カーニバルの音は、どのように作られてきたのか――制度と音楽の関係から考える
- 4月17日
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加藤 勲 氏
フェリス女学院大学 音楽学部 非常勤講師
沖縄県立芸術大学 芸術文化研究所 共同研究員

ブラジルのカーニバルで響くサンバの音楽は、単なる「自由な祝祭の音」として語られることが少なくありません。しかし、その音楽は実際には、制度や規定と密接な関係をもちながら形成されてきたものでもあります。
このたび、上智大学学術情報リポジトリで公開された拙論文では、リオおよびサンパウロのエスコーラ・ジ・サンバを対象とし、カーニバルの審査要領という制度文書の変遷と、打楽器を中心とする音楽構造の関係を分析しました。
20世紀以降、カーニバルは都市行政や観光政策と結びつきながら制度化されていきます。その過程で整備された審査要領は、単に評価基準を示すだけでなく、リズムの構造、楽器編成、さらには演奏の展開方法にまで影響を及ぼしてきました。すなわち、カーニバルの音楽は、制度の枠組みのなかで形づくられてきた音楽であるとも言えます。
本論文では、こうした制度と音楽実践の相互作用に着目し、エスコーラの打楽器合奏に見られるリズムの同期性や構造的特徴が、どのような制度的条件のもとで維持され、また変化してきたのかを明らかにしています。
華やかなパレードの背後には、長い歴史のなかで形成されてきた制度と、それに応答してきた音楽実践の蓄積があります。本稿が、ブラジルの音楽文化を新たな角度から考える一助となれば幸いです。
論文全文は以下よりご覧いただけます。
[論文掲載のリポジトリはこちら]https://sophia.repo.nii.ac.jp/records/2026811



