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2026年6月 ブラジル関連情報

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2026年6月ブラジル関連情報

 

1.米伯関係

(1)ルビオ米国務長官は28日、「米国政府は、伯の犯罪組織PCC(首都第1コマンド)とComando Vermelhoをテロ組織に指定する」と発表した。これは、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)の働きかけによるものとされており、フラヴィオは発表後、「(本日は)大いなる日である」と歓迎した。訪露中のアモリン大統領補佐官は、「(テロ組織の指定は)伯に対する介入の口実に使われるかもしれない」と批判した。ボウロス大統領府官房長官は、「ボルソナーロ一家と緊密な関係にある民兵組織(ミリシア)はテロ組織に指定しないのか?」と皮肉った。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、今回の米国政府の決定を利用して、治安対策を大統領選における最大の争点と位置付けることで、有権者の注意をマスター銀行のスキャンダルから逸らそうとしている。ルビオ国務長官の発表後、フラヴィオは、今回の決定がフラヴィオの働きかけによるものであることを強調し、ルーラ大統領を激しく非難する動画を投稿した。これに対し、ボルソナーロ派は、「フラヴィオがスーパーゴールを決めた!」と歓喜に沸いた。大統領候補のカイアド(PSD)とゼマ(Novo)も「ルーラは、犯罪組織を庇っている」と批判した。(29日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)ルーラ政権は29日、「治安対策は国民生活にとって重要であり、裏切り者共によって政治利用されるべきではない。組織犯罪と関係のある偽の愛国者達は、外国当局に対して伯の国内問題への介入を求めている。ボルソナーロ一家が追加関税の時と同様に伯に対する介入を米国に求めたことは非難すべきことである。単独的な介入は、犯罪対策を弱体化させ、犯罪とは無関係な人達を生命の危険にさらす可能性がある。また、Pix等、我が国の金融システムに悪影響を与える可能性がある」との声明を発表し、ボルソナーロ派を批判した。また、ルーラ大統領は、「(フラヴィオは)恥知らずにも祖国を裏切り、米国による伯への介入を求めた。彼らが民兵組織(ミリシア)に関しても介入を求めていたならば、米国において拘束されていたであろう」と批判した。尚、米国務省の報道官は、「PCCとComando Vermelhoは、米国の12の州において麻薬密売、人身売買等の非合法活動を行っている。但し、米国がこれらの組織をテロ組織に指定しても、伯に軍事介入するわけではない」と表明した。(5月30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(4)通商法第301条に基づき、伯の不公正貿易慣行について調査を行っていたUSTRは1日、「電子決済サービス『Pix』等、伯の慣行は妥当ではなく、米国の通商を阻害乃至制限している」として、伯に25%の懲罰的関税をかけることを提案した。これに対し、伯政府は、米国との交渉を継続する一方で、「伯に新たな関税をかけさせたのはフラヴィオとエドゥアルドのボルソナーロ兄弟である。彼らは祖国の裏切り者である」と批判している。尚、フラヴィオは、「先日のトランプ大統領との面会では、PCCとComando Vermelhoをテロ組織に指定してくれとは頼んだが、伯企業に関税をかけてくれと頼んだ覚えはない」と否定している。(6月2日付ヴァロール・エコノミコ電子版及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(5)ホワイトハウスは1日、ダニエル・ぺレス・フロリダ州議会下院議長(共和党)を次期駐伯米国大使に指名した。この指名については今後、米上院の承認を取り付ける必要があるが、特に問題なく承認される見込み。ペレスは、38歳で、キューバ移民の息子であり、ルビオ米国務長官に非常に近いとされている。熱烈なMAGA派で、本年1月のベネズエラに対する軍事作戦を称賛したことでも知られる。トランプ政権の2期目開始から、駐伯米国大使のポストは空席の状態が続いていた。(6月2日付コレイオ・ブラジリエンセ)

2.ルーラ政権

(1)ルーラ大統領は29日、「PCCやComando Vermelhoのような犯罪組織は、伯社会にとってテロ組織も同然である。彼らはテロリストであり、我々は、自分達の力で組織を壊滅に追いやる」と発言した。ルーラは、これまで伯の犯罪組織をテロ組織に指定することには反対してきたが、ボルソナーロ派の「ルーラは犯罪組織を擁護している」との批判を封じ込めるために発言を翻したと見られている。(5月30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)ルーラ大統領は29日、メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官を再度STF判事に指名すると発表した。メシアスのSTF判事指名は一度、上院から否決されているが、ルーラは、「政治的な理由によって否決されたのであり、メシアスにSTF判事としての資質が欠けているというわけではない」と強調した。(5月30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)人権・市民権省の「政治的死亡者・行方不明者特別委員会」は29日、「クビシェッキ元大統領は、1976年8月に当時の軍事政権により、交通事故に見せかけて暗殺された」との報告書を採択した。(5月30日及び31日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

3.連邦議会

(1)下院では、週休1日制(6X1制)廃止に関する憲法改正案が可決されたが、28日、上院では、野党が提出した代替案の審議が開始された。これは、労働時間については、労使間で直接交渉して柔軟的に決め、賃金は、実働時間に応じて支払うというもので、下院で可決された憲法改正案(賃金はそのままで、労働時間を週44時間から段階的に40時間に削減する)とは相反する内容となっている。フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)は、上院の改正案を強く主張している。(5月29日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)28日、下院において、宗教法人の非課税範囲拡大に関する憲法改正案(教会のPEC)が賛成368、反対96により可決され、上院に上程された。これは、宗教法人の運営する保育所、福祉活動、ヒーリング、修道院等も非課税の対象に含めるというものである。成立すれば、これらの活動に使用される物品は全て非課税となる。(5月29日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

4.マスター銀行の不正疑惑

(1)連邦警察がダニエル・ヴォルカロ元頭取の携帯電話から入手したデータによると、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)が在任中の2023年5月にニューヨークの高級ステーキ店(Nust-Et Steakhouse New York)でヴォルカロの接待を受けていたことが判明。会食では、金箔を巻いたステーキ、高級ワイン(Vega-Sicilia Único 2013)、シャンパン(ドン・ペリニョン)等が振舞われた。カストロがヴォルカロに「友よ、信じられないような経験だった。君は最高だ」とお礼のメッセージを送信していたことと、ヴォルカロが支払った代金が1.33万米ドルであったことも確認されている。また、カストロは、ヴォルカロがカーネギー・クラブで主催した高級ウィスキーの試飲会(開催費用:100万米ドル)にも出席していた。その後、2023年11月から12月にかけて、リオデジャネイロ州政府職員年金基金(Rioprevidência)がマスター銀行から合計3.2億レアルの金融商品を購入している。カストロは28日、ヴァルデマル・コスタ・ネット・PL党首に対し、「弁護活動に専念したい」として、上院議員選出馬は断念すると伝えた。カストロは、既に選挙違反により、選挙高等裁判所(TSE)から被選挙権を停止されており、また、マスター銀行とリオデジャネイロ州政府の癒着に関する強制捜査の対象となっている。尚、PLは、カストロの代わりにソーステネス・カヴァルカンテ・PL下院院内総務を上院議員候補として擁立することを検討している。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ及びオ・エスタード・デ・サンパウロ)

(2)連邦警察は28日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取と司法取引に関する交渉を再開するとして、メンドンサ・STF判事に対し、ヴォルカロとの交渉に期限を設けるよう、求めた。連邦警察は、ヴォルカロが提示した情報提供の内容では不十分であるとして、一旦、交渉を打ち切ったが、弁護団は、検察との交渉を進めていた。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)連邦政府と連邦直轄区(DF)政府は28日、マスター銀行から多額の不良債権を購入し、経営危機に陥ったブラジリア銀行(BRB)の救済について合意した。これにより、BRBは、信用保証基金(FGC)から60億~65億レアルの貸付を受けることになった(返済期間15年。据え置き2年)。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)サンパウロ州文民警察は1日、NGOの「Instituto Conhecer Brasil(ICB)」に対する強制捜査を実施し、映画「Dark Horse」の制作会社「Go Up Entertainment社」の家宅捜索も行った。ICBは、2024年にサンパウロ市役所から公共Wi-Fiサービスの提供を1.08億レアル(後に1.571億レアルに増額)で請け負ったが、サンパウロ市内の5千カ所に設置される予定であったアクセスポイントは、3200カ所しか設置されていない。また、経費の架空請求が行われていた形跡もある。ICBのカリナ・ガマ代表は、「Go Up Entertainment社」の社長であり、ボルソナーロ派のヌネス・サンパウロ市長(MDB)やマリオ・フリアス下院議員(PL-SP。ボルソナーロ政権は文化庁長官を務めた)とは親しい関係にある。フリアスがその議員割当金(emenda parlamentar)から200万レアルをICBに提供していたことも確認されている。本件に関しては、公共Wi-Fiサービスの予算の一部が「Dark Horse」の制作に流用された疑いがあるが、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、「本件は映画の制作とは全く関係ない。警察が選挙に利用されているとは考えたくもない」と全面的に否定している。ヌネス・サンパウロ市長は、「捜査が映画の制作に関連付けて行われているとすれば、政治的な迫害である」と批判した。(6月2日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

5.2026年選挙

(1)ダタフォーリャ社が今月25日から27日にかけて実施した、ペルナンブコ州知事選等に関する世論調査の結果は以下の通り:

・第1回投票:ラケル・リラ現州知事(PSD)48%、ジョアン・カンポス前レシフェ市長(PSB)43%、イヴァン・モラエス(PSol)2%、白票/無効票4%、分からない2%。

・決選投票:ラケル・リラ現州知事(PSD)51%、ジョアン・カンポス前レシフェ市長(PSB)44%、白票/無効票4%、分からない1%。

上院議員選に関しては、マリーリア・アハエス下院議員(PDT)39%、ウンベルト・コスタ上院議員(PT)32%、エドゥアルド・ダ・フォンテ下院議員(PP)22%、ミゲル・コエーリョ(ユニオン・ブラジル)19%が上位を占めている。(29日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)ロドリゴ・パシェコ上院議員(PSD-MG。前上院議長)は29日、ミナスジェライス州知事選には出馬せず、明年1月の任期満了と共に政界を引退すると発表した。また。パシェコは、STF判事に指名される可能性を否定。ルーラ大統領は、パシェコのミナスジェライス州知事選出馬を望んでいたが、パシェコが断念したことにより、PTは、ジョズエー・アレンカール元サンパウロ州工業連盟(Fiesp)会長を知事候補として擁立する可能性がある。(5月30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)伯の大統領選ではこれまで「外交政策は票に繋がらない」とされ、外交が争点になることはなかったが、米国が伯の犯罪組織をテロ組織に指定した件が大きな関心を集めていることから、対米関係、ガザ地区等の紛争、ベネズエラ情勢が選挙の争点になる可能性がある。ルーラ政権は早速、「ボルソナーロ一家は、伯を米国に明け渡そうとしている」との批判を展開している。これに対し、ボルソナーロ派は、「国民をテロ組織から守るために友好国の協力を仰いだだけである」と反論している。尚、PSolとRedeは、連邦検察庁に対し、フラヴィオを国家主権に反する罪の容疑で捜査するよう、求めた。(5月31日付フォーリャ・デ・サンパウロ及びコレイオ・ブラジリエンセ)

(4)カサビ・PSD党首は30日、同党首がカイアド前ゴイアス州知事(PSD)の副大統領候補となる可能性について言及した。これは、カイアドとゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)の共闘を阻止するためとされている。カサビは、フラヴィオやゼマと右派の票を奪い合うのではなく、中道派の政治家をカイアドの副大統領候補に指名することで、中道派を取り込むべきであると考えている。カイアドは1日、「自分がゼマの副大統領候補になる可能性についてゼマと話し合ったとの事実はない。また、カサビ党首が自分の副大統領候補となる件については、他の候補についても検討を重ねた上で、来月中に決めることとしたい。副大統領候補として有望なのは、シルヴィア・アブラヴァネル(PSD)である。彼女は、シルヴィオ・サントス(テレビ司会者、SBTテレビ局の創設者、故人)の娘で、知名度は抜群であり、テレビ慣れしている」と述べた。尚、シルヴィア・アブラヴァネルは、今のところ、下院議員に立候補する予定。(5月31日付コレイオ・ブラジリエンセ及び6月1日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

1.米伯関係

(1)ルビオ米国務長官は3日、米上院外交委員会に於いて、「米国は、中南米諸国と友好関係にあるが、ニカラグア、キューバ、ベネズエラ、伯及びコロンビアは例外である。一般的に、中南米地域は、米国の味方が多く、我が国の利益に適う方向にある」と表明した。また、米通商代表部(USTR)は、「伯は、電子決済システム『Pix』を優先させ、何の相殺措置も取ることなく、米国のサービス業のコストを引き上げることで、我国の通商を制限している」との報告書を発表し、来月15日から伯の輸出品に対して25%の追加関税をかけることを主張した。これに対し、ルーラ大統領は、「トランプよ、君は、私とケミカルが合ったと言ったではないか。我々は、先日の首脳会談において、担当閣僚が関税について話し合い、30日後に新たな会合を開くことで一致した。その間、何が起きたのか、君が説明してくれるのを待っている」と述べた。また、ルーラは、「Pixは伯のものである」とのプラカードを掲げ、「Pixは伯の財産であり、これに対する一方的な攻撃は認められない。Pixは、瞬時に無料で決済を行う、公共インフラであり、国民から広く受け入れられている。Pixに関するルールは、均一且つ中立的なものであり、米国企業も積極的に利用している」と述べた。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)トランプ米大統領は2日、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)と面会した時の写真(フラヴィオ、エドゥアルド、パウロ・フィゲイレドの3名が執務机を挟んでトランプと向き合っている場面)を「フラヴィオ・ボルソナーロをオーヴァル・オフィスに迎え入れたのは非常に良かった。彼は、国を愛するスマートな青年である」とのコメントと共にSNSに投稿した。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)米通商代表部は3日、強制労働を理由に、伯等、59ヶ国を対象に12.5%の追加関税をかけることを提案。ルーラ大統領は3日、関係閣僚との会議において、「今月15日から17日にかけて仏エヴィアンで開催されるG7サミットと並行して、トランプ米大統領に個別会談を申し込み、伯に対する追加関税(25%+12.5%)について協議する」と表明した。また、ルーラは、「米国がトラブルを望むのであれば、我々は泣き寝入りするのではなく、他の(貿易)相手国を探すだけである。我々は、伯から買いたいと言う人に売るのである」と批判した。尚、伯政府は、「伯は、以前から強制労働の撲滅に向けて積極的に取り組み、成果を上げているところ、今回の措置(強制労働を理由に12.5%の追加関税をかける)に対して遺憾の意を表する。伯は、貿易上の不当行為に対抗するため、相互主義法を適用する可能性がある」との声明を発表した。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)ペドロ・ウクザイ(PT—SC)、ジャンディラ・フェガーリ(PCdoB-RJ)、アンドレー・ジャノネス(Rede-MG)及びペドロ・カンポス(PSB-PE)からなる与党下院議員団が訪米し、米民主党の議員団に対し、伯の犯罪組織PCC及びComando Vermelhoのテロ組織指定の撤回を求めることにしている。共和党議員及びホワイトハウス関係者との会合は予定されていない。尚、PCCとComando Vermelho のテロ組織指定は今月5日から有効となる。同議員団は4日、民主党のジム・マックガヴァン下院議員と面会し、ダニエル・ヴォルカロ元頭取が映画「Dark Horse」の制作費として米国に送金した資金が米国内において資金洗浄された後、エドゥアルド・ボルソナーロによって使用されている可能性に関して調査を依頼した。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ及び5日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(5)ヴィエイラ外相は4日、OECD閣僚会合に出席し、グリア米通商代表と立ち話をした際、追加関税の件について交渉を継続することで一致した。その際、ヴィエイラは、「伯は、301条の調査に関して必要な情報は全て米国に提供した。(USTRの)追加関税に関する主張は不当である」と批判した。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(6)エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員(PL)が4日、「米国では、Pixに似たZelleという、電子決済サービスが使われている。伯がZelleの導入を条件に米国と交渉すれば、追加関税が取り下げられる可能性がある」と述べた動画をXに投稿したところ、「米国の下僕」、「売国奴」等のコメントが殺到し、大炎上した。与党議員は早速、「Tariflávio(関税のTarifaとFlávioを掛け合わせた造語)」、「Pixは我々のものである」、「ボルソナーロ一家は、伯の敵」といった投稿を大量に投下した。(4日付ヴァロール・エコノミコ電子版)

2.2026年選挙

(1)ルーラ大統領は2日、ゴイアス州を訪問した際、USTRが伯の電子決済システム「Pix」を批判し、伯に対する25%の追加関税を主張している件に関し、「ボルソナーロ(前大統領)の息子達は売国奴であり、父親よりも質が悪い。彼らは祖国の裏切り者である。チラデンテス(伯独立運動の英雄)は、それよりはるかに軽い理由で絞首刑となった。(フラヴィオ・ボルソナーロは)トランプにルーラを叩くよう懇願し、Pixに介入するよう、求めたが、そうはさせない。(米国が)伯を叩けば、苦しむのは伯国民である。フラヴィオはそんなことも分からない愚か者である」と述べた。これに対し、フラヴィオは、「ルビオ米国務長官に書簡を送り、伯に対して追加関税をかけないよう、求めた」と述べた。フラヴィオが公開した書簡には、「大半の伯国民は、PCCとComando Vermelhoがテロ組織に指定されたことを歓迎している。大統領選では自分が勝利することを確信している。その暁には、両国の利益に適う通商・投資協定の締結に向けて交渉を行う」と書かれていた。また、フラヴィオは、ルーラがフラヴィオを「祖国の裏切り者」と批判し、チラデンテスの処刑を引き合いに出したことを問題視し、連邦最高裁判所(STF)に対してルーラを刑事告発した。尚、SNS上では、「新たな追加関税を招いたのはフラヴィオである。フラヴィオは、Tariflávio(関税のTarifaとFlávioを掛け合わせた造語)である」との投稿が話題を呼んでおり、フラヴィオ陣営は「フラヴィオがトランプに追加関税を求めたとの事実はない」と火消しに躍起となっている。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)カイアド前ゴイアス州知事(PSD)は2日、USTRが伯に対する25%の追加関税を主張している件に関し、「ルーラ政権のイデオロギー外交が原因である。彼らは、常に米国と決裂するために動いてきた」と批判した。ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)も「ルーラ政権の外交に関する無能が原因である。彼らは西側諸国から距離を置き、キューバやイラン等の独裁政権に接近している。伯は、西側のキリスト教国であり、西側諸国に再び接近する必要がある。我々のルーツは欧州にある」と批判した。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は3日、SNS上で「Tariflávio」が話題になり、「米国の伯に対する追加関税は、フラヴィオのせいである」との批判が溢れている件に関し、「Pixは、伯とボルソナーロのものである!!!」と書かれたプラカードを掲げ、「伯企業に対する(米国の)追加関税は、ルーラが原因である。ルーラの態度や無能さのせいで、伯米関係が悪化したことが原因である。自分は、米国に対し、伯には追加関税をかけないでくれと懇願してきた。ルーラは、対米関係の悪化を選挙に利用しようとしている」と述べた。また、フラヴィオは、「追加関税がルーラのせいであることを説明すれば、有権者はきっと分かってくれる」として、本件がフラヴィオの支持率に影響を及ぼすことはないとの見方を示した。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)Palver社の調査によると、米国の新たな追加関税に関してWhatsAppとテレグラムに投稿された意見の内、「(追加関税は)フラヴィオ・ボルソナーロの責任である」とする意見が全体の81.1%を占めたのに対し、「フラヴィオの責任ではない」は18.9%に過ぎなかった。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(5)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は3日、「前日、ミナスジェライス州においてゼマ前ミナスジェライス州(Novo)及びカイアド前ゴイアス州知事(PSD)と会い、右派の結束を呼び掛けた。大統領選の決選投票では、我々3名が力を合わせることを期待している」と述べた。また、フラヴィオは、ダニエル・ヴォルカロ元頭取に映画「Dark Horse」の制作費を要求していた件に関してゼマがフラヴィオを痛烈に批判したことについては「既に終わったことである。ゼマには、(過去は忘れて)未来を見つめようと述べた」と発言。(4日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)

(6)3日、アエシオ・ネーヴェス下院議員(PSDB党首)とジョアキン・バルボーザ元連邦最高裁判所(STF)長官(DC)がリオデジャネイロ市内の本屋で会談し、大統領選について意見交換を行った。特に、両者が共闘することにより、ルーラとフラヴィオ・ボルソナーロによる二極化を打破する可能性について話し合われた。(4日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)

(7)選挙高等裁判所(TSE)では、映画「Dark Horse」の制作及び公開が選挙違反に該当するとのPTのロジェリオ・コヘイア下院議員とアルリンド・キナリア下院議員を原告とする二つの訴訟が提起されており、また、野党PLが「AtlasIntel社の世論調査(フラヴィオ・ボルソナーロがダニエル・ヴォルカロ元頭取に映画の制作費を要求していたとの音声記録が公表された直後に実施)はフラヴィオの支持率低下を目的に実施された」との訴訟を提起しているところ、マルケス・ヌネス・TSE長官がこれらの訴訟の報告官を務めることになった。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(8)選挙高等裁判所(TSE)は3日、選挙運動助成特別基金(FEFC。約10億レアル)の各党に対する配分について発表した。それによると、主要政党の選挙運動助成金は以下の通り:PL 8.817億レアル(全体の17.77%)、PT 6.154億レアル(12.4%)、ユニオン・ブラジル 5.252億レアル(10.61%)、PSD 4.21億レアル(8.48%)、PP 4.171億レアル(8.41%)、MDB 4億レアル(8.06%)、Republicanos 3.486億レアル(7.03%)、Podemos 2.46億レアル(4.96%)、PDT 1.693億レアル(3.41%)、PSB 1.523億レアル(3.07%)。PL、PT及びユニオン・ブラジルの3党だけで、全体の約4割を占めている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(9)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は4日、サンパウロ市内で開催された福音派のイベント「イエスのための行進(Marcha para Jesus)」にボルソナーロ派のフレイタス・サンパウロ州知事やヌネス・サンパウロ市長とともに参加した。そのため、イベントは、右派の政治集会と化した。フラヴィオは、イスラエルの国旗を掲げて登壇した際、「我々の伯のために祈ろう。これは霊的な戦争である。主イエスの名において、(本年の選挙により)この国の政府から悪が排除されるであろう。アーメン」と述べ、喝采を浴びた。また、フラヴィオは、ゴスペル等のショーが行われた会場において、「ボルソナーロと伯のために祈りなさい。この国は再びイスラエルの国家となる。全ての上に伯、あらゆるものの上に神」と述べた後、跪いて祈りを捧げた。フラヴィオが壇上から降りると、自撮りをしようとする信者が殺到し、もみくちゃにされ、人気のほどを窺わせた。(5日付ヴァロール・エコノミコ電子版及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

3.マスター銀行の不正疑惑

(1)ロドリゴ・ローレンベルギ下院議員(PSB-DF)は2日、「ブラジリア銀行にマスター銀行を買収させようとしていたのは、イバネイス・ロシャ前連邦直轄区知事(MDB)である。マスター銀行から架空の証券を120億レアルも買わせていたのもイバネイス・ロシャである。コスタ前ブラジリア銀行総裁は、司法取引に応じて洗いざらい供述すべきである」と述べた。また、ドゥリガン財務相も「ブラジリア銀行が経営危機に陥っているのは、(イバネイス・ロシャの)犯罪が原因である。ロシャは恐らく逮捕されるであろう」と述べた。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ロドリゲス連邦警察長官は2日、「ダニエル・ヴォルカロ元頭取が映画『Dark Horse』の制作費として提供し、米国に送金された6100万レアルは、映画の制作ではなく、エドゥアルド・ボルソナーロの活動費に使われている可能性がある。資金の流れを突き止めるため、新たな捜査を開始する必要がある」と述べた。尚、6100万レアルは、伯映画の制作費としては破格とされている。例えば、本年のアカデミー賞にノミネートされた「シークレット・エージェント」の制作費は2800万レアルであった。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)サンパウロ州文民警察が映画「Dark Horse」の制作会社「GO UP Entertainment」に対して強制捜査を行った件に関し、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)とボルソナーロ派のヌネス・サンパウロ市長(MDB)は「政治的迫害である」と批判しているが、同じくボルソナーロ派のフレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)は、「警察には独自の捜査権があり、州警察は、検察の意向に基づいて捜査を行っただけである」と反論した。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(4)ダニエル・ヴォルカロ元頭取の弁護団は3日、司法取引に関する新たな提案書を連邦警察に提出した。それによると、ヴォルカロは、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)やシロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)等の政治家との関係の他、フラヴィオに映画「Dark Horse」の制作費を提供した経緯についても供述に応じることになっている。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

4.連邦議会

2日、上院において、性被害に遭い、妊娠した14歳以下の未成年者が合法的に人工妊娠中絶を受けられることに関する国家児童・青少年権利審議会の規則を無効にするとの法案が報告官のダマレス・アルヴェス上院議員(Republicanos-DF)等の後押しにより可決された。これにより、性被害に遭った未成年者が中絶手術を受けられるのは困難になるため、この法案は、市民団体から「自同性愛法案(PL da Pedofilia)」と批判されている。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

5.司法

選挙高等裁判所(TSE)は2日、カストロ前リオデジャネイロ州知事(PL)の控訴を棄却し、カストロの被選挙権停止は維持すると決定した。カストロは、2022年のリオデジャネイロ州知事選における選挙違反を理由に、TSEから8年間の被選挙権停止を言い渡されていた。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

1.マスター銀行の不正疑惑

(1)連邦警察は18日、「コンプライアンス・ゼロ作戦」の第9フェーズを発動し、ジャッケス・ヴァギネル政府上院院内総務(PT)とダニエル・ヴォルカロ元頭取の右腕とされるアウグスト・リマ(マスター銀行の元共同経営者。プレノ銀行頭取)に対する強制捜査を実施。ヴァギネルの議員宿舎から現金4.9万米ドル、バイア州の自宅からは6千米ドルの合計5.5万米ドルが押収された。ヴァギネルは、アウグスト・リマを通じて、マスター銀行から240万レアル相当のマンション、プライベートジェット機による移動、演劇のチケット、親族の経営する企業に対する支払い(350万レアル)等を受け取っていたとされる。ヴァギネルは、その見返りにマスター銀行を有利にする法案について便宜を図っていた模様。PTでは、ルーラ大統領の盟友で、党の重鎮であるヴァギネルが捜査対象となったことに動揺が広がっている。ヴァギネルは、マスター銀行から金品を受け取ったことはないと否定しているが、アウグスト・リマに対してマンション購入の仲介を頼んだことは認めた。ギマランエス政治調整庁長官(PT)は、「政府与党が組織的にマスター銀行のために便宜を図っていたとの事実はない」と表明。フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、「これで、バイア州のPTは崩壊した。捜査が与党の大物政治家に及んだことに勇気付けられている。我々が以前から言っていたように、バイア州のPTこそが(マスター銀行に関する)問題の中核であったということである」と述べた。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)連邦警察は、モッタ下院議長が2024年にダニエル・ヴォルカロ元頭取に対し、義妹の経営する会社に2200万レアルを融資するよう、求めていた件について捜査を進めている。他にも連邦警察は、2024年6月にモッタとシロ・ノゲイラ上院議員(PP党首)がリスボンの高級ホテルに滞在した際の費用をヴォルカロが支払っていたことを突き止めている。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)ルーラ大統領は、ジャッケス・ヴァギネル政府上院院内総務(PT)の捜査についてはコメントせず、ヴァギネルを院内総務から更迭するつもりはないのではないかと見られているが、PT内では、ヴァギネルの進退を巡って党が二つに割れている。尚、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、「自分の支持率が映画『Dark Horse』の件で低下したというのなら、ルーラの友人の汚職が証明された今、失った票は自分に帰ってくるであろう」と述べた。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)連邦警察がダニエル・ヴォルカロ元頭取の携帯電話から入手した、ヴォルカロがジャッケス・ヴァギネル政府上院院内総務(PT)とやり取りしたメッセージによると、ヴォルカロがヴァギネルを通じてルーラにメッセージを送っていた可能性があることが判明。但し、ヴァギネルは、これを否定している。(20日付オ・エスタード・デ・サンパウロ)

(5)ジャッケス・ヴァギネル政府上院院内総務(PT)の弁護団は22日、メンドンサ・STF判事に対し、今月18日の「コンプライアンス・ゼロ作戦」の強制捜査を取り消すよう、求めた。この強制捜査を許可したのはメンドンサ判事であり、捜査が取り消されれば、押収された証拠は無効となる。弁護団は、「ヴァギネルがマスター銀行のために便宜を図ったことはなく、ヴァギネルに対する捜査は根拠に欠けている。ヴァギネルは、信用保証基金(FGC)の補償額の引き上げに関する修正案(所謂「マスター修正案」には反対しており、マスター銀行の利益に反することをしてきた」と主張している。尚、PT党内では、「ヴァギネルは、政府上院院内総務を辞めるべきであり、少なくとも休職すべき」との声が高まっているが、本人は「ルーラ大統領から求められない限り、院内総務を止めるつもりはない」と抵抗している。ヴァギネルは、自身の進退について近日中にルーラと話し合うと見られている。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

2.世論調査

ダタフォーリャ社が今月17日から18日にかけて2004人を対象に実施した世論調査の結果は以下の通り。

・ルーラ政権の支持率:支持48%(5月比3ポイント増)、不支持49%(2ポイント減)。

・ルーラ政権に対する評価:「悪い/非常に悪い」38%(1ポイント減)、「非常に良い/良い」32%(2ポイント増)、「普通」29%(±0)。

・大統領選(ジャッケス・ヴァギネル政府上院院内総務(PT)に対する捜査の影響は反映されていない)

・第1回投票:

ルーラ(PT)41%(5月20日比1ポイント増)、フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL)31%(±0)、カイアド・ゴイアス州知事(PSD)3%(1ポイント減)、レナン・サントス(Missão)3%(±0)、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)2%(1ポイント減)、サマラ・マルチンス(UP)2%(1ポイント減)、アウグスト・クリー(Avante)2%(±0)、アエシオ・ネーヴェス下院議員(PSDB)2%(今回初)、ルイ・コスタ・ピメンタ(PCO)1%(±0)、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%(±0)、白票/無効票7%(2ポイント減)、分からない4%(1ポイント増)。

・決選投票:ルーラ(PT)47%(±0)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)43%(±0)。ルーラ(PT)47%(1ポイント減)対カイアド(PSD)41%(2ポイント増)。ルーラ(PT)48%(±0)対ゼマ(Novo)39%(±0)。

・トランプ米大統領が特定の伯大統領候補を支持する場合、その候補に投票する気になるか:「関係ない」65%、「投票する気になる」17%、「投票する気にならない」15%、「分からない」3%。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

3.ルーラ政権

(1)ルーラ大統領は19日、無許可の違法オンラインカジノ配信業者の銀行口座を凍結するとの大統領令に署名した。財務省によると、伯では違法オンラインカジノのサイト及びアプリが約5万も存在し、2510万人が利用している。違法オンラインカジノによる経済的損失は年388億米ドルに上ると推計されており、今回の措置は、違法オンラインカジノ配信業者の資金源を断つことが目的とされている。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)連邦政府は、タクシー及びライドシェアの運転手が新車を購入するための融資制度「Move Brasil」を開始した。国家経済社会開発銀行(BNDES)は、同制度に300億レアルを投入する。これにより、運転手は、最高15万レアルの自動車を月0.99%(女性は0.91%)の低金利で購入することができる。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)

4.2026年選挙

(1)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は18日、「恐れのないブラジル」と題する治安政策を発表した。主な内容は、①PCCやComando Vermelho等の犯罪組織をテロ組織に指定する、②刑事責任年齢を現在の18歳から14歳に引き下げる、③国境警備に軍のエリート部隊を投入、④エルサルバドルのような巨大刑務所を全国5カ所に建設する、⑤性犯罪者の化学的去勢を導入、⑥国家顔認証システムの導入、⑦治安対策に対する投資の増額。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は19日、大統領に当選した場合、新たな年金改革は行わず、また、最低賃金の改定率をインフレ以上に設定し、実質的な賃上げを図ると表明した。フラヴィオの選挙対策のコーディネーターを務めるロジェリオ・マリーニョ上院議員(PL-RN)は、新たな年金改革を主張し、実質的な賃上げには否定的な意見を述べていたが、フラヴィオはそれを否定した形となった。尚、ボルソナーロ政権では、最低賃金の実質的な賃上げが行われたのは、選挙が行われた2022年だけであったが、フラヴィオは、これについて「パンデミックが原因であった」と説明している。(20日付てフォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)PLは20日、サンパウロ州ではRepublicanos、PP及びMDBと保守連合を組み、フレイタス州知事(Republicanos)の再選を支持する他、上院議員候補にはアンドレ・ド・プラド・サンパウロ州議会議長(PL)とギリェルメ・デヒーテ下院議員(PP)を擁立することを決定した。エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員(PL-SP)は、プラドの第1補欠議員候補となる予定であったが、強要罪により、STFから有罪を言い渡されたことから、出馬が危ぶまれている。(21日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)キン・カタギリ下院議員(Missão)は20日、「サンパウロ州知事選出馬は断念し、下院議員への再選を目指すことにした。レナン・サントス(Missão)が大統領に当選すれば、スーパーミニスターとなって、国家機構の改革を担当するであろう」と述べた。21日、パウロ・セーハ元サント・アンドレ市長(PSDB)がサンパウロ州知事選出馬を断念した。これにより、同州知事選は、現職のフレイタス知事とアダッジ前財務相(PT)の一騎打ちとなりつつある。尚、PTとPSBは、マルシオ・フランサ元サンパウロ州知事(PSB)をサンパウロ州知事候補に擁立することで、カタギリとセーハの票がフレイタスに流れることを防ぎ、アダッジとの決選投票にもつれ込ませることを検討中。(21日及び22日付フォーリャ・デ・サンパウロ、23日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)中国政府は、伯大統領選を注視しており、米国、というよりトランプ大統領に追随しているフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が当選し、伯が二国間貿易の脱ドル化から後退するリスクについて分析を行っている。中国政府及び中国企業の関係者は、フラヴィオが当選しても、両国の貿易と投資に直接影響を与えることはないものの、ボルソナーロ政権の時のように二国間関係がぎくしゃくし、ルーラ政権で始まった自国通貨による取引が後退する可能性があると警戒している。(21日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(6)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)及びゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)は22日、コロンビア大統領選で右派のデラ・エスプリ―ジャ候補が当選したことを祝福した。ペルーのケイコ・フジモリ候補の勝利が確定すれば、南米の7ヶ国が右派政権となり、仮にルーラが再選できたとしても、近隣諸国のほぼ全てが右派政権という現実に直面しなければならなくなる。コロンビア大統領選では、トランプ米大統領がデラ・エスプリ―ジャを支持したことが大きく影響したとされており、PTは、トランプが伯大統領選に影響力を行使することを警戒している。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(7)全国工業連盟(CNI)は、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)、カイアド(PSD)及びゼマ(Novo)の大統領候補3名を招いて産業政策に関する討論会を開いた。フラヴィオは、民営化(但し、赤字経営の国営企業に限る)、国有地の有効活用、赤道沿岸の海底油田開発、高金利政策の見直しを主張した。カイアドは、治安の悪化が経済に与える影響について触れ、「PT政権のままでは、伯はメキシコ化してしまう」として、麻薬組織の撲滅を主張し、また、「ブラジル・コスト」を削減するための改革を訴えた。ゼマは、福祉政策の大幅な見直しによる雇用水準の底上げと、「放漫財政に対するショック療法」、年金や公務員等の構造改革の断行を主張した。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)

5.司法

(1)米国務省は18日、エドゥアルド・ボルソナーロ前下院議員(PL)が強要罪により有罪になった件に関し、「これは、伯の裁判所による迫害と司法の政治利用(lawfare)の典型的な一例である」と連邦最高裁判所(STF)を批判した。STF第1小法廷は16日、エドゥアルドがクーデター未遂の裁判を阻止するために米国に対してSTF判事に対するマグニツキー法の適用を求めた件に関し、エドゥアルドを禁固4年2ヶ月及び15万レアルの罰金刑に処した。一方、RumbleとTrump Mediaの両社は、モラエス・STF判事を相手取った訴訟に関し、モラエスが期限内に答弁書を提出しなかったことから、欠席裁判を行うよう、フロリダの裁判所に求めた。両社は、モラエスがRumbleのサービス停止を命じる等して、表現の自由を著しく侵害していると訴えている。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)モラエス・STF判事は19日、ボルソナーロ前大統領の警護官がボルソナーロの所有するピストル(グロック)を所持していたところを警察に見つかり、押収された件に関し、警察がボルソナーロから事情聴取することを許可した。事情聴取は今月23日に行われる予定。ボルソナーロ側は、「ピストルが壊れたので、警護官に修理を依頼した」と弁明しているが、仮にピストルに不具合が認められなかった場合、何のためにピストルが警護官に託されたのかが問題となる。尚、ボルソナーロの自宅軟禁の期限(90日間)は今月25日に切れることになっており、ピストルの件が自宅軟禁の延長に影響する可能性が出てきている。(20日及び23日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)21日、ロライマ州において、エジルソン・ダミアン州知事(ユニオン・ブラジル)の知事資格剥奪に伴う知事補選が実施され、アルトゥール・エンリケ前ボア・ヴィスタ市長(PL)が得票率60.87%(16万票)で当選を果たしたが、今回の補選に関する規則について係争中となっているため、エンリケの当選は無効になる可能性がある。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ)

6.外交

トランプ米大統領は19日、インタビューに応じた際、G7サミットの際にルーラ大統領と面会したことについて触れ、「ルーラについては少し知っており、最近、彼のスピーチを聞いたが、彼は非常に気まぐれな人物である。自分が彼のファンであるか否かということは関係ない。正直に言うと、彼については考えないことにしており、気にもしていない」と批判した。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

1.伯米関係

(1)トランプ米大統領は23日、Newsmaxの政治コラムニストであるジョン・ギジー氏が執筆した、「中南米では、政治再編が進行しており、親米派且つ保守派のリーダーが台頭している。コロンビアやペルーの大統領選でもその影響が見られた。中南米では既に8カ国においてトランプ派の右派政権が誕生しており、『米州の盾』構想に賛同している。残る課題は、ベネズエラ、キューバ、ニカラグアであり、伯(の大統領選)が大きな試練となるであろう。伯大統領選は、西半球で最も重要な選挙となろう」との寄稿文をTruth Socialに投稿した。これは、トランプが伯大統領選に干渉するとのメッセージであると受け止められている。尚、G7エビアン・サミットでは、ルーラ大統領がトランプに「伯の選挙に干渉すべきではない」と牽制したのに対し、トランプは、「(伯は)ちょっと困った国になったようだな? 政治的にだ。政治的に少し危険である」と批判した。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は23日、「米通商代表部(USTR)に対し、来月6日にワシントンで開かれる公聴会に出席して、伯に対する25%の追加関税について発言することを求めている。出席が認められれば、追加関税は、選挙でルーラ政権を有利にするが、伯の輸出業者、米国の輸入業者、米国の消費者、並びに伯の野党は損害を被るということを主張し、追加関税の撤回を求めることにしている。ルーラは、伯企業が倒産しても、米国から関税をかけられれば、選挙で勝つと信じているので、指一本動かすつもりはない」と批判した。翌24日、ローザ開発・商工・サービス相は、「伯政府は、毎週のように米国と関税に関する協議を重ねているが、関税の問題が政治利用されていることを懸念している。米国が伯の選挙に干渉することを歓迎しているブラジル人がいるが、それは国を裏切ることに等しい」と反論した。伯政府は、米国当局との直接的な交渉を優先させ、USTRの公聴会には出席しないことにしている。(24日及び25日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)フロリダ連邦裁判所は23日、RumbleとTrump Mediaがモラエス・STF判事を相手取って起こした訴訟に関し、原告側の主張する欠席裁判の実施を却下するとともに、伯の連邦総弁護庁(AGU)がモラエスの弁護を担当することを許可した。AGUは、「米国の裁判所が伯の裁判官が行った決定について司法判断を下すことは、伯の国家主権と裁判管轄権を侵害することになる」として、訴訟手続きの終了を主張している。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

2.マスター銀行の不正疑惑

(1)ジャッケス・ヴァギネル上院議員(PT-BA)は24日、ルーラ大統領と面会した後、政府上院院内総務を辞任した。ヴァギネルは、「ルーラとは、友人として話し合い、自分が院内総務を辞めることについては双方の合意の下に決定した。今後は、自分の無実を証明するために尽力するとともに、ルーラ大統領の再選をサポートする」と述べた。ヴァギネルについては、今月18日に「コンプライアンス・ゼロ作戦」の強制捜査により家宅捜索を受けたことで、PT党内から辞任を求める声が上がっていた。尚、ルーラ大統領は25日、後任の政府上院院内総務にテレーザ・レイタァン上院議員(PT-PE)を指名すると発表した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ及びヴァロール・エコノミコ電子版)

(2)映画「Dark Horse」の制作会社(Go Up Entertainment)の社長(カリナ・ガマ)が代表を務めるNGO「ICB(Instituto Conhecer Brasil)」は、サンパウロ市役所から1.08億レアルで公共Wi-Fiスポットの設置事業を請け負ったが、警察によると、ICBは、犯罪組織PCCの構成員が経営する会社に1200万レアルで下請けに出していたことが判明。カリナ・ガマの弁護士は、「下請け事業者とPCCの関係については把握していなかった。外注した会社自体は適正なので、何の問題もない」と主張している。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

3.世論調査

ダタフォーリャ社が今月17日から18日にかけて2004人を対象に実施した世論調査によると、米国が伯の犯罪組織(PCC及びComando Vermelho)をテロ組織に指定したことに賛成と答えたのは全体の59%に達した。結果は以下の通り:

・米国が伯の犯罪組織をテロ組織に指定したことをどう思うか:「全面的に賛成」45%、「やや賛成」14%、「全面的に反対」22%、「やや反対」11%、「どちらでもない」1%、「分からない」7%。

・米国が伯の犯罪組織をテロ組織に指定した意図についてはどう思うか:「米国は、伯国民を助けるために犯罪組織を叩こうとしている」50%、「米国は、この問題を利用して伯を支配しようとしている」47%。フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の支持者の内、77%の答えが前者であるのに対し、ルーラの支持者の場合、63%が後者である。

・「米国には、伯政府に通告することなく、伯国内の犯罪組織を攻撃する権利はない」は74%で、国民の大半は、伯の国家主権を重視していることが判明。

・「米国が伯の犯罪組織をテロ組織に指定したのは、フラヴィオ・ボルソナーロの影響によるものか」との問いに対しては、「フラヴィオの影響によるものである」は54%、「フラヴィオの影響はなかった」は30%、「分からない」は16%であった。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

4.2026年選挙

(1)ボウロス大統領府官房長官(PSol)、リンジベルギ・ファリアス下院議員(PT)、ロジェーリオ・コヘイア下院議員(PT)及びグレイシ・ホフマン下院議員(PT)が「フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は、犯罪組織と繋がっている」とSNSに投稿したところ、フラヴィオは、選挙高等裁判所(TSE)に対し、「事実無根の偽情報である」と訴えた。TSEは23日、「フラヴィオは、連邦警察の強制捜査『Unha e Carne作戦(リオデジャネイロ州の政治家と犯罪組織の癒着に関する捜査)』の対象にはなっておらず、偽情報である」として、投稿の削除を命じた(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ルーラ大統領は24日、レニーニャ・PTミナスジェライス州支部長と会談し、同州知事選に関してはPTが独自候補を擁立することを決めた。ルーラは当初、ロドリゴ・パシェコ上院議員(PSD-MG)を知事候補として擁立するつもりであったが、パシェコが出馬を断念したため、方針の変更を余儀なくされていた。PTの知事候補としては、マリーリア・カンポス元コンタージェン市長が有力視されているが、本人は知事ではなく、上院議員に立候補することを希望している。また、ルーラは、アダッジ前財務相(PT)及びマルシオ・フランサ元起業相(PSB。元サンパウロ州知事)とサンパウロ州知事選について話し合った。PTは、フランサをアダッジの副知事候補にすることを主張しているが、PSBは、フランサを知事候補として出馬させ、出馬を断念したキン・カタギリ(Missão)とパウロ・セーハ(PSDB)の票の受け皿にしようとしている。アダッジは25日、その副知事候補にはフランサを指名し、シモーネ・テベチ前企画予算相(PSB)とマリナ・シルヴァ前環境相(Rede)を上院議員候補として擁立することを発表した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ及びヴァロール・エコノミコ電子版)

(3)ミシェーレ前大統領夫人(PL)は24日、約30分間に亘ってフラヴィオ・ボルソナーロ(PL)を痛烈に批判する動画をSNSに投稿し、家庭内の不和が改めて表面化した。同夫人は、「昨年末、PLがセアラ州知事選ではPSDBのシロ・ゴメスを支持する件に関して、フラヴィオと意見が衝突した。シロ・ゴメスは、以前から夫ボルソナーロのことを『ジェノサイダー』等と批判しており、また、ボルソナーロ一家のことを泥棒だの、腐敗しているだの、ナチスの蛇の巣窟などと批判した。自分がシロ・ゴメスを支持することは絶対にない。自分にも(政治に関して)意見を言う権利がある。それなのに、フラヴィオからは、政治のことは何も分かっていない、党の方針に口を出すな、と言われた。この屈辱的な扱いに対し、フラヴィオは自分の支持は欲していないのだと理解した」と批判した。これに対し、フラヴィオは、「自分は、父から大統領候補に指名されたのであり、我々と共に歩むことを望む全ての人を心から受け入れる」と述べた。更に、フラヴィオは、「ミシェーレを侮辱するつもりはなかった。もしも、侮辱されたと感じていたのなら、謝罪する」と付け加えた。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ及びヴァロール・エコノミコ電子版)

(4)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は来週、ブエノスアイレスを訪問し、ミレイ・アルゼンチン大統領が主宰する保守派のイベントに参加する予定で、その際に同大統領と個別に面会することを望んでいる。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

5.司法

(1)ボルソナーロ前大統領は23日、連邦直轄区(DF)文民警察の事情聴取に対し、「自分の警護官が警察の検問で押収されたピストルは、確かに自分が所有している物である。不具合が生じたので、警護官に修理を依頼しただけである」と供述した。尚、ボルソナーロは、自宅軟禁中の身でありながら銃を手にしたことについては、「自宅には今、自分以外は3人の女性しかいない。自衛のため、銃を手元に置いておく必要があった」と説明している。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)連邦警察は23日、ディジマイス銀行に対する強制捜査「Miragem(蜃気楼)作戦」を発動し、6.7億レアル相当の資産を差し押さえた他、証拠書類等を押収した。同銀行は、不正取引、粉飾決算等を行っていたとされており、「第2のマスター銀行」と称されている。実際、同銀行は、マスター銀行とも取引を行っており、また、昨年1月には、マスター銀行が同銀行の買収を試みている。ディジマイス銀行は、福音派「神の王国ユニバーサル教会」の指導者であるエディール・マセド司教によって実質的に支配されている。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)国家司法審議会(CNJ)は23日、「デジタル児童保護法」が本年3月に施行されたのを受け、未成年者のインフルエンサーが職業的に活動する場合、事前に裁判所の許可を得ることを義務付けた。申請者は保護者または正当な理由を持つ者で、裁判所は、個別に審査を行う。性的なコンテンツ、未成年者の尊厳や基本的人権に反する投稿は禁止されている。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)ボルソナーロ前大統領の弁護団は、ボルソナーロの軍籍抹消に関する訴訟の報告官に軍事高等裁判所(STM)のジョゼーリ・カメーロ判事(空軍大将)が指名されたことを不服とし、その交代を求めた。弁護団は、「カメーロ判事は、クーデター未遂の裁判に関してボルソナーロに不利な発言を行っており、忌避事由に当たる」と主張。これに対し、STMは24日、「同判事の発言は、一般的なものであり、ボルソナーロ前大統領に関して直接言及したものではなかった」として、全会一致により、不服申立を却下した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

1.伯米関係

フラヴィオ・ボルソナーロ上院議員(PL-RJ)は、今月初めにルビオ米国務長官に書簡を送り、伯に対して25%の追加関税をかけないよう、求めた。これに対し、ルビオ長官がフラヴィオに返書を送っていたことが判明。それによると、ルビオ長官は、フラヴィオのワシントン訪問に謝意を表明すると共に、「伯の不公正慣行に関する調査の結果、この問題の解決に関して本質的な意見の相違が存在することが明らかになった」として、追加関税については継続する方針であることを伝えた。尚、フラヴィオが「自分が大統領に当選した暁には、政権移行チームが米国の要望に応える」と伝えたことに対し、ルビオは、「寛大な配慮に感謝する。米国は、フラヴィオの楽観的な見通しを注視している。米国は、伯国民の選んだリーダーと協力を続ける用意がある」と答えた。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

2.マスター銀行の不正疑惑

(1)メンドンサ・STF判事は25日、ダニエル・ヴォルカロ元頭取の自宅軟禁に関する申立を却下するとともに、ヴォルカロの身柄を連邦警察の留置施設からPapudinha刑務所に移送することを決定した。これにより、ヴォルカロの司法取引が認められる可能性は遠のいたと見られている。また、連邦検察庁は、コスタ前ブラジリア銀行総裁の司法取引に関する提案を拒否した。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ジャッケス・ヴァギネル上院議員(PT-BA)は、フォーリャ・デ・サンパウロ紙の取材に対し、「連邦警察は、押収したドルの札束の写真を公開する等、捜査を見世物にしている。連邦警察長官は、もっと部下を管理すべきである」等と連邦警察がヴァギネルに対して行った強制捜査を批判した。また、ヴァギネルは、マスター銀行の共同経営者(アウグスト・リマ)と関係があったことを認めたが、「州知事や市長が企業家と面識がないなどということはあり得ない。ショーに招待されたり、偶々、企業家のプライベートジェット機に同乗させてもらったからといって、不正を働いたことにはならない。息子の嫁が経営する会社がマスター銀行から受け取った350万レアルは合法的な金である。フラヴィオ・ボルソナーロは、ダニエル・ヴォルカロ元頭取に対して(映画の制作費として)1.4億レアルを要求していたが、自分は一銭も要求していない」と弁明した。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)リンジベルギ・ファリアス下院議員(PT-RJ)が、映画「Dark Horse」の制作費としてダニエル・ヴォルカロ元頭取から提供された6100万レアルがエドゥアルド・ボルソナーロの弁護士が運営するファンドに送金された件に関し、フラヴィオ・ボルソナーロとエドゥアルドの兄弟を捜査対象とすることを連邦最高裁判所(STF)に申し入れたところ、ファキン・STF長官は、本件をメンドンサ判事の担当とすることを決定した。ファリアス議員は、これを不服とし、モラエス判事の担当とするよう、求めた。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)

3.ルーラ政権

(1)連邦政府は29日、非正規労働者を対象にした、無滞納債務者優遇プログラム「Desenrola Adimplentes」、FGTS(勤続年数保証基金)の積立金を担保とする貸付制度「Consignado Privado」、並びに教育ローンの債務者を対象とした起業支援プログラム「FIES Empreendedor」を発表した。「Desenrola Adimplentes」は、少なくとも4回のローンを遅滞なく支払った債務者に対して金利の引き下げ(月1.99%)や債務残高の最高50%に相当する新規貸付を認めるというものであり、20万人~50万人の利用者が見込まれている。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ルーラ大統領は29日、モッタ下院議長に対し、零細個人事業主(MEI)の対象となる年間の売り上げを現在の8.1万レアルから2028年までに段階的に14万レアルに引き上げるとの法案を提出した。零細企業の団体は、「MEIの対象基準は物価の上昇を反映しておらず、毎年、多くの事業主が対象から外されている」として、その引き上げを要求している。MEIと認められれば、納税手続き簡略化プログラム(Simples Nacional)の適用等の特典がある。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)

4.2026年選挙

(1)ミシェーレ前大統領夫人(PL)が「フラヴィオ・ボルソナーロから屈辱的な扱いを受けた。背後から刺されたも同然」と痛烈に批判する動画をSNSに投稿した件が物議を醸しており、保守派の意見を二分しているだけでなく、フラヴィオの人気に影を落としている。フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は25日、「ミシェーレに屈辱を与えたとの事実はない。ミシェーレを侮辱したことはないし、するつもりもなかった。ミシェーレに限らず、女性を悪く扱ったことは一度もない。ましてや、父の奥さんにそのようなことをするはずはない。気に障ることを言ったのなら、謝罪する」との動画を投稿。ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首も「ミシェーレは、表現の自由を行使しただけである」と述べ、火消しに努めた。ミシェーレ自身、「重要なのは、ルーラ政権の打倒である。ボルソナーロ派の間に喧嘩や競争は存在しない」とSNSに投稿した。尚、ミシェーレの批判により、フラヴィオが女性と福音派の票を失うことが懸念されていることから、フラヴィオの陣営では、女性を副大統領候補に指名することが検討されている。フラヴィオの副大統領候補として有力視されているのは、ジュリア・ザナッタ下院議員(PL-SC)、ビア・キシス下院議員(PL-DF)、ダニエラ・マルケス元連邦貯蓄銀行(CEF)総裁等である。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)Palver社がワッツアップとテレグラムの10万以上のグループを対象に実施した調査によると、ミシェーレ前大統領夫人のフラヴィオ・ボルソナーロ批判動画に関し、フラヴィオに否定的な書き込みが全体の67%であったのに対し、フラヴィオを擁護しているのは33%に留まっている。また、ユーザーの関心がジャッケス・ヴァギネル上院議員(PT-BA)とマスター銀行の関係からミシェーレの批判動画に移ったことも観測されている。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)連邦警察は26日、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)が本年1月にマドゥロ前ベネズエラ大統領の拘束に関して「次はルーラがデリートされる番である。麻薬と武器密輸、資金洗浄、テロリストと独裁に対する支援、不正選挙のサンパウロ・フォーラムの終焉である」とXに投稿した件に関し、「フラヴィオが誣告罪を犯したのは明らかである」との捜査報告書をモラエス・STF判事に提出した。これに対し、フラヴィオは、「検閲であり、表現の自由の侵害である」と反発。モラエス判事は29日、連邦検察庁に対し、フラヴィオの起訴又は不起訴について15日以内に決めるよう、求めた。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び30日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)ヴァルデマール・コスタ・ネット・PL党首は、ミシェーレ前大統領夫人のフラヴィオ批判動画を受け、25日に米国から急遽帰国し、火消しに奔走している。週末は、フラヴィオと共にヴィルデル・モライス上院議員(PL-GO)のゴイアス州知事選出馬表明式に出席し、「フラヴィオを大統領候補に選んだのはボルソナーロ前大統領である。ボルソナーロは常に最良の選択をする。フラヴィオを選んだのは、彼が伯にとって最良だからである。我々は、些末なことには捉われず、一致団結しなければならない」と強調した。同党首は、近日中にミシェーレと会談する予定。尚、フラヴィオは、モライスの副知事候補にレゼンデ元ゴイアス州知事の娘(アナ・パウラ・レゼンデ)が選ばれたことを称賛し、「自分も彼女のような優秀な(女性の)副大統領候補を得られるよう、神にお願いしている」と述べた。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は29日、ブエノスアイレスにおいて、ミレイ・アルゼンチン大統領と約1時間に亘って会談し、「中南米に波及している『青い波(右傾化の波)』が年内に伯に到達することを確信している」と述べた。ミレイは、会談後、「青い波が伯に到達しようとしている」とSNSに投稿した。フラヴィオは、ミレイとの会談の前に「Latin America Chairmen’s Conference(実業家、政治家、ユダヤ人社会の代表による会議)」に出席し、「我々ブラジル人は、近隣諸国を羨ましく思っている。これらの国が自由と秩序を選択した一方で、伯は過去に捕らわれている。我々は、この(南米の)地図に欠けているピースであるが、10月にはそれが変わる。10月に伯はその波に乗る。次は伯の番である」と述べ、拍手喝采を浴びた。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(6)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)は29日、ライブ配信を行い、「自分は、伯の家庭の7割以上を支えている女性が暴力等に遭っている問題に心を痛めている。職業訓練と雇用創出を図るための政策を実施することで、女性の経済的な自立をサポートすることが必要」と述べた。これは、ミシェーレ前大統領夫人の批判動画を意識したものと見られている。その一方で、フラヴィオやエドゥアルドの盟友で、ボルソナーロ派のインフルエンサーであるパウロ・フィゲイレドは、「女性、特に独身女性の投票傾向は最悪である。既婚女性は、夫の投票傾向に倣うので、まだましであるが。尚、ミシェーレはフェミニストに過ぎない」と批判。尚、ミシェーレ夫人は29日、ボルソナーロ兄弟の内、カルロス、エドゥアルド及びレナンのアカウントをフォローすることを止めた。フラヴィオのアカウントだけは、引き続きフォローしている。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(7)ルーラ政権が本年上半期に支出した政府広報費は、5.2億レアルであるが、これは、ボルソナーロ政権が4年前の上半期に支出した2.135億レアルの2倍以上に相当する。尚、選挙法は、緊急事態を除いて、選挙の3ヶ月前から政府の広報活動を禁じているため、政府広報ができるのは7月4日までである。(30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(8)BTG/Nexus社が今月26日から28日にかけて2009人を対象に実施した電話調査によると、大統領選の情勢は以下の通り:

・第1回投票:ルーラ(PT)42%、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)34%、カイアド前ゴイアス州知事(PSD)5%、レナン・サントス(Missão)4%、ゼマ前ミナスジェライス州知事(Novo)3%、ジョアキン・バルボーザ(DC)1%、アウグスト・クリー(Avante)1%、アエシオ・ネーヴェス(PSDB)1%、カボ・ダシオロ(Mobiliza)1%、白票/無効票5%、分からない3%。

・決選投票:ルーラ(PT)47%(前回(2週間前)比2ポイント減)対フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)44%(1ポイント増)、白票/無効票8%(±0)分からない1%(±0)。ルーラとフラヴィオの差は、前回の6ポイントから3ポイントに縮んだ。±3ポイントの誤差を考慮すると、両者は拮抗している。

・拒否率:アエシオ・ネーヴェス(PSDB)60%、フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)51%、ルーラ(PT)49%、ゼマ(Novo)39%、カイアド(PSD)38%、レナン・サントス(Missão)34%。(30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(9)フラヴィオ・ボルソナーロ(PL)の治安対策「恐れのないブラジル(犯罪組織のテロ組織指定、刑事責任年齢の引き下げ、エルサルバドルに倣った巨大刑務所の建設、刑の累進制度の厳格化等)」に関し、セアラ連邦大学やフルミネンセ連邦大学の専門家は、「具体性に欠け、伯の法制度や司法制度を無視したものであり、これを実行に移すことは極めて困難。治安悪化の根本的な原因については考慮しておらず、厳罰化すれば治安は良くなるとの素人考えに基づいたポピュリスト的政策」と一刀両断している。(30日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(10)カイアド前ゴイアス州知事(PSD)は29日、カサビ・PSD党首を副大統領候補に指名すると表明。正式な発表は、7月1日に行われる予定。(30日付ヴァロール・エコノミコ電子版)

5.司法

モラエス・STF判事は、ボルソナーロ前大統領の自宅軟禁の延長について決定する前にボルソナーロが銃の修理を警護官に依頼した件に関して連邦検察庁の意見を聞くことにした。連邦検察庁は25日、「警察による調査の結果を見極めた上で、違反行為の有無について判断したい」と発表した。ボルソナーロの弁護団は27日、モラエス判事に対し、「自宅軟禁中に銃を所持していたことは重大な違反にはならない」として、自宅軟禁の継続を求めた。また、弁護団は、ボルソナーロの血圧はやや高い状態が続いているとして、刑務所には戻るべきではないと主張している。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ及び28日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

6.外交

(1)ルーラ大統領は、ベネズエラのロドリゲス暫定大統領と電話会談を行い、24日の地震の被害状況等について話し合った。その後、ルーラは、同国に対する支援を発表した。これを受け、26日、レスキュー隊員36名を乗せた伯空軍機の第1便がベネズエラに派遣された。翌27日には、野外病院、手術用器具、医薬品等の医療物資、浄水器100台の支援物資を積んだ第2便が派遣された。ルーラ大統領は29日、ムシオ国防相をベネズエラに派遣し、新たな支援について同国政府と協議を行うことを決定。ムシオ国防相は30日、現地に到着する予定。伯政府は29日までに空軍の輸送機を4回派遣し、救援隊や医療物資を運ぶと共に、被災したブラジル人13名を帰国させた。(26日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び30日付コレイオ・ブラジリエンセ))

(2)ルーラが大統領に当選した2022年には、アルゼンチン、ボリビア、チリ、ガイアナ、ペルー、ベネズエラ及びコロンビアの7ヶ国が左派政権であったが、コロンビアとペルーで右派の大統領候補が勝利したことにより、ルーラが再選を果たしたとしても、今度は近隣諸国の7ヶ国が右派政権で、伯が南米で孤立することになる。伯政府は、右派政権の国とも経済関係を深めることによって孤立化を防ごうとしているが、メルコスールやラ米・カリブ諸国共同体(Celac)の足並みが揃わなくなることで、中南米の統合が遅れることが予想されている。尚、カスト・チリ大統領は、右派でありながら、ルーラとの対話を望んでおり、今月30日のメルコスール首脳会議と並行してルーラとバイ会談を行うことにしている。(29日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)ルーラ大統領は本日(30日)、アスンシオンで開かれるメルコスール首脳会合に出席した際、伯がメルコスール構造収束基金(Focem)に今後10年間で1億米ドルを出資すると発表する予定。現在、各国の出資率は、伯70%、アルゼンチン27%、ウルグアイ2%、パラグアイ1%であるが、伯はこれを伯57.1%、アルゼンチン21.4%、ウルグアイ8.3%、パラグアイ6.9%、ボリビア6.2%とすることを提案している。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

 
 
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