第66回海外日系人大会基調演説
執筆者:梅田 邦夫 氏(外国人材共生支援全国協会副会長、元駐ブラジル大使)
この原稿は、2026年10月7日に開催された第66回海外日系人大会での基調講演
を執筆者のご許可をいただき掲載させていただいたものです。
(はじめに)
本日は、貴重な機会をいただき感謝。日本にとっての日系社会及び日系人の重要性という
観点から、語らせていただきます。
私にとって、世界の日系社会と日本との関係を考えることは、ライフワークの一つにな
っています。その理由は多々ありますが、ペルーとブラジルにおいて経験したことを述べ
ます。
(1)私は、在ペルー日本大使公邸人質事件(96年12月―97年4月)の解決後
、1997年8月に「大使館次席兼総領事」としてリマに赴任しました。一年数カ月間の短い
勤務でしたが、私の人生において日系社会の重要性を認識する重要な契機となりました。
当時ペルーの大統領は、アルベルトフジモリ氏でした。フジモリ氏の功績は、左翼ゲリラ
の弱体化と治安の回復、インフレに苦しんでいた経済再建の二点が強調されますが、ほと
んど語られない功績は、白人支配のペルー政治が大きく変革し、政治分野でメイスティー
ソ(混血)の活躍の場が大きく広がったことだと考えています。
また、当時、ヘラルド・マルイ・ペルー日系人協会顧問、ビクトル・コンノ会長からは
、戦争期間中、米国での強制隔離の歴史に加え、一般リマ市民をも対象とした日秘総合診
療所建設、一般ペルー人生徒も受け入れている学校・ラ・ウニオン、古代ペルー文化を展
示するアマノ博物館の存在など、日系社会のペルー社会への多岐に渡る貢献を教えていた
だきました。また、大使館近くのヒグチさんのおばあさん宅で、昼食をよく食べましたが
、リマの生活などを教えていただき、感謝しています。
今年、7月28日に大統領に就任したフジモリ・ケイコ氏にとって最大の課題は、政治
の安定と治安の回復です。父親の政権下で、治安は大きく改善したが、その後25年間に
再び悪化しました。貧富の格差も大きな課題です。
また、ペルーにとって最大の貿易相手国は中国であり、リマ近郊のチャンカイ港は中国
企業が建設、南米と中国を結ぶ物流拠点として活用されています。米国は「新モンロー主
義」の下、中南米地域から中国の影響力排除に向けて、動いていますが、トランプ政権が
、ケイコ・フジモリ政権とどのような協力関係を築くのか、対中関係にどのような影響が
及ぶのか注目されます。高市政権が、ケイコ・フジモリ政権と協力強化に動くことは間違
いないと思います。
(2)次にブラジルに関して話します。私は2014年のFIFAワールドカップと安倍総理
のブラジル公式訪問、15年の日伯外交関係樹立120周年を記念しての秋篠宮殿下・妃
殿下のブラジル訪問、2016年のリオ・オリンピック・パラリンピックを経験しました。
秋篠宮両殿下は、約2週間でブラジル全土の10都市を訪問され、各地で日系社会と交
流されました。
また、サッカー日本代表チームの試合は、FIFAワールドカップとオリンピックを合わせ
5都市で行われましたが、ブラジル各地の日系団体は、応援だけでなく日本人応援団の安
全対策(空港到着時から試合終了後の案内まで)に全面協力いただきました。そのおかげ
で、深刻な事件や事故にあう日本人が一人もいなかったことは、画期的でした。更に、オ
リンピック開催期間中、サンパウロから日本語の話せる日系人医師がリオに派遣されてい
ました。
来年、女子サッカー・ワールドカップがブラジルで開催されますが、日本政府と日本サ
ッカー協会は試合がある各地で日系協会の協力をお願いすることになると思います。
2014年の安倍総理のブラジル訪問は、小泉総理以来10年ぶりでした。サンパウロ
市内を移動中の車の中で、私は、安倍総理から「日系社会との連携強化のために具体策を
東京に提案して欲しい」との指示を受けました。日系団体やJICAなど関係者の協力を得て
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様々な提案を送りましたが、東京では、関係各省の局長クラスを集めた会合を世耕官房副
長官の下、官邸で開かれたと聞いています。初めてのことです。4世の新在留資格につい
ても国会で下地議員からの質問を受け、安倍総理の指示で2018年に制定されました。
4世については、私自身、ブラジリアで二人の日系人中学生から、次のような直訴を受
けました。「我々は、2008年の金融危機後、両親と共にブラジルに帰ってきたが、日
本で教育を受けたので、できれば日本の学校に帰りたい。でも、4世であることから、自
分たちだけでは日本に行けない。行けるようにしてほしい」。
彼らの要請を受け、当時の呉屋文化福祉協会会長にお願いして、日本政府宛に日系社会
の総意として要請書を提出いただきました。
ブラジルでは、呉屋会長に加え、ルイス・西森連邦下院議員、本橋県連会長、青木智栄
子氏、二宮正人CIATE理事長、クリチバの森口医師、深沢ニッケイ新聞編集長、三分一ブ
ラジリア日本語普及協会会長をはじめ、多くの方に助けていただいたことに、大変感謝し
ております。
1.次に世界の日系人、日系社会の日本への貢献について述べます。
(1)2024年4月、外務省は、海外に居住する日系人の総数(除く日本、約26万)
が、約500万人(23年10月時点)と公表しました。
日系人といえば、多くの人は南米や北米への移住者及びその子孫を思い浮かべますが、
外務省調査(23年10月実施)によると、日系人は南米に約300万人(内ブラジル
270万)、北米に約162万人だけでなく、大洋州に約14万人、欧州に約12万人、中
米に約8万人、アジアに約6.4万人、中東約2千人、アフリカ約9百人と世界各地に約
500万人存在します。
国策で北米・南米に移住した人の子孫に加え、戦前フィリピンに出稼ぎに行っていた日
本人の子孫、また、日本軍が駐留していたインドネシアやベトナムには残留日本兵の子孫
がいます。
更に戦前、日本はパラオ、ミクロネシア、マーシャルの3カ国を国際連盟からの信託を
受け統治していましたが、現在も多くの日系人が住んでいます。23年5月、私は総理特
使として福島原発「処理水」問題で、パラオとマーシャルを訪問しました。パラオの全人
口約1万8千人の内約5千人は日系人であり、外務大臣は、日系人ではなかったが、アイ
タローという日本人の氏名の方でした。マーシャルでは11人の閣僚中、7名が日系人でし
た。
豪州や欧州には、婚姻を通じてそれぞれの国に住んでいる方が多いです。また、ワールド
・ベースボール、パリ・オリンピック等において多くの日系人やハーフの人が活躍してい
ます。
(2)皆さんもご存じの通り、各国の日系社会、日系人は様々な形で「日本」に貢献して
います。いくつかの例を挙げます。
(イ)第一に、多くの国において日系人は、「強い信頼」を勝ち得ており、「親日感」と
「日本への信頼感」を生んでいます。彼らは日本と移住先国との間の「大きな架け橋」で
あるだけでなく、二国間関係における、経済・政治・安全保障分野におけるとても重要な
存在でもあります。
(ロ)第二に、日本文化の普及への貢献も大です。
例えば、ブラジルには、436の日系団体、380校の日本語学校があります。これらの団体
は、日本語、日本食、アニメや漫画、柔道等日本文化の普及に努めています。他の中南米
諸国、北米、南太平洋諸国においても同様です。
(ハ)また、日本が困難に直面した時に支援していただいています。
終戦直後、深刻な物資不足に苦しむ日本に、米国の「アジア救済公認団体」(略称
LALA)から食料、衣料、医薬品など大量の救援物資(400億円相当)が届けられました
。内20%は南北アメリカの日系団体からの寄贈であり、粉ミルクは学校給食の開始に寄
与しました。最近では、東日本大震災、今般の熊本地震等に際し、義援金を支援いただい
ています。
(二)更に、サッカー日本代表チームは、今年、ワールドカップに連続8回出場しました
。日本サッカーが強くなった背景には、ネルソン吉村、ジョージ小林、セルジオ越後、田
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中マルクス闘莉王などブラジル日系人の大きな貢献がありました。また、日本国籍を取得
してラモス瑠偉氏などの貢献も忘れられません。
(ホ)最後に、日本在住日系人の貢献につて触れます。
日本には、世界で3番目に大きな日系社会約26万人が存在しています。1990年以
降、多くの日系人が日本の製造業に貢献してきましたが。同時に、個人としても、大谷暢
裕・真宗大谷派(東本願寺)門首、セルジオ越後(サッカー解説者)、アンジェロイシ武
蔵大学教授はじめ、経営者、弁護士、行政書士、エンジニア、落語家等として日本社会に
貢献している方々が増えています。日本社会に彼らの貢献を主治することも重要です。
2.日系社会に対する「私の危機感」について述べます。
昨年3月、国賓として来日したルーラ・ブラジル大統領夫妻を歓迎する宮中晩餐会にお
いて天皇陛下は日系人に関して、次のように述べられました。
「ブラジルに移住された方々とその子孫である日系人の方々は、ブラジルの発展に大き
な貢献をしてこられた。大統領の歓迎晩餐会に、これまで両国の友好関係の増進に寄与さ
れてきた日系ブラジル人の方々が出席されていることをうれしく思います。日本とブラジ
ルは、長年にわたって様々な分野で協力してきました。ブラジル北部において、日系農家
が「森林農法」を開発され、また、「不毛の大地」と呼ばれていたセラードを農業地帯と
して開発する過程では、日系人やJICA専門家が尽力され、ブラジルは今や世界に誇る食料
供給国となっています。」
以上が天皇陛下のご挨拶ですが、昨年6月には、佳子内親王が、日本・ブラジル外交関
係樹立130周年を祝うため、ブラジルを2週間近く訪問し、各地で日系団体と交流され
ました。今年8月には、秋篠宮ご夫妻が、パラグアイへの日本人移住90周年を記念して
同国を訪問されました。これまでも、節目の年には、必ず、天皇皇后両陛下をはじめ必ず
皇族の方が中南米諸国を訪問されています。
また、ベトナムやインドネシア、フィリピンでも、皇族の方は元日本兵の子孫や移住者
の子孫の方と懇談されています。このように皇族の日系人に対する思いは、とても温かい
ものがあります。また、政治家および各県知事は、海外の日系社会を引き続き重視してい
ます。
その一方で、現在の日本社会では、人口減少や労働力不足を背景に、ベトナム人、イン
ドネシア人等のアジア人材に対する関心は年々高くなっていますが、残念ながら、日本に
おいて日系人に対する関心が低くなっているとの「危機感」を感じています。
3.次に、高市政権に望むことを語ります。
(1)昨年3月の石破総理・ルーラ大統領の首脳会談において、首脳の往来は、これまで
ほぼ10年毎でしたが、二年毎にするとの合意がありました。また、合意文書の中に、4世
についても引き続き交渉対象にすると記載されています。
次は、高市総理のブラジル訪問の順番となりますが、食糧・資源大国ブラジルの日本に
とっての重要性はこれまで以上に増しており、日本・メルコスール貿易協定交渉の前進な
どが期待されます。また首脳会議を念頭に置いて、4世問題や永住資格の厳正化等につい
て関係者が声を上げていくことも重要です。
(2)私は、6年前に創設された「外国人材共生支援全国協会(NAGOMI)」の一員として
も活動しています。NAGOMIは外国人材が日本にきてよかったと思える環境づくりを最大の
目標にしていますが、3年以上前から外国人材を受け入れるための「基本法」を制定する
べきであると訴えてきました。
歴代の日本政府は、①「移住政策」はとらないと公言しつつも、現実には、労働力不足
の深刻度が増す中で、外国人材の「定住化」を念頭に置いた整合性に欠けた政策を「なし
崩し的に」進めてきました。
②また、現在高市政権が永住資格等様々な政策の厳格化・適正化を進める中で、日系人を
含む多くの外国人材が自分たちの将来に不安を感じつつあります。
③更に、日本は外国人材の獲得において、台湾や韓国等との競争が厳しくなっています。
④また、全国知事会、経団連、経済同友会、日本商工会議所も昨年夏以降、基本法制定と
体制強化を訴えています。
外国人材政策の厳正化・適正化を進めている今であるからこそ、外国人材を受け入れる
理念や目的について「国の意思」を明確にすることが必要だと考えます。
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このような問題意識から、NAGOMiは今年の4月に衆議院第一議員会館で、基本法制定に
向けて国民運動発足のシンポジウムを開催しました。国民運動の目的と呼びかけ人のリス
トには、日系人関係では、田中理事長とセルジオ越後氏が参加しています。また、この運
動には、全国知事会や経団連、経済同友会、日本商工会議所の後援を得ています。
4月のシンポジウム以降、NAGOMiは、大阪、富山、群馬、北海道、鳥取、愛知、広島の
7地域でフォーラム等を開催し、各地域の状況を反映した基本法制定を訴える宣言が発出
されました。
また、7月初めには東京でベトナムやインドネシアなど日本に多くの人材を派遣してい
る6か国の大使・公使、松島首相補佐官、堀井外務副大臣の参加を得て、それぞれの国の
人材が日本に来る理由、日本に求めたい事項などを説明してもらいました。
更に、先日、岡田武史・元サッカー日本代表監督、現在、今治FC代表取締役を中心に、
スポーツを通じて地域活性化・外国人との共生に取り組みについて、シンポジウムを開催
しました。
今後、11月に経済3団体の代表の参加を得て「東京フォーラム」を開催した後、基本
法制定を求める「国民署名」を開始し、来年の通常国会前に日本政府、自民党、維新の会
、公明党、国民新党などに提出したい考えです。国民署名には、是非、皆様のご協力をお
願いいたします。
(2)次に日系4世への配慮の必要性について述べます。
海外に住む日系人の多くは、日本の「国策」で移住した日本人の子孫であり、彼らを大
切にすることは「日本の責務」です。また、先ほど述べた日系社会及び日系人の日本への
多くの貢献を勘案すると、他の外国人材以上に尊重するのは当然であると考えます。
日本在留外国人は、昨年末で約413万人(対前年比9.5%増、約36万人増)と史
上最多となりました。ネパール、ミャンマー、スリランカは対前年20%以上の増加です
が、ブラジルは対前年比マイナス0.9%、ペルーも対前年マイナス0.5%だったこと
は、私にとって大きな驚きでした。
ブラジルやペルーに住む日系人の方にとって、円安や30年間の経済停滞もあり日本の
魅力が減っていることも一因と思われますが、日系四世への在留資格要件に配慮に欠ける
点が大きいとも思われます。
日系四世の在留資格は、2018年にできました。年間4千人の枠がありましたが、2022年
末日本に滞在していた四世は128名(ブラジル84名、比29名、ペルー10名、その他
5名)のみでした。
このような惨状を前に、関係団体からの要請を受け、日本政府は受け入れ要件を見直し
、23年12月末から運用開始しました。それから、二年経過した2025年12月末時点で276
名(ブラジル169名。ペルー40名、比39名、その他28名)でした。
このような結果を前にして、日系社会の一部からは、「日本は、日系社会を『日本の財
産』とか言うが、4世の扱いを見ていると、最早日系人を重視していないとしか思えない
との批判すらでています。
また、今年になって4世の新たな在留資格申請の審査は、まったく進んでいません。東
京や横浜入管庁の業務量過多が原因と思われます。
日本政府は日系社会の要望をよく踏まえ、日系4世を温かく迎える姿勢、例えば、家族
帯同が可能となる定住者資格への変更時期の短縮、年齢制限の柔軟化などを示すことが不
可欠だと思います。日伯議連の麻生会長、小渕副会長など政治家への働きかけも重要です
。
なお、日本・ブラジル間では今年12月からワーキング・ホリデイが開始されます。また
、「ビザなし渡航」が2029年まで延長されることとなりましたが、それらの人的交流へ
の効果を期待したいと思います。中南米でワーキング・ホリデイがあるのは、アルゼンチ
ン、チリ、ウルグアイ、ブラジルの4か国であり、ペルーやメキシコ、ボリビアへの適用
も検討すべきです。
(2) また、現在、高市政権は外国人政策の悪用を防ぎ、適正化を図るために、経営管
理や永住資格要件(収入、年金)の厳格化、在留資格更新料の値上げをはじめ様々な施策
を講じています。それはそれで重要ですが、日本政府は、日本にとっての日系人の重要性
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を再認識し、日本を第二の故郷と考え真面目に働いている日系人の不安への配慮が必要と
考えます。
(3)在留資格の変更・更新に関する手数料の一律引き上げに関し、日系人長期滞在者及
びその家族への配慮の必要性について、CLAUDIO AKIYAMAさんが日本政府に提出されたパ
ブリックコメントを読み上げます。AKIYAMAさんは、日本に30年以上居住されており、
とても説得力がある内容です。
「1990年の入管法改正により、日系人及びその家族は「定住者」の在留資格で来日し、
以来30年以上にわたり日本社会に貢献してきました。多くの家族が日本で子供を育て、教
育を受けさせ、地域社会の維持及び日本の人口減少対策にも寄与しています。
しかしながら、当時日本政府は来日した日系人に対し、日本語だけでなく、制度や生活
に関する十分な情報提供や案内を行いませんでした。その結果、多くの家族が制度への理
解が不十分なまま定住を進めることとなった経緯があります。
さらに、1990年の入管法改正当時、日系人労働者の多くは製造業の現場で「派遣社員」
という形態で受け入れられ、正社員への道が制度的に開かれていませんでした。その結果
、長年同じ現場で働き続けても、雇用形態の不安定さゆえに、在留資格の審査において不
利な扱いを受ける場合があります。この不安定さは労働者自身の選択によるものではなく
、当時の受入れ制度の設計に起因するものです。
加えて、多くの派遣請負会社は、派遣先企業の意向により、労働者に対して1か月また
は3か月ごとの契約更新を求める慣行があります。このような短期契約の繰り返しは、在
留資格審査における在留期間の決定に影響し、結果として労働者がより短い在留期間しか
得られず、手数料をより頻繁に支払う必要が生じる可能性があります。
長年にわたり日本社会に貢献してきた日系人の中には、過去の不安定な雇用形態や社会
保障制度へのアクセス不足により、老後の生活基盤が脆弱な方が少なくありません。今回
の手数料引き上げは、特に経済的に困窮している方々や高齢者にとって、在留資格の維持
を一層困難にし、日本での尊厳ある老後を脅かすものとなります。これは、彼らが日本で
築き上げてきた生活基盤を揺るがし、結果として日本社会から排除されることにも繋がり
かねないと認識しています。
さらに、16歳未満の未成年者については、手数料の免除を検討いただきたい。未成年者
は自らの意思で在留資格を選択したわけではなく、独立した収入もありません。日本で育
つ外国人の子供に成人と同額の手数料を一律に課すことは、人口減少対策と矛盾するとも
考えられます。
これらの経緯を踏まえると、今回の一律的な手数料引き上げは、長年日本に在留し、子
供を日本で育て教育してきた家族の努力、受入れ制度・雇用構造に起因する不利な立場を
十分に考慮していないと考えます。
つきましては、長期在留者(例えば在留期間が5年以上、または子供を日本で育て教育
してきた家族)について一般の申請者とは別の区分を設けて手数料の減額措置を講じるこ
と、並びに16歳未満の未成年者については手数料を免除することを、検討いただきたい
。」
以上がAKIYAMAさんの指摘です。すでにコメント提出期間は過ぎていますが、長期在留
者または子供を日本で育ててきた家族、16歳未満の未成年者について、手数料の減額対
象者になるよう、海外日系人大会としても、サポートが必要だと思います。
②二つ目は、永住許可の厳格化された条件(例:日本人全体の平均収入を上回る給与水準
、30年間厚生年金に加入していること等)についても、日系人への配慮を求めることが
必要です。
③3点目は、経営管理の厳格化です。ペーパーカンパニーを作って実体のない会社を作る
のを防ぐために、資本金を5百万円から3千万円に引き上げ、常勤職員1名の雇用と日本
語能力(N2)が条件とされました。真面目に個人レストラン経営(ブラジル料理店、ベト
ナム料理店など)を行っている外国人材から不安の声を聞きます。
2028年10月までは経過措置期間で、この間の更新は新基準未達でも、経営状況な
どを総合的には判断されるようですが、日系人も含め真面目に経営に取り組んでいる外国
人材には柔軟な対応が必要です。
(最後に)
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以上で私の話は終わりますが、世界の日系社会及び日系人に対する、日本社会の関心と理
解を広げるために皆様と共に引き続き歩んでいきたいと考えます。ご清聴、ありがとうご
ざいました。



