2026年5月 ブラジル関連情報
- 3 日前
- 読了時間: 69分
2026年5月ブラジル関連情報
1.連邦議会
30日、連邦議会の上下両院合同セッションにおいて、量刑算定法(ボルソナーロ前大統領等、クーデター未遂及び三権襲撃犯の減刑)に対するルーラ大統領の拒否権行使が圧倒的多数(下院:賛成318、反対144。上院:賛成49、反対24)により、覆された。政府与党は、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官のSTF判事指名の否決に続き、2日連続で大敗を喫した。これにより、ボルソナーロ前大統領の刑期は、禁固27年3ヶ月から22年1ヶ月に短縮され、3年3ヶ月で閉鎖型の刑事施設から半開放型の施設に移れることとなった。ボルソナーロ派は、服役中に急死した三権襲撃犯の遺族を本会議場に招き入れ、勝利に沸き返った。当日は、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL—RJ)の45歳の誕生日であり、ボルソナーロ派は、ケーキを用意して、ハッピーバースデーの歌を大合唱した。フラヴィオは、「神が望むならば、自分は、そこで喚き散らしている人達(与党議員)も含めて、全ての人のためにこの国を統治するであろう」とスピーチし、大喝采を浴びた。また、フラヴィオがアルコルンブレ上院議長と抱擁を交わしたのが注目された。同議長は、明年の議長選で再選を果たすため、ルーラ政権を見捨てて、ボルソナーロ派と手を組んだと見られている。尚、ルーラ大統領は、減刑法の裁可を拒否することにしているが、その場合、アルコルンブレ上院議長が代わりに裁可することになる。(1日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
2.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は30日、テレビ・ラジオ演説を行い、債務者救済プログラム(Desenrola 2.0)の実施を発表した。クレジットカード、特別小切手(cheque especial)、個人向けの貸付、教育ローン(Fies)等の債務者は、債務総額の30%~90%を割り引いた上で、月1.99%の低金利により債務残額を分割払いできる。また、FGTS(勤続年限保障基金)の積立金の内、最大20%を債務の返済に充てることができる。尚、ルーラは、「伯の家庭が多額の借金を抱えることになった原因の一つは、オンラインカジノの流行にある。債務者救済プログラムによって浮いた金が再びオンラインカジノに使われることがあってはならない。Desenrola 2.0の参加者は、1年間に亘ってオンラインカジノのサイトに対するアクセスがブロックされる」と述べた。政府は4日、「Desenrola 2.0」を「Novo Desenrola Brasil」と改名して、その詳細について発表した。それによると、同プログラムは、月収が最低賃金の5倍(8105レアル)までの所得層で、本年1月31日までに負った債務が対象となる。(1日及び5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)国境なき記者団が発表した今年度の「報道の自由度ランキング」では、伯は昨年の63位から52位にランクを上げ、史上初めて米国(64位)を上回った。伯は、ボルソナーロ政権最後の年(2022年)の110位から58もランクを上げたことになる。尚、世界全体では、「困難・深刻」に分類された対象国は、2002年には全体の13.7%に過ぎなかったが、現在は半数以上(52.2%)に上っている。(1日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)1日のメーデーに関するイベントでは、アダッジ前財務相やホフマン前政治調整庁長官等、PTの幹部が週休1日制(6X1)の廃止を訴え、労働者の支持を繋ぎとめるのに必死であった。政府与党は、連邦議会で連敗を喫した後、週休1日制の廃止を人気回復の起爆剤にしようとしている。アダッジ前財務相は、「我々は今、週休2日制、週40時間労働のために戦っている。そして、前政権の災厄が繰り返されないためにも、ルーラ大統領の再選のために週休0日制で頑張っている」と強調した。また、PTは、「減刑法に対する拒否が覆されたのは、マスター銀行に関する議会調査委員会の設置を阻止したい中道派勢力(セントラン)、ボルソナーロ派及び連邦最高裁判所(STF)の一部が結託したからである」と批判した。一方、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、カウボーイの帽子を被り、「国民が物価高、増税、借金に苦しんでいるというのに、ルーラは、外遊の度に高級ホテルに泊まり、ご馳走を食べ、高級ワインを飲むのに公用クレジットカードで14億レアルも散財している。君達が労働でかいた汗は、貧者の父と嘯く人物(ルーラ)の豪奢な生活を支えている」と批判する動画をSNSに投稿した。(2日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)ルーラ大統領は、「政府は、212億レアルを投入して、個人事業主のトラック運転手を対象とした『トラック買い替え推進プログラム(Move Brasil 2)』を拡充する。金利を引き下げ、返済期間と据え置き期間を延長することによって、同プログラムを更に利用しやすいようにした」とSNSに投稿した。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.マスター銀行の不正疑惑
(1)タバタ・アマラル下院議員(PSB-SP)は1日、連邦検察庁に対し、「ダニエル・ヴォルカロ元頭取が主催した数々のパーティーにおいて、女性の性的搾取と人身売買が行われていた」との刑事告発を行った。ヴォルカロは、政治家等を招いて開いたパーティーにロシアやウクライナやリトアニア等、国内外からモデルを呼び寄せていたことが確認されている。例えば、2022年にバイア州のトランコーゾで開かれ、当時の政府高官、政治家、法曹関係者、金融市場関係者等が参加したヴォルカロの誕生日パーティーや2023年のハロウィーンパーティーにも海外からモデルが呼び寄せられた。告発状によると、ヴォルカロは、パーティー会場にカメラを設置して、盗撮をしていた。(2日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)連邦最高裁判所(STF)において、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官のSTF判事指名を支持したのは、マスター銀行の件を担当しているメンドンサ判事だけであり、モラエス判事等、他の判事は、明らかにメシアスの指名に否定的であった。メシアスがSTF判事になれば、マスター銀行の件に関してメンドンサ判事をサポートすることになっていたとされており、モラエス判事等は、これを阻止するためにボルソナーロ派や中道派(セントラン)と結託してメシアスの承認を阻止したとの見方が広がっている。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ファキン・STF長官は4日、有価証券委員会(CVM)とのイベントにおいて、「最近のスキャンダルは、(金融市場に対する)規制とコントロールが不足していることを表している。我々は、その原因について精査すると共に、不正を行った者を厳罰に処す必要がある」と述べた。また、同長官は、記者団に対し、「憲法裁判所というものは、正当性と信頼性を兼ね備えていなければならない。現在、STFと他の公的機関は、このようなスキャンダル(マスター銀行の不正疑惑)に対して断固たる態度で対処するという、挑戦に直面している」と述べた。これは、「STFとボルソナーロ派と中道派(セントラン)がマスター銀行の件を有耶無耶の内に終わらせるため、メシアス連邦総弁護庁長官のSTF判事指名を葬るために結託した」との見方を念頭に置いた発言と受け止められている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)Genial/Quaest社の世論調査によると、リオグランデ・ド・スル、セアラ及びゴイアス州における知事選の決選投票に関する情勢は以下の通り:
●リオグランデ・ド・スル:(シナリオ1)ジュリアナ・ブリゾーラ元州議会議員(PDT)35%対ルシアーノ・ズッコ下院議員(PL)27%、白票/無効票14%、態度未定24%。(シナリオ2)ジュリアナ・ブリゾーラ元州議会議員(PDT)35%対ガブリエル・ソウザ同副知事(MDB)17%、白票/無効票19%、態度未定29%。(シナリオ3)ルシアーノ・ズッコ下院議員(PL)28%対ガブリエル・ソウザ同副知事(MDB)20%、白票/無効票21%、態度未定31%。
●セアラ:(シナリオ1)カミーロ・サンタナ前教育相(PT)44%対シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)39%、白票/無効票10%、態度未定7%。(シナリオ2)シロ・ゴメス(PSDB)46%対フレイタス現州知事(PT)35%、白票/無効票11%、態度未定8%。
●ゴイアス:(シナリオ1):ダニエル・ヴィレラ現州知事(MDB)46%対マルコニ・ペリーロ元ゴイアス州知事(PSDB)27%、白票/無効票15%、態度未定12%。(シナリオ2):ダニエル・ヴィレラ現州知事(MDB)51%対ヴィルデル・モライス上院議員(PL)21%、白票/無効票16%、態度未定12%。(1日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は、1日のメーデーに因んだスピーチの中で、児童労働の解禁を主張した。ゼマは、「左派は、労働は児童に害を与えるという誤った概念を植え付けた。米国では、子供が新聞配達をして、一部当たり数セントを稼いでいる。私自身、14歳の時から父の手伝いをして働いてきた。不幸にも、伯では、子供は働いてはいけないとの考え方が浸透した。我々はこの現状を変えて見せる」と発言した。SNS上では、ゼマに対する批判が巻き起こった。ボウロス大統領府官房長官(PSol)は、「よりによって、メーデーに児童労働の解禁を訴えるとは、ゼマという人物はサイコパスに違いない」と批判。これに対し、ゼマは、「現在でも既に何百万人もの未成年者が非正規労働についている。偽善はたくさんだ」と反論。尚、現行憲法では、16歳以下の就労は禁止されているが、「見習い」であれば、14歳から働くことは可能である。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は3日、ボルサ・ファミリア等の給付制度に関し、「社会プログラムは重要であり、これを必要としている人達に対しては給付を続けるが、働けるのに働かない連中には払わない。我々は、ろくでなしの世代を作り上げている。地方都市に行けば、ボルサ・ファミリアを受給するために働かず、一日中、インターネットやSNSやネットフリックスにうつつを抜かしている若者が大勢いる」と述べた。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)選挙に関しては、既にAIが多用されており、AIが生成した「合成有権者」を使って動画等のコンテンツの有効性を評価したり、ナノセグメンテーションの技術を使って、極めて細分化された目標に対してピンポイントで最も効果的なコンテンツを発信すること等が行われている。また、AIにライバル候補のスピーチやインタビューや関連記事等を学習させ、その傾向を掴むと共に、最も効果的な対策をAIに検討させることも行われている。尚、選挙高等裁判所(TSE)は、選挙や政治関係のコンテンツの場合、AI生成の明示化を義務付けているが、これを遵守しているのは全体の27%に過ぎない。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は3日、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)、ルーアス・リオデジャネイロ州議会議長(PL)等と共に、福音派の「キリストにおける勝利の神の集会」の礼拝に参列し、マラファイア師の祝福を受けた。マラファイア師が「大統領選ではフラヴィオを支持する」と表明したことで、両者の仲違いが解消された。マラファイア師は当初、フレイタス・サンパウロ州知事の大統領選出馬を支持していた。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)アマゾナス州では、リマ州知事(ユニオン・ブラジル)とソウザ副知事(PP)がそれぞれ上院議員と下院議員に立候補するために辞任したことから、知事と副知事が不在となっていたところ、4日、アマゾナス州議会で知事の間接選挙が行われ、ロベルト・シダーデ州議会議員(ユニオン・ブラジル)が知事、セラフィン・コヘーア元州議会議員(PSB)が副知事に選出された。(5日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.司法
(1)選挙高等裁判所(TSE)は30日、ダミアォン・ロライマ州知事(ユニオン・ブラジル)の知事資格を剥奪し、デナリウン前ロライマ州知事(Republicanos)の被選挙権停止(8年間)を決定した。両者には、2022年のロライマ州知事選において、有権者を買収したとして、有罪が言い渡された。デナリウンは、上院議員に立候補するため、先月、知事を辞任し、副知事であったダミアォンが知事に昇格していた。(1日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)モラエス・STF判事は30日、ボルソナーロ前大統領に対し、ブラジリア市内のDF Star病院に入院し、右肩の手術を受けることを許可した。ボルソナーロは、検査の結果、右肩の腱が断裂しているのが確認された。1日、ボルソナーロは、右肩の手術を受けた。医師団によると、手術は成功し、回復は順調とのことである。4日、ボルソナーロは退院し、自宅での療養に入った。(1日付コレイオ・ブラジリエンセ及び3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
6.外交
ルーラ大統領は明日(6日)、米国に向けて出発し、翌7日にホワイトハウスでトランプ米大統領と首脳会談を行う予定。当初は3月に訪米するはずであったが、中東の紛争により、延期されていた。首脳会談では、重要鉱物、PCCとComando Vermelhoのテロ組織指定、伯の輸出品に対する追加関税等について話し合われる予定。尚、伯米関係は、米イスラエルのイラン攻撃を境に冷却化していたが、ルーラは、先日のトランプ大統領暗殺未遂の際に襲撃を非難し、トランプ夫妻に連帯を示す声明を発表することで、関係の修復を図ろうとしている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.連邦議会
(1)6日、下院では、連邦下院創立200周年の記念式典が行われた。モッタ下院議長は、「下院には、国民の要望を公共政策に反映させる役割がある。我々は、200周年の節目を迎えて、伯国民のために尽くすという、存在理由を思い返す必要がある」と演説した。式典には、アルコルンブレ上院議長の他、歴代の下院議長、ファキン・STF長官等が出席した。ルーラ大統領は、訪米のため、欠席した。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)マリーニョ労相は6日、週休1日制(6X1制)廃止に関する下院特別委員会の公聴会に出席した際、「現在の正規被雇用者5千万人の内、3分の2は既に週休2日制の下で働いている。また、政府の試算によれば、週休2日制の導入により、週の労働時間を44時間から40時間に短縮しても、人件費の高騰は平均して4.7%であり、企業活動に大きな影響はない。逆に、余暇が増えれば、病休や労災が減り、労働効率の向上が見込まれる」と述べ、週休1日制の廃止を訴えた。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)下院倫理委員会は5日、マルコス・ポロン下院議員(PL-MS)、ヴァン・ハッテン下院議員(Novo-RS)及びゼー・トロヴァォン下院議員(PL-SC)に対する60日間の議員資格停止を賛成13、反対4により承認した。右3名は、昨年8月、他のボルソナーロ派議員と共に、クーデター未遂及び三権襲撃犯の恩赦を要求して下院本会議場を占拠し、議長席に居座り続けた。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.ルーラ政権
(1)グレイシ・ホフマン下院議員(PT。前政治調整庁長官)は5日、Globo Newsのインタビューに応じた際、「アルコルンブレ上院議長等が減刑法に対するルーラ大統領の拒否権行使を覆すための投票行動を取ったことは恥ずべきことである。政府は、敵と一緒に同じ家で暮らすわけにはいかない」と述べた。但し、ホフマンは、「敵とは、アルコルンブレ議長のことか」との問いには、「そういうつもりで言ったのではない」と言葉を濁した。尚、ルーラ大統領は、閣僚に対し、アルコルンブレ議長と対話を行い、関係修復に努めるよう、指示を出した。これにより、5日にはムシオ国防相、6日にはギマランエス政治調整庁長官が同議長と会談した。(6日及び7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)政府は、「借金の返済を滞らせている者は、債務者救済プログラム(Desenrola 2.0)により救済されることになったが、それでは、高金利に苦しみながら、期日通りに支払っている真面目な債務者が割を食うことになる」との批判を受け、これらの債務者(特に収入が不安定な非正規労働者)を支援するための施策について検討している。ドゥリガン財務相によると、この施策は、5月末から6月初頭にかけて発表される予定。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.マスター銀行の不正疑惑
ダニエル・ヴォルカロ元頭取の弁護団は6日、司法取引(delação premiada)の合意書に関する提案(司法取引成立後に行う供述内容とそれを裏付ける証拠書類のリスト)を提出したが、捜査当局は、「これでは不十分であり、受け入れられない」としている。捜査筋によると、ヴォルカロは、大物政治家等の関与については口を閉ざしており、彼らを庇おうとしている。その一方で、警察がヴォルカロから押収した携帯電話8台の内、2台の解析が完了した。これにより、大物政治家の関与やヴォルカロが私設武装集団を用いていたことや捜査当局のコンピュータにハッキングをかけていたことやコスタ前ブラジリア銀行(BRB)総裁を買収していたこと等が判明している。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)フレイタス・サンパウロ州知事は5日、同州における右派連合(Republicanos—PL—PP—MDB)の州知事及び上院議員候補を発表した。それによると、州知事候補は、フレイタス(Republicanos)、副知事候補はフェリーシオ・ラムス現副知事(MDB)で、上院議員候補には、アンドレ・ド・プラド・サンパウロ州議会議長(PL)とギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP)が指名されることとなった。尚、エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員(PL)は、プラド候補の第1補欠となることが決まった。(6日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は、ミナスジェライス州知事選ではロドリゴ・パシェコ上院議員(PSB。前上院議長)を推しているが、PT内では、「パシェコは、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官のSTF判事指名を否決させるため、水面下でアルコルンブレ上院議長と暗躍した節がある」として、パシェコの代わりにアレシャンドレ・カリル元ベロオリゾンテ市長(PDT)を支持する方向で検討している。エジーニョ・シルヴァ・PT党首は5日、「パシェコがミナスジェライス知事選に出馬することはないであろう。何れにしろ、本人の意思を確認するため、パシェコと話し合うことにしている」と述べた。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)Meio/Ideia社が5月1日から5日にかけて1500人を対象に実施した世論調査によると、大統領選の情勢は以下の通り:
●第1回投票:ルーラ大統領(PT)40%、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)36%、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)5.6%、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)3%、シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)2.3%。
●決選投票:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)45.3%対ルーラ(PT)44.7%。フラヴィオは2カ月連続でルーラを上回った。ルーラ(PT)44.7%対カイアド(PSD)40%。ルーラ(PT)44%対ゼマ(Novo)39%。
●政府支持率:不支持53%、支持44%。
●ルーラには再選の資格があると思うか:無い52%、有る44%。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)Genial/Quaest社が大統領選の決選投票を想定して実施した世論調査によると、10の主要州(有権者数全体の約75%を占める)においては、南部、ミナスジェライス州以外の南東部及び中西部ではフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)、北東部及び北部ではルーラ(PT)が優勢で、ミナスジェライス州(南東部)では互角であることが判明した。
●南部:リオグランデ・ド・スル州(フラヴィオ57%、ルーラ31%)、パラナ州(フラヴィオ50%、ルーラ30%)。
●南東部:サンパウロ州(フラヴィオ47%、ルーラ35%)、リオデジャネイロ州(フラヴィオ45%、ルーラ32%)、ミナスジェライス州(ルーラ39%、フラヴィオ36%)。
●中西部:ゴイアス州(フラヴィオ47%、ルーラ34%)。
●北東部:バイア州(ルーラ55%、フラヴィオ22%)、ペルナンブコ州(ルーラ57%、フラヴィオ23%)、セアラ州(ルーラ56%、フラヴィオ28%)。
●北部:パラー州(ルーラ43%、フラヴィオ36%)。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.司法
(1)PTは、量刑算定法(ボルソナーロ前大統領等、クーデター未遂及び三権襲撃犯の減刑)が裁可されれば、連邦最高裁判所(STF)に対して違憲審査請求を行う構え。尚、STF判事の間では、「減刑法を認めれば、新たな反民主主義的な動きを助長することになる」との意見が見られるものの、大方の判事は、「罪刑法定主義では、議会に決定権があり、新たな法律の範囲内で厳正に対処するという姿勢を見せれば、減刑法が裁可されても、一定の抑止力になる」として、減刑法を容認する方向に傾いている。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)連邦最高裁判所(STF)が裁判官や検察官に支給されている所謂「penduricalhos」と呼ばれる手当の一部を廃止し、「penduricalhos」の合計が公務員給与上限の35%を超えてはならないと決定したにも拘らず、各地の裁判所では、これを無視して新たな「penduricalhos」を設ける動きが広がっている。これに対し、STFは6日、全国の裁判所に対し、新たに「penduricalhos」を設けることを禁止し、STFの決定に従わない者は刑事、民事及び行政上の責任に問われると通告した。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)モラエス・STF判事は6日、チアゴ・ランジェル・リオデジャネイロ州議会議員(Avante)及び他6名の未決拘留継続を命じた。ランジェルは、汚職や公金横領の容疑により、5日に逮捕された。ランジェルは、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)や汚職の容疑で逮捕されたバセラール前リオデジャネイロ州議会議長(ユニオン・ブラジル)と同じ政治グループに属している。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.外交
(1)ホワイトハウスは5日、ルーラ大統領が今月7日に米国を実務訪問し、トランプ米大統領と「共通の重要案件である経済及び治安対策」について首脳会談を行うことを確認した。ルーラは、6日午後1時(ブラジリア時間)に出発し、8日に帰国する予定。尚、アルキミン副大統領は5日、「ルーラ大統領は、国際組織犯罪対策に関して新たな協定案を提示することにしている。不正な資金の流れに関する捜査や規制等、両国は、この分野において多くの協力を行うことができる」と述べた。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は6日、ヴィエイラ外相、リマ法務治安相、ドゥリガン財務相、ローザ開発・商工・サービス相、シルヴェイラ鉱山エネルギー相及びロドリゲス連邦警察長官と共に米国に到着した。本日(7日)正午(ブラジリア時間)、ホワイトハウスにおいて米伯首脳会談が行われる予定。会談では、重要鉱物、テロ対策、伯のオンライン決済システム「Pix」等に関する通商法第301条の調査等について話し合われると見られている。(7日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領は、今回の訪米で、トランプ米大統領が伯の代表として認めているのはルーラであると示すことで、「ボルソナーロ一家こそがトランプの信任を得ており、トランプの相手をすることができるのはボルソナーロ一家だけである」と主張するボルソナーロ派を牽制すると共に、トランプと信頼関係を築くことで、トランプが伯大統領選でフラヴィオ・ボルソナーロに肩入れすることのないようにしようとしている。一方、ボルソナーロ派は、エドゥアルド・ボルソナーロとパウロ・フィゲレードを通じて、「ルーラが米イスラエルのイラン攻撃を批判している」等とホワイトハウスに情報提供することで、会談を失敗に終わらせようとしているが、これが奏功するのかどうかは不透明である。尚、今回の首脳会談をルーラに持ち掛けたのはトランプであったことが判明。トランプは先週末、ルーラに電話をかけ、今週中に会うことを提案した。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.連邦議会
(1)6日、重要鉱物基本法案が可決され、上院に上程された。同法案は、リチウムやコバルト等の重要鉱物の開発に関して基本的な規則を定めると共に、重要鉱物の開発に伴う地政学及び経済上のリスク評価を行う機関の設立について定めている。同法案は、翌7日のルーラ大統領訪米に間に合うよう、急ピッチで審議が進められていた。(6日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(2)8日、ルーラ大統領が期限が過ぎても量刑算定法(ボルソナーロ前大統領等、クーデター未遂及び三権襲撃犯の減刑)の裁可を行わなかったため、アルコルンブレ上院議長が代わりに裁可を行った。PSol—Rede連合及び伯報道協会(ABI)は、「減刑法は違憲である」として、連邦最高裁判所(STF)に違憲審査を請求すると共に、判決が出るまで減刑法の効力を停止するための仮処分決定を請求した。抽選の結果、この訴えは、モラエス判事が担当することとなった。モラエス判事は9日、STF大法廷において違憲審査の結果が出るまで、減刑法の効力を停止するとの仮処分決定を行った。これに対し、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、「またしても、伯国民の真の代表である我々が作った法律がSTF判事の決定により取り消されてしまった。モラエス判事は、伯の民主主義を脅かしている」と批判した。カイアド前ゴイアス州知事(PSD)も「民主主義と三権分立に対する攻撃である」と批判。ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は、「伯国民の票は最早何の価値もない。自分のことをアンタッチャブルと考えている判事(モラエス)が議会を蔑ろにし、伯の民主主義を傷つけた。モラエス判事は弾劾されるべきである」と批判した。11日、カヴァルカンテ・PL下院院内総務等のボルソナーロ派議員がモラエス判事の決定に対抗するため、クーデター未遂及び三権襲撃犯の「大幅且つ無制限の恩赦」に関する憲法改正案とSTF判事の権限縮小に関する法案の審議再開を求めた。(9日及び10付フォーリャ・デ・サンパウロ、11日及び12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.ルーラ政権
(ヴァロール・エコノミコ紙の解説記事)先週から今週にかけて、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官のSTF判事指名が否決され、減刑法に対する拒否権が覆されたことで、「ルーラ政権は終わった」との見方が支配的となったが、ルーラ訪米が成功に終わり、また、マスター銀行の件に関してシロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)が捜査対象となったことで、一気に形勢は逆転し、ルーラは息を吹き返した。マスター銀行に関しては、捜査当局の次の標的は、ユニオン・ブラジルのルエダ党首とアルコルンブレ上院議長とされており、ルーラから距離を置こうとしていた中道派の政治家にとっては厳しい状況が続くことが予想される。(8日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
3.マスター銀行の不正疑惑
(1)7日、連邦警察がマスター銀行の不正疑惑に関する強制捜査「コンプライアンス・ゼロ作戦」の第5フェーズとして、シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首。ボルソナーロ政権では文官長を務めた)を主な標的とする強制捜査を実施し、ノゲイラの私邸(ブラジリアのラーゴ・スル地区)の家宅捜索を行い、乗用車、携帯電話等を押収した他、ノゲイラの兄弟に監視装置(GPS)を装着し、その旅券を押収した。また、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の従兄弟(フェリペ・ヴォルカロ)が逮捕された。マスター銀行に関する捜査が初めて大物政治家に及んだことに政界は騒然となった。連邦警察によると、ヴォルカロ元頭取の携帯電話を解析した結果、ノゲイラがヴォルカロから毎月30万~50万レアルの「小遣い」を受け取っていたことが判明。この支払いは、逮捕されたヴォルカロの従兄弟を通じて行われていた。また、ノゲイラは、ヴォルカロから提供されたクレジットカードを使って、ニューヨークの高級ホテル(パーク・ハイアット・ニューヨーク)や高級レストランの代金を支払っていた。更に、ノゲイラの兄弟名義の会社がヴォルカロの従兄弟が経営する会社の株の30%(1300万レアル相当)を100万レアルで取得していたことが判明。これらの見返りに、ノゲイラは、マスター銀行に対して便宜を図っていたとされている。代表的なのは、2024年8月にノゲイラが提出した憲法改正案である。これは、信用保証基金(FGC)がペイオフの際に保証する預金額を25万レアルから100万レアルに引き上げるというものであったが、これによって恩恵を被るのはマスター銀行であり、当時、これは議会内で「マスター改憲案(Emenda Master)」と呼ばれていた。尚、同改憲案はその後、否決されたが、警察の捜査により、改憲案を起草したのがマスター銀行のスタッフであり、ノゲイラはマスター銀行から受け取った法案をそのまま議会に提出していたことが判明した。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ボウロス大統領府官房長官(PSol)は7日、「フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)を副大統領候補に指名しようとしていた。そのフラヴィオは、2021年に当時の価格で600万レアルの豪邸を購入したが、そのローンの金利は僅か年3.7%である。フラヴィオに融資を行ったのはマスター銀行を買収しようとしていたブラジリア銀行(BRB)であり、BRBは、マスター銀行から購入した銀行預金証券(CDB)を使ってフラヴィオに融資したのではないか」と批判した。パウロ・ピメンタ政府下院院内総務(PT)等の与党議員も「今回の捜査により、ボルソナーロ派の中核がマスター銀行の不正に関与していることが明確になった」として、マスター銀行に関する議会調査委員会(CPI)の設置を主張した。一方、フラヴィオ・ボルソナーロは、「報道については深刻に受け止めており、注視している。報道された事実関係については、適正手続に則り、厳正且つ透明性が確保された形で真相が究明されるべきであると考える」との声明を発表した。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)アレッサンドロ・ヴィエイラ上院議員(MDB-SE)とエドゥアルド・ジラォン上院議員(Novo-CE)は7日、連邦最高裁判所(STF)に対し、「ヌネス・マルケス判事は、シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)と親密な関係にある」として、同判事をマスター銀行の件に関する訴え(議会調査委員会(CPI)の設置を求めるためのもの)の報告官から外すよう、申し入れた。シロ・ノゲイラは、ヌネス・マルケス判事と同郷(ピアウイ州)であり、2020年にヌネス・マルケスがSTF判事に指名された際にはこれを支持し、その議会承認のために奔走したことで知られている。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)ボルソナーロ派のフィリペ・バーホス下院議員(PL-PR。上院議員候補)は、信用保証基金(FGC)がペイオフの際に保証する預金額を25万レアルから100万レアルに引き上げるとの法案を2024年に提出した理由について説明を求められている。これは、シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)が提出した憲法改正案とほぼ同じ内容であり、マスター銀行を利するものとされている。バーホスは、取材に対し、「マスター銀行のような金融機関の破綻から預金者を守るために法案を提出した。自分は、マスター銀行に関する議会調査委員会の設置に賛同しており、ヴォルカロとその一味が牢獄で腐れ果てるのを望んでいる」と述べ、関与を否定したが、何故、その法案の内容がシロ・ノゲイラの法案と一致していたのかについては説明できなかった。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)とその娘がダニエル・ヴォルカロ元頭取とその元婚約者と共に、2024年と2025年にフランスのスキー場に旅行し、その時に撮影した画像をインスタグラムに投稿していたことが判明した。また、シロ・ノゲイラと娘は、2024年にパリとニューヨークに旅行したが、旅費はヴォルカロが全額負担したとされている。尚、シロ・ノゲイラは8日、「自分の名誉を傷つけようとする企みが進行している。選挙がある年はいつもこうである。世論調査でリードしている候補を蹴落とすためにはあらゆる手段が用いられる」とSNSに投稿した。(9日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)シロ・ノゲイラ・PP党首がマスター銀行に関する捜査対象となったことで、各党は、PPとの選挙協力に対して慎重になっている。テレザ・クリスチーナ上院議員(PP-MS)は、捜査の継続を主張したが、「シロ・ノゲイラの件は、大統領選、特にPPとPLの同盟にどう影響するのか」との問いには答えられなかった。クリスチーナは、フラヴィオの副大統領候補の一人とされている。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は8日、シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)とダニエル・ヴォルカロ元頭取の写真を掲げて、「盗むことしか知らない古狐」、「恥知らず」等と批判し、「大統領候補の中では、自分以外に(マスター銀行の件に関して)歯に衣着せぬ発言をしている者はいない。それは、自分には後ろめたいことはないからである」と述べた。ゼマは、「アンチ・システム」、児童労働解禁等、過激な発言を繰り返すことにより、右派を取り込むことで、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)に対抗するか、若しくはフラヴィオの副大統領候補になろうとしているが、穏健路線に舵を切ったフラヴィオ陣営は、過激化したゼマを副大統領候補にすることには消極的である。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ政権が本年に入ってから打ち出した、減税、給付金の拡充、融資、債務者救済プログラム等、所謂「選挙の年の善行(bondade eleitoral)」と呼ばれる施策は11に上り、その合計は、1440億レアルに上る。例えば、燃料の減税及び補助金は300億レアル、家庭用ガス給付金53億レアル、住宅供給プログラム(Minha Casa Minha Vida)の拡充200億レアル、トラック買い替え支援プログラム212億レアル、債務者救済プログラム150億レアル等である。(9日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は8日、記者から「捜査線上に浮上しても、シロ・ノゲイラ(PP党首)を副大統領候補に指名するのか」と問われた際、「君達は、私をシロ・ノゲイラに結びつけようとしているが、マスター銀行の件はルーラの問題である。私は、シロ・ノゲイラはいい(副大統領)候補だとは言ったが、副大統領候補にすると言った覚えはない。いくら親しい人物だからと言って、その人の行動に責任は持てない」と述べた。尚、フラヴィオは、昨年6月のインタビューでは「シロ・ノゲイラは、私の副大統領候補として既に手を挙げており、その資格は十分にある。彼は北東部の出身で、大政党の党首である。(ボルソナーロ政権の)閣僚を務めた際には、父ボルソナーロに忠誠を尽くした。(シロ・ノゲイラが)副大統領候補の候補であることは疑いの余地がない」と述べた。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は8日、フロリアノポリス市に於いて開かれた弟カルロスの上院議員選出馬に関するイベントに「Pixはボルソナーロの物で、マスター(銀行)はルーラの物だ!」と書かれたTシャツを着て参加した際、「私の夢は、4年、または8年後に大統領の任期を終えた時に『より多くの人達が政治家に頼らなくても食料を買えるようになり、家庭に尊厳を取り戻すことができた』と胸を張って言うことである」と述べた。フラヴィオは、大統領や知事の連続再選廃止を訴え、そのための憲法改正案を提出したが、今回の発言からは、本心は再選を望んでいることが窺われる。また、フラヴィオは、「自分が大統領に当選すれば、向こう30年から40年は左派のことは忘れ去られるであろう。彼らは彼らに相応しい無意味な存在に成り下がる」と述べた。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)は9日、PL関係者との会合において、本年の選挙では、大統領ではなく、セアラ州知事に立候補すると表明した。アエシオ・ネーヴェス・PSDB党首は、シロ・ゴメスに対して大統領選出馬を要請していたが、これを拒否した形となった。尚、シロ・ゴメスは、大統領選でフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)を支持する可能性については「党(PSDB)の方針次第」と答えた。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)ルーラ大統領は11日、3月12日を「Covid-19の犠牲者追悼の日」とする法律を裁可した際、「新型コロナウイルス対策の遅滞や不手際により、70万人以上が命を落としたことと、誰に責任があったのかを記憶し続ける必要がある。この件に関してボルソナーロ前大統領を告発したことはないが、少なくとも、科学者達の意見を聞くべきであった」と述べた。パジーリャ保健相は、ボルソナーロ政権の感染対策に関する報告書を提出し、ルーラは、「PTの党員はこれを読むべきである」と述べた。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)今月7日、国家衛生監督庁(ANVISA)がYpê社製の食器用洗剤に薬剤耐性菌が混入しているとして、回収を命じたところ、ボルソナーロ派がこれに猛反発。同派は、「同社の社長が2022年の選挙でボルソナーロ大統領(当時)に100万レアルを寄付したことに対するPT政権の報復に違いない。政治的迫害である」として、同社の洗剤の使用を呼び掛けている。ミシェーレ前大統領夫人が同社の洗剤を掲げている画像を投稿した他、大勢の支持者が同社の洗剤を飲んだり、シャンプーの代わりに使用する動画を次々と投稿し、大きな反響を巻き起こしている。パジーリャ保健相(PT)は11日、「ボルソナーロ派は、本件を政治問題化しようとしているが、最初に検査を行い、菌の混入を報告したのは、ボルソナーロ派のフレイタスが知事を務めるサンパウロ州政府の衛生局であった。また、販売停止を決定したANVISAの局長を任命したのは、ボルソナーロ政権である」と皮肉った。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
5.司法
(1)司法高等裁判所(STJ)は7日、カメーリ前アクレ州知事(PP)に対し、犯罪組織結社罪、収賄、公金横領、資金洗浄及び入札法違反により、禁固25年9ヶ月及び罰金(1170万レアル)の有罪判決を言い渡した。カメーリは、上院議員に立候補するため、先月、知事を辞任したが、今回、有罪となり、8年間の被選挙権停止が言い渡されたことで、立候補できなくなる。(8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ボルソナーロ前大統領の弁護団は、「ボルソナーロに禁固27年3ヶ月の有罪判決を言い渡したSTF第1小法廷の裁判は違法であり、裁判はSTF大法廷で行われるべきであった」として、再審請求を行い、裁判の無効及びボルソナーロの即時釈放を求めた。11日、ヌネス・マルケス判事が本件の報告官に選出された。(9日及び12日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(3)本日(12日)、ヌネス・マルケス・STF判事が選挙高等裁判所(TSE)長官に就任する。同判事は、ボルソナーロ前大統領から任命され、ボルソナーロ派と見られているが、最近では、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官のSTF判事指名を支持する等、ルーラ政権に接近していることから、ボルソナーロ派は、同判事に不信の目を向けており、同判事のTSE長官就任により、選挙で右派が有利になるようなことはないと見ている。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)連邦検察庁は11日、連邦最高裁判所(STF)において、「エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員(PL)は、クーデター未遂の裁判を妨害し、また、STFに圧力をかけるため、マグニツキー法の適用を米国に働きかける等したため、司法妨害と強要罪により有罪とすべきである」との意見陳述を行った。STFは今後、被告がこれに反論するための期限を設定することにしているが、エドゥアルドは、先月の被告人尋問(オンライン)にも応じておらず、反論を行うのかどうかも不透明である。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.外交
(1)ルーラ大統領は7日、ホワイトハウスにおいて、トランプ米大統領と首脳会談を行い、関税、治安対策、重要鉱物等について話し合った。関税については、閣僚級の作業部会を設置し、30日後に追加関税撤廃に向けた合意案を提出することになった。両国は、組織犯罪対策に関する協力を強化することで一致したが、伯の犯罪組織(PCC及びComando Vermelho)をテロ組織に指定する件については取り上げなかった。ルーラは、伯大使館で記者会見を行った際、「関税については、双方の間で意見の相違が見られたので、これを解消するための作業部会が設置されることとなった。自分は状況を非常に楽観視している。重要鉱物に関しては、伯は、如何なる国も拒むことはないということを伝えた」と述べた。(8日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルーラ派は、今回の訪米に関し、「ルーラは、トランプとの2度目の会談に成功した。これにより、ルーラは、米国に屈することなく、国家主権と国益を守るステーツマンとしてのイメージを確立した。ボルソナーロ派は、会談を妨害しようとしたが、失敗に終わり、面目を失った」と評価している。一方、ボルソナーロ派は、ルーラ訪米の成果の矮小化に努めている。フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は8日、「ルーラは、訪米したにも拘らず、再び、犯罪組織を撲滅するチャンスを失った。米国、イスラエル、アルゼンチンと協力する代わりに、犯罪組織の利益を守るために行ったようなものである」と批判した。(8日及び10日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)ルーラ大統領は11日、大統領府において、バチェレ元チリ大統領と会談し、国連改革等について話し合った。その後、ルーラは、「バチェレは、国連初の女性事務総長に相応しい」とSNSに投稿した。尚、伯政府は、カスト・チリ大統領がバチェレに対する支持を取り下げたことから、伯政府が資金面等に関してもバチェレを支援することについて検討中。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.マスター銀行の不正疑惑
(1)シロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)は12日、「(マスター銀行から)違法な金銭を受け取ったことはないし、違法行為に手を染めたこともない。自分の不正関与に関する報道は、全て馬鹿げたフィクションである。自分に対する攻撃は選挙目的であり、自分は政治的な理由による迫害を受けている」と主張する動画をSNSに投稿した。また、シロ・ノゲイラは、「信用保証基金(FGC)の保証額を25万レアルから100万レアルに引き上げるとの憲法改正案(所謂「マスター改憲案」)は、マスター銀行を利するために提出したのではない。自分は、この改憲案を再提出する」と述べた。尚、ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首は、「シロ・ノゲイラ(の不正関与)について何か証明されるまで、我々PLは、シロ・ノゲイラをフラヴィオ・ボルソナーロの副大統領候補として望んでいる。その何かが証明されれば、話は別であるが」と述べた。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の選挙広報を担当することになった広告代理店の社長(マルセロ・ロペス。フラヴィオの友人)がダニエル・ヴォルカロ元頭取が中央銀行に対する誹謗中傷を繰り返した際、ストラテジストの一人として作戦の立案に加わっていたことが判明した。昨年、中央銀行がマスター銀行の買収を承認せず、同銀行の裁判外清算を決定した後、ヴォルカロは、複数の広告代理店を募って「危機管理チーム」を立ち上げ、組織的に中銀を攻撃した。マルセロ・ロペスは、「危機管理チーム」のまとめ役を務めた別の広告代理店の社長から65万レアルを受け取っていた。尚、マルセロ・ロペスは、中銀に対する誹謗中傷に加担したことを否定し、「受け取った65万レアルは、貸した金を返してもらっただけであり、中銀に対する攻撃の報酬ではない」と主張している。尚、マスター銀行が中銀に対する攻撃に合計800万レアルを費やしたことが確認されている。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)13日、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)がダニエル・ヴォルカロ元頭取に対して父ボルソナーロ前大統領の伝記映画「Dark Horse(主演:ジム・カヴィーゼル。本年9月公開予定)」の製作費として合計1.34億レアル(2400万米ドル)を要求していたことを示す音声記録がポータル・サイト「Intercept Brasil」によって公開され、政界に激震が走った。実際、マスター銀行が昨年2月から5月にかけて、6100万レアルを6回に分けて、米国の投資ファンド(Havengate Development Fund LP)に送金していたことが判明している。この投資ファンドの経営者は、映画の製作に携わっているエドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員の関係者であることが確認されている。この音声記録は、昨年9月にフラヴィオがヴォルカロの携帯電話に送信した音声メッセージであり、フラヴィオは、ヴォルカロのことを「兄弟」と呼び、マスター銀行が経営危機に瀕していることは理解しているとしながらも、資金不足により、映画の製作が遅れているとして、残りの製作費を無心していた。フラヴィオは、マスター銀行が経営破綻し、ヴォルカロが逮捕される直前の昨年11月16日にも「兄弟よ、私は常に君と共にある。我々の間に遠慮など無用である。私が必要としているのは、君が私に光明を与えてくれることだけだ」との音声メッセージを送信している。フラヴィオは、記者団に対し、「どこからその情報を仕入れてきた? それは嘘である」と全面的に否定したが、その後に発表した声明や動画では、ヴォルカロから金を受け取っていたことを認め、「それは息子が父親に関する映画を製作するためのもので、民間の事業に民間の資金を募っただけであり、合法である。ルーラとは違って、公金は一銭も使っていない。(マスター銀行が)制作費の支払いを滞らせていたので、請求しただけである。製作費の見返りに(マスター銀行に対して)便宜を図ったことはない」と強調した。また、フラヴィオは、「ヴォルカロとは2024年12月に知り合ったが、それほど親しかったわけではない。今こそ、マスター銀行の件に関して議会調査委員会を設置すべきである」と強調した。尚、今回の報道を受け、市場では、平均株価(IBOVESPA)が1.8%下落し、ドルが2%上昇して1レアル=5.003レアルのレアル安で取引を終えた。(14日付各紙)
(4)与党は、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)がヴォルカロに金を要求していたとの報道を受け、フラヴィオの訴追や議会調査委員会の設置を求めている。リンジベルギ・ファリアス下院議員(PT-RJ)は13日、連邦検察庁に対して刑事告発を行い、フラヴィオの逮捕を請求すると表明。また、大統領候補のゼマ前ミナスジェイライス州知事(Novo)は、「フラヴィオがヴォルカロに金を要求していたことは許されないことである。これは善良な伯国民の頬をぶつことに等しい。ルーラやPTのことを批判しても、同じことをしているのでは無意味である」と批判した。カイアド前ゴイアス州知事(PSD)は、「フラヴィオには説明する義務がある。中道右派勢力は、この件に関して分裂することなく、団結すべきである」と述べた。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)ボルソナーロ前大統領の伝記映画「Dark Horse」の脚本を書いたボルソナーロ派のマリオ・フリアス下院議員(PL-SP)と映画制作会社(Goup Entertainment)は13日、「ダニエル・ヴォルカロ元頭取から『Dark Horse』の製作費を受け取ったとの事実はない」との声明を発表した。これは、フラヴィオの発言とは矛盾しており、インターネットやSNS上は、「ヴォルカロが提供した6100万レアルはどこに消えたのか?」とのコメントで溢れた。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.Genial/Quaest社の世論調査
(1)Genial/Quaest社が5月8日から11日にかけて2004人を対象に世論調査を実施したところ、以下の通り。
・ルーラ政権の支持率:不支持49%(3ポイント減)、支持46%(先月比3ポイント増)、分からない5%(±0)。
・ルーラ政権に対する評価:「ネガティブ」39%(3ポイント減)、「ポジティブ」34%(3ポイント増)、「普通」25%(1ポイント減)、「分からない」2%(1ポイント増)。
(2)次期大統領選の情勢は以下の通り。但し、フラヴィオ・ボルソナーロがマスター銀行に金銭を要求していたとの報道の前に行われた調査なので、その影響は反映されていない。
・第1回投票:ルーラ(PT)39%(2ポイント増)、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)33%(1ポイント増)、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)4%(2ポイント減)、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)4%(1ポイント増)、レナン・サントス(Missão)2%(±0)、アウグスト・クリー(Avante)1%(1ポイント減)、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%(±0)、サマラ・マルチンス(UP)1%(±0)、アルド・レベロ元国防相(DC)0%(±0)、白票/無効票10%(1ポイント減)、態度未定5%(±0)。
・決選投票:ルーラが前回から2ポイント伸ばし、フラヴィオが1ポイント減らしたことから、ルーラが再びリードしているが、その差は1ポイントであり、両者は拮抗状態にある。
ルーラ(PT)42%(2ポイント増)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)41%(1ポイント減)、白票/無効票14%(2ポイント減)、態度未定3%(1ポイント増)。
ルーラ(PT)44%(1ポイント増)対カイアド前ゴイアス州知事(PSD)35%(±0)。
ルーラ(PT)44%(1ポイント増)対ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)37%(1ポイント増)。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びヴァロール・エコノミコ電子版)
・拒否率:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)54%、ルーラ(PT)53%、カイアド(PSD)32%、ゼマ(Novo)27%。
(3)「訪米後、ルーラの立場はどう変わったか」:「ルーラは政治的な立場は強化された」43%、「弱体化した」26%、「変わらない」13%。尚、「今回の訪米は、伯にとって良かった」と答えた割合は60%に達した。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
3.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は12日、組織犯罪対策の強化に110億レアルを投入すると発表した。これにより、犯罪組織の資金源を断つための施策、刑務所の警備強化、殺人事件の捜査強化等の対策が強化されることになった。この110億レアルの内、10億レアルは連邦予算から拠出され、残りの100億レアルは、国家経済社会開発銀行(BNDES)が地方政府に対して行う融資である。治安対策は、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)等、右派の十八番であるが、ルーラは、この強化策により、選挙に向けて巻き返しを図ろうとしている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルーラ大統領は12日、2024年6月に導入した海外通販に対する連邦税(taxa das blusinhas。50米ドル以上の買い物に対して20%の連邦税がかかる)を廃止するとの暫定措置令(MP)に署名した。これは、13日より有効であるが、州税(ICMS)は引き続き徴収される。政府は、密輸を減らすためとしているが、選挙目的ではないかと見られている。尚、産業界は、国内産業がダメージを受けると反発している。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)モッタ下院議長とボウロス大統領府官房長官は13日、週休1日制(6X1制)廃止に関する憲法改正案に関し、今月中に下院特別委員会を通して、今月末に下院本会議にかけることで合意した。また、政府は、新体制への移行期間、並びに業種別の細則を定めた法案を提出することになった。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)政府は13日、燃料価格の高騰を抑えるため、ガソリン1リットル当たり最大0.89レアルの補助金を出すと発表した。これに伴う支出(10億~12億レアル)は、原油に対する輸出税等によって相殺できるとされている。(14日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.連邦議会
12日、上院において、直近12か月間に無違反であった運転手の運転免許証を無料で自動的に更新するとの暫定措置令(MP)が可決された。但し、健康診断(有料)は受ける必要がある。(13日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.2026年選挙
企業団体(Lide)がニューヨークにおいて主宰したイベント(Lide Brazil Investment Forum)には、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)やゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)等の大統領候補も参加した。カイアドは、「伯は、(ルーラとボルソナーロによる)政治の二極化により、後れを取っている。二極化により、どうでもいいことばかりが争点となり、政治のレベルが低下している」と批判した。ゼマは、「伯は、倒産の危機にある会社のようであり、ターンアラウンドが必要である。伝統的な政治の枠の外にいる人物が大統領となり、行政に酸素を注入すべきである。自分が大統領になった暁には、可能なものはすべて民営化し、汚職をゼロにする」と述べた。(13日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
6.司法
12日、ヌネス・マルケス選挙高等裁判所(TSE)長官の就任式が執り行われ、ルーラ大統領、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)、モラエス・STF判事夫妻、ミシェーレ前大統領夫人等が出席した。ヌネス・マルケス長官は、就任演説の際、「伯の電子投票は世界でも最も進んだシステムであり、伯の民主主義にとってかけがえのない財産である。本年の選挙では、生成AIの使用やディープフェイク対策等が課題となる。TSEは、中立の立場を守りつつ、公正な選挙の実施に努める」と述べた。尚、ルーラとアルコルンブレ上院議長は、席が隣同士となったが、言葉を交わすことはなく、両者の関係はまだ冷え切っているようであった。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.マスター銀行の不正疑惑
(1)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は14日、CNN Brasilのインタビューに応じた際、「父ボルソナーロは、私の大統領選出馬を支持し、ミシェーレ夫人が代わりに立候補する可能性を否定した。私は間違ったことは何もしていない。間違ったことは、PTのように公金を使うことである」と強調した。尚、弟のカルロスとエドゥアルドは、フラヴィオを痛烈に批判したゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)を「卑怯者」等と非難した。フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)は、「フラヴィオは(ボルソナーロ前大統領の伝記映画「Dark Horse」の制作費について)全てを説明しようとした」と擁護したが、記者団からの質問を浴び、「憂慮すべき事態であり、フラヴィオは説明を続けるべきである」と言葉を濁した。(15日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
(2)連邦警察は、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)がマスター銀行から受け取った6100万レアルが映画「Dark Horse」の制作だけではなく、フラヴィオの政治資金や弟エドゥアルド・ボルソナーロ(PL)の生活費に使われていた可能性があると見て捜査を開始した。近い内にフラヴィオに対する家宅捜索が行われ、携帯電話等が押収される可能性がある。一方、フラヴィオは14日夜、「真面目な捜査と政治的汚染は区別する必要がある。自分が父ボルソナーロの映画制作に関して果たした役割は、民間の投資を募ることだけであり、そのためだけにヴォルカロと関係を持った。(マスター銀行から提供された資金は)寄付や融資ではなく、投資である。映画の収益に応じて相応の利益が配分されることになっている」との声明を発表した。尚、フラヴィオは、マスター銀行の資金がエドゥアルドの生活費に使われていた可能性を否定した。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は14日、Globo Newsのインタビューに応じた際、「自分は、映画のスポンサーを探していた際、2024年12月にヴォルカロと知り合った。当時、マスター銀行が経営破綻したり、不正に関与していた等とは夢にも思わなかった。(マスター銀行から提供された)資金は、全額、映画制作に使われたが、実際の金額については把握していない。エドゥアルド・ボルソナーロの弁護士が運営する投資ファンドに送金されたのは、その弁護士が信頼できる人物であったからである」と主張した。フラヴィオは、「何故、ヴォルカロとの関係を否定し、ヴォルカロから資金提供を受けていたことを隠していたのか」との問いには「契約上の守秘義務があったので、話せなかった」と答えたが、契約書を提示することはなかった。また、フラヴィオは、ヴォルカロに「兄弟」等と親しげに呼びかけていた件については「ヴォルカロとは、映画制作に関してのみの付き合いであり、親密な関係などにはなかった。自分は間違ったことは一切していない」と強調した。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)映画「Dark Horse」のプロデューサー兼脚本家のマリオ・フリアス下院議員(PL-SP。ボルソナーロ政権では文化庁長官を務めた)は14日、「マスター銀行からは一銭ももらっていないと発言したのは、マスター銀行やダニエル・ヴォルカロとは映画制作に関して契約を交わしたことはないという意味であり、フラヴィオ・ボルソナーロの発言とは矛盾しない。フラヴィオが映画制作に関して果たした役割は、ボルソナーロ一家の肖像権の使用を許諾し、そのネームバリューを使って投資家を募ることだけであった」と説明した。尚、「Dark Horse」の伯における制作会社(GO UP Entertainment)は、「マスター銀行のダニエル・ヴォルカロ氏、並びに同銀行の如何なる系列会社からも出資を受けたとの事実はない」との声明を発表した。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)14日の連邦議会では、ボルソナーロ派のロドリゴ・ヴァラダーレス下院議員(PL-SE)やコロネル・タデウ下院議員(PL-SP)等が「映画制作に限らず、銀行にスポンサーを依頼することはよくある話であり、何の問題もない」等とフラヴィオ・ボルソナーロを擁護し、マスター銀行に関する議会調査委員会の設置を主張した。また、パウロ・ビリンスキー下院議員(PL-SP)は、フラヴィオを批判したゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は偽善者であると激しく批判した。尚、ボルソナーロ派議員も水面下では、フラヴィオの音声記録が公開されたことは大きな痛手であったとして、今後の成り行きを憂慮している。一方、与党連合(PT—PCdoB—PV)は、連邦検察庁と連邦警察に対し、資金洗浄、汚職、公金横領、犯罪組織結社罪、違法送金、強要罪等の容疑でフラヴィオを刑事告発した。ルーラ大統領は、「彼(フラヴィオ)の件は、警察の案件である」と批判。アダッジ前財務相は、ボルソナーロ前大統領とフレイタス・サンパウロ州知事がヴォルカロの義弟から合計500万レアルの献金を受け取っていたことと、マスター銀行に営業許可を出したのがボルソナーロから中銀総裁に任命されたカンポス・ネットであることを強調する動画を投稿。SNS上では、PT議員や左派系のインフルエンサーがフラヴィオの批判動画を大量に投稿している。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)連邦警察は14日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の父親(エンリケ・ヴォルカロ)を脅迫、不正アクセス行為等の容疑で逮捕した。父親は、ハッカー集団を率いて捜査当局のコンピュータシステムに不正アクセスし、捜査情報を入手していた他、民兵組織(ミリシア)や違法賭博(jogo de bicho)組織の構成員及び警察官を使ってヴォルカロ元頭取の敵対相手を脅迫する等の違法行為を行っていたとされる。尚、父親は、2022年のミナスジェライス州知事選ではゼマ知事(Novo)に100万レアルを献金していたことが確認されている。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)映画「Dark Horse」の制作会社(GO UP Entertainment)がボルソナーロ派議員から合計265万レアルの「議員割当金(emenda parlamentar)を受け取っていたことが判明。その内訳は、マルコス・ポロン下院議員(PL-MS)100万レアル、ビア・キシス下院議員(PL-DF)15万レアル、カルラ・ザンベーリ前下院議員(PL-SP)100万レアル、アレシャンドレ・ラマージェン前下院議員(PL-RJ)50万レアルである。ディーノ・STF判事は15日、本件に関して非公開で捜査を行うことを決定した。(15日及び16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(8)PP、ユニオン・ブラジル、Republicanos等の中道派勢力(セントラン)は、フラヴィオ・ボルソナーロがダニエル・ヴォルカロ元頭取に金を要求していたとの報道を受け、大統領選でフラヴィオを支持することについては慎重になり始めている。同派は、今後の世論調査の結果を見極めた上で、フラヴィオを支持するか否かを決めることにしている。また、福音派も報道に動揺しており、表向きは「事態の推移を注視している」としているが、水面下では、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)に乗り換える可能性について検討している。(15日及び16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(9)エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員(PL)は15日、「自分は、映画『Dark Horse』に関しては肖像権の使用を許可しただけで、制作には関与しておらず、ダニエル・ヴォルカロから資金を受け取ったこともない」と述べた。その後、エドゥアルドが映画のエグゼクティブプロデューサーとして、資金調達を担当すると明記された契約書がIntercept Brasilによって公開された後、エドゥアルドは、「プロデューサーを引き受けたのは、映画監督(Cyrus Nowrasteh)を引き留めるため、彼に保証金として5万米ドルを支払う必要があったからである。その5万ドルは、自分のポケットマネーから支払ったが、自分がプロデューサーを辞めた後、払い戻された。但し、それはヴォルカロや(ヴォルカロから資金を受け取ったとされる)投資ファンド(Havengate Development Fund)から受け取ったのではない。自分がヴォルカロから金をもらったと言う人は嘘をついている」と強調した。エドゥアルドは17日、「フラヴィオが大統領選出馬を断念する可能性はゼロである」と述べた。(16日及び18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(10)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は16日、ギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP-SP)の上院議員選出馬表明式に出席した際、「力と真実は我々と共にある。ルーラは、再選するためなら悪魔のような所業も辞さないと言った。彼は悪魔と共にあり、我々は神と共にある」と批判し、ダニエル・ヴォルカロから映画の制作費を受け取っていた件については矮小化に努めた。尚、PLは、今のところ、フラヴィオの大統領選出馬を支持し続ける方針であるが、党内では、フラヴィオがヴォルカロとの関係を党の関係者にも隠していたことに対する不満が見られ、フラヴィオの状況が更に悪化すれば、ミシェーレ前大統領夫人を大統領候補として擁立せざるを得ないとの空気が生まれつつある。(17日及び18日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(11)モッタ下院議長は17日、「議会調査委員会(CPI)については、下院の内規に従い、発議の順番通りに手続きを進める。マスター銀行に関するCPIについては、それ以前に提出された13~16のCPIについて決定した後で、取り上げる。順番を無視して、マスター銀行のCPIを優先することはない」と述べた。マスター銀行については、PT、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)、ロドリゴ・ローレンベルギ下院議員(PSB-DF)等がCPIの設置を求めている。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(12)レナン・カリェイロス上院議員(MDB-AL。上院経済委員長)が先週、モッタ下院議長とマスター銀行の癒着について批判していたことが判明。これによると、モッタ議長が「温室効果ガス排出権取引制度法」の審議において提出した修正案(保険会社に対し、準備金の最低1%を排出権取引関係の資産に運用することを義務付ける)は、ダニエル・カストロ元頭取の父親が経営する環境ビジネス会社を有利にするものであり、マスター銀行は、その見返りとして、モッタ議長の義妹に1.4億レアルを融資したとされている。尚、この融資は、返済期限が過ぎても返済されることはなく、また、請求もされなかった。これに対し、モッタ議長のスタッフは、「問題の修正案は、排出権取引制度の持続可能性を維持するため、各党の合意の下で提出されたものである。モッタ議長は、融資とは何の関係もなく、コメントする立場にない」との声明を発表した。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(13)エドゥアルド・ボルソナーロの弁護士が運営する投資ファンド(Mercury Legacy Trust)が本年2月にエドゥアルドの住むテキサス州アーリントン市内の住宅を360万レアルで購入していたことが判明。連邦警察は、エドゥアルドが伯国内の資産凍結から免れた隠し財産をテキサスに送金していた可能性について捜査中。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.世論調査
(1)ダタフォーリャ社が今月12日から13日にかけて2004人を対象に実施した世論調査の結果は以下の通り。
・ルーラ政権の支持率:支持45%(先月比1ポイント増)、不支持51%(±0)。
・ルーラ政権に対する評価:「悪い/非常に悪い」39%(1ポイント減)、「非常に良い/良い」30%(1ポイント増)、「普通」29%(±0)。
・大統領選(フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)がダニエル・ヴォルカロから映画の制作費を受け取っていたとの報道があったのは13日であり、その影響は限定的)
・第1回投票:
ルーラ(PT)38%(1ポイント減)、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)35%(±0)、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)3%(1ポイント減)、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)3%(2ポイント減)、レナン・サントス(Missão)2%(±0)、サマラ・マルチンス(UP)2%(今回初)、アウグスト・クリー(Avante)2%(今回初)、ルイ・コスタ・ピメンタ(PCO)1%(今回初)、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%(±0)、白票/無効票9%(1ポイント減)、分からない3%(1ポイント減)。
・決選投票:ルーラ(PT)45%(±0)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)45%(1ポイント減)。ルーラ(PT)46%(1ポイント増)対カイアド(PSD)39%(3ポイント減)。ルーラ(PT)46%(1ポイント増)対ゼマ(Novo)40%(2ポイント減)。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
・ルーラ政権と連邦議会の関係については、「対立している」が70%で、「協力的」は20%に過ぎなかった。連邦議会に対する評価は、「普通」43%、「悪い/非常に悪い」37%、「非常に良い/良い」15%。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)AtlasIntel社が今月13日から18日に5032人を対象に実施したインターネット調査によると、大統領選に関する情勢は以下の通り。尚、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)がダニエル・ヴォルカロから金を受け取っていたとの報道後に行われた初の調査として注目されている。
・第1回投票:
(シナリオ1)ルーラ(PT)47%(先月比0.4ポイント増)、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)34.3%(5.4ポイント減)、レナン・サントス(Missão)6.9%、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)5.2%、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)2.7%、アウグスト・クリー(Avante)0.4%、アルド・レベロ(DC)0.2%、白票/無効票1.4%、態度未定1.9%。
(シナリオ2)ルーラ(PT)46.7%、ゼマ(Novo)17%、カイアド(PSD)13.8%。
(シナリオ3)ルーラ(PT)47%、ミシェーレ前大統領夫人(PL)23.4%、ゼマ(Novo)10%。
・決選投票:ルーラ(PT)48.9%(1.4ポイント増)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)41.8%(6ポイント減)。
・拒否率:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)52%(2.2ポイント増)、ルーラ(PT)
50.6%(0.4ポイント減)。
・「フラヴィオ・ボルソナーロがダニエル・ヴォルカロ元頭取から映画の制作費を受け取っていたとの報道について承知している」95.6%。
・「どの勢力がマスター銀行と癒着していたと思うか」:ボルソナーロ派43.3%、ルーラ派32.8%、その両方16.1%、セントラン7.1%。
(19日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
3.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は、周囲に対し、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官をSTF判事に再度指名すると伝えている模様。メシアスの指名が上院で否決された後、ルーラは、女性をSTF判事に指名することを検討していたが、断念した。尚、メシアスを再指名するには、本人にその意思があるのか否かが不明なことと、「一度、上院から拒否された人物を同じ会期中に再指名することはできない」との上院の内規が障害となっている。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ルーラ大統領は18日、サンパウロ州のパウリーニア製油所を訪問した際、「環境に最大限の配慮をしつつ、『赤道沿岸地帯』における海底油田の採掘を行う」と述べた。また、ルーラは、「燃料配給会社『BR Distribuidora』の民営化によって、伯が何か得るところがあったであろうか。彼ら(ボルソナーロ政権)はペトロブラス社を切り売ろうとした」と批判した。重要鉱物に関しては、「米国と協力して開発する用意がある」と述べた。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)
4.2026年選挙
(1)14日、17の州において、ボルソナーロ前大統領に関するドキュメンタリー映画「運命の衝突」が公開されたが、上映した映画館では閑古鳥が鳴いていた。映画「Dark Horse」同様、この映画の制作にもボルソナーロ派議員の「議員割当金」が使われたとされている。(16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)連邦検察庁は15日、大統領候補のゼマ前ミナスジェライス州知事をメンデス・STF判事に対する名誉棄損の容疑で起訴した。ゼマは、州知事在任中、大量の動画を投稿し、メンデスに対する誹謗中傷を繰り返していた。ゼマは、「アンタッチャブル達は、ユーモアを解せず、自分達のことを雲の上の人と考えている。自分は1ミリたりとも退かない」と述べた。(16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
5.司法
(1)連邦最高裁判所(STF)は14日、全国工業連盟(CNI)、全国商業連盟(CNC)及びNovo 党が男女同一賃金法(2023年7月3日施行)の違憲審査を請求した件に対し、全会一致により、同法律の合憲性を認めた。(15日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)連邦警察は15日、リオデジャネイロの製油所を巡る大規模な脱税事件に関し、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)とGrupo Refit社の所有者であるリカルド・マグロ等に対する強制捜査を実施し、同社の資産の内、520億レアルを差し押さえた。捜査当局によると、同社は、州税(ICMS)の脱税や納税の延滞等により、520億レアル相当の課税逃れを行っており、マグロは、「脱税王」の異名を取っていた。カストロは、州知事として、同社の課税逃れに対して便宜を図っていたとされている。今回の強制捜査は、上院議員選出馬を目指すカストロにとって痛手となるばかりでなく、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の大統領選出馬にも悪影響を与えることになる。(16日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.外交
ルーラ大統領は、ワシントンポスト紙とのインタビューに応じた際、「トランプは、自分がイランとの戦争やベネズエラへの介入やパレスチナにおけるジェノサイドに反対していることを知っている。我々の意見相違は、我々の国家元首同士としての関係を妨げていない。自分が望んでいるのは、彼が伯をリスペクトした上で公平に扱ってくれることである」と述べた。また、ルーラは、「トランプの歓心を買うためにボルソナーロ前大統領と争うつもりはない。ワシントンと良好な関係を築くことにより、(エドゥアルド・ボルソナーロが吹聴した)伯に関する誤ったナラティブは否定された。彼(トランプ)は、自分(ルーラ)がボルソナーロよりまともであることを知っている」と述べた。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
1.マスター銀行の不正疑惑
(1)ポータルサイト「Metropoles」は19日、「フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、昨年11月28日に自宅軟禁中のダニエル・カストロ元頭取と面会していた」と報道。それまでフラヴィオは、ヴォルカロとは2024年12月に知り合った時しか会っていないと述べていた。フラヴィオは同日、PL議員団との会合後に開いた記者会見において、報道を認め、「確かにその日は、サンパウロ市内のヴォルカロの私邸まで出向いて面会した。ヴォルカロは、監視装置を装着されていたので、自宅から出ることができなかったので、こちらから行くしかなかった。映画制作費の件にけりをつけるとともに、(銀行の経営が)それ程深刻だったと知っていれば、他の投資家を探していたのにと文句を言うために行った」と説明した。尚、フラヴィオは、「何故、それについて隠していたのか」との質問には答えず、退席した。フラヴィオは、PL議員団との会合では、ヴォルカロとの関係について説明を行い、少なくとも表面上は、受け入れられたようであった。その際、フラヴィオは、映画の制作費に関する収支報告書を30日以内に公開することを約束したとされている。フラヴィオはその後、全国自治体連合(CNM)が主催するイベント「第27回市長の行進」に参加した際、大喝采を持って迎えられたが、一部の観衆からは「ヴォルカロ」や「rachadinha(議員秘書給与詐取)」の野次が飛んだ。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)映画「Dark Horse」のプロデューサーを務めるマリオ・フリアス下院議員(PL-SP。ボルソナーロ政権の文化庁長官)は、「ダニエル・ヴォルカロやマスター銀行からは一銭も受け取っていない」と述べていたが、The Intercpt Brasilは19日、フリアスがヴォルカロに対して資金提供のお礼を述べている音声記録を公開した。尚、フラヴィオは19日、「Dark Horse」の予告編を「今年度最も期待されている、真の英雄であるジャイール・ボルソナーロの生涯を描いた映画の予告編を公開する。近い内に全ての映画館で上映される予定」とのコメントとともにSNSに投稿した。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)映画「Dark Horse」の制作会社「GO UP Entertainment」のカリーナ・ダ・ガマCEOは19日、Globonewsのインタビュー番組に出演した際、「Dark Horseの制作にはこれまで1300万米ドル(6570万レアル)を費やした。ダニエル・ヴォルカロ元頭取は、投資家ではなく、制作会社と投資家の仲介役として活動してきたが、ヴォルカロの逮捕後は、我々が投資家を探さなければならなかった」と述べた。尚、フラヴィオ・ボルソナーロは、ヴォルカロがスポンサーとして1200万米ドル(約6060万レアル)を投資したと主張しており、制作会社側の説明とは食い違っている。仮にフラヴィオが正しいとすれば、制作費の92%は、マスター銀行からの資金によって賄われていたことになる。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(4)連邦警察は20日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の司法取引に関する提案では不十分であるとして、ヴォルカロとの司法取引には応じないことを決定した。捜査当局筋によると、ヴォルカロが情報提供に応じるとしている内容よりも、ヴォルカロの携帯電話から得られた情報の方がはるかに大量且つ重要とのことである。ヴォルカロの弁護団は、連邦警察が司法取引に応じてくれないのなら、連邦検察庁と直接交渉すると揺さ振りをかけている。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)ボルソナーロ派議員の「議員割当金(emenda parlamentar)」が映画「Dark Horse」の制作に使われていた件について調査しているディーノ・STF判事は、プロデューサーのマリオ・フリアス下院議員(PL-SP)に出頭を命じたが、フリアスがこれを無視して先週から外遊(バーレーン及び米国)しているため、下院に対し、48時間以内にフリアスの外遊について説明を行うよう命じた。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
2.ルーラ政権
(1)ルーラ大統領は20日、SNS企業の規制に関する二つの大統領令に署名した。これは、昨年の連邦最高裁判所(STF)の決定(SNS企業の賠償責任は、コンテンツの削除を命じる裁判所の決定に従わなかった場合に発生するとの規則の例外(不同意のヌード、著作権侵害)を増やし、反民主主義、テロリズム、人種差別及び自殺幇助に関する能動的なコンテンツモデレーションをSNS企業に義務付ける)に基づき、ミソジニー(女性嫌悪)及び女性に対する暴力も裁判所の命令が無くても通報があれば、例外として、削除対象としている。また、SNS企業を監視する権限が法務治安省の国家データ保護庁(ANPD)に付与されることになった。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)ルーラ大統領は20日、全国自治体連合(CNM)及び各州の自治体連合の代表と面会し、自治体側の要望について聴取した。全国の市長達は、ブラジリアで「市長の行進」と称するイベンとを開き、連邦政府に対して様々な要求を行った。ルーラの代わりにイベントに参加したアルキミン副大統領のスピーチには野次が飛び交ったが、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が登壇すると、大喝采を浴びた。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.2026年選挙
(1)ミシェーレ前大統領夫人(PL)は19日、取材に対し、「自分は、夫の面倒を見なければならないし、フラヴィオ・ボルソナーロの件には関わらない」と述べた。PLは今のところ、フラヴィオを同党の大統領候補に指名する方針は変えておらず、ミシェーレ夫人は連邦直轄区から上院議員に立候補する予定である。ボルソナーロ前大統領の息子達は、一家の主導権を巡って同夫人と激しく対立しているとされている。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)フラヴィオ・ボルソナーロの陣営は19日、選挙高等裁判所(TSE)に対し、AtlasIntel/Bloomberg社による世論調査の発表を差し止めるよう、求めた。同陣営は、「同社の調査は、フラヴィオに不利な回答を引き出すための誘導が行われており、選挙に悪影響を与えている」と主張している。同社の大統領選に関する最新の調査では、フラヴィオ・ボルソナーロの支持率が6ポイント低下し、決選投票ではルーラ(48.9%)が7ポイント差でフラヴィオ(41.8%)に勝つとの結果が出ている。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は19日、「週休1日制(6X1制)の廃止について議論するのはいいが、現時点でそれを行うことは選挙目的であり、不適切である。賃金については時給制を導入すべきである。そうすれば、金を稼ぎたい人は、より長時間働くことができ、労働者は自由を勝ち取ることができる」と述べた。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(4)PT連邦直轄区(DF)支部は19日、レアンドロ・グラッス前国立歴史文化遺産庁(IPHAN)長官を連邦直轄区知事候補、並びにエリカ・コカイ下院議員(PT-DF)を上院議員候補に指名することを決定した。また、PTは、二人目の上院議員候補として、レイラ・バーホス上院議員(PDT—DF)の再選を支持することにしている。一方、イバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)は20日、「セリーナ・レアォン連邦直轄区知事(PP。ロシャが知事の時には副知事を務めた)には失望している。同知事との関係について再考している」と述べた。これに対してレアォン知事が反発したことから、連邦直轄区におけるMDB-PP連合が解消の危機にさらされている。(20日及び21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(5)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の選挙対策本部で選挙広報を担当することになっていたマルセロ・ロペス(広告代理店経営。元警察官で、フラヴィオの友人)は20日、「経営する広告代理店の業務に専念するため」として、担当から降りると発表した。ロペスに関しては、昨年末、ダニエル・ヴォルカロ元頭取に雇われて、中央銀行に対する誹謗中傷キャンペーンに協力していたことが指摘されていた。尚、フラヴィオは、エドゥアルド・フィッシャーを代わりの広報担当に指名した。フィッシャーは、広告代理店Fischer&Justusの経営者で、同社は、90年代から2000年代にかけて主にビールのテレビCMで人気を博したことで知られる。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(6)ミシェーレ前大統領夫人(PL)は20日、友人(スイーツ店経営者のマリア・アメーリア(PL))の下院議員選出馬表明式においてスピーチを行った際、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が支持しているシロ・ゴメス・セアラ州知事候補(PSDB)のことを「悪」と批判し、「PLは、悪と手を組んではならない」と強調した。同夫人は、セアラ州知事選に関してはエドゥアルド・ジラォン上院議員(Novo-CE)を支持している。同夫人は、フラヴィオの大統領選出馬については一言も触れなかった。また、同夫人は、自身の立候補については「神が答えてくれるまでは一歩も動くことはない」と述べるにとどめた。尚、同夫人は、モラエス・STF判事がボルソナーロ前大統領のために理髪師の訪問を許可したことを挙げ、「モラエス判事はキリストにおける兄弟である」と称賛した。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(7)PSDBは、シロ・ゴメス元セアラ州知事(PSDB)が大統領選への不出馬を決め、また、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)がマスター銀行との癒着が疑われて窮地に立たされていることを受け、党首のアエシオ・ネーヴェス下院議員(PSDB-MG)の大統領選出馬について検討している。ネーヴェスは、2014年の大統領選に出馬し、決選投票では、当時のルセーフ大統領(PT)に惜敗している。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(8)エジーニョ・シルヴァ・PT党首は、「残念ながら、ロドリゴ・パシェコ上院議員(PSD。前上院議長)は、ミナスジェライス州知事選には出馬しないとの意向である。PTとしては別の候補を支持する方向で検討中」と表明した。ルーラ大統領とPTは、以前からパシェコの知事選出馬を支持してきた。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(9)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は今週、ファリア・リマ(サンパウロの金融街)の投資家及びサンパウロの実業家との二つの会合に出席し、その経済政策等について話す予定である。フラヴィオの経済政策を担当しているのは、ボルソナーロ政権で鉱山エネルギー相を務めたアドルフォ・サクシダである。サクシダのプラン(プロジェクト・ブラジル)では、支出削減と民営化を強力に推し進めることで財政の健全化を図り、投資と生産活動に対する減税を行うことで、経済の活性化を図るというものである。支出削減については、GDPの成長率に応じて支出を増やすこと、非効率的な補助金等の廃止、公共サービスの徹底したデジタル化の他、年金の調整を最低賃金ではなく、インフレ率によって行い、保健と教育に関する予算も歳入の増加率ではなく、インフレ率によって調整することが検討されている。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
4.司法
(1)国家社会保障院(INSS)の不正事件に関し、ルーラ大統領の子息「ルリーニャ」の友人で実業家のロベルタ・ルックシンジェルは20日、連邦警察の取り調べに対し、「ルリーニャは、医療大麻に関心を有しており、医療大麻ビジネスを手掛けているアントニオ・カルロス・カミーロ・アントゥネス(INSSの不正事件の首謀者。通称「INSSのハゲ」)をルリーニャに紹介した。アントゥネスが不正に関与しているとは知らなかったし、その医療大麻ビジネスの資金の出所についても承知していなかった。ルリーニャがアントゥネスに何らかの便宜を図ったことはなく、また、直接及び間接的に報酬を受け取っていたとの事実はない」と供述した。尚、ルリーニャがアントゥネスの負担でポルトガルの医療大麻事情について視察した件については「ルリーニャは、ビジネス機会を探るための視察旅行に誘われただけであり、業務の一環として行ったわけではない」と説明した。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)リオデジャネイロの製油所を巡る脱税事件の捜査を進めている連邦警察は、製油所の経営者で、「脱税王」の異名を取るリカルド・マグロの投資ファンドがシロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)の親族が経営する会社に1420万レアルを支払っていたことを突き止めた。これに対し、ノゲイラは、支払いを受けたことは認めた上で、「これは、燃料配給会社の建設用地として売却した土地の代金であり、合法である」と反論している。尚、リカルド・マグロは先週、逮捕状が出された時点で逃亡し、国際指名手配されている。(21日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)
5.連邦議会
(1)20日、下院において、伯環境再生天然資源院(IBAMA)による環境破壊の取り締まりを制限するとの法案と、ジャマンシン国有林(パラー州)の面積削減に関する法案が可決され、上院に上程された。前者は、IBAMAが人工衛星の画像等、リモート技術を用いた手法で得られたデータのみを根拠として、森林伐採等を取り締まるのを禁止するというものであり、環境省は、アグリビジネス議員による強行採決に対して反発している。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)19日夜、下院において、「ミニ選挙法改正法案」と称する法案が可決されたが、選挙腐敗撲滅運動(MCCE)やトランスペアレンシー・インターナショナル等の団体は、「政党に対する罰則を柔軟化し、政党や政党助成金の運用に対する監視を弱体化させる内容(例えば、政治資金収支報告書の記載漏れ等に対する刑罰が軽くなる)となっており、これが成立すれば、不正を助長させる」と批判している。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)
1.世論調査
(1)ダタフォーリャ社が今月20日から21日にかけて2004人を対象に大統領選に関する世論調査を実施したところ、結果は以下の通り。同社の調査としては、フラヴィオ・ボルソナーロがマスター銀行から映画「Dark Horse」の制作費を受け取っていたとの報道後に実施された初の調査である。
・第1回投票:
(シナリオ1)ルーラ(PT)40%(2ポイント増)、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)31%(4ポイント減)、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)4%(1ポイント増)、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)3%(±0)、レナン・サントス(Missão)3%(1ポイント増)、サマラ・マルチンス(UP)3%(1ポイント増)、アウグスト・クリー(Avante)2%(±0)、ルイ・コスタ・ピメンタ(PCO)1%(±0)、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%(±0)、アルド・レベロ(DC)1%(1ポイント増)、白票/無効票9%(±0)、分からない3%(±0)。
(シナリオ2)ルーラ(PT)41%、ミシェーレ前大統領夫人(PL)22%、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)6%、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)5%、レナン・サントス(Missão)3%、サマラ・マルチンス(UP)3%、アウグスト・クリー(Avante)2%、ルイ・コスタ・ピメンタ(PCO)1%、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%、アルド・レベロ(DC)1%、白票/無効票12%、分からない4%。
・決選投票:ルーラ(PT)47%(2ポイント増)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)43%(2ポイント減)。ルーラ(PT)48%(2ポイント増)対カイアド(PSD)39%(±0)。ルーラ(PT)48%(2ポイント増)対ゼマ(Novo)39%(1ポイント減)。ルーラ(PT)48%対ミシェーレ(PL)43%。
・拒否率:フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)46%(3ポイント増)、ルーラ(PT)45%(2ポイント減)、ミシェーレ(PL)31%(今回初)、ゼマ(Novo)18%(3ポイント増)、カイアド(PSD)15%(2ポイント増)。
・ボルソナーロの支持者に対して「フラヴィオは立候補を取り下げるべきだと思うか」と質問したところ、88%が「取り下げるべきではない。選挙ではあくまでフラヴィオに投票する」と回答。「他の候補に譲るべき」は10%、「分からない」は2%。
・「フラヴィオがダニエル・ヴォルカロに映画の制作費を要求したのは良いことであったか」:「悪かった」64%、「良かった」25%、「分からない」11%。ボルソナーロの支持者に限れば、「良かった」が53%で、「悪かった」の37%を上回った。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の陣営は、今回の調査結果に関し、「予想よりダメージは少なかった。フラヴィオは、まだ競争力を失っておらず、代わりの候補を立てることはない。拒否率が若干上昇したものの、ルーラとは拮抗しており、今後の調査で挽回できる」と胸を撫で下ろしている。尚、フラヴィオの支持率が著しく低下したのは、穏健派のボルソナーロ支持者(13ポイント減)、福音派(7ポイント減)及び南部(13ポイント減)である。一方、PTは、「もう少しフラヴィオの支持率が下がっていてもよかった。フラヴィオの支持率が今後も下がり続けることを期待。ルーラの拒否率を下げることが今後の課題」と見ている。(23日及び24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(3)政府支持率:支持48%(3ポイント増)、不支持48%(3ポイント減)。ルーラ政権に対する評価:「非常に良い/良い」32%(3ポイント増)、「普通」28%(1ポイント減)、「悪い/非常に悪い」38%(1ポイント減)。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
2.マスター銀行の不正疑惑
(1)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、21日の上下両院合同セッションにおいて、ボルソナーロ派議員に囲まれてスピーチを行い、「(マスター銀行に関する)議会調査委員会(CPI)を設置し、ダニエル・ヴォルカロ元頭取とアウグスト・リマ(マスター銀行の元共同経営者)を召喚して、自分(フラヴィオ)だけではなく、ルーラやモラエス判事との関係について証言させるべきである。自分には何の落ち度もないので、CPIの設置は恐れていない。恐れているのは左派の方である」と述べた。これに対し、リンジベルギ・ファリアス下院議員(PT-RJ)が「フラヴィオは、ヴォルカロとの関係について何の説明も行っていない。映画『Dark Horse』の制作費やヴォルカロの逮捕後に面会していた件についても十分な説明を行っていない」と批判したところ、フラヴィオは「説明を行う義務があるのは、ヴォルカロと秘密裏に会っていたルーラの方である」と反論した。尚、アルコルンブレ上院議長は、フラヴィオとPTがマスター銀行に関するCPIの設置を要求したにも拘わらず、これを議題に取り上げることを拒否した。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)国家映画庁(Ancine)は21日、映画「Dark Horse」の制作に関し、制作会社「GO UP Entertainment」社の役割等について調査を開始した。Ancineによると、同社は、「Dark Horse」の制作について何の届け出もしていない。Ancineは、映画のレイティング(年齢制限)について決め、外国映画の撮影が伯国内で行われる場合にはそのための許可を出すことになっているが、「Dark Horse」については届け出が出されていないので、外国映画かどうかも不明となっている。主演男優のジム・カヴィーゼルによると、「Dark Horse」は9月に米国内で公開予定となっている。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(3)ルーラ大統領は21日、ボルソナーロ派が以前からルアネー法(文化事業の後援企業に対して法人税の控除を認める)を批判している件に関し、「我々は、アーティストを応援するために『ダニエル・ヴォルカロ法』を必要としたことは一度もない。ボルソナーロ一家の中では一番、聖人君子のように見えたあの子(フラヴィオ)が裏であのようなことをしていたとは誰が想像できたであろうか」と皮肉った。尚、映画「Dark Horse」は、事実に基づいたフィクションとして作られているが、フラヴィオが公開した予告編では、ボルソナーロ前大統領は、体制(システム)と熾烈な戦いを繰り広げる、ハリウッド映画のヒーローのように描かれており、また、野党が傭兵を雇い入れ、ボルソナーロの抹殺を企てるという、荒唐無稽な内容になっている。また、作中ではボルソナーロが「この国は我々のものだ。外国の環境保護団体やハリウッドの児童性愛者共のものではない」と演説する等、陰謀論も満載である。(22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(5)連邦警察は26日、強制捜査「コンプライアンス・ゼロ」の第8フェーズを発動し、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)の家宅捜索を行い、携帯電話等を押収した。ダニエル・ヴォルカロ元頭取の携帯電話からは、ヴォルカロがカストロ前知事とメッセージのやり取りをしていたことが判明しており、また、両者が国内外で面会していたことが確認されている。今回の捜査は、カストロとヴォルカロの関係に重点が置かれている。カストロの知事在任中、リオデジャネイロ州政府は、州職員年金基金の資金(合計37億レアル)をマスター銀行の金融商品に投資し、資金の回収は困難となっている。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(6)連邦警察が押収した携帯電話からダニエル・ヴォルカロ元頭取とコスタ前ブラジリア銀行(BRB)総裁の会話記録が発見された。それによると、コスタは、資金繰りに窮したマスター銀行から不良債権を買い取ったり、同銀行の買収交渉を進めることの見返りとして、4500万レアル相当の高級コンドミニアム等、合計1.5億レアル相当の不動産を要求していたことが判明。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
3.ルーラ政権
ルーラ大統領は25日、ブラジリア市内の病院において、頭頂部の皮膚がんの放射線治療を開始した。医師団によると、治療はがんの再発を防止するための予防的なものであり、今後、3週間に亘り、15回に分けて行われる。公務への影響はないとされている。ルーラは、4月26日にがん組織の摘出手術を受けた。(25日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
4.2026年選挙
(1)DC(キリスト教民主党)が「ジョアキン・バルボーザ元連邦最高裁判所(STF)長官(黒人初のSTF長官)が同党から大統領選に出馬する可能性がある」との動画を投稿したところ、DCから大統領選出馬を予定しているアルド・レベロ元国防相がこれに反発し、党は二つに割れている。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首は25日、GloboNewsとのインタビューにおいて「ダニエル・ヴォルカロ元頭取は、ボルソナーロ一家の歓心を買おうとしていた。フラヴィオ・ボルソナーロがしたこと(ヴォルカロに映画の制作費を要求したこと)は全くもって自然なことで、世界で最も普通のことである。(フラヴィオが)ヴォルカロの自宅を訪れた件もそうである。フラヴィオは、ヴォルカロから制作費の残りを要求しに行っただけである」と述べ、フラヴィオを擁護した。また、同党首は、フラヴィオが立候補を取り下げ、PLがミシェーレ前大統領夫人を代わりの大統領候補に指名する可能性を否定した。(25日付ヴァロール・エコノミコ電子版)
(3)フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)は26日、ホワイトハウスのオーバル・オフィスでトランプ米大統領と面会した。面会後、執務机の前に座ったトランプと、その背後に起立したフラヴィオの写真、並びにフラヴィオ、弟エドゥアルド及びパウロ・フィゲレイド(ボルソナーロ派のブロガー)の3名がトランプの背後で起立した写真が公開された。フラヴィオは、面会後に記者会見を開き、トランプとは治安対策、重要鉱物等について話し合ったことを明らかにした。治安対策に関しては、「ルーラは、伯の犯罪組織をテロ組織に指定しないよう、トランプに跪いて懇願したが、自分は、テロ組織に指定してくれと頼んだ。ルーラは、犯罪組織を擁護している」と批判した。また、フラヴィオによると、トランプは、伯大統領選に関し、フラヴィオを支持するとは明言せず、フラヴィオもトランプに支持を求めることはなかった。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
5.連邦議会
(1)21日の上下両院合同セッションでは、本年度連邦予算編成方針法(LDO)に対するルーラ大統領の拒否権行使が覆された。これにより、地方自治体(州及び市)は、選挙キャンペーン期間中も連邦政府からの資金供与、並びに救急車やトラクターや基本生活バスケット(cesta básica)等、物品の無償供与を受けられることになった。選挙法は、これらの資金供与や物品の無償供与を選挙の3ヶ月前から禁止しているが、議会から承認されたLDOでは、「選挙法の対象外」とされている。拒否権が覆されたことによって、「議員割当金(emenda parlamentar)」の予算も選挙期間中に使えることになり、現職議員が有利になる。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)
(2)25日、週休1日制(6X1制)の廃止に関する下院特別委員会では、ルーラ大統領とモッタ下院議長の合意を受け、公布後60日以内に週の労働時間を現在の44時間から42時間に短縮し、1年後に40時間とすることで、週休2日制を段階的に導入するとの報告書が提出された。今後の審議は、この報告書に基づいて行われるが、全国工業連盟(CNI)やサンパウロ工業連盟(Fiesp)等の企業団体は、これにも反対を表明している。伯サービス業中央連盟(Cebrasse)等、サービス業界の代表は26日、アルコルンブレ上院議長に対し、「6X1制の廃止は、世界の潮流に逆行し、伯の経済活動に悪影響をもたらす」として、6X1制覇し法案の廃案または見送りを求めると共に、労働時間については、法律で決めるのではなく、労使間の合意により取り決めることを主張した。(26日及び27日付コレイオ・ブラジリエンセ)
6.司法
(1)イタリア最高破毀院は22日、ボルソナーロ派のカルラ・ザンベーリ前下院議員(PL-SP)に関し、伯への引き渡しを拒否した。理由は近日中に発表される予定。ザンベーリはその日の内に釈放された。ボルソナーロ派の議員は、「STFとモラエス判事が国際的に敗北した」と歓喜に包まれた。ザンベーリに関しては、銃不法所持、脅迫罪、不正アクセス行為等により、有罪になった後、イタリアに逃亡し、伯政府が同国政府に引き渡しを求めていた。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)
(2)連邦警察は22日、アルコルンブレ上院議長の第2補欠議員である実業家のブレノ・シャーヴェス・ピントを入札法違反、公金横領等の容疑で立件した。ピントは、アマパー州の道路建設(6020万レアル相当)の契約に関して不正を働いたとされている。尚、アルコルンブレ議長の事務所は、「議長は本件とは何の関わりもない」との声明を発表。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)
7.外交
ガザ地区に支援物資を船で届けようとした親パレスチナの活動家らがイスラエル軍によって拘束された。イスラエルのベン=グヴィル国家安全保障相は、両手を後ろで縛られ、跪いた活動家らを映した動画を投稿した。活動家の中には、4人のブラジル人が含まれていた。伯外務省は、「伯は、公海上における拘束を非難し、活動家の即時釈放を求める。また、活動家の人権と尊厳が守られることを要求する」との声明を発表し、また、アタムニ駐伯イスラエル臨時代理大使を呼び出して、説明を求めた。(22日付フォーリャ・デ・サンパウロ)


