる方向で、各党に打診をかけている。上下両院議長は、CPIの設置に難色を示しているが、「量刑算定法」の採決を行うために上下両院の合同セッションを開けば、CPMI設置についても取り上げなければならなくなる。議会上層部と中道派勢力(セントラン)は、マスター銀行に関する捜査を「第二のラヴァ・ジャット捜査」と批判しており、報告官として物議を醸したトフォリ・STF判事を庇おうとしている。尚、ルーラ大統領は当初、マスター銀行の件を「大富豪による犯罪」と断罪し、「本件が明るみに出たのは政府の汚職対策の賜物である」と自画自賛していたが、多くの国民がマスター銀行の不正はルーラ政権に原因があると見ていることが世論調査によって判明したため、最近は、マスター銀行に関する発言は控えるようにしている。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)メンドンサ・STF判事は23日、連邦警察の捜査担当官と2時間以上に亘って会議を行った際、マスター銀行の不正に関する捜査を加速化させ、3週間以内に結論を出すよう求めた。担当官は、捜査の現状に関する報告書を提出。メンドンサ判事は本日(24日)、上院経済委員会と本件について会合を行う予定。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.連邦議会
(1)モッタ下院議長は、今後はEU・メルコスール・FTAの審議を最優先するとしている。また、同議長は、父親を上院議員に当選させるため、週休1日制の廃止や公共交通機関の無料化(Tarifa Zero)等、政府が望んでいる法案を議題に取り上げることで、ルーラ大統領の支持を取り付けようとしている。(22日及び23日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)モッタ下院議長は、ギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP-SP)を再び犯罪組織対策法案(PL Antifacção)の報告官に指名した。同法案は、下院で可決された後、上院で修正されたため、再度、下院で採決を行う必要がある。上院では、当初の政府案と同様に連邦警察と地方警察の連携を強化し、犯罪組織の資金源を断つことに重点を置く方向で修正が行われたが、デヒーテが再び報告官となることで、この点が改められる可能性がある。また、デヒーテの案では、法律の対象が「犯罪組織(facção criminosa)」ではなく、「組織化された社会的集団(domínio social estruturado)」と定義されており、犯罪組織以外の集団にも適用される恐れがあるとされている。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)下院は20日、本年度の「議員事務所維持費・議員活動費(Ceap)」を月13.3万レアルから15.1万レアルに引き上げた(13.7%増)。それ以外にも各議員には、航空券及び燃料の購入、食費及び広報費として、月4.1万レアル~5.7万レアル(出身州により異なる)が支給される。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.司法
ディーノ・STF判事は19日、公的機関に対し、公務員に支給される手当の内、法的根拠のない所謂「penduricalhos」と呼ばれる手当を禁止するとともに、公務員に支払われる報酬が公務員給与の上限(月4.6万レアル)を超えることを可能にする手当を法令や規則により設定することを禁止した。ルーラ大統領も連邦議会職員昇進昇給制度改正法の裁可を行った際、「有給休暇相殺手当」等の「penduricalhos」に対して拒否権を行使した。「penduricalhos」は、インターネット上でも話題になっており、選挙での争点になる可能性がある。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)リオデジャネイロ州知事選に出馬するエドゥアルド・パエス・リオデジャネイロ市長(PSD)は19日、MDBと選挙協力を行い、副知事候補にはボルソナーロ派のワシントン・レイス元下院議員(MDB)を指名すると発表した。ボルソナーロ派が過半数を占めるリオデジャネイロ州において、ボルソナーロ支持者の票を確保するのが狙いとされている。ルーラ大統領は、パエス市長を応援しており、副知事候補にボルソナーロ派を起用する件についても了承している。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)20日、エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員が「(ボルソナーロ派の)ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)とミシェーレ前大統領夫人は、フラヴィオ・ボルソナーロの大統領選出馬を積極的に支持していない。選挙がフラヴィオとルーラの二択になるのは明らかであり、今更、フラヴィオと政策等について話し合う必要は何処にもない。両者は、無条件且つ即座にフラヴィオを支持するべきであった」と批判。フェヘイラは、「(フラヴィオ支持を決める前に)フラヴィオと政策等について話し合いたい」と述べたとされている。翌21日、ミシェーレ夫人は、バナナのフライを作っている画像をインスタグラムに投稿。これは、あだ名が「Bananinha」のエドゥアルドに対する当てつけと受け止められた。フェヘイラは「エドゥアルドは具合が良くないようだ」と述べ、ミシェーレ夫人を擁護。尚、フェヘイラは、大統領選ではフラヴィオではなく、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)を支持する方向に傾きつつあるとの情報もある。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ、24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、具体的な政策についてはまだ明らかにしていないが、これまで断片的に行ってきた発言を総合すると、大体、以下の通り:①経済・財政:大幅な支出削減を断行し、減税を行う。省庁の数を減らし、民営化を推進することにより、「小さな政府」を目指す。公的機関のIT化を推進。行政改革を実施し、税制改革を見直す。②インフラ:鉄道網の整備。③外交:実用主義的な外交政策を実施。イスラエルとの関係を最優先。弟エドゥアルド・ボルソナーロを外相に起用。④治安:刑務所の増設。犯罪組織に支配された地域を取り戻す。銃規制緩和。⑤福祉:ボルサ・ファミリアは維持。政府の給付プログラムに対する依存を減らすための施策を講じる。⑥政治:大統領の再選を廃止する。選挙運動助成金の削減及び企業献金の復活。中道派勢力(セントラン)との連携。(23日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(4)ボルソナーロ前大統領の次男カルロスは、父ボルソナーロと面会した後、「ボルソナーロは、ボルソナーロ派が各州で擁立すべき知事及び上院議員候補のリストを作成中」と表明。それによると、サンタカタリーナ州では、カルロス(PL)とカロリーネ・デ・トニ下院議員(PL-SC)が上院議員選に出馬することになっている。同州においては、PLとPPが選挙協力を行い、上院議員には、カルロスとエスペリジャン・アミン上院議員(PP-SC)が立候補することになっていたが、このままでは、PPとアミンは、ボルソナーロ親子によって切り捨てられることになる。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ
(5)サンパウロ州の上院議員選挙に関する世論調査によると、今のところ、支持率36.5%~36.1%でリードしているアダッジ財務相(PT)と2位のマリナ・シルヴァ環境相(Rede。31.5%~31.3%)を3位のギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP。29.9%~27.2%)が追う展開となっている。PLからは、エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員が出馬する予定であったが、伯に帰国できないでいるため、出馬は絶望的と見られている。代わりのPLの上院議員候補には、ジル・ディニス・サンパウロ州議会議員、マリオ・フリアス下院議員、マルコ・フェリシアーノ下院議員、メロ・アラウージョ・サンパウロ副市長等の名前が挙がっている。エドゥアルドは、ジル・ディニスを推しているが、ミシェーレ前大統領夫人は、ロザーナ・ヴァレ下院議員を推している。(24日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
6.ボルソナーロ前大統領の収監
連邦検察庁は20日、モラエス・STF判事に対し、ボルソナーロ前大統領に自宅軟禁を認めることには反対との意見書を提出した。ゴネー検事総長は、意見書の中で、「STFの判例によると、受刑者にとって必要不可欠とされる医療サービスが収監先の施設内で受けられない場合にのみ自宅軟禁が認められることになっているが、ボルソナーロの場合、軍警察の医療班が24時間体制で対応しているため、それには当てはまらない」と主張している。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.外交
(1)ルーラ大統領は19日、ニューデリーで開催された「AIインパクト・サミット」においてスピーチを行った際、「ビッグテック企業の規制は、人権と情報のインテグリティを守るために不可欠である。現在のビジネスモデルは、個人情報の乱用、プライバシーの放棄、政治の過激化を助長するコンテンツの収益化に依存している」と述べると共に、AIに関するルール作り、国際的な調整機関の創設等、AI技術のグローバル・ガバナンスの確立を主張した。ルーラは、スピーチの後、グーグルのスンダー・ピチャイ・CEOと会談を行った。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)インド訪問中のルーラ大統領は20日、同国のメディア「India Today」に対し、「AIは既に人々の生活に組み込まれている。AIは、経済成長、官民のサービスの質的向上、並びに全人類の労働環境の改善に利用されるべき。また、AI技術を世界規模で規制するための国際機関を作るべきである」と述べた。尚、ルーラは、3月に訪米した際にはトランプ米大統領と麻薬組織対策について話し合うつもりであると述べた。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ルーラ大統領は21日、モディ印首相と首脳会談を行い、レアアース及びレアメタル分野での協力、通商(電子原産地証明書(e-CO)の導入)、起業、防衛及び保健に関する8つの取極に署名した。モディ首相は、「伯との協定は、レアアースとレアメタルの強固な供給網構築のための第一歩である。また、伯との保健及び医薬品分野における協力は無限の可能性を秘めている。我々は、伯に対する安価で良質な医薬品の供給に取り組む」と述べた。ルーラは「IT、AI、バイオテクノロジー、航空宇宙等、先端分野におけるインドの発展には目覚ましいものがある。本日、署名された協定は、再生可能エネルギーや重要鉱物の分野における協力と投資を拡大するものである。また、両国の関係を深め、貿易の多様化を図ることは、保護主義と単独主義の台頭に対する抵抗になる」と述べた。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ジャンジャ大統領夫人は先週、ソウル在住のブラジル人インフルエンサーと「K-Beauty」について意見交換を行った。伯では、韓国ドラマが人気を博していることもあり、「K-Beauty」に対する関心が高まっている。産業・貿易・サービス省(MDic)によると、伯は昨年、韓国から1524万米ドル相当のコスメ・化粧品を輸入した。伯のコスメ業界は、今回の訪韓をビジネス拡大の絶好のチャンスと捉えている。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ルーラ大統領は23日、韓国を訪問し、李在明大統領と首脳会談を行い、11の取極に署名した。その内の一つは、韓国が本年第3四半期に調査団を伯に派遣し、食肉工場の視察を行うというものであり、伯産牛肉に対する市場開放の第一歩とされている。ルーラは、伯韓経済フォーラムに出席し、伯産牛肉に対する市場開放を主張した。晩餐会では、ジャンジャ夫人が韓国の民族衣装ハンボクを着用したことが話題となった。ルーラは本日(24日)、アラブ首長国連邦を訪問し、ムハンマド大統領と会談を行う予定。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)伯と韓国は23日、レアメタルの開発、半導体、検疫、アグリビジネス、デジタル経済、AI、グリーン経済等の分野における協力関係の強化に関する文書に署名した。レアメタルに関する協力は、採掘から加工に至る一連のプロセスに関するもので、伯で採取されたレアメタル及びレアアースは伯国内で加工されるべきとのルーラ大統領の意向が反映されている。また、両国は、年に1回、閣僚級会合を開くことになった。李在明大統領は、「(首脳会談では)韓国とメルコスールの貿易交渉の即時再開を主張したところ、ルーラ大統領の賛同が得ることができた」と述べた。韓国とメルコスールの交渉は、2021年に中断したままとなっている。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)米国のベネズエラ攻撃の後、ルーラ大統領が伯軍関係者に対し、伯が同様の攻撃を受けた際の問題点について質問していたことが判明。軍高官が匿名により語ったところによると、軍関係者は、伯の場合、特に防空システムが脆弱で、米国のような軍事大国から攻められたらなす術なしと答えた模様。尚、軍部は、南米における緊張の高まりを理由に防衛費の増額を求めている。軍の計画では、15年間で8千億レアルを投資する必要があるとされているが、これは1年当たり533億レアルであり、防衛強化プログラムの本年度予算(150億レアル)の3倍以上である。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)AtlasIntel社が2月19日から24日にかけて4986人を対象に実施した世論調査(インターネット調査)によると、政府支持率及びルーラ政権に対する評価は以下の通り。
・政府支持率:支持46.6%(前月比2.1ポイント減)、不支持51.5%(0.8ポイント増)。
・ルーラ政権に対する評価:「悪い/非常に悪い」48.4%(0.1ポイント減)、「非常に良い/良い」42.7%(4.4ポイント減)、「普通」8.9%(4.5ポイント増)。(25日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)24日、ミナスジェライス州において洪水及び土砂崩れが発生し、30名が死亡し、39名が行方不明となっている。同州南部のジュイース・デ・フォーラ市だけで24名が死亡。(21日付オ・エスタード・デ・サンパウロ及び22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.マスター銀行の破綻
(1)レナン・カリェイロス上院経済委員長(MDB-AL)は24日、24日に予定されていたダニエル・ヴォルカロ頭取の事情聴取は3月3日に延期されたと発表した。ヴォルカロは、INSSの不正に関する議会合同調査委員会(CPMI)の事情聴取には応じなかったが、上院経済委員会には出頭する意向を示している。尚、24日、上院経済委員会では、ジョアン・アシオリ証券取引委員会(CVM)委員長代理の事情聴取が行われた。アシオリは、証券取引委員会のマスター銀行に対する監視に問題があったことは認めたが、「本件では、マスター銀行が複数の投資ファンドと連携して不良債権隠しを行う等、これまで見られなかった手口が使われており、通常のやり方では不正を見抜くことはできなかった」と弁明した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦直轄区(DF)政府は、マスター銀行を買収しようとして、同銀行から巨額の不良債権を買い取り、経営危機に陥っているブラジリア銀行(BRB)の救済計画を発表した。それによると、DFが所有する公有地を使って(土地を売却、または土地を担保に資金を借り入れる)66億レアルを調達し、BRBに投入することになっている。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)は25日、Maridt Participações社の銀行口座、税務及び通信に関する情報開示を決定した。同社は、トフォリ・STF判事の兄弟が経営する会社であり、同判事も株主の一人である。この情報開示は、マスター銀行の不正疑惑に関する捜査の一環として行われる。同社は、ダニエル・ヴォルカロ頭取の義弟が経営する投資ファンドにリゾートホテルの権利を高額で売却したとされている。尚、同調査委員会は、ゲデス前財務相、カンポス・ネット前中銀総裁、ガリポロ中銀総裁、コスタ文官長、マンテガ元財務相及びダニエル・ヴォルカロ頭取の証人喚問を決定すると共に、トフォリ判事、モラエス判事及び同夫人に「招待状(convite)」を送り、マスター銀行との関係について説明を求めることを決定した。モラエス夫人の経営する法律事務所は、マスター銀行と3年間で合計1.29億レアルの法律顧問契約を締結している。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ、フォーリャ・デ・サンパウロ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
3.連邦議会
(1)24日、メルコスール議会における伯代表部がEU・メルコスール・FTAを承認。25日、下院において、同協定が可決され、上院に上程された。(25日及び26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦議会(モッタ下院議長とアルコルンブレ上院議長)、連邦最高裁判所(ファキン長官とモラエス判事)、連邦検察庁及び連邦会計検査院(TCU)の代表は24日、立法及び司法機関職員の所謂「penduricalhos」と呼ばれる手当に関して法整備を行うことで一致した。議会及び司法機関では「penduricalhos」が横行し、一部の職員が公務員給与の上限(月4.6万レアル)を遥かに超える報酬を受け取っていることが大きな問題となっている。メンデス・STF判事は23日、「penduricalhos」に関しては法的根拠がないことが問題であるとして、60日間に亘って「penduricalhos」の支給を停止し、その間に法整備をすることを決定している。但し、リオグランデ・ド・スル州地方高等裁判所は、これに反発し、2015年に遡って「有給休暇相殺手当(penduricalhosの一種)」を支給することを決定。また、サンパウロ州地方高等裁判所は、この2年間で、判事に支給される「penduricalhos」を1.81万レアルから7.94万レアルに増やしている。これにより、判事の月給は、2年前の5.6万レアルから11.83万レアルに増額されている。(25日及び26日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)24日、週休1日制廃止に関する憲法改正案の報告官にパウロ・アジ下院議員(ユニオン・ブラジル-BA)が選出された。下院憲法司法委員会では、他にも週休3日制の導入と週の労働時間短縮(44時間から36時間に短縮)に関する提案が提出されている。尚、経済界(特に建設業とサービス業)は、人件費の高騰を招くとして、これらの提案に猛反発している。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)24日、下院において、犯罪対策法案(PL Antifacção)が可決され、大統領の裁可に付された。上院で採択された修正案の大半は、報告官を務めたギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP-SP)によって元に戻された。尚、中道勢力(セントラン)の圧力により、犯罪組織対策の財源として、オンライン賭博税(Cide-Bets)を導入するとの案(法案が上院で修正された際に追加された)が削除され、政府が敗北を被った。(25日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(5)INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)は26日、ルーラ大統領の子息ファビオ・ルイス・ルーラ・ダ・シルヴァ(ルリーニャ)の銀行口座及び税務に関する情報開示を決定した。その際、与野党議員が揉み合いになる騒ぎに発展した。与党は、アルコルンブレ上院議長に対し、決定の無効化を主張。ルリーニャは、年金詐取事件の首謀者とされる人物(INSSのハゲ)から友人の実業家経由で30万レアルを受け取ったとされている。(26日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
4.司法
(1)25日、連邦最高裁判所(STF)第1小法廷において、2018年のマリエーレ・フランコ市議(Psol—RJ)暗殺事件の裁判が行われ、首謀者のシキーニョ・ブラザォン元下院議員とドミンゴス・ブラザォン元リオデジャネイロ州会計検査院理事がそれぞれ禁固76年、実行犯のロナルド・アルヴェス元軍警察官が禁固56年、並びに共犯者のリヴァルド・バルボーザ元リオデジャネイロ文民警察長官が禁固18年の有罪判決を言い渡された。判決によると、これらの被告は、「ミリシア(民兵組織)」と呼ばれる犯罪組織を構成し、リオデジャネイロ市議会においてミリシアの調査を進めようとしていたフランコ市議が邪魔になったので殺害した。当時、右派は、女性やLGBTの権利を主張していたフランコ市議の殺害を歓迎して物議を醸す等、本件は、2018年大統領選におけるボルソナーロの勝利と共に、伯の右傾化を象徴する出来事として捉えられてきた。尚、ニューヨークタイムズやガーディアン等、欧米の主要紙は揃ってブラザォン兄弟の有罪について報じた。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦警察は25日、フェルナンド・ベゼーハ・コエーリョ元上院議員(MDB-PE)、並びにその子息のフェルナンド・コエーリョ・フィーリョ下院議員(ユニオン・ブラジル-PE)及びミゲル・コエーリョ元ペトロリーナ市長(ユニオン・ブラジル)に対する強制捜査を行った。容疑は、議員割当金(emenda parlamentar)の横領。捜査当局によると、コエーリョ親子(議員)は、ペトロリーナ市とサンフランシスコ峡谷開発公社(Codevasf)ペトロリーナ支局に多額の「議員割当金」を割り当てたが、その予算が公共事業に使われた形跡はなく、私腹を肥やすために使われた可能性がある。コエーリョ元上院議員は、ルセーフ政権では国家統合相、ボルソナーロ政権では政府上院院内総務を務めた。フェルナンド・コエーリョ下院議員は、テメル政権で鉱山エネルギー相を務めた。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.2026年選挙
(1)AtlasIntel社が2月19日から24日にかけて4986人を対象に実施した世論調査によると、大統領選に関する情勢は以下の通り:
・第1回投票:ルーラ優勢だが、フラヴィオ・ボルソナーロが着実にルーラとの差を縮めている。
① シナリオ1:ルーラ大統領(PT)45%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)37.9%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)4.9%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3.9%、レナン・サントス(Missão)2.9%、レベロ元国防相(DC)1.1%、白票/無効票3.8%、分からない0.5%。
② シナリオ2:ルーラ大統領(PT)45.1%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)39.5%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3.9%、ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)3.8%、レナン・サントス(Missão)3.2%、レベロ元国防相(DC)1.1%、白票/無効票2.8%、分からない0.6%。
③ シナリオ3:ルーラ大統領(PT)45.3%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)39.1%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)5.7%、レナン・サントス(Missão)3.7%、レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)1.6%、レベロ元国防相(DC)1.2%、白票/無効票3%、分からない0.5%。
・決選投票:フラヴィオの支持率が初めてルーラを上回ったが、誤差を考慮すれば、両者は拮抗していると言える。
フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)46.3%(前月比1.4ポイント増)対ルーラ(PT)46.2%(3ポイント減)
ルーラ(PT)45.5%対ラチーニョ・Jr・パラナ州知事(PSD)39%
ルーラ(PT)46%対ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)41.7%
ルーラ(PT)45.7%対カイアド・ゴイアス州知事(PSD)37.6%
ルーラ(PT)45.2%対レイテ・リオグランデ・ド・スル州知事(PSD)24.5%
・ヴァロール・エコノミコ紙の解説:決選投票に関しては、ルーラの支持率が3ポイントも低下したことから、予想より早くフラヴィオがルーラに追いついた。そのため、最早、ルーラが大本命とは言えなくなった。1月から2月にかけて、ルーラのイメージ低下につながる出来事と言えば、リオデジャネイロのカーニバルにおける、ルーラを称えるためのパレードが不評を買ったことしかなく、恐らく、それが影響していると見られる。(25日付ヴァロール・エコノミコ電子版及びUol)
(2)PLは25日、リオデジャネイロ、サンタカタリナ及び連邦直轄区においては、以下の知事及び上院議員候補を擁立することを決定した。①リオデジャネイロ:州知事にはドウグラス・ルアス下院議員(PL)、副知事にはロジェ―リオ・リスボア・ノヴァ・イグアス市長(PP)、上院議員にはカストロ・リオデジャネイロ州知事(PL)とマルシオ・カネラ・ベルフォード・ロッショ市長(ユニオン・ブラジル)。②連邦直轄区:上院議員にはミシェーレ前大統領夫人(PL)とビア・キシス下院議員(PL)。知事には、セリーナ・レアォン連邦直轄区副知事(PP)を支持する方向で調整中。③サンタカタリナ:州知事は現職のメロ知事(PL)。上院議員は、カルロス・ボルソナーロ元市議(PL)とカロリーネ・デ・トニ下院議員(PL)。尚、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、「サンタカタリナ州のエスペリジャン・アミン上院議員(PP)とは一昨日、話し合った。PLがアミンの再選を支持せず、PLの上院議員候補2名を擁立することにしたのは、それがサンタカリナ州にとって最善であると判断したからである。カロリーネ・デ・トニとカルロスの擁立は、右派が新たな道を歩み、より保守的な上院を作り上げるための第一歩である」と述べた。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)の副大統領候補には、テレザ・クリスチーナ上院議員(PP-MS)とゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)が有力視されている。クリスチーナの場合、フラヴィオの副大統領候補になるためには、PP-ユニオン・ブラジル連合がPLとの選挙協力に応じる必要がある。クリスチーナは25日、「フラヴィオ陣営からはまだ声をかけられていない。自分は、ボルソナーロ政権で農相を務めた関係から副大統領候補に名前が挙がっているのであろう」と述べた。ゼマ知事は、大統領選出馬を目指しているため、今のところ、フラヴィオの副大統領候補になるつもりはないようである。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

