2026年4月 ブラジル関連情報
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2026年4月ブラジル関連情報
1.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は、31日の閣議において、アルキミン副大統領を再び副大統領候補に指名すると発表すると共に、選挙に出馬するため、今月4日までに辞任する閣僚約20名に対して労いの言葉をかけた。ルーラは、「(2023年に)就任した時、この国は荒廃していた。我々は、麻痺していた政府の機能を回復させ、国家運営を正常化させた。それによって、この国は見違えるほど良くなった。我々は、国民のため、(前政権よりも)遥かに多くのことを成し遂げた。まだ年末まで多くのことをやらなければならないが、自分は(事態を)楽観的に見ている」と述べた。その後、コスタ文官長が貧困と社会格差の改善、伯が飢餓マップから除外されたこと、給付制度の拡充、所得税の減免等をルーラ政権の成果として挙げ、「(ボルソナーロ派の)嘘については、データを挙げて反論すべき」と強調した。尚、ルーラは、辞任した閣僚の内、14名の後任を任命した。大半の場合、各省の次官が大臣に任命されたが、ファーヴァロ農相の後任には、アンドレ・デ・パウラ漁業・養殖相が任命された。(4月1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)31日、財務省が発表したところによると、8割以上の州政府が連邦政府の燃料価格抑制策(軽油1リットル当たり1.20レアルの補助金を出し、その費用は、連邦と地方で折半する)に賛同している。連邦政府は、今週中にも、右に関する暫定措置令(MP)を発令する予定。(4月1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領は31日、育児休暇延長法(父親の育児休暇を2029年までに現在の5日から20に延長する)を裁可した。その際、ルーラは、「これにより、男性は、育児と家事に協力する機会を得られる」と述べた。(4月1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ルーラ大統領は31日、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官を連邦最高裁判所(STF)に指名するとのメッセージを上院に送付すると発表した。ルーラがメシアスをSTF判事に指名するとの意向を示してから既に130日も経過している。発表が遅れたのは、上院との調整に時間がかかったためとされている。アルコルンブレ上院議長は当初、難色を示していたが、その後、メシアスを受け入れることにした模様。尚、ボルソナーロ前大統領から任命されたメンドンサ判事とヌネス・マルケス判事を含むSTF判事は全員、メシアスの指名を支持しており、上院に対して働きかけを行っている。(4月1日付コレイオ・ブラジリエンセ及び4月2日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)アルキミン副大統領がヴァロール・エコノミコ紙とのインタビューにおいて以下の発言を行った:「ルーラ大統領が再選されれば、明年にも財政の健全化に取り組む。現在の金利水準は、調整を必要としている」、「現在、大統領選に関しては8つ程の政党がルーラを支持する方向で検討しており、幅広い政党連合の形成については楽観的に見ている」、「政府支持率の低迷は、宣伝不足ではなく、現時点における国民の政府に対する評価が低いことが背景にある。但し、人気取りのために海外通販に対する課税を廃止することには賛成できない」、「政府は、燃料の高騰に対しては連邦税の税率をゼロにし、軽油に対する補助金を出す方向で対応しており、今のことろ、追加的な措置を行う必要はないと思う」、「レアアースの開発について国営企業(Terrabrás)を設立する案については承知していない」(4月2日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)は31日、イバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)及びファビアーノ・ゼッテル(ダニエル・ヴォルカロ・マスター銀行元頭取の義弟)の証人喚問、並びにカンポス・ネット前中銀総裁の参考人招致を決定した。これらの人物が資金洗浄等、マスター銀行の不正に関わっていたかどうかが焦点となる。アレッサンドロ・ヴィエイラ上院議員(MDB-SE。同CPIの報告官)は、「マスター銀行に関する議会調査委員会が近い内に設置されることを確信している」と述べた。(4月1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)民間航空庁(ANAC)の記録によると、モラエス・STF判事と同夫人が昨年5月から10月にかけて、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の所有する会社(Prime Aviation)のビジネスジェット機を使い、8回に亘ってブラジリアとサンパウロ間を移動していたことが判明。ヴィヴィアネ・モラエス夫人の法律事務所は、取材に対し、「夫妻は、複数のエアタクシー会社を利用しており、その内の一つがPrime Aviationであったというだけで、その所有者(ダニエル・ヴォルカロ)と特別な関係があったわけではない」と回答した。1日、トフォリ判事も昨年7月にPrime Aviation社のビジネスジェット機でブラジリアからパラナ州マリーリア市に移動していたことが判明。(4月1日及び2日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.2026年選挙
(1)ロドリゴ・パシェコ上院議員(前上院議長)は1日、PSDからPSBに移籍したが、ミナスジェライス州知事選出馬については明言しなかった。ルーラ大統領は、パシェコを与党連合のミナスジェライス州知事候補とすることで、同州において強力な布陣を張ることを希望している。(4月2日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)Atlas/Estadão社が3月24日から27日にかけてサンパウロ州で実施した大統領選に関する世論調査(2254人対象)の結果は以下の通り:
●第1回投票:フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)43.4%、ルーラ大統領(PT)42.5%、レナン・サントス(Missão)5%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3.2%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)2.4%、アルド・レベロ元国防相(DC)0.8%、白票/無効票2.2%、分からない0.4%。
●決選投票:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)49%、ルーラ(PT)44%、白票/無効票/分からない7.1%。(4月1日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.外交
(1)ルーラ大統領は1日、セアラ州を訪問した際、「米国は、イランが核兵器を保有しているとの嘘をついて、不必要な戦争に突入した。自分は、2010年にイランを訪問して、核協議の合意を取り付けようとしたが、欧米はこれを受け入れなかった。2000年に何が起きたか、覚えているか? サダム・フセインとカダフィが核兵器と化学兵器を保有しているとの口実で戦争を始めたが、それらの兵器は見つからなかったではないか」と批判した。(4月2日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領の訪米については、3月から4月に延期されたと見られていたが、その後、ホワイトハウスからは何の音沙汰もないため、伯政府筋は、7月に延期されるのではないかと見ている。少なくとも、中東における紛争が解決するまで、ルーラ訪米の日程が発表されることはないと見られている。(4月2日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は2日、米通商代表部(USTR)が「伯のオンライン決済システム『Pix』は、伯が米国に対して設けた貿易障壁の一つである」との報告書を発表した件に関し、「Pixは伯の物であり、誰もこれを変えることはできない。我々にできることは、伯国民のためにPixを益々改良していくことである」と述べた。尚、USTRは、Pixの他にも海外通販に対する課税(taxa das blusinhas)も貿易障壁の一つとして伯を批判している。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルーラ大統領は、週休1日制(6X1制度)廃止法案を連邦議会に提出し、10月の選挙までに成立させようとしている。但し、モッタ下院議長は、週休1日制の廃止は憲法改正により行うことを主張しており、その場合、審議に時間がかかるため、選挙までに成立する保証はない。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ペトロブラス社が家庭用ガスの競売を実施したところ、最低価格の2倍以上(117%)もの値が付いた。ルーラ大統領はこれに激怒し、「競売は取り消させる。貧しい人達に戦争の代償を払わせるわけにはいかない」と述べた。これを受け、ペトロブラス社は、競売の取消しを検討中。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)連邦政府は6日、軽油に対する補助金(輸入の場合は1リットル当たり1.20レアルで、費用は連邦と地方が折半する。国産の場合は、1リットル当たり0.80レアルで、連邦が負担する)、バイオディーゼルの連邦税免除、家庭用ガスに対する補助金、航空燃料に対する連邦税の免除等、燃料価格抑制策に関する暫定措置令(MP)を発令した。政府は、燃料の高騰により、与党が選挙で苦戦することを危惧している。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)中央銀行は6日、マスター銀行の裁判外清算に関する資料を2033年11月まで非公開とすることを決定した。現時点で公表されれば、経済に対して計り知れないほどの悪影響を与えるというのがその理由である。但し、今回の決定は、中銀の怠慢又は不作為が表面化することを防ぐのが目的ではないかと見られている。マスター銀行の経営破綻に関しては、信用保証基金(FGC)から520億レアルがペイオフに使われた他、マスター銀行から少なくとも122億レアルの不良債権を掴まされたブラジリア銀行(BRB)が経営危機に陥る等、既に多大な影響が出ている。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)INSSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)が終了した今、組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)がマスター銀行の件に関して調査を続けようとしており、今月7日からイバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事、カンポス・ネット前中銀総裁、ガリポロ現中銀総裁等の参考人招致を行うことにしているが、予定では、同調査委員会は今月14日をもって終了することになっている。そのため、報告官のアレッサンドロ・ヴィエイラ上院議員(MDB-SE)は、CPIの60日間延長を求め、既に上院議員28名の賛同を取り付けているところ、延長の決定権を持つアルコルンブレ上院議長の出方が注目されている。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.2026年選挙
(1)この数日間で少なくとも10人の政治家が選挙区の変更を申請した。主な例は、ボルソナーロ前大統領の次男カルロス(PL。リオデジャネイロ州からサンタカタリナ州に変更)、ボルソナーロの友人のエーリオ・ロペス下院議員(PL。リオデジャネイロ州からロライマ州に変更)、シモーネ・テベチ前企画予算相(PSB。マットグロッソ・ド・スル州からサンパウロ州に変更)であり、全員、上院議員選出馬を目指している。ミシェーレ前大統領夫人(PL)も選挙区を連邦直轄区(DF)に移し、上院議員に立候補しようとしている。ボルソナーロ派は、有力な上院議員候補を全国各地に分散させることにより、より多くの議席を獲得する作戦に出ている。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)4日、立候補を予定している閣僚や知事等が公職を離脱するための期限が切れた。3日現在、コスタ文官長(PT)、ホフマン政治調整庁長官(PT)、テベチ企画予算相(PSB)、ファヴァロ農相(PSD)、レナン・フィーリョ運輸相(MDB)等、16名の閣僚が辞任した。知事に関しては、大統領選出馬を目指しているカイアド・ゴイアス州知事(PSD)とゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)の他、カストロ・リオデジャネイロ州知事(PL)、イバネイス・ロシャ連邦直轄区知事(MDB)、バルバーリョ・パラー州知事(MDB)、リマ・アマゾナス州知事(ユニオン・ブラジル)等、11名が辞任した。(4日及び6日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)3日、議員が党籍を変更するための「政党の窓(janela partidária)」が終了した。下院に関しては、11議席増のPodemosと8議席増のPLが最も議席を増やした。その他の政党では、PSDBが5議席、PSDが2議席、PCdoB、PV、PSol及びMissãoがそれぞれ1議席ずつ増やした。逆に議席を減らしたのは、ユニオン・ブラジル(-8)、PP(-6)、PDT(-5)、Avante(-3)、PSB(-3)、Cidadania(-2)、MDB(-2)、PRD(-1)であった。「政党の窓」後の主要政党の下院議席数は、PL 95、PT 67、ユニオン・ブラジル 51、PSD 49、Republicanos 43、PP 43、MDB 40、Podemos27、PSDB 20、PSB 13、PSol 13、PCdoB 10の順となっている。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)Avanteは5日、作家で精神科医のアウグスト・クリーを同党の大統領候補として擁立すると発表した。Avanteは、ルーラとフラヴィオ・ボルソナーロの二極化を打破するために独自候補を擁立するとしている。(6日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)カイアド・ゴイアス州知事(PSD)は6日、フォーリャ・デ・サンパウロ紙とUolのインタビューに応じた際、「昨年10月にリオデジャネイロで実施された犯罪組織(Comando Vermelho)掃討作戦(組織の構成員122名及び警察官5名が死亡)は戦略的に最も成功を収めた作戦であり、羨ましいほどである。(治安対策は)最優先事項であり、犯罪組織をテロ組織に指定して、軍を治安維持活動に投入すべきである。アマゾンは100%(犯罪組織によって)支配されており、空軍や海軍(の出動)が必要である」と持論を述べた。また、カイアドは、一部のSTF判事がマスター銀行との関係を疑われている件に関し、「STFは、国民に対して説明を行うべきである」と述べた。尚、カイアドは、民主制の擁護や三権の調和について触れ、右派でありながら、ボルソナーロ派とは一線を画していることを強調した。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は先月、大統領の連続再選禁止に関する憲法改正案を提出し、大統領に当選した場合、同改憲案を2027年度中に成立させると述べている。これは、フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)と中道派(セントラン)の支持を取り付けるための布石と見られている。また、これは、「ボルソナーロ一家は、権力の座を独り占めにするのではないか」との批判に対する回答と受け止められている。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ。福音派)は6日、サンパウロ市内の福音派教会を訪問し、教会関係者と親睦を深めた。「ベツレヘム神の集会」のコスタ牧師は、「フラヴィオが神の道具であることは疑いのないところである。彼こそは、将来の大統領である」と称えた。これに対し、フラヴィオは、「このような祈りこそが、伯を救うというミッションを進める上で力になる。我々の国ためにもっと祈って欲しい。近い将来、教会と家庭が尊重される世の中になる」とスピーチした。尚、フラヴィオは、福音派の間で人気の高いミシェーレ前大統領夫人との関係がうまく行っていないことから、同夫人抜きで福音派の支持を取り付けなければならない。実際、6日の訪問にミシェーレ夫人は同行しなかった。(7日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
4.司法
1日、米国議会の下院司法委員会が「伯のモラエス・STF判事は、伯における選挙に干渉するため、SNS等に対して検閲を行っており、伯だけではなく、米国における表現の自由も侵害している」との報告書を発表した。2日、ファキン・STF長官は、これに対し、「STFは、表現の自由を擁護しているが、場合によっては、他の基本的人権を保護するため、例外的に表現の自由が制限されることもある。表現の自由を盾に犯罪を犯すことはできない」との声明を発表し、モラエス判事を擁護した。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
全国物品サービス商業連盟(CNC)によると、何らかの借金を抱えている世帯は全体の80.4%という、過去最高の水準に達しており、約3割(29.6%)は、借金の返済が滞っている。また、借金を返す当てのない債務不履行者は、全体の12.3%を占めている。国民がルーラ政権に対する不満を募らせているのは、借金苦に陥り、所得や雇用水準の向上といった成果を実感できていないことが背景にあると見られている。そのため、ルーラ大統領は8日、関係閣僚を集め、国民の借金を軽減するための方策について協議した。現在、検討されているのは、クレジットカード等の借金の再交渉(債務額の80%を免除し、残りを低金利により分割払いにする)やFGTS(勤続年限保障基金)の積立金を債務の返済に充てること等である。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)7日、組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)では、イバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)の参考人招致を行い、ブラジリア銀行(BRB)がマスター銀行を買収しようとした件について追及が行われる予定であったが、ロシャは、「CPIの参考人招致に応じる義務はない」とのメンドンサ・STF判事の仮処分決定を理由に欠席した。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)連邦歳入庁が組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)に提出した資料によると、マスター銀行は、2024年から2025年にかけて、モラエス・STF判事の夫人が経営する法律事務所(Barci de Moraes Sociedade de Advogado)に合計8020万レアルを支払っていたことが判明。マスター銀行と同法律事務所は、2024年に月360万レアルの報酬で法律顧問契約(3年間)を結んだとされていたが、今回、実際に支払いが行われていたことが証明された。右に関し、同法律事務所は「(支払いに関する)情報は不正確である。また、税務に関する情報については守秘義務がある」とコメント。尚、ルーラ大統領は8日、ICL Notíciasとのインタビューに応じた際、「STF判事は、大富豪になるべきではない。モラエス判事は、(マスター銀行の件が)その印象を悪くしていることに気付くべきである。仮に合法であっても、国民の目には不道徳なことのように映る。三権襲撃の裁判で得た歴史的な名声をヴォルカロのために失ってはならない」と述べた。(8日及び9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)連邦歳入庁が組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)に提出した資料によると、モラエス夫人の法律事務所だけではなく、テメル元大統領、ルエダ・ユニオン・ブラジル党首、ACM・ネット元サルヴァドール市長(ユニオン・ブラジル)、ペリーロ元ゴイアス州知事(PSDB)、マンテガ元財務相(PT)、ファビオ・ヴァインガルテン(ボルソナーロ政権の政府広報庁長官)、メイレレス元中銀総裁、レヴァンドフスキ元法務治安相(元STF判事)等の政治家もマスター銀行から金を受け取っていたことが判明。例えば、テメル元大統領の法律事務所は昨年、マスター銀行から1000万レアルを受け取っていた。メイレレス元中銀総裁(テメル政権では財務相を務めた)は、2024年から2025年にかけて合計1850万レアルを受け取った。マンテガ元財務相の経営するコンサルタント会社は、1400万レアルを受け取った。ジャッケス・ワギネル上院議員(PT-BA)の義理の娘が経営する会社は1200万レアル。他の政治家も数百万レアル単位の金を受け取っている。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)8日、組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)において、ガリポロ中銀総裁の参考人招致が行われた。ガリポロは、「中銀は、2022年にマスター銀行が経営難に陥ったことを察知し、同銀行には繰り返し警告し、行政指導を行ってきた。(カンポス・ネット前中銀総裁の在任期間である)2022年から2024年にかけて、中銀は、マスター銀行に対して31回も警告を発した。2019年のマスター銀行設立に関しても、カンポス・ネット前総裁の決定に不審な点はなかった。尚、中銀がマスター銀行の清算に踏み切ったのは、自分(ガリポロ)が総裁に就任してからである」と述べ、ガリポロ自身に限らず、カンポス・ネット前総裁にも落ち度はなかったと強調した。また、ガリポロは、2024年12月にダニエル・ヴォルカロ元頭取がルーラ大統領と面会した際に同席したことを認めると共に、「ヴォルカロは、マスター銀行が金融界から迫害を受けていると述べ、政府の支援を求めたが、ルーラ大統領は、本件については中銀が技術的な側面からのみ対処すべきと述べた。その後、大統領からマスター銀行について何らかの指示を受けたことはない」と強調した。モラエス・STF判事とマスター銀行の関係については、「モラエス判事とは、マグニツキー法の件に関して話し合ったことがあるだけで、マスター銀行の件について話したことはない。また、モラエス夫人の経営する法律事務所とも一切関わりがない」と述べた。(9日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ダニエル・ヴォルカロ元頭取が国内外のモデル級の美女を集めてパーティーを開き、政治家等に提供していたとの噂は事実であった。フォーリャ・デ・サンパウロ紙は、連邦警察が押収した書類やSNSの投稿からヴォルカロがロシアやウクライナやリトアニア等からモデルを20人ほど呼び寄せていたことを突き止めた。伯国内からは、主にリオグランデ・ド・スル州とサンタカタリナ州から女性を呼び寄せていた。また、ヴォルカロの元婚約者がヴォルカロとのメッセージのやり取りの中で、これらの女性を「商売女」と罵倒し、ヴォルカロに不満をぶつけたところ、ヴォルカロが「これはビジネスとしてやっており、君に隠すつもりはない。こういった女性を300人ほど集めてパーティーを開いたこともある」と返していたことが判明。専門家は、「政治家に性的なサービスを提供することも収賄に当たる」と述べている。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.連邦議会
(1)モッタ下院議長は7日、政府が早期成立を望んでいる「週休1日制廃止法案」に関し、「政府が新たな法案を提出するのではなく、既存の憲法改正案の審議を迅速化することにした。これについては、ギマランエス政府下院院内総務(PT)の同意も得ている」と述べた。レジナルド・ロペス下院議員(PT-MG)とエリカ・ヒルトン下院議員(Psol-SP)が提出した憲法改正案を一つにまとめたもの(週休3日制の導入)を叩き台として来週から下院憲法司法委員会(CCJ)において審議が開始される予定。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)INNSの不正疑惑に関する議会合同調査委員会(CPMI)は、ボルソナーロ派のアルフレッド・ガスパール下院議員(PL-AL)の報告書が否決されて失敗に終わったが、パウロ・ピメンタ下院議員(PT-RS)等、CPMIに参加した与党議員は7日、与党側が作成した「代替報告書(ボルソナーロ前大統領、ロレンゾーニ元社会保障相(ボルソナーロ政権)等、130名の刑事告発を主張)」を連邦警察、連邦総監督庁(CGU)及び連邦検察庁に提出した。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は最近、Assembléia de Deus Ministério de Madureira, Evangelho Quandrangular, Universal Reino de Deus等、主だった福音派の関係者と接触し、支持を取り付けている。特に福音派の中でも有数の信者数を誇るAssembléia de Deus Vitória em Cristo(キリストにおける勝利の神の集会)のリーダーであるシラス・マラファイア牧師とは何回も会い、関係の修復に努めている。マラファイア牧師は当初、フレイタス・サンパウロ州知事を大統領候補として擁立し、ミシェーレ前大統領夫人をその副大統領候補に指名することを主張して、フラヴィオとは疎遠になっていたが、今ではフラヴィオを支持し、選挙運動にも協力する姿勢を見せている。(8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)は7日、フラヴィオ・ボルソナーロの主張する大統領の連続再選廃止を支持すると表明した。一方、フラヴィオは、リオデジャネイロ州議会議員時代の不正疑惑(議員秘書給与詐取)に関し、「それは泡のようなものに過ぎない。全ては、自分(フラヴィオ)の評判を貶めるための策謀であった。(ケイロス元補佐官が秘書から給与の一部を受け取っていたとされる件については)事務所の中のことについてはケイロスに任せていた。彼(ケイロス)は、彼が雇った職員から給与の一部を徴収していたと言っていたが、それは自分(フラヴィオ)の同意を得たことではなかった」と述べた。フラヴィオが給与詐取によって得た金は600万レアルに上るとされている。(8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)カサビ・PSD党首は7日、「本年の大統領選がルーラとフラヴィオ・ボルソナーロの二極化になるとまだ決まったわけではなく、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)は(第三の)選択肢になれる。(ルーラとフラヴィオ以外の)選択肢が存在すると示すことが重要なのである。たとえ、負けるとしても、カイアドの(第1回投票における)得票率が15%に達すれば、我々は、決選投票において有利な立場で交渉をすることができる」と述べた。(8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)カイアド・ゴイアス州知事(PSD)がコレイオ・ブラジリエンセ紙とのインタビューに応じたところ、主な発言は以下の通り:「自分は、実績を上げる政治家であり、(SNSの)『いいね』や二極化に支えられた政治家ではない。ゴイアス州知事として80%以上の支持率を維持できたのは、ゴイアス州から汚職と犯罪を一掃し、州民の期待に応えることができたからである」、「国民が借金苦に陥っているのは高金利が原因であり、その根本的な原因は、PT政権の放漫財政にある。ルーラ政権は無脳症であり、第2次ルセーフ政権の過ちを繰り返そうとしている。ボルソナーロ(前大統領)が数々の過ちを犯していなかったら、ルーラが(大統領に)当選することはなかった」、「(大統領に当選した場合)やらなければならない改革があることははっきりしている。それらは目新しいものではない。自分がゴイアス州知事に就任した際、州政府に残されていたのは、1100万レアルの現金と、170億レアルの債務であった。今、州政府の金庫には98億レアルの金があり、債務は期日通りに返済されている。自分は、教育、保健及び治安対策に優先的に取り組み、環境にも配慮した」(9日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)Meio Ideia社の大統領選に関する世論調査(今月3日から7日にかけて1500人を対象に実施)の結果は以下の通り:
●第1回投票:ルーラ大統領(PT)40.4%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)37%、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)6.5%、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3%、レナン・サントス(Missão)3%、アルド・レベロ元国防相(DC)0.6%、白票/無効票/誰にも投票しない1%、分からない8.5%。
●決選投票:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)45.8%、ルーラ(PT)45.5%、白票/無効票/態度未定8.7%。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)ルーラ大統領は8日、ICL Notíciasのインタビューに応じた際、「再選立候補するかどうかについてはまだ決めていない。6月中旬に(PTの大統領候補を指名するための)党大会が開かれるので、それまでに決め、政策綱領を用意しなければならない。皆、私が立候補しないわけにはいかないということは感じているはずである」と述べた。尚、2022年の大統領選では、ルーラは「当選しても、4期目を狙うつもりはない」と述べていた。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ダタフォーリャ社の世論調査
(1)ダタフォーリャ社が4月7日から9日にかけて2004人を対象に実施した世論調査の結果は以下の通り。
・ルーラ大統領の支持率:支持45%(先月比2ポイント減)、不支持51%(2ポイント増)。
・ルーラ政権に対する評価:「悪い/非常に悪い」40%(±0)、「非常に良い/良い」29%(3ポイント減)、「普通」29%(3ポイント増)。
(2)次期大統領選の情勢は以下の通り。
・第1回投票:ルーラ(PT)39%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)35%、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)5%、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)4%、レナン・サントス(Missão)2%、アルド・レベロ元国防相(DC)1%、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%、白票/無効票/誰にも投票しない10%、分からない4%。
ルーラがこれまでに勝ってきた過去の大統領選では、4月~6月の時点で、2位との差は10ポイント以上あったが、今回の調査では、ルーラとフラヴィオの差は僅か4ポイントであり、これまでにない接戦となっている。
・決選投票:フラヴィオが初めてルーラを上回った。また、±2ポイントの誤差を考慮すれば、ルーラは、カイアド及びゼマとも拮抗している。
フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)46%(3ポイント増)対ルーラ(PT)45%(1ポイント減)。
ルーラ(PT)45%(1ポイント減)対カイアド前ゴイアス州知事(PSD)42%(6ポイント増)。
ルーラ(PT)45%対ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)42%。
・拒否率:ルーラ(PT)48%、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)46%、カボ・ダシオロ(Mobiliza)19%、ゼマ(Novo)17%、レナン・サントス(Missão)17%、カイアド(PSD)16%、レベロ(DC)16%。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)大統領の周辺は、ダタフォーリャ社の世論調査に関し、「ルーラの支持率低下は、燃料の高騰や国民の借金苦やマスター銀行等の不正がルーラ政権のせいにされていることが原因であり、一過性の現象である。政府の補助金により燃料価格が下がり、FGTSの積立金を借金の返済に使えるようになれば、人気は取り戻せる」と楽観視しているが、野党PLは、「国民がルーラの4選を望んでいないことは明確。大統領選の本命はフラヴィオである」と息巻いている。尚、フラヴィオは、今回の調査結果に関し、「我々の仕事はまだ始まったばかりである。10月(の選挙)までまだ長い道程がある。神が望むのならば、我々が伯を解放するであろう」とコメントした。(12日及び13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)連邦最高裁判所(STF)に関する調査結果は以下の通り:「STF判事は権力を持ちすぎると思うか?」:「そう思う」75%、「そうは思わない」20%、「分からない」3%。「STFは、民主主義の擁護に不可欠である」:「そう思う」71%、「そうは思わない」24%、「分からない」3%。「STF判事がマスター銀行の不正に関与していると思うか」:「思う」55%、「思わない」4%、「分からない」10%、「STF判事の関与については知らなかった」30%。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は、上院議員に立候補するために辞任したホフマン政治調整庁長官(PT)の後任にジョゼ・ギマランイス下院議員(PT-CE。政府下院院内総務)を任命することにした。ギマランイスは、今月14日に就任する予定。政府下院院内総務には、パウロ・ピメンタ下院議員(PT-RS)が任命された。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は13日、ウァレル国家社会保障院(INSS)総裁を更迭し、INSSのキャリア職員であるアナ・クリスチーナ・シルヴェイラを後任に任命した。ルーラは、2022年の大統領選では年金受給手続きの迅速化を公約に掲げ、受給資格を得ても手続きの遅延により年金を受け取れないでいる年金受給待機者をゼロにするとしていたが、2022年12月には109万人であった年金受給待機者は、その後、増え続け、本年3月には270万人に達した。ルーラは、選挙までに待機者の数をできるだけ減らしたいとしている。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.マスター銀行の不正疑惑
(1)9日、ブラジリアでは、マスター銀行が複数の政治家や法律事務所に多額の資金を提供していたとの報道でもちきりとなった。連邦歳入庁のデータによると、マスター銀行は、2022年から025年にかけて、91の法律事務所に合計5.43億レアルを支払っていた。これらの法律事務所の殆どは、政治家や高等裁判所判事の親族が経営している。エドゥアルド・ジラォン上院議員(Novo-CE)は、アルコルンブレ上院議長に対し、マスター銀行に関する議会調査委員会(CPI)の設置を求める通告書を送付した。ジラォン議員によると、下院議員239名及び上院議員42名がCPIの設置を支持しており、「本件に関するCPIの設置は、憲法上の義務である」とのことである。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)金融活動監視委員会(Coaf)の報告書によると、マスター銀行が2024年から2025年にかけてポータルサイト「メトロポリス」に合計2720万レアルを支払っていたことが判明した。メトロポリスの経営者であるルイス・エステヴァォン元上院議員(汚職事件により議員資格を剥奪された)は、マスター銀行から受け取った金を即座に自らの所有する他の会社の口座に振り込んでいた。Coafは、「宣伝費としては市場の相場を大幅に上回っており、何らかの不正に使われた可能性がある」としているが、メトロポリスは「相場の範囲内」と反論している。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)テメル元大統領(MDB)は10日、マスター銀行の顧問弁護士として、ダニエル・ヴォルカロ元頭取、イバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)及びコスタ前ブラジリア銀行(BRB)総裁との会議に出席したことと、両銀行の仲介を引き受けたことでマスター銀行から報酬を受け取っていたことを認めたが、「弁護士としての守秘義務があるので、詳しいことは話せない」と述べた。連邦歳入庁のデータによると、テメルの法律事務所は、マスター銀行から約1千万レアルを受け取っていた。尚、テメルは、「ヴォルカロが司法取引に応じた後、何を話すのかは分からないが、ヴォルカロが(政財界に対して)非常に大きな影響力と人脈を持っていたことは確かである」と述べた。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)これまでPTは、STFに遠慮してか、マスター銀行の件に関して批判することは控えてきたが、ボルソナーロ派を中心とする右派がマスター銀行の件を利用してルーラ政権とSTFを叩き続けていることから、STFに対する批判を始めている。ルーラは、周囲に対して、憲法改正により、STF判事の選考基準を厳格化し、任期に上限を設けること等について言及しているが、その場合、STF判事の弾劾を容易にするチャンスをボルソナーロ派に与えてしまう可能性があるため、憲法改正については慎重な姿勢を取っている。(11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.連邦議会
(1)アルコルンブレ上院議長は9日、ルーラ大統領の「量刑算定法(ボルソナーロ前大統領等、クーデター未遂犯及び三権襲撃犯の減刑)」に対する拒否権行使に関する採決を今月30日に行うことを決定した。また、同議長は、STF判事に指名されたメシアス連邦総弁護庁(AGU)長官の質疑応答を今月29日に行うことを決定した。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)14日、下院において、連邦会計検査院(TCU)の新しい検査官(ministro)が選出される予定。与党PTとモッタ下院議長は、オダイール・クーニャ下院議員(PT-MG)を推しているが、ボルソナーロ派は、ソラヤ・サントス下院議員(PL-RJ)を野党の統一候補とすることで、対抗しようとしている。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)PT執行部は9日、リオグランデ・ド・スル州知事選には独自候補を擁立せず、PDTのジュリアナ・ブリゾーラ元州議会議員を支持することを決定した。PTは、パラナ州知事選でもPDTのレキアォン・フィーリョ州議会議員を支持し、また、サンタカタリナ州では、PSBのジェルソン・メリージオ元州議会議員を支持しており、南部3州の州知事選では独自候補を擁立しないことにしている。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、選挙戦では非ボルソナーロ派の保守派を取り込むため、父ボルソナーロのような過激な発言は控え、穏健で、国民の融和を実現できる政治家としてのイメージを前面に押し出そうとしており、この戦略に適う政治マーケッティングの専門家を物色している。その内の一人は、AM4社のマルコス・カルヴァ―リョである。カルヴァ―リョは、2018年の大統領選ではボルソナーロ、2022年の選挙ではルーラのキャンペーンを担当したことで知られる。(11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)11日、ルシアーノ・ズッコ下院議員(PL-RS)がリオグランデ・ド・スル州知事選出馬を表明した。表明式には、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)も駆け付けた。同州の右派連合からは、ヴァン・ハッテン下院議員(Novo)とウビラタン・サンデルソン下院議員(PL)が上院議員に立候補することになっている。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、女性票と宗教票を獲得するため、連邦議会における代表的なカトリック派議員で、宗教インフルエンサーのシモーネ・マルケット下院議員(MDB-SP)、または福音派で、熱烈なボルソナーロ派のクラリッサ・テールシオ下院議員(PP-PE)を副大統領候補に指名することを検討中。マルケットを指名すれば、カトリック信者の票だけでなく、最大の票田であるサンパウロ州の票も期待できる。テールシオの場合、ルーラの牙城である北東部に食い込めるのではないかと見られている。(12日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(5)ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は13日、サンパウロ商業連盟のイベントに出席した際、「連邦最高裁判所(STF)は、マスター銀行との不適切な関係が疑われる等、以前から腐敗している。少なくとも、トフォリ判事とモラエス判事は弾劾されるべきである」とSTFを批判した。また、週休1日制(6X1制)の廃止に反対し、「20代の若者の中には、政府から給付金をもらって、1日中、ゲームをしている者もいる」と述べ、ボルサ・ファミリアを批判した。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、中道勢力(セントラン)を取り込もうとしており、少なくともPPとユニオン・ブラジルは、フラヴィオを支持することに前向きである。シロ・ノゲイラ・PP党首は、「フラヴィオが現在のように中道寄りの言動を続け、バランス感覚に優れた姿勢を崩さなければ、支持する用意がある」と述べている。ルエダ・ユニオン・ブラジル党首も「(我々はフラヴィオを)支持する傾向にある。フラヴィオが伯をまとめることができるのであれば、(フラヴィオを支持することは)困難なことではない」と発言。(14日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.司法
13日、ボルソナーロ派のアレシャンドレ・ラマージェン前下院議員(PL-RJ)が逃亡先の米オーランド市内で、ICE(アメリカ合衆国移民関税執行局)により身柄を拘束された。ラマージェンは昨年、クーデター未遂等により禁固16年の有罪判決を言い渡される前にガイアナ経由で米国に逃亡したが、昨年11月に議員資格を剥奪され、外交旅券が失効してから、米国の在留資格を失っていた。ラマージェンは、逃亡後もボルソナーロ一家とは連絡を取り続けており、2週間前にはフラヴィオとエドゥアルドのボルソナーロ兄弟と共にCPAC(保守政治行動会議)に参加していた。ラマージェンは今後、国外退去となる予定であるが、米国に政治亡命を求める可能性もある。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
7.外交
米伯両国は、税関当局間のリアルタイムによる情報共有等を通じて、麻薬及び武器密輸対策を強化することで合意した。これは、エアガンの部品に本物の銃の部品を紛れ込ませたり、家畜用の飼料に麻薬を混入させる手口に対して有効とされており、両国の治安分野における関係強化の一環と位置付けられている。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.Genial/Quaest社の世論調査
(1)Genial/Quaest社が4月9日から13日にかけて2004人を対象に世論調査を実施したところ、以下の通り。
・ルーラ政権の支持率:支持43%(先月比1ポイント減)、不支持52%(1ポイント増)、分からない5%(±0)。
・ルーラ政権に対する評価:「ネガティブ」42%(1ポイント減)、「ポジティブ」31%(±0)、「普通」26%(1ポイント増)、「分からない」1%(±0)。
(2)次期大統領選の情勢
・第1回投票:ルーラ(PT)37%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)32%、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)6%、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)3%、アウグスト・クリー(Avante)2%、レナン・サントス(Missão)2%、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%、サマラ・マルチンス(UP)1%、アルド・レベロ元国防相(DC)0%、白票/無効票11%、態度未定5%。
・決選投票:フラヴィオは、前回の調査ではルーラと同率(41%)であったが、支持率を1ポイント伸ばし、また、ルーラの支持率が1ポイント低下したことから、支持率が初めてルーラを上回った。
フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)42%(1ポイント増)対ルーラ(PT)40%(1ポイント減)、白票/無効票16%(1ポイント減)、態度未定2%。
ルーラ(PT)43%対カイアド前ゴイアス州知事(PSD)35%、白票/無効票18%、態度未定4%。
ルーラ(PT)43%対ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)36%、白票/無効票17%、態度未定4%。(15日付Uol)
(5)今回の調査では、59%が「ルーラは再選に値しない」と答えたのに対し、「値する」は38%であった。「ルーラの再選を恐れている」は43%、「ボルソナーロ一家の返り咲きを恐れている」は42%で、拮抗している。58%が「伯は誤った方向に向かっている」と答え、「正しい方向に向かっている」の34%を上回った。回答者の70%が食品の高騰を実感していると答え、50%が経済の悪化を指摘する等、中東の戦争が政府支持率に影響を及ぼしていることが判明。(15日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
2.ルーラ政権
(1)政府は15日、週休1日制(6X1制)廃止法案を議会に提出し、これを緊急案件とすることを求めた。これは、週の労働時間の上限を現行の44時間から40時間に減らすことで、週休2日制を義務付けるものである。ルーラ大統領は、「本日は、家族の尊厳にとって非常に重要な一日となった。これが成立すれば、労働者は、賃金を減らされることなく、家族と過ごせる時間が増えることになる」とXに投稿した。尚、モッタ下院議長は、本件に関しては既存の憲法改正案の審議を優先させることにしている。但し、政府案が緊急案件とされたことで、下院は、45日以内に同法案の採決を行わなくてはならない。15日、下院憲法司法委員会(CCJ)では、報告官のパウロ・アジ下院議員(ユニオン・ブラジル-BA)が週休1日制廃止に関する憲法改正案に関して肯定的な報告書を提出した。(15日及び16日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は15日、住宅供給プログラム「Minha Casa Minha Vida」に対して新たに200億レアルを投入し、住宅リフォーム・プログラム「Reforma Casa Brasil」を拡張すると発表した。これにより、同プログラムの対象が月収9600レアルから13,000レアルの所得層に引き上げられ、貸付額の上限も3万レアルから5万レアルに引き上げられる。また、金利は、月1.95%から0.99%に引き下げられることとなった。(16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.マスター銀行の不正疑惑
14日、組織犯罪に関する議会調査委員会(CPI)では、報告官のアレッサンドロ・ヴィエイラ上院議員(MDB-SE)が「STFのトフォリ、モラエス及びメンデス各判事、並びにゴネー検事総長は、マスター銀行の不正に関与しており、刑事告発されるべきである」との最終報告書を提出したが、投票の結果、賛成4、反対6により否決された。与党が投票前にCPIの構成員3名を入れ替えたことが奏功した。これにより、同CPIは、報告書が採択されることなく、終了したが、これにより、議会とSTFの関係が益々悪化することとなった。STFは、CPIが当初の目的である犯罪組織の調査は脇に置き、マスター銀行の件を優先し、STFを糾弾したことに対して強く反発している。STFのメンデス判事は、「ヴィエイラ報告官は、お仲間の民兵組織(ミリシア)のことはすっかり忘れたようだ」と批判。トフォリ判事は、「法的根拠がなく、事実誤認を満載した報告書を提出することは権力の乱用であり、公民権の停止に値する」と反発。検察官協会も「検察は、マスター銀行の不正については鋭意捜査しており、ゴネー検事総長が捜査を怠ったとの事実はない」と反論している。メンデス判事は15日、連邦検察庁に対し、アレッサンドロ・ヴィエイラ上院議員を権力乱用の容疑で捜査するよう求めた。(15日及び16日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.連邦議会
(1)14日、下院において、連邦会計検査院(TCU)検査官(Ministro)の投票が行われたところ、与党のオダイール・クーニャ下院議員(PT-MG)の指名が賛成303票により承認された。2位のエルマール・ナシメント下院議員(ユニオン・ブラジル-BA)は、96票であった。15日、上院において投票が行われた結果、賛成50、反対8により、オダイール・クーニャの任命が承認された。(15日及び16日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ウェヴェルトン・ロシャ上院議員(PDT-MA)は14日、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官のSTF判事指名に対して肯定的な報告書を提出した。上院憲法司法委員会(CCJ)では、今月29日にメシアスの質疑応答が行われる予定。CCJで過半数(14名)がメシアスの指名に賛成すれば、上院本会議において採決が行われる。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.2026年選挙
(1)アエシオ・ネーヴェス下院議員(PSDB党首)は14日、シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)に対し、大統領選出馬を求めた。シロ・ゴメスは、セアラ州知事選に出馬する予定であるが、大統領選出馬についても検討することを約束した。シロ・ゴメスは、過去4回に亘って大統領選に出馬したことがある。その際の順位は、1998年:3位、2002年:4位、2018年:3位、2022年:4位であった。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)最近、ルーラ大統領の支持率が低迷しており、先週、ルーラが弱気とも受け取れる発言を行ったことから、「ルーラは、再選を断念するのではないか」との憶測が流れた。ルーラは14日、Brasil247等のポータルサイトとのインタビューに応じた際、「ファシスト達が政権に返り咲かないよう、自分が大統領に立候補することはモラル、倫理、そしてクリスチャンとしての義務である。自分にはまだ国のためにしなければいけないことがたくさんある。そのため、自分は(大統領に)立候補する」と述べた。また、ルーラは、「(トランプ米大統領が伯大統領選に干渉する可能性)それについては恐れていない。彼(トランプ)がそれをすれば、私を大いに助けることになる」と述べた。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)メンデス・STF判事は15日、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)がSTFを批判し、トフォリ判事とモラエス判事の弾劾及び逮捕を主張した件に関し、「STFに対し、財政難に陥ったミナスジェライス州政府の救済措置(対連邦債務の繰り延べ)を求めたゼマが知事を辞めた途端にSTFを攻撃するとは、皮肉なことである。STFがミナスジェライス州を救済した時には有難がっても、状況が変われば、STF判事の名誉を傷つけようとする」と批判した。これに対し、ゼマは、「アンタッチャブル(メンデス判事)がまた攻撃してきた。自分が債務の繰り延べをSTFに求めたのは、州民のためであり、歴代の州知事から受け継いだ債務に対処するためであった」と反論した。(16日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ミティディーエリ・セルジペ州知事(PSD)は15日、ルーラ大統領と会談し、セルジペ州ではPT、PSD、ユニオン・ブラジルが選挙協力を行い、大統領にはルーラ(PT)、州知事にはミティディエーリ(PSD)、上院議員にはロジェーリオ・カルヴァーリョ上院議員(PT)とアンドレ・モウラ元下院議員(ユニオン・ブラジル)を支持することで合意した。(15日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
6.司法
(1)14日、ヌネス・マルケス・STF判事が選挙高等裁判所(TSE)長官、並びにメンドンサ・STF判事がTSE副長官に選出された。両判事ともボルソナーロ前大統領によってSTF判事に任命された。本年10月の選挙は、両判事の指揮の下で行われる。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)15日、不法滞在により、ICE(アメリカ合衆国移民・関税執行局)に身柄を拘束されたボルソナーロ派のアレシャンドレ・ラマージェン前下院議員(PL-RJ)が48時間ぶりに釈放された。ラマージェンは、クーデター未遂等により禁固16年の有罪判決を言い渡される前に米国に逃亡。伯政府は、国際指名手配をすると共に、米国政府に対してラマージェンの引き渡しを求めている。ボルソナーロ派は、ラマージェンの釈放に沸き立ち、トランプ政権の支援により釈放が実現したと主張している。エドゥアルド・ボルソナーロは、「真の国家の英雄であるラマージェンに特別扱いを認めてくれたトランプ米大統領とルビオ国務長官に感謝する。ラマージェンには政治亡命が認められるべきである」とインスタグラムに投稿した。(16日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)モラエス・STF判事は15日、連邦警察の要請により、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)を虚偽告訴罪の容疑で捜査することを許可した。フラヴィオは、本年1月にマドゥロ前ベネズエラ大統領が米国によって拘束された際、「ルーラは、(マドゥロが司法取引に応じることにより)告訴される。これは、サンパウロ・フォーラムの終焉である:麻薬・武器密輸、資金洗浄、テロ及び独裁政権支援、不正選挙」とXに投稿した。連邦警察は、フラヴィオがこれらの犯罪について虚偽の告発を行ったとしている。これに対し、フラヴィオ側は、「法的根拠に欠ける決定であり、表現の自由を制限しようとする試みである」と反発。(16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
7.外交
ダタフォーリャ社の世論調査によると、回答者の70%が米イスラエルのイラン攻撃に反対と答え、賛成は20%にとどまった(分からないは7%、どちらでもないは3%)。尚、フラヴィオ・ボルソナーロの支持者の間では、賛成が40%に達した。男性(賛成29%、反対63%)、福音派(賛成29%、反対61%)、富裕層(賛成34%、反対56%)の間では比較的賛成が多く、女性(賛成12%、反対78%)、カトリック教徒(賛成17%、反対74%)、低所得層(賛成16%、反対73%)では賛成が少ないとの結果が出ている。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は最近、「伯国民が借金に苦しんでいる原因の一つは、オンラインカジノにある。オンラインカジノは、国民を強奪している。自分は、キリスト教徒として、以前からカジノには反対の立場を取っている」と述べることで、福音派と保守派の支持を得ようとしている。また、ルーラは、「週休1日制(6X1制)の廃止により、労働者は、家族と過ごすための時間が増え、家族を大切にすることができる」と主張しているが、これも家庭を重視する保守派と福音派に対するアピールと受け止められている。尚、FIESP等、サンパウロやミナスジェライス州の企業団体は、「週休1日制の廃止は持続不能であり、1800万人が失業する等、経済に大打撃を与える。これは選挙目的の人気取りに過ぎない」と激しく批判している(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ドゥリガン財務相は17日、「国民の借金苦を解消するための債務再交渉プログラム(Desenrola 2.0)の準備はできており、ルーラ大統領が欧州訪問から帰国した後に発表される。同プログラムは、一般家庭、非正規労働者、零細企業の3グループに分けて実施される」と表明した。全国商業連盟(CNC)によると、何らかの借金を抱えている世帯は全体の80.4%に達している。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)連邦警察は16日、強制捜査「コンプライアンス・ゼロ作戦」の第4フェーズを発動し、コスタ前ブラジリア銀行(BRB)総裁、並びにマスター銀行の顧問弁護士を務めたダニエル・モンテイロ弁護士を逮捕した。コスタは、ブラジリア銀行総裁として、マスター銀行から120億レアル相当の不良債権を購入した他、マスター銀行の買収を進めていた。コスタは、買収に成功した場合、マスター銀行のダニエル・ヴォルカロ元頭取からサンパウロやブラジリアの高級マンション6軒(合計1.46億レアル相当)を受け取ることになっていた。ヴォルカロが不動産業者とやり取りしたメッセージからは、ヴォルカロがコスタのために高級マンションを物色していたことが判明している。また、モンテイロ弁護士は、ヴォルカロがコスタのために不動産の購入手続や資産隠し等を行っていた。モンテイロ弁護士は、マスター銀行から合計8600万レアルを報酬として受け取っていた。17日、モンテイロ弁護士がマスター銀行系列の投資ファンドの株主であり、また、ヴォルカロの代理として政治家に賄賂を贈っていた疑いがあることが判明。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ及び18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ギマランエス政治調整庁長官(PT)は16日、ブラジリア銀行(BRB)がマスター銀行から多額の不良債権を購入したことで、経営難に陥っている件に関し、「BRBを救済する義務は連邦直轄区(DF)政府にあり、連邦政府が同銀行を救済することには断固反対である。マスター銀行の不正については全貌を明らかにし、責任者を特定する」と述べた。これに対し、セリーナ・レアォン連邦直轄区知事(PP)は、「我々は、連邦政府に対し、BRBの救済を求めたが、何の回答もなかった」と批判した。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.連邦議会
モッタ下院議長は17日、Globo Newsのインタビューに応じた際、「量刑算定法(ボルソナーロ前大統領や三権襲撃犯の減刑)に対するルーラ大統領の拒否権行使が覆されることを期待している」と述べた。この採決は今月30日に行われる予定。(18日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
4.2026年選挙
(1)マラファイア牧師等、福音派の重鎮は、大統領選に関してはフレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)を支持していたが、ボルソナーロ前大統領が長男フラヴィオを後継者に指名し、フレイタスの大統領選不出馬が確定したことから、今ではフラヴィオを支持しているものの、父ボルソナーロの時に比べれば、消極的な支持に留まっている。フラヴィオに関しては、議員秘書給与詐取(rachadinha)等の疑惑があることに加え、父親のようなカリスマ性に欠けることが懸念材料とされている。ダタフォーリャ社の世論調査では、福音派の間における支持率は、フラヴィオ49%、ルーラ25%となっている(カトリック教徒の場合は、ルーラ43%、フラヴィオ30%)。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は16日、サンパウロ市内のイベントに参加した際、「フラヴィオ・ボルソナーロの副大統領候補に招かれたとしても、最後まで大統領選に挑むことにしている」と述べた。また、ゼマは、大統領に当選した場合、ボルソナーロ前大統領と三権襲撃犯に恩赦を与え、STFの改革(STF判事の年齢制限を60歳に引き上げ、任期を最大15年に設定する)に取り組むと発表した。また、ゼマは、治安(PCC等の犯罪組織のテロ組織指定、刑事責任年齢の引き下げ、受刑者の一時釈放(saidinha)廃止)や経済(ペトロブラス社の民営化、労働法の柔軟的運用)政策について言及した。更にゼマは、「政治から縁故主義を一掃する」と述べ、フラヴィオ・ボルソナーロ(ボルソナーロの息子は4人とも政治家)とカイアド前ゴイアス州知事(大勢の親族を州政府の要職につけた)を暗に批判した。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ダタフォーリャ社の世論調査(4月13日~15日)によると、ペルナンブコ州知事選の情勢は以下の通り:ジョアン・カンポス前レシフェ市長(PSB)50%、リラ現州知事(PSD)38%、エドゥアルド・モウラ州議会議員(Novo)3%、イヴァン・モラエス州議会議員(PSol)2%、白票/無効票6%、分からない/無回答1%。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ルーラ大統領は17日、独Der Spiegel誌とのインタビューにおいて、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が大統領選で勝利する可能性について問われた際、「国民がそう決定するであれば、それが右派や左派や中道派の(大統領)候補であろうが、選挙の結果は受け入れなければならない」と答えた。続いて、「伯で再び強権的な政権が誕生することを恐れていないのか」と問われたルーラは、「伯は民主国家であり続ける。しかも、選挙では我々が勝つ。民主主義を信じていないファシストの居場所はない。世界を席巻している右派のイデオロギーは、ヘイトと嘘ばかりであり、そのようなものに未来はない」と述べた。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)イザルシ・ルーカス上院議員(PL-DF)は17日、連邦直轄区(DF)知事選出馬を表明したが、ミシェーレ前大統領夫人は、「PL首脳部は、セリーナ・レアォン連邦直轄区知事(PP)の再選を支持することにしていたはず」と異議を唱えた。ミシェーレ夫人も以前からDF知事選ではレアォン知事を支持すると表明していた。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)ダタフォーリャ社の世論調査によると、「ルーラ大統領に投票する」と答えた女性有権者の割合は、3月には50%であったが、4月は47%に低下した。一方、フラヴィオ・ボルソナーロに投票すると答えた女性は、3月の37%から43%に上昇した。これにより、3月には13ポイントであった両者の差は、僅か4ポイントに縮小した。ルーラは、ジャンジャ夫人の協力により、フェミサイドやDVの撲滅に力を入れる等、女性票の回復に乗り出している。一方、野党PLでは、カロリーネ・デ・トニ下院議員(SC)やロザーナ・ヴァレ下院議員(SP)やプリシラ・コスタ・フォルタレーザ市議会議員(CE)等がミシェーレ前大統領夫人の後押しを受けて上院議員に立候補する等、女性政治家の台頭が注目されている。これらの女性政治家は、フェミニズムとは一線を画し、信仰や家庭を重視する伝統的な保守主義を掲げている。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.司法
(1)15日に釈放されたアレシャンドレ・ラマージェン前下院議員(PL-RJ)は16日、ICEに身柄を拘束された件に関してルーラ大統領と伯連邦警察を批判し、「ホワイトハウスのお陰で釈放された。自分は、不法滞在ではない。連邦警察は、ならず者の警察であり、ロドリゲス連邦警察長官は恥ずべき人物である」と批判する動画をSNSに投稿した。ボルソナーロ派は、ラマージェンが釈放されたのは、エドゥアルド・ボルソナーロとパウロ・フィゲイレード(ボルソナーロ派のブロガー)がダレン・ビーティ―国務省公共外交担当次官代理に働きかけたお陰であるとして、両者を称賛している。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)イタリアの裁判所は16日、ボルソナーロ派のカルラ・ザンベーリ前下院議員(PL-SP)の引き渡しに関し、銃の不法所持及び脅迫罪に関しても伯への引き渡しを認めると決定した。裁判所は、国家司法審議会(CNJ)のコンピュータシステムへのハッキングに関しても既に引き渡しを認めており、ザンベーリの引き渡しに関する決定としては二度目となった。これに対し、弁護側は、最初の決定と同様に控訴する構え。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)16日、連邦最高裁判所(STF)において、州立大学が黒人や先住民等の入学枠を設定することを禁止するとのサンタカタリナ州法(本年1月公布)の違憲審査が行われた。判事10名の内、過半数を超える7名が「人種を理由とする入学枠の設定は、平等の原則に反しない」として、同州法は違憲であると主張したところで休廷となった。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ファキン・STF長官は17日、「国民の間で司法府に対する批判が高まっており、司法府が危機に陥っていることは認めなければならず、司法府は、自らを律する必要がある。裁判官が政治家のように振舞えば、国民の信用を失うばかりである」と、特定の判事を名指しすることなく、批判した。カルメン・ルシア・STF判事は、「世界中で、司法機関の弱体化を図ろうとする動きが見られており、司法府は、改善すべきところは改善しなければならない」と述べた。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.外交
(1)ルーラ大統領は17日、5日間の欧州訪問を開始し、バルセロナにおいて、サンチェス・スペイン首相と首脳会談を行った。その際、両国は、レアメタル、領事関係、文化、科学技術、ジェンダー及び人種、気候変動等に関する15の取極に署名した。レアメタルに関しては、作業部会の設置、情報共有、相互投資の促進、EUの投資ファンドを活用した資金調達等を通じて、両国がレアメタルの開発について協力を行うことになった。また、両国は「単独主義、並びに独立国家に対する力の行使を拒否し、国連が中心的な役割を果たすことを主張する」との共同声明を発表した。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は17日、バルセロナにおいて開催された「永遠に民主主義フォーラム」に出席した。同フォーラムは、世界の右傾化に対抗するため、伯、スペイン等、20ヶ国の首脳によって2024年に創設された。今回の会議には、伯、スペイン、メキシコ、ウルグアイ、コロンビア及び南アフリカの首脳とボリッチ前チリ大統領が参加した。ルーラは、現在進行中の戦争を激しく非難し、多国間主義の強化を主張した。また、伯、スペイン及びメキシコは、キューバに対する人道支援を強化するとの声明を発表した。尚、ルーラは18日、「世界は、ツイートで動かされるべきではない。我々は、毎日のように、ある国の大統領から戦争をすると脅されるわけにはいかない。如何なる大統領であろうと、他国にルールを押し付ける権利はない」と暗にトランプ米大統領を批判した。(19日及び20日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びコレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領は19日、ハノーバーメッセの開会式においてスピーチを行った際、「伯は、イランとの戦争という狂気の沙汰の影響を最も受けていない国の一つである。我国は、政府が対策を講じているのと、(国内で消費されている)軽油の30%しか輸入に頼っていないため、原油が高騰しても、苦しんでいない」と述べた。また、ルーラは、「安保理は何のためにあるのか? 何故、これらの戦争を止めさせるために集まらないのか? 何故、戦争に費やしている資金を難民の救済に回さないのか?」と批判した。また、「EUは、伯のバイオ燃料に対して貿易障壁を設ける等、伯のアグリビジネスに関して誤った主張を行っている」とEUを批判した。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
1.マスター銀行の不正疑惑
今月16日に強制捜査「コンプライアンス・ゼロ」によって逮捕されたコスタ前ブラジリア銀行総裁は、弁護団を解雇し、新たに司法取引(delação premiada。褒賞付供述)を専門とする弁護士を雇い入れた。そのため、コスタが司法取引に応じ、イバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)等、政治家の関与について供述する可能性が出てきた。一方、連邦最高裁判所(STF)第2小法廷では、コスタの勾留継続に関する審理が行われており、22日は、メンドンサ判事とフックス判事が勾留の継続を主張し、トフォリ判事が忌避を理由に棄権したところで休廷となった。残るメンデス判事とヌネス・マルケス判事の何れかが賛成すれば、コスタの勾留が続けられることになる。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.連邦議会
22日、下院憲法司法委員会(CCJ)において、週休1日制(6X1制)の廃止に関する憲法改正案が可決された。野党が表立って反対しなかったため、予想よりスムーズに可決された。PLのカヴァルカンテ下院院内総務は、「我々は、経済に対する影響を最小限度に抑えつつ、責任ある形で週休1日制を変えることについて議論する」と述べた。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.2026年選挙
(1)ラチーニョ・Jr.パラナ州知事(PSD)は、その後継候補にサンドロ・アレックス下院議員(PSD。元パラナ州政府インフラ局長)を指名することにした。アレックス議員は、パラナ州知事選ではセルジオ・モーロ上院議員(PL)とぶつかることになるが、アレックス議員は、かって、ラヴァ・ジャット捜査とセルジオ・モーロ判事(当時)の熱烈な支持者であった。(22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の経済チームは、最低賃金と年金の調整はインフレ率のみを考慮する物価スライド制とし、現在のようにインフレだけでなく、経済成長率も考慮してインフレ率を上回る調整を行うことは廃止する方向で検討を進めている。また、税収の18%は教育、15%は保健分野の予算とすることを義務付ける憲法規定を改正し、教育と保健の予算削減を可能にする。これらの施策により、GDPの2%に相当する予算を節約できると見られている。フラヴィオは、2月の段階で「国営企業の95%を民営化し、『大ハサミ(大鉈の意)』を振るうことで、財政を健全化させる」と発言しており、財政規律重視の姿勢を打ち出している。尚、フラヴィオの選挙対策本部は、これらの政策が有権者に与える影響を憂慮して、その発表には慎重になっている。(22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)カイアド前ゴイアス州知事(PSD)は22日、ロベルト・ブラント元社会保障相(カルドーゾ政権。PSDの創設メンバー。元下院議員)を政策綱領立案のコーディネーターに指名した。カイアドによると、ブラントは、教育、保健、治安、福祉、インフラ等の政策通である。尚、ブラントは、メンサロン事件(第1次ルーラ政権の議員買収疑惑)に関与し、収賄容疑で議員資格を剥奪されそうになったことがある。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.司法
(1)ディーノ・STF判事は20日、「22年振りに司法制度改革に取り組むべきであるが、それは司法機関や訴訟手続の効率化を目指すものでなければならず、裁判官に自制を促すこととは違う」との意見記事を発表した。これは、裁判官の倫理規定導入を主張するファキン・STF長官に対する批判と受け止められている。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)メンデス・STF判事は20日、モラエス・STF判事に対し、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)をフェイクニュース捜査の対象に加えるよう、求めた。ゼマがマスター銀行の件に関して両判事を批判する内容の動画をSNSに投稿したことが背景にある。これに対し、ジルベルト・シルヴァ下院議員(PL-PA)等の野党議員は21日、メンデス判事の弾劾を要求すると表明。フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は22日、「ゼマは、司法府の被害者である。STFは、ゼマを攻撃することで、(大統領)選挙に干渉しようとしている」と批判した。(21日~23日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)米国政府は20日、伯連邦警察のマルセロ・カルヴァ―リョ上級警察官に対して出国を命じた。カルヴァ―リョは、ICEと連邦警察のリエゾンとして、マイアミに駐在し、アレシャンドレ・ラマージェン前下院議員(PL-RJ)の逮捕に関与したとされている。米国務省は、「伯政府の職員(カルヴァ―リョ)は、(米国の)移民管理システムを利用し、米国内において、政治上の理由により、(ラマージェンの)迫害を行った」と非難した。ルーラ大統領は21日、「我が国の警察官が米国において不当な扱いを受けたというのであれば、伯に駐在している彼らのリエゾンに対して相互主義を適用する」と述べた。ロドリゲス連邦警察庁長官は22日、相互主義を理由に、リエゾンとして伯に駐在しているICE職員の職務停止を発表した。同長官によると、米国政府がカルヴァーリョの出国に関して説明を行うまでICE職員の職務停止が解除されることはない。ルーラ大統領は、同長官の決定を称賛した。伯外務省のフィゲローア北米局長は21日、在伯米国大使館のケリー公使を呼び出して説明を求めたが、米国政府がカルヴァ―リョの出国を求めた理由が明らかにされることはなかった。(21日~23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ボルソナーロ前大統領の弁護団は21日、モラエス・STF判事に対し、「ボルソナーロは、右肩の痛みを訴えており、検査の結果、右肩の腱が断裂していることが確認されたため、早急に手術を受ける必要がある」として、手術の許可を求めた。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.外交
(1)ルーラ大統領は20日、ハノーバーメッセと伯独経済会議に参加した際、「伯は、バイオ燃料により、世界のエネルギー転換と脱炭素化をリードできる。EUは、伯のバイオ燃料に対する抵抗を止めるべきである」と述べた。ハノーバーメッセでにおいて、メルツ独首相と共に伯のブースを視察したルーラは、1200社以上の独企業が伯に進出し、独が伯にとって4番目の貿易相手国であることを挙げ、ドイツの重要性について強調した。また、ルーラは、民間がEU・メルコスール・FTAの施行に積極的に取り組むことを主張した。メルツ首相は、「伯とのパートナーシップは、経済に留まらず、ルールに基づいた問題の解決、並びに紛争の平和的解決に向けた戦略的な協力関係という、政治的な理念の共有に基づいている」と述べた。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ウォールストリートジャーナル紙は、「伯の犯罪組織PCC(第1首都コマンド)は、組織の大きさや影響力の点でイタリアのマフィアに匹敵する存在となっており、南米産のコカインを欧州の港湾に密輸するための新たなルートを開発している。また、PCCは、フロリダやニューヨークやニュージャージー等、米国内でも活動を行っており、米国の安全を脅かしているが、伯政府は、PCCやComando Vermelho等のテロ組織指定に反対している」と報道した。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領は21日、リスボンにおいて、ポルトガルのセグーロ大統領及びモンテネグロ首相と首脳会談を行った。首脳会談では、移民問題が取り上げられたと見られている。ポルトガルには、約50万人のブラジル人が合法的に在住しているが、ポルトガル議会において、移民の権利を制限するとの法律が成立したことにより、これらの移民は、ポルトガルでの生活が困難になってきている。ルーラは、ポルトガルに到着した際、ブラジル人コミュニティの代表から「ポルトガルにおいて、外国人排斥と差別の機運が高まっていることを懸念している」との書簡を手渡された。記者会見では、モンテネグロ首相が「ポルトガルで就労し、生活基盤を築いたブラジル人は、我が国の社会と経済に見事に統合されている。我が政権では、23.5万人のブラジル人に対して在留許可を出したのに対し、在留を拒否されたのは5千人だけであった」と述べたのに対し、ルーラは、「ブラジル人は、働くことが好きで、物覚えが早い。ポルトガルは、彼らを受け入れたことを誇りに思うことであろう」と述べた。また、ルーラは、「サッカーワールドカップの決勝戦は、伯とポルトガルの間で争われるであろう。自分とモンテネグロ首相は、米国で、トランプ米大統領と共に観戦する」とジョークを飛ばした。(22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.ルーラ政権
(1)政府は23日、中東の紛争が長期化した場合、ガソリン、エタノール、軽油及びバイオディーゼルに対する連邦税(PIS/Cofins及びCIDE)を減免するとの法案を提出した。政府は、これによる減税分は石油の輸出税による増収で補填できるとしている。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルーラ大統領は24日、サンパウロ市内のシリオ・リバネス病院において、頭頂部の皮膚ガンを摘出するための手術を受けた。医師によると、転移は見られず、術後の回復は順調とのことである。また、ルーラは、右手の腱鞘炎の治療(注射)も受けた。ルーラは26日、ブラジリアに戻り、翌日から公務に復帰した。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)連邦政府は24日、KalshiやPolymarket等、27のブックメーカーのサービス停止を決定した。ドゥリガン財務相によると、これらのブックメーカーは、政府に対するライセンス料(3千万レアル)を支払わず、また、選挙等、スポーツ以外のことも賭けの対象としているため、法に反している。政府は、ブックメーカーやオンラインカジノの氾濫が国民の生活苦の一因になっていると見ている。尚、Forbesによると、Kalshiの共同経営者であるブラジル人女性(29歳)は、昨年末、世界最年少のビリオネアになった。Kalshiの評価額は220億米ドルとされている。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ドゥリガン財務相は27日、銀行連盟及び主要銀行の代表と「債務者救済プログラム(Desenrola 2.0)」について協議を行った。それによると、クレジットカード、「特別小切手(cheque especial)」及び無担保ローンの債務者を対象として、債務額の最大90%を免除する方向で検討が行われている。また、債務の完済を条件に、FGTS(勤続年限保障基金)の積立金を使用することも検討されている。(28日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)コスタ前ブラジリア銀行総裁は23日、その身柄をパプダ刑務所から連邦警察ブラジリア支局の拘置施設に移すことを求めた。これは、司法取引(delação premiada。褒賞付供述)に向けた交渉が目的とされている。また、コスタは、司法取引を専門とするエウジェニオ・アラガォン弁護士(元法務大臣)を弁護人に選任した。前任の弁護士がイバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)の弁護士であることから、コスタは、イバネイス・ロシャの関与について供述する覚悟を決めたのではないかと見られている。24日、STF第2小法廷では、コスタとモンテイロ弁護士(マスター銀行の元顧問弁護士)の勾留継続が決定された。(24日及び25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ダニエル・ヴォルカロ元頭取は23日、血尿を訴え、ブラジリア市内の病院に搬送された。弁護団は、検査の結果、重病であることが認められれば、自宅軟禁を求めることにしている。ヴォルカロは、連邦警察ブラジリア支局内の拘置施設で司法取引に向けた交渉を行っていた。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ダニエル・ヴォルカロ元頭取の携帯電話を解析した結果、ヴォルカロが2024年10月27日にベロオリゾンテ市長選の投票を行った後、元婚約者とやり取りしたメッセージの中で、「今、友人の企業家(鉱山会社の3D Mineraçãoの経営者)と共に、大臣と会って、鉱物資源関係のビジネスについて話している」と書いていたことが判明。当日にベロオリゾンテ市内に滞在していたのはシルヴェイラ鉱山エネルギー相(PSD)であり、メッセージの内容からもヴォルカロが会っていたのはシルヴェイラと見られているが、鉱山エネルギー省は、「大臣がその日にヴォルカロと面会したとの事実はない」と否定している。3D Mineração社は、国家鉱業庁(ANM)の入札に参加するため、マスター銀行から資金を借り入れていた。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.連邦議会
22日、下院憲法司法委員会(CCJ)において、週休1日制(6X1制)の廃止に関する憲法改正案が可決された。同改憲案については、今後、下院において特別委員会が設置される予定。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)ミナスジェライス州知事選に関しては、今のところ、シモンエス現州知事(PSD)やロドリゴ・パシェコ上院議員(PSD。前上院議長)等の9名が立候補を予定しており、乱立気味となっている。フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、シモンエス知事(PSD)またはクレイチーニョ上院議員(Republicanos)を支持すると見られているが、シモンエスは世論調査では振るわず、また、クレイチーニョに関しては、ニコラス・フェヘイラ下院議員(PL-MG)等が「真のボルソナーロ派とは言えない」と反対しており、候補者選びに苦慮している。そのため、PLは、フラヴィオ・ロスコ―元ミナスジェライス工業連盟(Fiemig)会長を独自候補として擁立することも含めて検討を進めている。一方、ルーラ大統領は、同州知事選ではパシェコを支持することにしている。右派候補が乱立し、右派の票が割れれば、パシェコが有利になると見られている。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)とカイアド前ゴイアス州知事(PSD)が連邦最高裁判所(STF)に対する批判を控えている一方で、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)だけは、トフォリ判事とモラエス判事の逮捕を主張し、メンデス判事と非難の応酬を繰り広げる等、STFに対する攻撃を強めている。そのため、保守派は、ゼマのことを「アンチ・STF」または「アンチ・システム」の大統領候補として注目している。ボルソナーロ派の一部からは、「フラヴィオはもっとSTFを攻撃すべき」と不満の声が上がっている。(24日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(3)本年の国政選挙では、2022年の選挙と比べて政党助成金と政見放送の放送枠を獲得するための条件が厳しくなる。例えば、2022年では、全国の下院議員選挙における得票率が2%である必要があったが、本年はこれが2.5%に引き上げられる。また、少なくとも9つの州における得票率が1%である必要があったが、これも1.5%に引き上げられる。前回の選挙で、引き上げ後の数字に達しなかった政党は、Avante、Novo等の11政党であり、今回の選挙では、これらの政党が要件を満たすことができない可能性がある。(25日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、科学重視、人種差別反対、女性の政治参画等、ボルソナーロの岩盤支持層が毛嫌いしている主張をすることで、「穏健なボルソナーロ」を演出し、ボルソナーロ派以外の保守派(特に女性票)を取り込もうとしているが、専門家は「新型コロナワクチンを打っただけで、科学を重視しているとは片腹痛い。フラヴィオは、父親の科学や女性軽視、人種差別に関する発言に異議を唱えたことは一度もなく、父親を諫めたこともない。そもそも、ボルソナーロ主義とは、過激な言動を売りにしており、穏健なボルソナーロという言葉自体、矛盾している」と批判している。「穏健化した」フラヴィオに岩盤支持層がついて行くのか、また、フラヴィオが「穏健化」することによって岩盤支持層以外の保守派を取り込めるのかは未知数である。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)今月は、サンパウロ州リベイラォン・プレット市のAgrishowやミナスジェイライス州ウベラバ市のExpozebu等、各地でアグリビジネス関係の大型イベントが行われており、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)やカイアド前ゴイアス州知事(PSD)やゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)等、右派の政治家が積極的に参加し、大きな注目を集めているが、ルーラ大統領や関係閣僚の参加は微々たるものである。アグリビジネス業界自体、右派の政治家を支持しており、これらのイベントは、右派の政治家の独壇場となっている。26日、アルキミン副大統領が連邦政府を代表してAgrishowの開会式に出席し、農業機械等の購入のために100億レアル相当の融資枠を設けると発表した。27日、フラヴィオ・ボルソナーロがフレイタス知事と共にAgrishowに出席した。フラヴィオが「フレイタス知事はいつの日か大統領になるであろう」と述べ、同知事を称賛すると、同知事は、「フラヴィオがボルソナーロ前大統領のレガシーを受け継ぐことを確信している。アグリビジネス業界は、フラヴィオの軍隊となって協力するであろう」と述べ、両者の不仲説を打ち消した。(26日~28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)Instituto Travessiaの調査によると、有権者の大半は、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が現在、上院議員であることも含めて、政治家としての経歴や業績については何も知らず、フラヴィオの支持者の殆どが単にボルソナーロ前大統領の息子であるということだけで支持していることが判明した。そのため、専門家は、「フラヴィオは、大統領候補としての可能性は秘めているものの、支持者がフラヴィオに対して強い思い入れを抱いているようなことはないため、その支持基盤は脆弱である。議員秘書給与詐取疑惑(rachadinha)や民兵組織(ミリシア)とのつながりが取り沙汰されても、現在の高支持率を維持できるか否かは分からない。フラヴィオの支持率が今後も上昇するとすれば、ルーラの不支持率と拒否率の上昇にかかっている」と分析している。(26日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(7)ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は、インスタグラムに投稿した動画の中で、「ルーラ政権の歳出は、歳入を上回っており、債務が雪だるま式に膨れ上がっている。結果として、公的債務は9兆レアルに達し、政府は、高金利を支払わざるを得ない状況になっている。これを解決するため、自分が大統領に就任した暁には、ペトロブラス社やブラジル銀行や郵政公社等、国営企業の民営化を徹底的に行うことで、小さな政府を実現させる。また、公務員のスーパーサラリーや特権をカットし、ブラジリアのアンタッチャブル達を支えているスキームを破壊し、汚職を根元から断ち切る」と述べた。尚、ゼマは、2018年のミナスジェイライス州知事選において、州の電力公社(Cemig)と衛生公社(Copasa)の民営化を公約し、Copasaの民営化は2期目の終盤に達成できたものの、Cemigの民営化は果たせなかった。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(8)PTは、第8回全国大会を開き、所得の配分を伴う経済成長、給付プログラムの拡充、公共交通機関の無料化、オンラインカジノに対する増税、司法改革等の政策に関するマニフェストを採択した。マニフェストの内容は、全体的に中道寄りとされており、これは選挙に向けて、中道派を取り込む狙いがあると見られている。また、PTは、極右勢力の台頭に警鐘を鳴らし、SNS対策を強化するだけではなく、選挙では支持者を動員してムーブメントを起こすよう、呼びかけた。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(9)BTG/Nexus社の大統領選に関する世論調査(今月24日から26日にかけて2028人を対象に実施)の結果は以下の通り:
●第1回投票:ルーラ大統領(PT)41%(前月比±0)、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)36%(2ポイント減)、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)4%(±0)、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)3%(1ポイント減)、レナン・サントス(Missão)3%(1ポイント増)、アウグスト・クリー(Avante)2%(今回初)、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%(今回初)、アルド・レベロ元国防相(DC)1%(1ポイント増)、白票/無効票/誰にも投票しない6%(2ポイント減)、分からない2%(±0)。
●決選投票:ルーラ(PT)46%(±0)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)45%(1ポイント減)。ルーラ(PT)45%対ゼマ(Novo)41%。ルーラ(PT)45%対カイアド(PSD)41%。
●拒否率:ルーラ(PT)48%、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)48%、ゼマ(Novo)33%、カイアド(PSD)29%。
●ルーラ大統領の支持率:支持46%(1ポイント増)、不支持49%(2ポイント減)●ルーラ政権の評価:「悪い/非常に悪い」43%(1ポイント減)、「非常に良い/良い」33%(2ポイント減)、「普通」23%(2ポイント増)。(28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(10)Genial/Quaest社の世論調査によると、リオデジャネイロ、パラナ及びパラー州知事選の情勢は以下の通り:
●リオデジャネイロ:パエス前リオデジャネイロ州知事(PSD)34%、ドウグラス・ルーアス州議会議長(PL)9%、ガロチーニョ元リオデジャネイロ州知事(Republicanos)8%、ヴィッツェル元リオデジャネイロ州知事(DC)3%、ウイリアム・シリ(PSol)2%、アンドレ・マリーニョ(Novo)1%。
●パラナ:セルジオ・モーロ上院議員(PL)35%、レキアォン・フィーリョ州議会議員(PDT)18%、ラファエル・グレッカ元クリチバ市長(MDB)15%、サンドロ・アレックス下院議員(PSD)5%、ルイス・フランサ(Missão)1%、トニー・ガルシア(DC)1%。
●パラー:Dr.ダニエル・サントス元アナニンデウア市長(Podemos)22%、アナ・ガッサン現州知事(MDB)19%、マリオ・コウト元上院議員(DC)11%、クレーベル・ラベロ(PSTU)3%、アラセニ・レモス(PSol)2%。(28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.司法
ザニン・STF判事は24日、ドウグラス・ルーアス・リオデジャネイロ州議会議長(PL)のリオデジャネイロ州知事就任を求める同州議会の訴えを棄却した。現在、STFでは、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)の後任の選出方法を巡って審理が行われており、ザニン判事は、この審理が終了するまで、コウト・リオデジャネイロ州高等裁判所長官が知事臨時代理を務めると決定した。リオ州知事の選出方法については、州民による直接選挙と州議会による間接選挙の何れかになる予定で、今のところ、STFでは、判事4名が間接選挙、1名が直接選挙を支持している。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.外交
(1)ルーラ大統領は23日、農産物の展示会においてスピーチを行った際、「訪米の際には、トランプ米大統領を落ち着かせるため、ジャブチカーバ(伯特産の果物)とパッションフルーツを持参することにしている。これらのフルーツは、精神を落ち着かせる効果がある。トランプが戦争をやっている一方で、伯はアフリカの農業に対して技術支援を行っている」と述べた。ルーラは、欧州訪問中も「トランプに戦争を止めさせるため、一刻も早く彼にノーベル平和賞を与えるべき」とトランプを皮肉った。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)トランプ米大統領の側近であるパオロ・ザンポーリ特使がインタビューにおいて「ブラジルの女性は呪われた人種であり、混乱を引き起こすためにプログラミングされている」等とブラジル人女性を罵倒した。ザンポーリは、ブラジルの元モデルと離婚した後、息子の親権を巡って争っている。これに対し、ジャンジャ大統領夫人は、「そのような発言がブラジルの女性を貶めることはない。我々は、我々の在り方について誇りに思っており、ミソジニーや男性優位主義や女性に対する暴力と戦うために一致団結している」と批判した。女性省も「ミソジニーは犯罪であり、意見ですらない」との声明を発表した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)伯外務省は27日、イスラエルのレバノンに対する攻撃により、ブラジル国籍の女性と11歳の子供が死亡したと発表し、2006年の安保理決議第1701号を遵守して、即時停戦に応じるよう、当事国に呼び掛けた。(28日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.連邦議会
(1)29日、上院本会議において、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官の連邦最高裁判所(STF)判事指名が反対42、賛成34により否決された。大統領から指名されたSTF判事候補が上院において承認されなかったのは、1894年以来のことで、メシアスで6人目であり、ルーラ大統領は歴史的な敗北を喫した。一方、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)等、ボルソナーロ派を中心とする野党議員は、喜びを爆発させた。上院の野党議員は32名であるため、PSDやMDB等、一部の中道派議員が造反したと見られている。これにより、政府が上院を掌握していないことが浮き彫りになり、ルーラと上院(特にアルコルンブレ上院議長)の関係が更に冷え込むことになる。尚、ルーラは、新たなSTF判事候補を指名することになるが、その人選や時期については不透明である。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)29日、下院において、週休1日制(6X1制)廃止に関する憲法改正案の特別委員会が設置され、委員長にはアレンカール・サンタナ下院議員(PT-SP)、報告官にはレオ・プラテス下院議員(Republicanos-BA)が選出された。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)昨年4月、オンラインカジノの経営会社(OGI。伯では非常にポピュラーな「jogo do tigrinho」を運営)のCEO(フェルナンディン・OIG)がモッタ下院議長(Republicanos)、シロ・ノゲイラ上院議員(PP-PI)、ドトール・ルイジーニョ下院議員(PP-RJ)及びイスナルド・ブリョンエス下院議員(MDB-AL)と共に自家用機でカリブ海のセント・マーチン島に渡航していたことが判明。一行が帰国した際、スーツケース7個が税関の検査を受けることなく、通関していたことが判明したため、連邦警察は、密輸の疑いで捜査中。連邦議員の関与が判明したため、連邦最高裁判所(STF)が本件を担当することとなった。尚、昨年4月当時、OGI社とCEOのフェルナンディン・OGIは、オンラインカジノに関する議会調査委員会の調査対象となっており、シロ・ノゲイラ議員は、同調査委員会のメンバーであった。尚、同調査委員会は、ソラヤ・トロニケ上院議員(PSB-MS)の報告書が賛成3、反対4で否決され、有耶無耶の内に終わっている。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)23日、サンパウロ州裁判所は、5億レアル相当のビジネスジェット機、サンパウロ州カンポス・ド・ジョルダン市の高級ホテル、ブラジリアやフロリダの豪邸等、ダニエル・ヴォルカロ元頭取、その父親及び妹名義の資産を差し押さえた。連邦警察は、ヴォルカロにはまだ500億レアル近い隠し財産があるとして捜査を続けている。これらの財産は、マスター銀行の破綻により損害を被った投資家や金融機関の賠償に充てられる。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ダニエル・ヴォルカロ元頭取は先週、体調不良を訴え、病院に搬送されたが、その後、回復し、連邦警察と司法取引(delação premiada。褒賞付供述)に向けた交渉を再開している。ヴォルカロは、既に政治家等の関与について供述を始めているとされており、今週末にも交渉が成立する可能性がある。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)本日(30日)、連邦議会の上下両院合同セッションでは、マスター銀行の不正疑惑に関する議会調査委員会設置が議題に上がっているが、アルコルンブレ上院議長は、「量刑算定法(ボルソナーロ前大統領等、クーデター未遂及び三権襲撃犯の減刑)」に対するルーラ大統領の拒否権行使を採決にかけ、これを覆すことと引き換えに、同調査委員会の設置は見送ることで、野党と合意している。(30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.2026年選挙
(1)カサビ・PSD党首は、コレイオ・ブラジリエンセ紙とのインタビューに応じた際、「(大統領)選挙は(ルーラとフラヴィオ・ボルソナーロによる)二極化の様相を呈しているが、決選投票がルーラとフラヴィオによって争われるとまだ決まったわけではない。選挙戦はまだ始まっておらず、ルーラとフラヴィオはどちらも拒否率が高い。一方、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)は、拒否率が低く、しかも、州知事の中では最も高い支持率を誇っていた。ボルソナーロ(前大統領)も2018年の大統領選では当初、支持率が3%に過ぎなかったが、襲撃事件により支持率が一気に20%を超え、最終的には当選した」と述べた。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)Genial/Quaest社の世論調査によると、サンパウロ、ミナスジェライス、バイア及びペルナンブコ州における選挙の情勢は以下の通り:
●サンパウロ:知事選(第1回投票)フレイタス現知事(Republicanos)38%、アダッジ前財務相(PT)26%、キン・カタギリ下院議員(Missão)5%、アンドレ・セーハ元サント・アンドレ市長(PSDB)5%、白票/無効票13%、態度未定13%。知事選(決選投票)フレイタス(Republicanos)49%、アダッジ(PT)32%、白票/無効票11%、態度未定8%。上院議員選:シモーネ・テベチ前企画予算相(PSB)14%、マリナ・シルヴァ前環境相(Rede)12%、ギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP)8%、リカルド・サレス下院議員(Novo)8%、アンドレ・ド・プラド州議会議員(PL)6%、ジョゼ・アニーバル元上院議員(PSDB)4%。
●ミナスジェライス:クレイチーニョ・アゼヴェド上院議員(Republicanos)30%、アレシャンドレ・カリル元ベロオリゾンテ市長(PDT)14%、ロドリゴ・パシェコ上院議員(PSB。前上院議長)8%、ベン・メンデス(Missão)4%、マテウス・シモンエス現知事(PSD)4%、マリア・ダ・コンソラサォン(PSol)3%、フラヴィオ・ロスコー(PL)2%、ガブリエル・アゼヴェド(MDB)2%、白票/無効票20%、態度未定13%。
●バイア:知事選(第1回投票):ACM・ネット元サルヴァドール市長(ユニオン・ブラジル)41%、ロドリゲス現知事(PT)37%、ロナルド・マンスール(PSol)1%、白票/無効票10%、態度未定11%。知事選(決選投票):ACM・ネット(ユニオン・ブラジル)41%、ロドリゲス(PT)38%、白票/無効票9%、態度未定12%。
●ペルナンブコ:ジョアン・カンポス前レシフェ市長(PSB)42%、ラケル・リラ現知事(PSD)34%、エドゥアルド・モウラ(Novo)3%、イヴァン・モラエス(PSol)1%、白票/無効票9%、態度未定11%。(29日及び30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.司法
連邦最高裁判所(STF)は29日、クーデター未遂及び三権襲撃犯の裁判を終了した。これにより、何らかの処罰を受けた被告の数は1402人に上った。内訳は、クーデター未遂の中核グループ:29名、重罪により有罪を言い渡された者:402名、罪状が軽微な者:419名、自白と社会奉仕を条件に刑事訴追を免除された者:552名。尚、最も罪が重かったのは、ボルソナーロ前大統領の禁固27年3ヶ月である。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.外交
ルーラ大統領は28日、EU・メルコスール・FTAの暫定的発効に関する大統領令に署名した。これにより、同FTAは、5月1日(金)から暫定的に発効する。尚、ルーラは、「これは、トランプ米大統領が全世界に対して一方的に関税をかけたことに対するメルコスールとEUの回答であり、多国間主義の勝利である」と述べた。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)


